- 「不動産投資で節税できるって本当?」
- 「年収がそれほど高くなくても効果はあるの?」
- 「ローンを組むのは不安だけど、始める価値はあるの?」
このように考えている方もいるでしょう。
| 節税のポイント | 具体的な仕組み |
|---|---|
| 給与所得と不動産所得の損益通算 | 不動産の赤字を給与所得と相殺して、所得税や住民税を減らす |
| 減価償却費の活用 | 現金を使わずに経費を計上し、帳簿上の赤字を作る |
| 経費計上による支出圧縮 | 管理費・通信費などを経費にして税負担を軽くする |
本記事では、サラリーマンが不動産投資で節税する仕組みと効果、注意点をわかりやすく解説します。
この記事を読むと、不動産投資で税金が減る理由ややってはいけない節税方法と回避策が分かります。
「手取りを増やしたい」「将来の資産を作りながら税金も抑えたい」方は、ぜひ参考にしてください。
- サラリーマンが不動産投資で節税できる仕組み
- 年収別の節税効果と注意すべきリスク
- 節税効果が高い物件タイプと投資ステップ
- 副業規定を気にせず始められる理由
サラリーマンが不動産投資で節税する仕組み

サラリーマンが不動産投資で節税する方法は、主に次の3つです。
給与所得と不動産所得の損益通算
不動産投資で赤字になった場合、その赤字分を給与所得から差し引く「損益通算」が可能です。
たとえば、年収800万円の人が家賃収入20万円、経費230万円の場合、210万円の赤字が発生します。この赤字を給与所得から引くと、課税の対象となる金額は800万円−210万円=590万円に減ります(※概算)。
減価償却費で見かけ上の赤字を作る
不動産投資では、減価償却費という費用を経費として計上できます。
たとえば、マンションを購入して建物の構造に応じた耐用年数(例:鉄筋コンクリート造なら47年など)で償却する場合、購入金額を20で割った額を毎年経費にできます。実際には黒字でも帳簿上では赤字に見せることができるため、税金の計算上の所得を減らせます。
参考:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
経費計上で支出を圧縮
不動産投資では、家賃収入から経費として差し引ける支出の範囲が、節税額に関係します。
主な経費の例は次のとおりです。
| 区分 | 経費の例 |
|---|---|
| 税金関連 | 固定資産税・都市計画税 |
| 維持管理費 | 修繕費・清掃費・管理会社への手数料 |
| 保険・金利 | 火災保険料・ローンの利息 |
| 投資関連 | 広告宣伝費・登記費用・税理士への報酬 |
| その他 | 通信費・交通費・消耗品費など |
たとえば、物件の確認で使った交通費や入居者募集のための電話代なども、不動産運営に関係していれば経費にできます。一つひとつは少額でも、積み重ねることで大きな節税効果につながります。

サラリーマンが不動産投資で節税するメリット

サラリーマンが不動産投資で節税するメリットは、次の4つです。
所得税・住民税の節税効果
不動産投資では、減価償却費や管理費などを経費として計上できます。不動産の所得をマイナスにし、給与所得との損益通算で課税所得を減らすことが可能です。
また、住民税は翌年6月以降に減額されるため、毎月の手取り額が実質的に増える効果もあります。
安定した副収入の確保につながる
不動産投資で得られる家賃収入は、長期的に続く安定した収入源になります。
住宅は人の生活に欠かせないもので、住まいの需要がなくなることはほとんどありません。ローンを完済すれば、支出が減り、家賃収入の大部分がそのまま利益になります。
インフレ・相続税対策になる
不動産はインフレに強い資産として知られています。物価が上昇すると家賃も上がりやすく、資産価値を保ちやすい点が特徴です。
ローンを用いて効率的に運用できる
サラリーマンは、安定した収入と勤務実績があるため、金融機関からの信頼を得やすい立場にあります。自己資金が少なくても、数千万円規模の投資用物件をローンで購入できるケースが多いのです。
もちろん、返済額と家賃収入のバランスを確認することは不可欠ですが、限られた資金で投資を始めたい方にとっては大きなメリットだと言えるでしょう。

サラリーマンが不動産投資で節税する際の注意点

サラリーマンが不動産投資で節税する際の注意点は、次の7つです。
節税にならないケースとデッドクロス
不動産投資は、すべてのケースで節税できるわけではありません。建物以外の土地部分は減価償却の対象外です。また、ローンの元本返済(借金の返済分)も経費としては認められません。
購入して数年は、減価償却費を多く計上できるため赤字になりやすく、節税効果が出やすい時期です。しかし、時間がたつと減価償却が終わり、帳簿上の利益が増える(税金が増える)状況になります。
税制改正による特例廃止
税金のルールは、毎年のように見直しや改正が行われます。そのため、以前は使えた節税方法が、翌年には使えなくなることもあります。
このような改正によって、短期間で売買して税負担を抑える戦略が取りづらくなっています。節税を目的にする場合は、最新の税制情報を常に確認することが重要です。
キャッシュフローのリスク
築年数が古い物件では、修繕費や管理費が増えるため、キャッシュフローが悪化しやすくなります。さらに、人口が減っている地域では空室が増え、家賃を下げざるを得ない状況になることもあります。
安定した収益を得るためには、立地・築年数・地域の需要をしっかり見極めることが大切です。また、1つの物件に資金を集中させず、複数の物件や異なる種類の資産に分けて投資することで、リスクを減らすことができます。
過剰な節税アピールに注意
不動産投資の営業担当者の中には、「ローンの返済はすべて経費になります」「誰でも節税できます」といった誤った説明をする人がいます。
しかし、実際に経費として認められるのはローンの利息部分だけで、元本(借金の返済分)は経費になりません。違いを理解していないと、思ったほど税金が戻らず、資金に余裕がなくなる可能性があります。
空室リスクで収支が悪化する可能性がある
どんな物件でも、入居者の入れ替えや一時的な空室は避けられません。空室期間が長くなると、家賃収入が途絶える一方で、ローンの返済や管理費だけが出ていく状態になります。
このような状況では、節税の効果よりも収入の減少が大きくなる場合もあります。そのため、あらかじめ空室率(入居していない割合)を想定したシミュレーションを行うことが大切です。
ローン返済が生活を圧迫するケースがある
ローンを短期間で返そうとすると、毎月の返済額が大きく増える点に注意が必要です。返済の負担が重くなると、節税どころか生活費が削られ、家計が苦しくなることもあります。
無理のない返済を続けるためには、収入に対して返済額が多くなりすぎないように計画を立てることが大切です。
家賃滞納や訴訟費用のリスク
入居者が家賃を滞納すると、想定外の支出が発生します。日本の賃貸契約では入居者の権利が強く守られており、強制的に退去させるには裁判が必要です。
このようなトラブルは、節税効果を打ち消す大きなリスクになります。

サラリーマン不動産投資節税に向く人・向かない人

以下では、どんなサラリーマンが不動産投資で節税に向いているのか、反対に効果を得にくい人の特徴について解説します。
向いている人|課税所得900万円以上の高所得者
所得税率が高いほど、不動産投資の赤字を給与所得と損益通算することで得られる節税効果が大きくなるのが特徴です。
課税所得が900万円を超えるサラリーマン(おおよそ年収1,200万円以上)は、所得税率が33〜45%と高い水準になります。節税による効果は実質的な利益となりやすいため、高所得のサラリーマンこそ不動産投資に向いている層といえます。
向かない人|課税所得900万円以下の中低所得者
課税所得が900万円以下(おおよそ年収900〜1,200万円未満)のサラリーマンは、所得税率が20〜23%前後です。
この層では、損益通算によって取り戻せる税金が少なく、節税の効果を感じにくい傾向があります。
そのため、所得が900万円以下の方は節税を目的にするよりも、家賃収入による資産形成を中心にした長期運用を意識しましょう。

サラリーマンにおすすめの不動産投資タイプ

ここでは、サラリーマンが取り組みやすく、節税面でも比較的効果を得やすい代表的な投資タイプを3つ紹介します。
タワーマンション投資
タワーマンションは建物割合が高く、設備も充実しているため、減価償却費を多く計上できる点が魅力です。課税所得を圧縮しやすく、節税効果を実感しやすい物件タイプといえます。
ただし、価格が高くローン返済額や管理費の負担が大きいため、空室時のキャッシュフロー悪化には注意が必要です。
ワンルームマンション投資
ワンルームマンションは物件価格が2,000万〜3,000万円ほどと比較的手ごろで、少ない初期費用で始められる点が魅力です。金融機関からのフルローンも利用しやすく、初めての不動産投資として人気があります。
ただし、部屋が狭く、間取りの自由度が低いため、家族向けの物件としては売りにくいという弱点もあります。
投資を検討する際は、家賃の下落リスクや管理費の高さも考慮し、賃貸需要が安定しているエリアを選ぶことが大切です。
木造アパート投資
木造アパートは法定耐用年数が22年と短く、中古物件を購入すると残りの耐用年数がさらに短くなるため、減価償却費を多く計上できるのが強みです。築年数の古い物件ほど価格が安く、利回りも高くなる傾向があるため、節税と収益の両立を狙いたい投資家に人気があります。

サラリーマン不動産投資節税のロードマップ

ここでは、サラリーマンが不動産投資を始めて節税を成功させるためのステップを解説します。
投資前の準備と情報収集
不動産投資を成功させる第一歩は「目的の明確化」と「情報の質」です。下記4点を整理し、長期的な視点で計画を立てましょう。
- 目的を明確にする
- 資金計画の策定
- 情報収集と専門家への相談
- 開業届と青色申告の準備
目的を明確にする
節税効果だけでなく、将来の資産形成や家族の生活をどう支えるかを考えましょう。「税金を減らすための投資」ではなく、「家計を守るための仕組みづくり」として捉えることが大切です。
短期的な節税を狙いすぎると、金利上昇や空室リスクに対応できず失敗につながることがあります。5年後・10年後の目標を設定し、節税+資産づくりの両立を意識しましょう。
資金計画の策定
自己資金と借入可能額を把握し、無理のない返済計画を立てます。金利タイプ(固定・変動)や返済期間によって支払い総額は大きく変わるため、複数のパターンで試算しておきましょう。
資金計画を立てる際は、以下のような項目を確認しておくと安心です。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 自己資金 | 頭金・諸費用を含めた初期費用の準備額 |
| 借入額 | 金融機関が融資可能とする上限額 |
| 返済期間 | 20年・30年など、返済負担の見通し |
| 金利タイプ | 固定金利 or 変動金利の選択 |
| シミュレーション | 毎月の返済額・収益・節税額の試算 |
情報収集と専門家への相談
賃貸需要がある地域や物件相場を調べ、複数の専門家の意見を聞きましょう。不動産会社、銀行、税理士など、立場の異なるプロから情報を得ることで偏りを防げます。
おすすめの情報収集法は以下のとおりです。
- 不動産投資サイトで物件価格・利回りを比較
- セミナーに参加して税制や最新の市況を学ぶ
- 実際に物件を見学し、建物状態や周辺環境を確認
開業届と青色申告の準備
物件取得後にスムーズに節税を行うため、事前に開業届と青色申告承認申請書を提出しておきましょう。提出先は税務署で、原則として開業から2ヶ月以内が期限です。
青色申告を行うと、最大65万円の特別控除を受けられるうえ、赤字を3年間繰り越せるメリットがあります。そのためにも、早めに帳簿付けに慣れておくことが重要です。
投資・管理・確定申告
物件を購入したら、まずは売買契約とローン契約を結び、引き渡し後に入居者募集と管理を始めます。このとき、家賃収入や修繕費・管理費などの経費を正確に記録しておくことが大切です。
申告後、税金を払いすぎていた場合は1〜2ヶ月後に還付金(返金)が口座に振り込まれます。
売却と次のステップ
不動産投資は買って終わりではなく、出口戦略(売却のタイミングをどう決めるか)も重要です。減価償却が進むと、帳簿上の建物価値が下がります。
短期間で売ると税金の負担が大きくなるため、5年以上の長期保有を前提にするのが基本です。
売却後に得た資金は、次の不動産投資や老後資金、ローン返済など、ライフプランに合わせて活用することを意識しましょう。

サラリーマン不動産投資節税と副業の関係

一般的に副業と言えば本業以外で労働を伴う収入とみなされますが、不動産投資は物件から得られる家賃収入であり、労働ではありません。そのため、企業の副業規定に抵触する心配はほとんどありません。
以下で詳しく仕組みを解説します。
不動産投資は副業ではなく資産運用
不動産投資は「資産を運用して収益を得る行為」であり、副業とは性質が異なります。多くの企業で副業禁止規定があっても、株式や投資信託と同様に不動産投資は問題視されません。
ただし、アパート経営を拡大して物件数が増えると「事業的規模」と見なされることもあります。最初は小規模な物件から始め、段階的に拡大していくのがおすすめです。
家賃収入は給与所得と別区分
不動産投資で得た家賃収入は「給与所得」ではなく「不動産所得」に分類されます。給与は会社が年末調整で税額を確定しますが、不動産所得は確定申告を行うことで処理します。
2つは税務上まったく別の区分であり、会社の業務とは直接関係しません。勤務先の副業規定が気になる場合は、事前に人事部へ確認しておくことをおすすめします。

サラリーマン不動産投資節税に関するよくある質問

サラリーマン不動産投資節税に関するよくある質問は以下のとおりです。
年収600万円でも節税できる?
年収600万円でも、不動産所得が赤字になれば節税は可能です。所得税率20%前後の部分に対して還付を受けられます。ただし、借入金利や減価償却費が少なく赤字額が小さいと、手間に対して効果が薄い場合もあります。
副業で会社にばれない?
不動産投資は副業規定に抵触しにくいですが、住民税の変動で知られることがあります。確定申告の際に「普通徴収」を選べば、会社経由の通知を避けられる可能性があります。
名義を家族や法人に変える方法もありますが、贈与税や所得帰属の扱いに注意が必要です。心配な方は、就業規則を確認したうえで専門家に相談しましょう。
どれくらい還付金がもらえる?
赤字額が大きいほど所得税の還付額も増えます。還付金が出ない場合もあるため、投資前に試算しておくことが大切です。
年収1,000万円のサラリーマンが節税目的で始めるならどんな物件が最適?
年収1,000万円前後なら、建物割合が高く減価償却を多く取れる中古アパートや木造物件が有利です。木造は法定耐用年数が短く、年間の経費を大きく計上できます。結果として給与所得を圧縮しやすく、節税効果が高まります。
新築より中古物件のほうが節税効果が高いって本当?
はい。中古物件のほうが減価償却を短期間で行えるため節税効果が高いです。たとえば築25年の木造物件なら、法定耐用年数22年の20%=4年で償却可能です。
法人化するとどのくらい法人税を節税できる?
個人課税では所得税+住民税が最大55%に達しますが、法人税率は最大23.2%です。不動産所得が大きな規模になると、法人化による節税効果が見込めます。
不動産を売却したときの譲渡税はどうなる?節税効果は消える?
売却時には譲渡所得に対し所得税+住民税がかかります。減価償却を多く取った分だけ帳簿価額が下がり、譲渡益が大きく見えます。
物件購入時の諸費用は経費にできる?
はい。仲介手数料・登記費用・印紙税・ローン手数料・火災保険料などは経費または減価償却の対象です。ただし土地は減価償却できないため、土地関連の費用は経費になりません。
初年度に一括計上できる費用と、数年にわたって償却するものを区別しましょう。
不動産投資は会社員でも経営と見なされる?
はい。規模によっては事業的規模=経営とみなされます。
節税をうたう営業トークにはどんな嘘が多い?
「新築マンションでも節税できる」「家賃収入でローンが全額返せる」といった誇張トークに注意してください。
初心者が不動産投資を始めるベストなタイミングと始め方は?
おすすめは年収が安定し、住宅ローンに余裕が出てきた時期です。目安は30代後半〜40代前半。信用力が高く融資を受けやすいためです。
まとめ
この記事では、サラリーマンが不動産投資で節税する仕組みや、年収別の効果、失敗を防ぐポイントを整理しました。
不動産投資で節税を実現する主な仕組みは次の3つです。
- 損益通算:不動産の赤字を給与所得と相殺して税負担を減らす
- 減価償却:お金を使わずに経費を計上し、帳簿上の赤字を作る
- 経費計上:通信費や交通費などを経費にして支出を抑える



