一人暮らしの生活費のうち、一般的には家賃が大半を占めています。新しく一人暮らしを始めることを検討している人も、現在の住まいを見直したい人も、できるだけ「コスパの良い」物件を選びたいことでしょう。
本記事では、一人暮らしの家賃の統計情報と収入から考える理想額を解説し、一人暮らしの家賃を抑えるポイントを、世代別に紹介します。この記事をもとに、家賃の目安や節約方法などを理解し、物件選びの参考にしてください。
一人暮らしの家賃の目安
家賃の目安を定めるにあたり、まずは統計上の平均額を紹介します。次に、収入から考える一般的な理想額について解説していきます。なお、勤め先から住宅補助が出る場合などは、適宜金額を調整して読み進めてください。
統計上の平均額
総務省の調査結果によれば、2021年の単身世帯における、民営借家の家賃平均額は月50,854円でした。公営住宅や寮に住む場合は除外されていますので、一般の物件を借りて住む、一人暮らしの家賃の全国平均は、調査結果に基づく約5万円と考えてよいでしょう。
収入から考える理想額
家賃の全国平均は約5万円ですが、各人の理想額は、社会人と学生であったり、社会人でも収入の程度によって異なります。一般的には、「手取り月収の3割」が家賃の理想額といわれています。
しかし、コロナ禍や国際情勢に不安のある近年においては、収入減や物価高に対応できるよう、現在の手取り目安にこだわらず、できるだけ家賃を抑えるのが良いでしょう。
余裕を持たせた手取り月収の25%を一例としますが、収入の低いうちは選べる物件の幅に大きな影響が出てしまうため、食費や通信費など、別の費目も含めたトータルで金額を調整する方法も考えられます。
手取り別シミュレーション
手取り別家賃目安の額を、シミュレーションしてみます。基準とする収入については、月収と年収のうち、自分の賞与額や残業代などを考慮し、安定して得られる金額を用いてください。
手取り月収 | 15万円 | 20万円 | 25万円 | 30万円 |
---|---|---|---|---|
30%の場合 | 4.5万円 | 6.0万円 | 7.5万円 | 9.0万円 |
25%の場合 | 3.7万円 | 5.0万円 | 6.2万円 | 7.5万円 |
家賃の決定要素
ここでは、家賃の決定要素について解説します。近隣の物件は同じような金額となり、一定の相場を示すことになりますが、妥協できる条件があれば、より家賃を抑えることが可能です。
実際に物件を内覧する際には、気持ちが高ぶって見落としがちな点もありますので、自分がどういった条件を重視するのかは、事前にメモで整理しておくのが良いでしょう。
物件の所在エリア
個々の物件を考慮する以前に、所在エリアでおおよその家賃相場を把握することができます。一般的に東京23区などの都心部に向かうにつれて相場は高くなります。
賃貸サイトの多くは、指定した駅周辺の家賃相場を算出する機能があるため、自分が住もうとしている都道府県や地方の家賃相場を調べることができます。
なお、土地勘のないエリアで物件を探す場合には、どのような世帯が多いのか、仲介業者などに確認しておくのが良いでしょう。例えば、静かに眠れる環境を重視したい人であれば、家賃相場が安かったとしても、学生の多いエリアは避けたほうが無難です。
物件の築年数
築年数の経過した物件ほど、家賃は安くなる傾向があります。居室のフローリングや畳は、数年おきに張り替えられますが、建物の設備や外観は築年数による影響が大きいです。
ただし、近年では、リノベーション物件が浸透したことにより、表記上の築年数にかかわらず、綺麗な物件も増えてきています。内覧の際には、居室以外の共用部などもリノベーションされているのか、よく確認しておくことが望ましいです。
物件の間取り
間取りや広さも、家賃に影響します。従来は広いことが良い物件とされてきましたが、近年では単身世帯向けの狭小物件が静かなブームになるなど、人気のある間取りは、時代によって変化していきます。
物件情報誌やインターネットだけで調べてしまうと、生活の動線が入居後に気になってしまうようなことも考えられます。内覧の際には、睡眠や活動の動線を仮定して、実際に動きやすいのかシミュレーションしてみると良いでしょう。
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一人暮らしの家賃を抑えるポイント
家賃の決定要素を考慮に入れて、妥協できる条件を見極めることができれば、節約につなげることができます。また、学生向け物件などには一定の傾向があるため、ここでは世代別に家賃を抑えるポイントを紹介します。
一人暮らし向けの節約術については、以下の記事もご覧ください。
【学生向け】入試シーズンが終わったらすぐ物件選びを始めよう
進学をきっかけに1人暮らしを始める場合は、受験などが終わったらすぐに物件選びを始めるのが良いでしょう。条件の良い人気物件から先に埋まってしまうため、できるだけ物件選びを早く始めることが重要です。
「物件選びが遅くなって、学校から遠い物件しか残っていなかった」などは、新入生からよく出る不満です。引っ越すエリアが事前にわかっていれば、学校見学や資料請求に合わせて近隣の賃貸状況について、調べておくことをおすすめします。
【新社会人向け】無理のない範囲で相場の安いエリアを選ぶ
新社会人や、若手社員のうちは、通勤に無理のない範囲で相場の安いエリアを選ぶことが無難でしょう。ただし、近隣の雰囲気が自分に合わないこともあるため、物件周辺や最寄り駅、沿線がどのような雰囲気かは、あらかじめ仲介業者などに聞いておくことをお勧めします。
なお、勤め先からの住宅補助が出る場合でも、会社までの距離などに条件がついていることもあります。物件選びの前に規則を確認しておくと良いでしょう。
新社会人向けの貯蓄法については、以下の記事もご覧ください。
【一般向け】生活費全体を想定しつつ必要な間取りを選ぶ
ある程度家賃が自由に選べる一般層においても、無理な物件選びは禁物です。「収入額から考える理想額」の項で述べたとおり、とくに近年では収入減や物価高により、生活費全体を見直さなければならなくなるリスクの高い時代です。
過度な節約をする必要はありませんが、収支のバランスを考慮しつつ必要な間取りを選ぶのが望ましいです。また、家賃額が上がるにつれ、必要な敷金や礼金も増える傾向にあるため、引っ越しに必要な費用もきちんと確認しましょう。
まとめ:一人暮らしの家賃目安は手取りの3割以下。ポイントを押さえて節約しよう!
一人暮らしの家賃の全国平均は約5万円ですが、平均額にとらわれすぎず自分の収入に見合った物件を選ぶことが重要です。世代別の家賃節約のポイントを押さえれば、上手に物件を選べるようになります。
不確実性の高い現在だからこそ、できるだけ貯蓄もできるように家賃を決めると、不測の事態にも対処しやすくなります。
さらに、家賃を生活費の一部として意識づけることにより、生活費全体に対する節約意識も高まるでしょう。