- 「コープ共済の癌保険って安いけど、保障は十分なのかな?」
 - 「口コミでは評判が良いけど、デメリットもあるのでは?」
 - 「終身じゃないって聞いたけど、実際どう違うの?」
 
このように考えている方もいるでしょう。
結論から言うと、コープ共済のがん保険は掛け金が安く加入しやすい反面、保障内容が限定的な商品です。以下のような点で注意が必要です。
| 主なデメリット | 内容の要点 | 
|---|---|
| 死亡保障とのセット加入が必須 | がん単独では契約できない | 
| 保障期間が10年のみ | 更新ごとに保険料が上がる可能性あり | 
| 先進医療・抗がん剤治療の保障なし | 最新医療費は自己負担になる | 
| 給付金の支払い条件が厳しい | 通院・退院条件に制限がある | 
| 保障額が小さい | 他社と比べるとカバー範囲が狭い | 
本記事では、コープ共済がん保険のデメリットの実態を口コミや評判をもとにわかりやすく整理します。さらに、「それでもコープ共済を選ぶ人の理由」や「他社がん保険との違い」も専門家の視点で解説します。
この記事を読めば、コープ共済がん保険が自分に向いているかどうかを判断できるようになります。
コープ共済がん保険の7つのデメリット

コープ共済のがん保障は「がん保険」という独立した商品ではなく、生命共済(あいぷらす・たすけあい)に付ける特約として扱われます。そのため、一般的ながん保険と仕組みが異なり、契約時や更新時に注意すべき点がいくつもあります。
ここでは、コープ共済がん保険への加入前に押さえておくべき7つのデメリットを整理します。保障内容がシンプルで魅力的に見えても、見落とすと後悔するポイントがあるため、比較検討中の方はぜひチェックしてください。
死亡保障の加入が必須で単独契約できない
コープ共済のがん保障は、生命共済(あいぷらす・たすけあい)に付ける特約という扱いです。そのため、がんだけを保障してほしい人でも、ベースとなる死亡保障付きの生命共済への加入が前提になります。
つまり、「がんだけに備えたい」「死亡保障はすでに他社で入っている」という方にとっては、次のような不便が生じます。
- 死亡保障が重複し、保険料を無駄に払い続けることになる
 - がん部分だけを見直すことができず、契約全体を変更しなければならない
 
すでに生命保険に加入していて、がん部分だけ追加したい方には使い勝手が悪いです。がん保障を単独で備えたい場合は、アフラックやチューリッヒなどの終身型がん保険のほうが柔軟で合理的といえます。
「がんだけをしっかり備えたい」という方は、特約型ではなく独立型のがん保険を検討するとよいでしょう。
保障期間が10年のみで終身保障ではない
コープ共済のがん特約は、10年(または15年)ごとに更新される定期型です。つまり、保障が一生続く終身タイプではありません。更新のたびに、掛け金が年齢に応じて上がります。
また、更新時に健康状態の告知が必要なため、病歴や治療歴によっては再加入できないリスクもあります。
がんは年齢とともに罹患率が高くなるため、本来は高齢期ほど保障を維持したいところです。しかし、更新型の場合、「一番必要な時期に保障を受けられなくなる」という矛盾が生じやすい点が問題です。
長く安心して備えたい方は、初めから一生涯続く終身型がん保険を検討したほうが結果的にコストを抑えられます。定期更新よりも安定した支出で、老後まで安心を確保できるでしょう。
通院・退院共済金の支給条件が厳格
コープ共済のがん特約では、通院や退院に関する給付条件が厳しく設定されています。給付の仕組みを理解せずに加入すると、「思っていたより受け取れない」という事態になりかねません。
主な支給条件は以下のとおりです。
| 支給条件 | 5日以上連続したがん治療を目的とした入院の退院後の通院のみが対象 | 
|---|---|
| 支給上限 | 退院日から180日以内の通院に限定され、1回の入院につき30日分まで | 
このように、入院を伴わない通院治療(外来化学療法など)は対象外となります。さらに、近年主流となっている「入院せず通院で治療を続けるスタイル」には対応しにくいのがデメリットです。
短期入院・日帰り手術が増えている現代医療の流れを踏まえると、やや古い仕組みといえるでしょう。通院治療が中心の方や、がん治療後も通院が続く方には不向きです。
がん治療共済金は2年に1回しか受け取れない
コープ共済のがん治療共済金は、2回目以降の給付には「前回の支給から2年以上経過」「入院を伴う治療」という2つの条件があります。条件を満たさない場合、再発や別の部位で新たにがんが見つかっても給付されません。
近年のがん治療は入院期間が短く、外来で抗がん剤や放射線治療を受ける人が増えています。
再発リスクに対して長期的な安心を求める方は、共済よりも終身型が現実的です。
先進医療・抗がん剤治療への保障がない
コープ共済のがん特約では、先進医療や抗がん剤治療への保障が含まれていません。陽子線治療や重粒子線治療といった先進医療は1回あたり300万円を超えることもありますが、共済ではその自己負担を補う保障がないのです。
一方、民間のがん保険では以下のようなサポートが一般的です。
| 保険内容 | 対応内容 | 
|---|---|
| 先進医療特約 | 自己負担分(数百万円単位)を全額保障 | 
| 抗がん剤治療給付金 | 通院でも1回あたり5万円〜10万円支給 | 
| 通院特約 | 治療内容にかかわらず通院1日ごとに給付 | 
コープ共済は掛け金が安く入りやすい一方、医療技術の進歩に追いつく柔軟性がないのが実情です。「先進医療もカバーしておきたい」「外来治療が中心になるかもしれない」という方には物足りない内容といえるでしょう。
クレジットカード払いができない
コープ共済の掛け金支払い方法は、口座振替(銀行引き落とし)のみです。クレジットカード払いや電子マネーには対応していません。
そのため、キャッシュレス派の方には次のような不便が生じます。
- クレジットカードのポイント還元が受けられない
 - 支払日を自由にコントロールできない
 - 残高不足で引き落としが失敗すると契約が失効するおそれがある
 
たとえば、他の固定費(光熱費や通信費など)をカード払いにまとめて管理している方にとっては、共済だけ別管理になる煩わしさがあります。また、銀行口座残高の管理を怠ると、知らないうちに支払いが滞ってしまうリスクもあります。
保障額が小さく自由度が低い
コープ共済のがん特約は、保障金額が固定されており、設計の自由度が低いのが特徴です。たとえば、がん治療共済金は「100万円」または「200万円」(60歳以上は50万円)のみから選択可能で、細かく調整することはできません。
また、入院・手術・退院などの給付額もコースごとに一律で決められており、個人のニーズに合わせて増減できません。
設定の自由度が限られているため、次のような課題が生じます。
- 高額治療費に備えた上乗せ保障ができない
 - 家族構成や生活水準に合わせて調整できない
 
子どもの教育費を抱える40代と、リタイア後の60代では必要な保障額が異なります。しかし、コープ共済ではこうしたライフステージの違いに柔軟に対応できません。安くて分かりやすい反面、保障を細かく設計したい人には物足りない場合があるでしょう。
参考:コープ共済「がんの特約に関する共済金」

コープ共済がん保険の仕組み

コープ共済のがん保障は、民間保険会社のような独立型のがん保険ではなく、生命共済に特約として追加する方式です。つまり、がん保険単体で契約するのではなく、死亡や入院などの基本保障にがんに関する保障を上乗せする形になります。
ここでは、コープ共済のがん保障がどのような仕組みで成り立っているのかを整理します。
がん保障は「特約型」
コープ共済のがん保障は、基本の生命共済に特約として追加する設計です。
まず死亡や入院などをカバーする「あいぷらす」や「たすけあい」に加入し、そこへ「新がん特約」などを付け加えることで、がん治療に関する保障が組み込まれます。
そのため、「がんだけに備えたい」という方にとってはやや扱いづらい設計といえますが、生活保障と一体で備えられる点は共済らしい特徴です。
主な対象商品は「あいぷらす」と「たすけあい」
コープ共済でがん特約を付けられる主な商品は、「あいぷらす」と「たすけあい」の2種類です。
年齢や家族構成によって選ぶ商品が異なります。
| 種類 | 対象 | 特徴 | 
|---|---|---|
| あいぷらす | 主に18〜64歳の成人 | 死亡保障が中心。がん特約を付けると診断給付金・入院・退院共済金が加わる | 
| たすけあい | 子ども・主婦・高齢者など幅広く | 入院や通院など日常生活保障が中心。がん特約を追加できるが内容は簡易型 | 
どちらを選んでも、がん特約を付けることで「がん診断時」「入院時」「退院時」に共済金が支払われます。
共済金(給付金)の種類と支払い条件
がん特約を付けると、主に次の4種類の共済金が支給対象となります。支給条件や回数に違いがあるため、加入前に必ず確認しておきましょう。
| 共済金の種類 | 支給条件 | 支払回数・制限 | 
|---|---|---|
| がん治療共済金 | がん(悪性新生物)と診断されたとき | 初回支給後、2年以上経過かつ入院を伴う場合に再支給可 | 
| がん入院共済金 | がん治療のため入院したとき | 入院日数に応じて支給(上限あり) | 
| がん退院共済金 | 20日以上の連続入院後に退院したとき | 1回の入院につき1回支給 | 
| がん通院共済金 | 5日以上入院し退院後180日以内に通院したとき | 最大30日分まで支給 | 
対象となるがんは、悪性新生物(上皮内がんを含む)です。ただし、上皮内がんの場合は支払額が減額されるなど、細かい条件は各地域の生協によって異なります。
給付内容を把握せずに契約すると、いざという時に「思っていたより少ない」と感じることもあるため注意が必要です。
保障期間と更新の仕組み
コープ共済の生命共済および特約は、10年(70歳のみ15年)ごとの定期更新型です。契約期間が終わると自動で更新されますが、掛け金は年齢に応じて上昇します。
また、更新時に健康状態が大きく変わっていると、新しい特約を追加できなかったり、保障内容が制限される場合があります。
割戻金制度と掛け金の考え方
コープ共済は民間の保険会社とは異なり、組合員同士の助け合いを基本とした共済制度で運営されています。そのため、運営実績に応じて割戻金(掛け金の一部返還)が発生することがあります。
割戻金は、1年の支払い実績や支出額に応じて決まります。実際にどの程度戻るかは年度ごとに異なり、必ず返ってくるものではありません。割戻金はあくまでボーナス的なおまけと捉えるのが現実的です。

他社がん保険との違いを徹底比較

コープ共済のがん保障(新がん特約)は、民間のがん保険と仕組み自体が異なります。
共済は助け合いを目的としたシンプルな保障で、誰でも入りやすい反面、設計の自由度は低めです。一方、民間のがん保険はリスクに備えるという考え方が強く、自由設計で手厚い保障が受けられやすいとされています。
ここでは、両者の違いを整理し、自分にはどちらが合うのかを判断できるように解説します。
保障構造の違い
コープ共済のがん保障は、生命共済に特約として付加する「特約型」です。民間のがん保険は、がんのみ単独で加入できる「独立型」です。
両者の違いを以下の表で整理します。
| 比較項目 | コープ共済 | 民間がん保険 | 
|---|---|---|
| 保障形式 | 生命共済に付加する特約型 | 単独のがん保険として加入可能 | 
| 主契約との関係 | 死亡保障が必須(単体加入不可) | がんのみ契約可能 | 
| 契約自由度 | コース固定・設計変更不可 | 給付金額や特約を自由に設計可能 | 
コープ共済は「死亡保障とがん保障が一体化」しているため、がんだけに備えたい人には向きません。一方、民間がん保険なら診断給付金の金額や特約内容を自由に調整でき、自分に合った保障設計が可能です。
保障期間の違い
保障期間も共済と民間保険で異なります。コープ共済は10年ごとに更新される定期型、民間がん保険は終身型が主流です。
| 比較項目 | コープ共済 | 民間がん保険 | 
|---|---|---|
| 保障期間 | 10年(70歳のみ15年) | 終身型が主流(更新不要) | 
| 更新時の掛け金 | 年齢に応じて上昇 | 加入時の保険料が一生涯固定 | 
| 加入年齢範囲 | 18~70歳 | 0歳から80歳以上まで幅広い | 
コープ共済は更新のたびに掛け金が上がり、60代以降では負担が重くなります。また、健康状態によっては更新できない場合もあります。民間の終身型がん保険は、加入時の保険料が一生固定なので、将来的な支出を見通しやすい点が魅力です。
給付内容の違い
がん保険の本質は「どんなときに、どれだけ給付されるか」です。給付内容を比較すると、民間のほうが細かく設計でき、現代の治療方法にも対応しています。
| 比較項目 | コープ共済 | 民間がん保険 | 
|---|---|---|
| 診断一時金 | がん治療共済金(100万または200万) ※2回目以降は入院が条件  | がん確定診断で支給(複数回支給プランあり) | 
| 通院保障 | 退院後180日以内・最大30日分 | 外来治療中心でも支給(抗がん剤・放射線対応) | 
| 先進医療 | 対応なし | 通算2,000万円まで保障が主流 | 
| 入院日数制限 | 無制限 | 60日・120日など商品によって異なる | 
コープ共済は「入院を伴う治療」でなければ支給されないことが多く、通院中心の治療には対応していません。一方、民間がん保険は先進医療特約や抗がん剤治療給付金などが標準で備わっており、治療技術の進歩に合わせて設計されています。
掛け金・返戻の仕組みの違い
掛け金(保険料)の仕組みを比較すると、コープ共済は割戻金制度が特徴です。一方で民間がん保険は、長期運用を前提にした返戻金制度を備えています。
| 比較項目 | コープ共済 | 民間がん保険 | 
|---|---|---|
| 掛け金 | 年齢・性別ごとに定額設定 | 保障内容に応じて個別に設定 | 
| 割戻金(返戻) | あり(年度により変動) | 原則なし(終身型は解約返戻金あり) | 
| 掛け捨て性 | 低い(一定の返戻あり) | 商品により異なる(掛け捨て型・積立型あり) | 
コープ共済は営利目的ではないため、余剰金が発生した場合に割戻金として返還されます。ただし、支払いが多かった年度は割戻金が0になることもあります。
加入手続き・告知項目の違い
加入時の手続きや健康告知も、共済と民間で大きく異なります。共済は「誰でも入りやすい」を重視した設計が特徴です。
| 比較項目 | コープ共済 | 民間がん保険 | 
|---|---|---|
| 告知項目 | 簡易(健康状態・入院歴など数問) | 詳細(既往症・服薬・通院歴など) | 
| 加入審査 | 緩やか(持病があっても加入しやすい) | 厳格(リスク評価を重視) | 
| 申込方法 | 生協店舗・郵送・Web | 保険会社・代理店・Webなど幅広い | 
コープ共済は健康状態に不安がある人でも加入できる可能性が高いのが特徴です。一方、保障内容は簡易的で、がん診断後の追加加入はできません。

コープ共済がん保険を選ぶ人の3つの理由

ここでは、実際に多くの人がコープ共済を選ぶ3つの代表的な理由を紹介します。
「安くて入りやすい」団体共済ならではの安心感
コープ共済の最大の特徴は、非営利の団体共済(生協)による運営であることです。民間の保険会社と違い、利益を追求せずに組合員同士でリスクを分け合うため、掛け金が安く設定されています。
また、生協が母体のためサポート体制も整っています。加入や給付請求の手続きはわかりやすく、地域のコープセンターや生協店舗で直接相談できる点も特徴です。
「加入ハードルが低い」健康状態・告知内容がシンプル
コープ共済の加入時告知はシンプルで、質問数が少ないのが特徴です。主な質問内容は「過去の入院歴」「現在の通院」「特定疾病の有無」などで、3〜4問程度しかありません。
たとえば、以下のような方に向いています。
- 持病があり、民間の保険審査に通らなかった人
 - 健康診断で再検査を指示された人
 - 通院を続けているが、最低限の保障を確保したい人
 
共済はもともと「誰も排除しない」考え方のもとに運営されています。そのため、持病や治療歴がある方でも、生活を守る最低限の保障を得やすいのが特徴です。
「割戻金や返戻金がうれしい」家計志向の人に人気
コープ共済には、割戻金制度があります。
営利目的ではない共済だからこそ実現している制度です。また、定期契約でありながら、解約時に返戻金がある点も特徴のひとつです。

コープ共済がん保険を選ばない方が良い人

ここでは、「コープ共済が合わない」と考えられる代表的な3タイプを紹介します。
「一生涯のがん保障が欲しい人」は終身型を選ぶべき
コープ共済のがん特約は10年更新の定期型です。更新のたびに掛け金が上がり、年齢を重ねるほど負担が重くなります。
たとえば、40代で月800円だった掛け金が、60代では1,500円前後になることもあります。また、更新時の健康状態によっては再契約できない場合があり、70代以降で保障が途切れてしまうリスクもあるのです。
がんの発症率は50代から急増します。つまり、「本格的に備えたい年代に保障が終わる」という事態になりかねません。
「抗がん剤・先進医療の費用も備えたい人」は民間保険へ
コープ共済のがん特約では、抗がん剤治療・先進医療への給付金が対象外です。受け取れるのは入院・手術・退院などの基本保障に限られ、外来での抗がん剤治療や放射線治療、分子標的薬などは給付対象になりません。
一方、民間のがん保険では、治療方法の進化に合わせた給付が充実しています。
「通院治療中心の人」は通院無制限タイプを検討
近年のがん治療は、短期入院・外来中心が主流です。しかし、コープ共済の通院共済金は、以下のような厳しい条件が設定されています。
| 支給条件 | 内容 | 
|---|---|
| 入院日数 | がんで5日以上入院した場合のみ対象 | 
| 通院期間 | 退院後180日以内 | 
| 支給上限 | 最大30日分まで | 
つまり、入院を伴わない外来治療や、半年以上続く長期通院は対象外です。乳がん・前立腺がんなど、外来で薬物治療を継続するタイプのがんでは、給付を受けられないことが多くなります。

ファイナンシャルプランナーが教えるがん保険の選び方

掛け金が安いからといって安易に選んでしまうと、「通院治療が対象外だった」「収入が減って生活費が足りなくなった」と後から気づく人も少なくありません。
ここでは、がん保険を選ぶ際に押さえておきたい2つのポイントを整理します。自分に合う保険を見極めたい方は、ぜひ参考にしてください。
がん保険は「治療費カバー型」と「生活費補填型」で考える
がん保険を検討する前に、まず明確にすべきなのは「何のために入るのか」という目的です。
がん保険は大きく次の2タイプに分かれます。
| タイプ | 主な目的 | 向いている人 | 
|---|---|---|
| 治療費カバー型 | 手術・入院・抗がん剤・先進医療などの実費を補う | 高額治療に不安を感じる人 | 
| 生活費補填型 | 働けなくなった期間の生活費や収入減を補う | 自営業・単身世帯・共働き家庭 | 
コープ共済のがん特約は「治療費カバー型」にあたります。ただし、入院や手術などに限定されており、在宅治療や通院・収入補填は想定されていません。
終身型の方がトータルコストを抑えられるケースも
「終身型は高い」「定期型のほうが割安」と思われやすいですが、長期的に見ると逆になることもあります。理由は、定期型(更新型)は10年ごとに掛け金が上がるからです。
たとえばコープ共済のように10年更新の場合、次のような負担増が起こり得ます。
一方、終身型のがん保険は加入時の掛け金が一生固定です。若いうちに加入すれば、結果的に総支払額を抑えられることもあります。
長期的な視点で見れば、「終身型=高コスパ型」になる可能性があります。「老後も払い続けられるか」「更新時に負担が増えないか」を基準に考えると失敗しにくいです。

コープ共済がん保険の加入・請求・解約までの流れ

コープ共済のがん保障(新がん特約)は、手続き自体はシンプルです。ただし、がん保険単独ではなく生命共済の特約扱いとなるため、加入・請求・解約のすべてが生命共済を基準に進みます。
ここでは、加入から給付金請求、解約までの流れを5つのステップで解説します。
- 生命共済(あいぷらす・たすけあい)への加入を申し込む
 - がん特約(新がん特約)を追加設定する
 - がんと診断・入院したら共済金を請求する
 - 解約・脱退する場合の手続き
 
生命共済(あいぷらす・たすけあい)への加入を申し込む
コープ共済のがん保障を利用するには、まず基本の生命共済に加入する必要があります。がん特約だけを単独で申し込むことはできません。
- 生協店舗・宅配チラシ・コープ共済公式サイトから申込可能
 - 加入者本人の署名・押印が必要(Web申込では電子承認)
 - 組合員でない場合は同時に「生協加入(出資金500〜1,000円)」が必要
 
がん特約(新がん特約)を追加設定する
生命共済に加入したら、がん保障を付加する「新がん特約」を選びます。加入申込書でチェックするだけで設定可能です。
契約後、約1〜2週間で「加入証書(共済契約証書)」が郵送されます。この時点で保障が正式にスタートします。
加入から90日間は「待機期間」となり、その間に発症したがんは給付対象外です。
がんと診断・入院したら共済金を請求する
がんと診断された場合は、医療機関の診断書をもとに共済金を請求します。請求手続きは、生協またはコープ共済連の窓口で行います。
請求手順は以下のとおりです。
- コープ共済連または地域生協に「共済金請求書」を取り寄せる
 - 医師の診断書(がん確定診断書)を添付
 - 本人確認書類・通帳コピーを同封
 - 郵送または生協窓口へ提出
 
入院共済金・退院共済金は「診断日」ではなく「治療日」が基準になります。医師の証明書類を早めに依頼しておくとスムーズに進むでしょう。
解約・脱退する場合の手続き
コープ共済を解約する場合は、地域生協または共済センターに脱退・解約届を提出します。がん特約だけを外す場合も、生命共済ごとの手続きが必要です。
解約後に再加入する場合、健康状態によっては審査に通らないことがあります。一時的に不要でも、「特約を一旦外す」より「掛け金を下げる」方法を検討するのが安全です。
コープ共済がん保険に関するよくある質問

コープ共済のがん保障は、掛け金の安さや加入のしやすさで人気がある一方、「実際どこまでカバーされるの?」「他社のがん保険と何が違うの?」といった疑問も多く寄せられます。
ここでは、加入前に知っておきたい代表的な質問をまとめて解説します。
コープ共済の新がん特約はがん保険の代わりになる?
いいえ、完全な代替にはなりません。新がん特約は、生命共済(あいぷらす・たすけあい)に上乗せしてがん治療時の給付を受けられるものです。がん保険単独での契約はできず、保障内容も入院・退院・診断給付が中心です。
先進医療・抗がん剤治療・外来放射線治療など、医療技術の進歩に対応する特約は付けられません。したがって、がん特約は簡易的な補助と考えるのが現実的です。
上皮内新生物(上皮内がん)でも給付は受けられる?
はい、上皮内がんも支払い対象です。ただし、一般のがん(悪性新生物)と比べて支払額が半額になるなどの制限があります。
上皮内がんの診断でも、再発・転移・浸潤が確認された場合は悪性新生物として再支給対象になるケースもあります。診断書を提出する際は、病理結果の欄までしっかり確認しましょう。
がん治療共済金は何回でももらえる?
いいえ、原則は2年に1回までです。コープ共済のがん治療共済金は、初回支給から2年以上経過し、再度入院を伴う治療を行った場合にのみ再支給されます。
つまり、入院なしの通院治療では再支給の対象外です。回数無制限で診断給付金が受け取れる民間がん保険との違いです。
払込方法や支払いに関する注意点は?
コープ共済の掛け金は口座振替のみです。クレジットカード払いや電子マネー決済は利用できません。
家計管理のしやすさを重視するなら、クレジット払い対応の民間保険の方が便利です。ただし、共済は固定費としての安定支払いを重視するものなので、シンプルさを優先する人には向いています。
コープ共済のがん保険に入るべきか?
以下のような人には、コープ共済が向いています。
- まずは低コストでがん保障を持ちたい人
 - 健康状態に不安があり、他社の審査が通らなかった人
 - がん保険初心者で、最低限の備えから始めたい人
 
一方で、通院・再発・先進医療・終身保障まで網羅したい人には不向きです。
途中解約した場合の返戻金はある?
加入から解約までの期間によりますが、返戻金が出る可能性はあります。
共済と民間保険は併用できる?
はい、問題ありません。コープ共済は共済金の支払いに重複制限がないため、他社のがん保険や医療保険と併用しても、両方から給付を受け取ることが可能です。
女性専用コースはある?
コープ共済には、がん特約に付帯する「女性専用のがんコース」はありません。ただし、「たすけあい」の「女性コース」を選ぶことで、乳がんや子宮がんなど女性特有の病気への保障を強化できます。
まとめ
この記事では、コープ共済がん保険のデメリットと注意点、そして他社との違いについて詳しく解説しました。
掛け金が安く入りやすい反面、保障内容は必要最低限にとどまるのがコープ共済の特徴です。



