新NISAの最強組み合わせ例!初心者が失敗しないおすすめ銘柄と3つのポートフォリオ例

新NISAの最強組み合わせ例!初心者が失敗しないおすすめ銘柄と3つのポートフォリオ例

  • 「新NISAって、どんな銘柄を組み合わせればいいの?」
  • 「オルカンとS&P500、両方持っても大丈夫?」
  • 「投資信託を何本買うのが正解なんだろう?」

このように考えている方もいるでしょう。

結論から言うと、投資初心者が失敗リスクを下げられる新NISAの組み合わせ例は3パターンあります。

本記事では、NISA初心者でも迷わず最適な組み合わせを選べるように、各銘柄の特徴やリスク許容度別のポートフォリオ例を紹介します。

この記事を読めば、あなたに合った理想のポートフォリオを設計できるようになります。

新NISAを「なんとなく」ではなく「自信を持って」運用したい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • NISAで銘柄を組み合わせるべき理由と効果
  • 初心者におすすめの組み合わせ3パターン
  • 成長投資枠・つみたて投資枠の活かし方
  • リスクを抑えながら運用成果を高めるコツ
  • ありがちな失敗例と回避法


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目次

新NISAで銘柄の組み合わせが重要な理由

新NISAで銘柄の組み合わせが重要な理由

新しいNISA制度で資産運用を始めるとき、多くの人がまず悩むのがどんな銘柄をどう組み合わせるかです。まずは、新NISAで銘柄を組み合わせるべき3つの理由を解説します。

分散投資でリスクを抑えられる

投資の基本には「卵を一つのカゴに盛らない」という考え方があります。資金を1つの銘柄(投資先)や地域に集中させず、いくつかに分けて投資することで、損失のリスクを小さくするという意味です。

分散には主に3つの方法があります。下の表で整理してみましょう。

分散の種類具体例効果
投資対象の分散株式・債券・不動産などに分ける値動きが異なる資産を組み合わせて損失を抑える
地域の分散日本・米国・先進国・新興国に分ける世界全体の成長を取り込み、地域ごとの影響を減らす
時間の分散積立投資で購入時期を分ける高値づかみを防ぎ、購入単価を平均化できる

新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を上手に使い分けることで、自然に分散投資ができます。

複利効果と税制優遇で資産を増やせる

新NISAの魅力は、利益に税金がかからない状態で複利の力を最大限に活かせることです。

<複利とは>
増えた利益を再び投資して、利益が利益を生む仕組みのこと。
 →時間が長くなるほど、資産の増え方が加速

たとえば、毎月5万円を年利3%で運用した場合を比較してみましょう。

区分運用期間20年・年利3%最終資産額
課税あり(通常口座)約1,320万円利益に約20%の税金がかかり、約80万円分が減る
非課税(新NISA)約1,400万円税金がかからず、利益をすべて再投資できる

同じ条件でも、100万円以上の差が生まれます。通常口座では利益に約20%の税金(※申告分離課税)がかかるのに対し、新NISAではその税金がゼロになるためです。

目標別に配分調整ができる

投資の目的に合わせて運用配分を自由に調整できるのも、新NISAの魅力です。

たとえば、目標が「10年後に住宅の頭金を準備すること」であれば値動きの安定した運用を優先、「20〜30年後の老後資金づくり」を目的にする場合は、長期間の運用を前提にリスク取るといった目的分けができます。

▼目的別の配分イメージ

目的投資期間の目安おすすめの配分例
教育資金約10年国内株式30%+先進国株式30%+債券40%
住宅頭金約15年全世界株式50%+バランス型30%+債券20%
老後資金約25年以上米国株式50%+全世界株式30%+新興国株式20%

このように、投資のゴールによってどんな資産をどれくらい保有するか(アセットアロケーション)が変わります。

<アセットアロケーションとは>
株式・債券・不動産などの資産を目的に応じて配分する考え方のこと。

また、運用中も年1回ほどは配分を見直し(リバランス)することで、当初の目標に沿った形を保てます。

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新NISAの銘柄はいくつ買うのが正解?初心者向けの最適本数

新NISAの銘柄はいくつ買うのが正解?初心者向けの最適本数

SNSでは「オルカン1本で十分」「複数組み合わせたほうが安心」などさまざまな意見がありますが、投資初心者の場合は1〜2本に絞るのが最も現実的で続けやすいです。

理由は3つあります。

投資初心者がNISAの銘柄を絞るべき理由
  • 投資信託1本でも内部で十分に分散されている
  • 管理が簡単で、運用を長く続けやすい
  • 新NISAの非課税枠を効率的に活かせる

まず、インデックス型の投資信託は1本の中で数千社に分散投資されています。たとえば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を1本持つだけで、日本・米国・欧州・新興国など、世界中の市場に分散投資できます。つまり1本でも、自然とリスク分散の形が整うわけです。

一方で、もう少し分散を意識したい場合は2〜3本を目安にしましょう。ただし、銘柄を増やすほど良いというわけではありません。似たような銘柄を複数持つと、実質的な投資先が重なり、分散効果が薄れる場合があります。また、ファンドごとに報告書やパフォーマンスを確認する手間も増え、管理が煩雑になります。

最後に意識したいのが「本数より中身」です。投資対象が重複していないか、信託報酬(年間手数料)は低いかなどを確認した上で、銘柄を決めてください。

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新NISAのおすすめ銘柄ランキングTOP5

新NISAのおすすめ銘柄ランキングTOP5

ここでは、運用実績・コスト・分散効果の3要素を基準に選出した新NISAで人気かつ信頼性の高い銘柄ランキングTOP5を紹介します。

第1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

世界中の株式にまとめて投資できる、まさに王道中の王道ともいえるファンドです。「日本を含む先進国および新興国の株式等」に広く分散投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み・円換算ベース)に連動した成果を目指します。

運用コストも非常に低く、2025年時点の信託報酬は年率0.05775%。世界的にも最安水準です。さらに、純資産残高や買付件数ランキングでも常に上位を維持しており、多くの証券会社で「新NISAの代表ファンド」として紹介されています。

主な特徴は以下のとおりです。

項目内容
投資対象世界50カ国以上の株式(先進国+新興国)
信託報酬年率0.05775%前後
運用会社三菱UFJアセットマネジメント
特徴世界中に分散投資でき、1本で国際分散を完結できる
注意点株式100%型のため、相場下落時は価格変動の影響を受けやすい

全世界の成長を丸ごと取り込みたい方、1本で完結したい方に最適です。ただし株式のみの構成なので、債券などを加えて安定性を高めたい場合は後述の「バランス型」と組み合わせるのも良いでしょう。

第2位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

米国市場の代表500銘柄に投資する、S&P500連動型の人気ファンドです。アップル・マイクロソフト・アマゾンなど、世界をけん引する米国企業群に投資できるのが魅力です。

信託報酬は年率0.0814%と低コストで、長期運用にも適しています。また、世界経済の中心である米国市場は成長性が高く、長期的に見てもリターンを狙いやすいエリアです。

主な特徴を整理すると以下のとおりです。

項目内容
投資対象米国の代表500社(S&P500指数)
信託報酬年率0.0814%前後
特徴米国の経済成長をダイレクトに享受できる
長所過去数十年にわたる安定的な右肩上がりの実績
注意点米国株に限定されるため地域分散が効かない

「米国中心で資産を増やしたい」「高リターンを狙いたい」という方に最適です。一方で、米国市場の景気後退や為替の影響も受けるため、全世界型との併用でリスクを緩和すると良いでしょう。

第3位:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)

日本の全上場企業を対象とした東証株価指数(TOPIX)に連動するファンドです。国内株式全体の値動きを反映するため、「日本の経済にも一定割合投資したい」と考える方におすすめです。

信託報酬は低水準で、長期積立でもコスト負担を抑えられます。日本企業は内需が強く、円安局面では海外売上の多い企業が業績を伸ばしやすいという特徴もあります。

主なポイントは以下のとおりです。

項目内容
投資対象日本株全体(TOPIX)
信託報酬年率0.14%前後
特徴国内経済の成長を取り込みやすい
長所為替リスクが少なく、生活実感に近い運用ができる
注意点海外分散が効かないため、他地域ファンドとの併用推奨

全世界型や米国株型に加え、国内株を組み入れることで「円建て資産の安定性」と「地域分散」の両立が可能になります。

第4位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

株式・債券・リート(不動産投資信託)など8つの資産を均等に組み合わせたバランス型ファンドです。それぞれ12.5%ずつ配分され、リスクを抑えながら安定したリターンを目指します。

信託報酬は年率0.143%程度と低コストで、純資産残高も約4,100億円と規模が大きく、安定的な運用が続いています。

主な特徴は以下のとおりです。

項目内容
投資対象国内外の株式・債券・リートなど8資産
信託報酬年率0.143%前後
特徴株式の上昇と債券・リートの安定性を組み合わせた設計
長所市場が不調でも他資産がクッションとなり値動きが穏やか
注意点株式中心ファンドに比べてリターンの伸びは控えめ

リスクを抑えたい初心者や50代以降の方にも向いています。「積立投資を始めたいけれど値動きが怖い」という方は、最初の1本として選びやすいでしょう。

第5位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)

日本を除く先進国(米国・欧州など)に分散投資するファンドで、先進国の経済成長を効率よく取り込みたい方に人気があります。

特徴と注意点を整理すると以下のようになります。

項目内容
投資対象日本を除く先進国(米国・欧州など)
信託報酬年率0.09889%前後
特徴先進国の安定的成長を享受できる
長所経済規模が大きく政治的にも安定した国々に投資可能
注意点新興国を含まないため成長余地は限定的、為替変動リスクあり

「日本経済に依存せず、海外の成長を取り込みたい」という方に向いた1本です。全世界株式よりも先進国に絞ることで、やや安定的な値動きを期待できます。

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リスク許容度別!最強のNISA組み合わせ例3選

リスク許容度別!最強のNISA組み合わせ例3選

投資においてリスク許容度とは、どのくらいの値動きに耐えられるかという考え方です。資産を減らしたくない人もいれば、短期の下落を受け入れてでもリターンを伸ばしたい人もいます。

ここでは、年齢や目的に応じて3つの組み合わせ例(安定重視・バランス型・高リターン型)を紹介します。自分のリスク許容度に合うポートフォリオを見つけ、無理のない長期運用を目指しましょう。

安定重視の組み合わせ(初心者・50代向け)

元本の保全を最優先にしながら、インフレリスクにも備える構成です。半分以上を債券やバランスファンドに充てることで値動きを抑えつつ、世界株式で成長を取り込みます。

投資をこれから始める方や、リタイアが近い方に適しています。

構成の目安は以下のとおりです。

資産クラス商品例配分比率特徴
国内債券国内債券インデックスファンド40%価格変動が小さく、元本を守る役割
バランスファンドeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)など30%1本で株式・債券・REITなどに分散できる
世界株式eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)20%世界の成長を取り込み、長期リターンを狙う
日本株式TOPIXインデックスファンド10%為替の影響を抑え、円建て資産を確保

全体の70%が低リスク資産にあたります。暴落時でも値下がりを抑えやすく、安定感のある運用が可能です。

日本株式を10%程度入れることで、円安時のリスクを和らげられます。「まずは損を出さずにNISAを続けたい」という方におすすめの組み合わせです。

バランス型の組み合わせ(30〜40代向け)

30〜40代は働き盛りで収入が安定しており、運用期間も長く取れます。ある程度のリスクを受け入れながら、リターンを狙う構成が効果的です。株式を中心にしつつ、債券やREITで安定感を持たせるのがポイントです。

具体的な配分は以下のとおりです。

資産クラス商品例配分比率特徴
全世界株式eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)40%世界中の株式に分散し、成長を取り込む
米国株式eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)20%米国中心で高成長を狙う
新興国株式新興国株式インデックスファンド10%高リスクだが成長余地が大きい
債券国内外債券インデックスファンド20%株式と逆の値動きで全体の安定性を高める
REIT国内外REITインデックス10%不動産収益を取り込み、分散効果を高める

株式比率が7割を超えるため、長期では高いリターンを期待できます。新興国株はボラティリティが高いため10%程度にとどめるのが現実的です。

また、全世界株式と米国株式は投資先が重なる部分もあるため、米国比率を上げすぎないことがポイントです。

高リターン型の組み合わせ(20代向け)

20代は投資期間が長く、多少の値下がりを気にせず成長重視で運用できます。若いうちにリスクを取り、複利の力で資産を増やすのが効果的です。株式中心に構成し、世界の成長を積極的に取り込みます。

配分イメージは以下のとおりです。

資産クラス商品例配分比率特徴
米国株式eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)50%世界最大の市場で長期的な成長を狙う
全世界株式eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)30%米国以外の先進国・新興国の成長も取り込む
新興国株式新興国株式インデックスファンド10%高リターン期待だが値動きが大きい
テーマ型・アクティブNASDAQ100やIT関連ETFなど10%成長セクターを狙う攻めの比率

米国株を中心に据えつつ、世界株や新興国株で分散します。リスクを取る分、リターンの幅も大きくなりますが、20代なら時間を味方につけることで回復期間を確保できます。

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成長投資枠とつみたて投資枠の最適な組み合わせ方

成長投資枠とつみたて投資枠の最適な組み合わせ方

つみたて投資枠は「長期でコツコツ資産を増やす」もの、一方の成長投資枠は「短期〜中期でリターンを狙う」仕組みです。

目的・リスク許容度・資金量によって、どちらを軸にするかを決める必要があります。

成長投資枠=短期リターンを狙う銘柄を配分

成長投資枠は、年間240万円まで非課税で投資できる枠です。一括購入も積立も可能で、株式・ETF・投資信託など幅広い商品に対応しています。ハイリターンを狙いたい方や、積極的に値上がり益を取りにいきたい方に向いています。

たとえば、次のような投資先が成長枠の代表例です。

投資対象商品例特徴
株式インデックスeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)成長性が高くリターンを狙いやすい
テーマ型ファンドAI・半導体・脱炭素など成長テーマに投資し上昇余地を狙う
ETF日経平均・NASDAQ100連動型など手数料が低く売買がしやすい

運用の軸はリターンを取る代わりにリスクを受け入れるという発想です。ただし、株式中心のポートフォリオになるため、短期の値下がりに備える意識が必要です。

「攻めの運用をしたいけれど全額は怖い」という方は、つみたて枠をベースに、成長枠をスパイスとして取り入れると良いでしょう。

つみたて投資枠=長期複利を活かす銘柄を中心に

つみたて投資枠は年間120万円が上限で、長期・積立・分散を目的としたファンドが対象です。1回の投資額は少なくても、長期で積み上げることで複利効果が働きます。「将来の資産形成」「老後の備え」「教育資金づくり」に向いている枠です。

代表的な運用銘柄をまとめると以下のようになります。

投資対象商品例特徴
全世界株式eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)世界中の株式に分散でき、1本で完結
バランス型eMAXIS Slim 8資産均等型など株式・債券・REITなど複数資産に分散
インデックス投信ニッセイTOPIXインデックスなど手数料が低く初心者でも安心運用

つみたて枠は時間を味方につける投資です。運用に慣れたら、成長枠をプラスしてリターンの幅を広げていくのも効果的です。

両枠を組み合わせるならリスク分散×投資目的で決める

つみたて投資枠と成長投資枠は、同一口座内で同時に利用できます。

組み合わせの基本イメージは次のとおりです。

タイプつみたて投資枠成長投資枠特徴
初心者・20代80%(積立中心)20%(成長枠少なめ)安定を重視し、時間を味方につける
中堅層・30〜40代60%40%成長も意識したリスク中間型
50代以上70%30%つみたて中心で値動きを抑える

比率を決める際は、以下の4つを基準に考えると分かりやすいです。

比率を決める時の基準
  • 投資目的:教育費・住宅購入・老後などの用途
  • 投資期間:短期か長期か
  • 資金余裕:生活資金を削らずに投資できるか
  • リスク許容度:一時的な下落にどこまで耐えられるか

注意点として、両枠で同じ地域・銘柄を重複して持たないことです。資産クラス・地域・ファンドの重なりをチェックし、バランスを取ることが長期成功の秘訣です。

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似た銘柄を持ってしまったら?NISAのリバランス手順

似た銘柄を持ってしまったら?NISAのリバランス手順

複数の投資信託を保有していると、知らないうちに似た銘柄(同じ地域・資産クラス・運用スタイルのもの)を重複して持ってしまうことがあります。そのまま放置すると分散効果が薄れ、リスクが一方向に偏る原因です。

こうした状態を整えるために必要なのが「リバランス(資産配分の調整)」です。

リバランスを行う流れは次のとおりです。

STEP

現状を把握する

 保有銘柄と比率を一覧にし、当初の目標配分と比べてズレを確認します。(例:先進国株60%→実際70%など)

STEP

調整が必要か判断する

目安は「目標比率から±5%以上のズレ」が生じた場合。頻繁すぎる調整は不要で、年1回程度が現実的です。

STEP

調整方法を決める

値上がりした銘柄を一部売却し、比率が下がった資産を買い増す、売却せず新規資金で調整する(ノーセル・リバランス)などをしましょう。

STEP

売買を実行し、記録する

新NISAでは売却すると「元本部分のみ非課税枠が復活」するため、どの枠(つみたて/成長)を動かすかも確認が必要です。

STEP

定期チェックを習慣化する

毎年1回、資産比率を見直すことで、リスクを一定に保てます。

リバランスの本質は「銘柄を増やすこと」ではなく、リスクとリターンのバランスを整えることです。

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新NISAの銘柄選びの失敗例と回避策

新NISAの銘柄選びの失敗例と回避策

NISAを始めたばかりの人がつまずきやすいのが銘柄選びです。人気ランキングやSNSの評判を見てなんとなく購入してしまい、あとで「思っていた運用と違った」と後悔するパターンはあるあるです。

投資の目的は最初に何を買うかよりも、どんな設計で続けるかにあります。ここでは、初心者が陥りやすい3つの失敗と、同じミスを防ぐための具体策を解説します。

人気ランキング上位だけで選ぶとリスクが集中する

「ランキング上位=良い銘柄」と思い込み、上から順に購入してしまうのは典型的な失敗です。人気銘柄は多くの投資家がすでに買っているため、価格が高止まりしていたり、リスクが偏っていたりする場合があります。また、表面上の人気に気を取られ、コストや投資対象の内訳を確認せずに購入してしまう人も少なくありません。

確認すべきポイントは以下の4つです。

チェック項目確認内容
投資対象日本・米国・全世界など地域の分散状況
資産クラス株式・債券・REITなど複数資産に分かれているか
コスト信託報酬・実質コスト(総経費率)が低いか
運用実績長期で安定した成績か、短期の人気銘柄ではないか

ランキングはきっかけとして参考にするのは良いですが、最終判断は中身の質と自分の目的に合っているかで行うのが鉄則です。

短期売買を繰り返すと複利効果が失われる

日々の値動きに振り回されて売り買いを繰り返すと、NISAの本来の強みを活かせません。特に、新NISAでは売却すると元本部分しか非課税枠が復活しません。つまり、利益を確定してしまうとその利益分は課税対象となり、再投資の余地が狭まるのです。

下記の例でイメージすると分かりやすいでしょう。

状況内容
Aファンドを300万円で購入し200万円の利益が出た非課税で500万円保有中
Aファンドを500万円全て売却した場合元本300万円分のみ枠が復活(利益200万円分は課税)
結果非課税保有限度が減少し、再投資の自由度が下がる

利益を出した銘柄を安易に売ると、非課税で保有できる総額が減るという点が盲点です。短期売買を控え、つみたてで時間を味方につける運用を続けましょう。

高リターンのみ重視はリスク耐性を超える可能性あり

「どうせ投資するなら大きく増やしたい」と考え、ハイリターン銘柄ばかりを選ぶのも危険です。リターンが高いということは、同時に値動きの幅(リスク)も大きいという意味でもあります。

リスクを抑えるためには、次のような視点で設計しましょう。

  • リターンとリスクは表裏一体であることを理解する
  • 株式・債券・地域のバランスを整える
  • ハイリターン銘柄は全体の一部(2〜3割程度)にとどめる
  • 信託報酬・実質コストを確認し、長期でコスト負けしない銘柄を選ぶ

一時的な流行に乗るより、自分が安心して10年保有できる構成を意識しましょう。

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新NISAで複数銘柄を組み合わせる時の注意点

新NISAで複数銘柄を組み合わせる時の注意点

ここでは、投資初心者が安心して複数銘柄を持つために押さえておきたい4つの注意点を紹介します。

リスクで銘柄数を決める

銘柄を増やせば分散効果は高まりますが、そのぶん管理の手間も増します。投資初心者の場合は、まず少数精鋭で理解できる範囲の本数から始めるのがおすすめです。

たとえば、以下のような考え方で銘柄数を決めると良いでしょう。

投資スタイル銘柄数の目安特徴
初心者・安定志向1〜2本全世界株式など1本で分散が効くタイプ
中級者・バランス重視2〜3本世界株+米国株、または株式+債券の組み合わせ
上級者・積極運用3〜5本地域・資産クラスを細かく分けて調整可能

周囲の真似ではなく、自分のリスク許容度に合わせて本数を決めることが長続きのコツです。

余裕資金のみ投資に回す

新NISAは長期的な資産形成を前提とした制度です。そのため、生活費や緊急資金を削って投資するのは避けましょう。短期的な株価変動に耐えられず、損が怖くて売ってしまうという本末転倒な結果になりかねません。

資金の考え方を整理すると以下のようになります。

資金区分内容投資可否
生活費家賃・食費・光熱費など毎月の支出× 投資NG
緊急資金急な病気・失業に備える資金△ 一部は現金で保有
余裕資金当面使う予定がない資金○ 投資OK

年間投資枠を定期的に確認する

無計画に積立やスポット買いを行うと、いつの間にか枠を使い切っていたということもあります。一度使った枠は戻らないため、どの銘柄でいくら使っているかを定期的に確認しましょう。

チェックすべきポイントは次の3つです。

  • 自動積立の年間合計が120万円以内に収まっているか
  • 成長投資枠での一括購入額と合算して360万円を超えていないか
  • 枠の残り金額を証券会社のマイページなどで定期確認しているか

積立設定をしたまま放置せず、四半期ごとに確認する習慣をつけましょう。

一時的な下落で焦って売却しない

NISAは長期で保有してこそ利益が積み上がるので、一時的な下落で売却してしまうと、非課税の恩恵を途中で手放すことになります

下落局面の考え方を整理すると以下のとおりです。

状況行動のポイント
一時的な下落売らずに保有を続ける(非課税期間を活かす)
大幅下落後の回復期追加投資で平均取得単価を下げる
長期保有複利で資産が増えるチャンスを逃さない

世界的な株価下落も、数年後には回復している例がほとんどです。長く持ち続ける力を鍛えることも、NISA運用の最強スキルです。

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新NISAの組み合わせ例に関するよくある質問

新NISAの組み合わせ例に関するよくある質問

ここでは、新NISAの組み合わせに関するよくある質問を紹介します。

新NISAでは何銘柄まで買える?

新NISAには銘柄数の上限はありません。制度上は、つみたて投資枠・成長投資枠ともに何本でも保有できます。

制度上は、つみたて投資枠・成長投資枠ともに何本でも保有できます。投資初心者の場合は、以下のようなシンプルな構成が理想です。

投資経験銘柄数の目安
初心者1〜2本オールカントリー1本 or オルカン+S&P500
中級者2〜3本全世界+米国+債券など
上級者3本以上地域・資産クラスを細分化して運用

オルカンとS&P500を両方持つのは意味ある?

両方を持つこと自体は可能ですが、投資先が大きく重なっている点に注意が必要です。

オールカントリー(オルカン)は世界約50カ国の株式に分散していますが、構成比の約6割は米国企業です。S&P500も米国の代表的な500社を対象としているため、結果的に米国株への投資比率が高くなります。

併用したい場合は、目的を明確にして配分を調整しましょう。たとえば、以下のような構成です。

目的配分例補足
世界全体に分散しつつ米国を厚めに保ちたいオルカン70%+S&P50030%世界の動向を捉えながら米国の強みを活かす
米国集中でリターンを狙いたいオルカン50%+S&P50050%リスクは高まるがリターンも大きい

銘柄を途中で変更したら損になる?

銘柄の途中変更(売却・乗り換え)は制度上問題ありませんが、タイミングとコストの影響を理解しておきましょう。新NISAでは売却した場合、元本部分のみ非課税枠が復活します。利益部分は再投資できないため、頻繁な売買を行うと枠を無駄にする可能性があります。

また、乗り換えを繰り返すと以下のデメリットが発生します。

  • 売買手数料が発生する
  • 投資比率(資産配分)が崩れる
  • 複利効果が途切れて長期成長が鈍化する

銘柄変更が損とは限りませんが、目的・期間・コストを踏まえた計画的な見直しが必要です。

成長投資枠だけで複数銘柄を運用しても大丈夫?

成長投資枠だけでも運用は可能です。対象は株式・ETF・REITなど幅広く、つみたて枠に比べて自由度が高い設計です。ただし、成長枠は短期リターンを狙いやすい分、リスク変動も大きくなりやすい点を理解しておきましょう。

成長枠だけに偏ると、長期・積立・分散という制度の本来のメリットを活かしにくくなります。以下のような使い分けを意識すると効果的です。

投資目的つみたて枠成長枠運用の狙い
長期資産形成○メイン△サブ安定した複利成長
短期リターン△補助○メイン値上がり益を狙う

リスクを抑えつつリターンを出す最適な比率は?

最適な比率は人によって異なりますが、目的・期間・リスク許容度の3点で考えるのが基本です。一般的には、株式中心の配分がリターンを高めますが、値動きに慣れていない初心者は安定重視の比率から始めましょう。

代表的な例を表にまとめると以下のとおりです。

投資タイプ株式比率債券比率目安となる配分
安定志向(初心者・50代以上)70%30%オルカン+国内債券など
標準型(30〜40代)80%20%オルカン+S&P500など
成長志向(20代・高リスク許容)90〜100%0〜10%米国株・新興国株中心

新NISAの組み合わせは何個までが理想?3本以上は持たない方がいい?

制度上、組み合わせられる銘柄数に制限はありません。しかし、実務的には1〜3本ほどに絞るのが最も管理しやすいといわれています。銘柄を増やしすぎると、重複投資や管理の手間が発生しやすくなるからです。

目安として、以下のように考えるとよいでしょう。

投資経験理想的な銘柄数運用イメージ
初心者1〜2本オールカントリーなど分散型を1本中心に
中級者2〜3本地域・資産クラスを少し分けてリスク調整

オールカントリー1本だけでも十分に分散できる?

オールカントリー(全世界株式)は、世界50カ国以上の企業に分散投資できます。1本で株式分散が完結するため、投資初心者でも管理が簡単で続けやすい点が魅力です。

構成の内訳を見てみましょう。

地域構成比の目安主な特徴
米国約60%世界経済の中心で安定した成長
欧州約15%成熟市場で値動きが穏やか
日本・新興国など約25%成長性は高いが変動も大きい

このように世界全体に分散されていますが、米国比率が高いため、実質的には米国株の影響を強く受けます。安定性を高めたい場合は、債券型ファンドを一部組み合わせるのも効果的です。

アメリカ株(S&P500)と全世界株式はどちらが良い?

どちらが正解ということはありません。投資の目的とリスク許容度によって選び方が変わるのが実情です。

特徴を整理すると以下のようになります。

比較項目S&P500全世界株式(オルカン)
投資対象米国の代表500社世界約50カ国
リターン高め(成長性が高い)安定(分散効果が高い)
リスク価格変動がやや大きい米国以外の変動も吸収可能

短期間でリターンを狙いたいならS&P500、長期的に安定した成長を目指すなら全世界株式が向いています。

楽天証券とSBI証券、NISAでの買い方や商品ラインナップは違う?

どちらの証券会社でも新NISAを利用できますが、取扱銘柄数やサービス内容に違いがあります。

ただし、どちらが優れているかよりも、自分の生活スタイルとの相性で選ぶのがポイントです。楽天ユーザーなら楽天証券、幅広い商品から選びたい方はSBI証券が使いやすいでしょう。

NISAで投資信託を選ぶときのポイントは?

投資信託を選ぶ際は、表面の人気やランキングよりも、中身の安定性・コスト・信頼性を確認しましょう。

基本チェック項目を以下に整理しました。

  • 信託報酬(運用コスト)が低いか
  • 投資対象の地域・資産が明確か
  • 純資産残高が安定して増えているか
  • 分配金が頻繁に出ていないか(長期積立向き)
  • 長期間の運用実績があるか

ひとことで言えば、長く安心して持てる商品を選ぶことが大切です。

NISAの銘柄ごとの手数料(信託報酬)はどれくらい差がある?

投資信託には信託報酬と呼ばれる運用コストがかかります。以下の基準が一般的です。

種類信託報酬の目安特徴
国内株式型0.3〜0.5%前後コストが低めで安定運用向き
海外株式型0.5〜0.75%前後為替リスクがあるが成長性が高い

堅実に運用したい人とハイリターンを狙いたい人では組み合わせが違う?

投資スタンスによって、適した銘柄構成は異なります。安定を重視する人と、成長を狙う人では「資産配分」「リスク許容度」「運用期間」がまったく違うからです。

NISAのファンドはどのくらいの頻度で見直すべき?

短期間での売買や頻繁な見直しは、手数料や複利の効果を損なう原因になります。

理想的な見直しタイミングは以下のとおりです。

  • 年1回程度の定期チェック(資産配分やリスクがずれていないか確認)
  • ライフイベント発生時(結婚・出産・転職・退職など)
  • ファンドの運用方針変更時(信託報酬上昇や指数変更など)

まとめ

この記事では、新NISA(ニーサ)で失敗しない銘柄の組み合わせ方と、3つのポートフォリオ例を解説しました。

投資は「銘柄の数」よりも「中身のバランス」が大切です。似た投資先を重ねず、つみたて投資枠と成長投資枠を目的に合わせて使い分けることで、複利の力を最大化できます。

迷ったら、まずは全世界株式1本+米国株式1本から始めるのがおすすめです。焦らず、無理せず、リスクを理解した上で一歩ずつ資産を育てていきましょう。


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