「ふるさと納税の手続きをすっかり忘れてしまった!税金を抑えるためにやったのに、どうしよう?」
せっかくふるさと納税をしたのに手続きを忘れてしまうと、落ち込んでしまうことでしょう。しかし、ふるさと納税の手続きを忘れても、5年以内ならなんとかなります。
そもそもふるさと納税は、税金を前払いしながら自治体からの返礼品を2,000円で買えるお得な制度。
本記事では、ふるさと納税の手続きを忘れたときにはどうすれば良いのか対策早見表を用意しました。ご自身に必要な対策を確認し、ふるさと納税がただの「お取り寄せ」になってしまわないよう、お役立てください。
ふるさと納税の手続きを忘れたときの対策早見表
ふるさと納税の手続きを忘れたときは、上図のとおりの対策を行います。もう少し詳しくすると以下のとおりです。
- 確定申告期限(通常は翌年3月15日)に間に合う:通常の確定申告を行う
- 確定申告期限が過ぎてから5年以内:ふるさと納税をした年分の確定申告(還付申告)を5年以内に行う
- ふるさと納税の翌年1月1日から5年を過ぎた:5年を過ぎると、控除の適用を受ける手段はない
ただし、確定申告書を提出する際に「ふるさと納税について記入するのを忘れた」場合は、確定申告期限が過ぎてから5年以内に更正の請求という手続きを行うことができます。
ふるさと納税の控除を受けるための手続きとは?
参照:
・ふるさと納税制度の具体的な手続きについて(アイハーツ株式会社)
・ふるさと納税ポータルサイト(総務省)「ふるさと納税制度の概要」
ふるさと納税の控除を受けるための手続きは上図のとおりで、原則は確定申告書を提出します。ただし納税先が5団体までで、確定申告不要な給与所得者は確定申告不要です(ワンストップ特例)。
そもそもふるさと納税は税金の前払いであり、税法上は寄附金控除という所得控除または税額控除を受けられることになります。
会社員(サラリーマン)は確定申告をしていない人も多いですが、寄附金控除を受けるためには、原則として確定申告をしなければなりません。
そこで、サラリーマンがふるさと納税制度を利用しやすくするために、確定申告不要制度(ワンストップ特例)が創設されました。
ワンストップ特例制度の手続きは、ふるさと納税をする度に、自治体に特例申請書を提出します。期限は翌年1月10日までと、確定申告の期限3月15日よりも早い点がポイントです。
ふるさと納税の手続きを忘れた場合の期限別対策
それでは、ふるさと納税の手続きを忘れた場合の手続き(対策)を、先ほど紹介した表にそって詳しく解説します。
状況と対策は以下の3パターンです。
- ふるさと納税の翌年1月10日を過ぎてしまった
- ふるさと納税の翌年3月15日を過ぎてしまった
- ふるさと納税の翌年から5年過ぎてしまった
ふるさと納税の翌年1月10日を過ぎてしまった
ふるさと納税をした年の翌年1月10日は、つまりワンストップ特例の申請書や変更書の締切日です。
1月10日を過ぎてしまっても問題ありません。ワンストップ特例の利用を諦め、原則の手続きである確定申告を行えば良いからです。
確定申告の期限は通常3月15日までのため、1月10日を過ぎてしまっても2ヶ月ほど余裕があります。
具体的には、確定申告書を以下3つの方法で入手および作成しなければなりません。
- 国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」で作成
- 税務署で確定申告書を受け取る
- 国税庁ホームページからダウンロードする
確定申告書の作成が完了したら、書面で税務署に提出するか、e-Tax(電子申告システム)で電子申告します。電子申告はマイナンバーカードがあれば自宅で完結(マイナンバーカード方式)できますが、なければ税務署に出向いて本人確認(ID・パスワード方式)を受けなければなりません。
確定申告書の作成・記入例は以下国税庁のページを参考にしてみてください。
参考:国税庁「令和2年分 確定申告特集 ふるさと納税をされた方へ」
ふるさと納税の翌年3月15日を過ぎてしまった
確定申告の期限である3月15日を過ぎてしまったら、更正の請求か確定申告(還付申告)を5年以内にすれば問題ありません。
ふるさと納税をした年分の確定申告書をすでに提出した人は、更正の請求。確定申告書を提出していない人は還付申告を行うことになります。
これらの手続きについて詳しく確認していきましょう。
更正の請求(確定申告をした人)
一度確定申告書を出している人が、確定申告の期限後にふるさと納税による寄附金控除を受けようとする場合、更正の請求という手続きをしなければなりません。
更正の請求とは?
提出した確定申告書が誤っており、実際には税額が少なかったり、還付金額が多かった場合、正しい税額等へ訂正を求める手続きです。具体的には、法定申告期限から5年以内に、更正の請求書と請求理由の基礎となる事実の記載書類とあわせて所管税務署長に提出します。
参照:国税庁「[手続名]所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」
更正の請求は通常の確定申告(還付申告)とは異なる手続きで、税務署の調査や審査を経て税額の訂正可否が決まります。税務署から説明も求められるので、簡単な手続きではありません。
実際に更正の請求をするときは、事前に税理士に相談するのが無難です。
還付申告(確定申告をしていない人)
ワンストップ特例の申請書や確定申告書そのものを提出していない人は、更正の請求ではなく、期限後でも通常の確定申告をして所得税の還付金を受け取ることができます。
還付申告とは?
還付申告とは、納めすぎた税金を還してもらう(還付を受ける)ための確定申告です。還付申告という名前がついていますが、ほとんど通常の確定申告と変わりません。具体的には、還付を受けようとする翌年1月1日から5年以内に、確定申告書を所管税務署長へ提出します。
参照:国税庁「還付申告」
ふるさと納税以外でも、医療費控除を受け忘れたときや、年末調整を受けずにそのままにしている場合に行うのが還付申告です。
ふるさと納税で還付申告をするためには、通常の確定申告と同様に以下の書類等が必要です。最長で5年前の分も申告できますが、源泉徴収票や寄附金受領証明書は大切に保管しておきましょう。
- 源泉徴収票:所得を確定申告書に記入するため
- 寄附金受領証明書:寄附金額(控除額)を証明するため
- マイナンバー:確定申告書に記入が義務付けられているため
- 還付口座情報:還付を受けるための口座情報を確定申告書に記入するため
ふるさと納税の翌年から5年過ぎてしまった
ふるさと納税の翌年から5年過ぎてしまったら、対策はなく、控除を受けることを諦めるしかありません。これは、還付金を国に請求できる権利が消滅してしまうからです。
なお、5年というのは具体的に次のとおりです。
- その年分の確定申告書を提出していない人:その年の翌年1月1日から5年
- その年分の確定申告書を提出した人:その年分の法定申告期限から5年
なぜ5年が期限として設定されているのかについては、国税通則法という法律によって定められているためです。
(還付金等の消滅時効) 第七十四条 還付金等に係る国に対する請求権は、その請求をすることができる日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。
引用元:e-Gov「国税通則法第74条(還付金等の消滅時効)」
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ふるさと納税の控除を受けられているかどうか確認する方法
ふるさと納税の控除を受けられていれば、翌年4月か5月頃に所得税の還付(通常の期限内申告の場合)を受けることができ、6月以降には住民税が減額となります。
ただしワンストップ特例制度を利用すれば、所得税の還付はなく、6月以降の住民税減額のみです。
確定申告した人は、いつ頃還付金が振り込まれるか気になり、ワンストップ特例制度を利用した人は、きちんと住民税が減っているのか不安になることもあるでしょう。
そこで、ふるさと納税の効果(所得税の還付・住民税の減額)を、どのように確認すれば良いのかを紹介します。
所得税の還付は申告2週間後を目安にe-Taxで確認
まず所得税の還付についてですが、e-Taxによる電子申告なら、目安として申告書を提出してから3週間程度で還付金が振り込まれます。
参照:国税庁「令和2年分 確定申告特集 e-Taxならこんないいこと」
還付金の処理状況は、申告して2週間後くらいにe-Taxの「受付システム」にログインすれば確認できます。
e-Taxで申告書を提出していない場合は、同じく2週間過ぎた頃に、所管税務署に確認の電話を入れても良いでしょう。
住民税の減額は6月に受け取る税額通知書で確認
住民税の減額については、6月頃に受け取る住民税課税決定通知書で確認できます。具体的には、「寄附金税額控除」として記載されているかどうかを確認しましょう。
まだ今年のふるさと納税を済ませていない方は発行部数No.1のふるさと納税専門誌のふるさと納税サイト「ふるさと納税ニッポン」がおすすめです。
まとめ:ふるさと納税の手続きを忘れたら5年以内に確定申告か更正の請求をしよう
ふるさと納税の手続きを忘れたら、5年以内に確定申告書か更正の請求をすることによって、控除の適用を受けることができます。
なお、通常の確定申告期限に間に合えば、通常の確定申告をすれば問題ありません。
控除の適用を受けるための時効は5年ですので、1年忘れていた程度では問題にならないでしょう。
ただし、結局は確定申告書または更正の請求書を提出することになるため、その年の収入や控除額を証明する書類(寄附金受領証明書)がないと控除を適用できません。
無くすと再発行に応じてくれない場合もあるので、大切に保管しておきましょう。