貯金したいのになかなか実行できない人におすすめの方法が、先取り貯金です。前もって仕組みを作るだけなので、自然とお金が貯まるでしょう。「聞いたことはあるけれど、具体的な方法があまりわからない」という人もいるかもしれません。
そこで本記事では、おすすめの先取り貯金方法5選と、先取り貯金の適切な目安、先取り貯金を継続し成功させる4つのコツを紹介します。自分に合った先取り貯金の方法がわかり、無理なく継続できるので、自然と貯金を増やせるでしょう。
先取り貯金とは?毎月の収入から先に貯金をすること
先取り貯金とは、毎月一定額を先に貯金する方法です。よくある貯金方法は「毎月使った残りを貯金する」というやり方です。この方法では、毎月の貯金額にバラツキが出るうえに、出費が多い月には貯金できないおそれがあります。
先取り貯金なら、給料を受け取ってまず貯金額を取り分けてしまうので、確実に貯金することができます。最初に貯金額とどの方法で先取り貯金をするかさえ決めておけば、あとは自動的に貯まるので、苦労もしません。「節約もしているつもりなのに、貯金が増えない」という悩みから解放されます。
確実に貯まる!おすすめの先取り貯金方法を5つ紹介
「先取り貯金のよさはわかったけれど、うっかり取り分けるのを忘れてしまいそう」と思うかもしれません。実は、いろいろな金融サービスをうまく利用すると、毎月自動的に先取り貯金ができます。最初にどの方法にするかを選んでおくだけで済むので簡単です。
先取り貯金にぴったりの方法は、次の5つです。いずれも自動的にお金が貯まります。
- 自動積立定期預金|毎月決まった金額を自動で積立
- 社内預金|給与天引きで会社に預金
- 財形貯蓄|給与天引きで目的にあわせて貯蓄
- つみたてNISA(ニーサ)|自動で積立投資
- iDeCo(イデコ)|節税しながら老後資金を貯蓄
一般的な貯金から資産形成を目的とした方法まで幅広いので、好みに応じてお選びください。それぞれについて以下でくわしくご紹介します。
①自動積立定期預金|毎月決まった金額を自動で積立
自動積立定期預金は、自分で決めた一定金額を、指定口座から毎月自動で定期預金に積み立てます。銀行の定期預金額を増やす手法なので、リスクが低いです。まさにオーソドックスな先取り貯金で、だれでも行ないやすいです。
「考えたり調べたりするのは面倒だし、手続きが複雑なのもイヤ」という人も、自動積立定期預金なら簡単に始められます。
②社内預金|給与天引きで会社に預金
社内預金は、銀行に預けるのではなく会社に預金する仕組みです。メリットは、社内預金の利息が比較的高いことです。社内預金の利息は、厚生労働省が定めた利率以上にする必要があり(2017年度以降は0.5%以上)、銀行など一般金融機関の利息より高くなります。
給与天引きで貯金できる簡単さも続けやすいポイントです。お勤めの会社に社内預金の制度がある人は、ぜひ選択肢に入れてみてください。
③財形貯蓄|給与天引きで目的にあわせて貯蓄
財形貯蓄は、会社が給与天引きで銀行に貯金を積み立てる仕組みです。特に目的の決まっていない「一般財形貯蓄」と、住宅取得やリフォーム目的の「住宅財形貯蓄」、老後資金目的の「年金財形貯蓄」があります。
住宅財形貯蓄と年金財形貯蓄は、預金550万円までは利息が非課税です。マイホーム取得や老後の生活など、貯金の目的が明確にある人におすすめです。
財形貯蓄制度について詳しく知りたい方は、「財形貯蓄制度|厚生労働省」をご覧ください。
④つみたてNISA(ニーサ)|自動で積立投資
つみたてNISA(ニーサ)は、毎月少額で最大20年間という長期にわたる分散投資を行なう資産形成を推進する制度です。投資で得た利益が非課税というメリットがあります。月1,000円から始められ、年間40万円が最大額です。
つみたてNISA(ニーサ)の対象の金融商品は、手数料が低く長期保有に適した投資信託です。投資初心者も取り組みやすいですが、投資について勉強する必要もあります。学ぶ意欲があり、資産を増やそうと思う人にぴったりです。
⑤iDeCo(イデコ)|節税しながら老後資金を貯蓄
iDeCo(イデコ)は、自分で掛金を積み立てて運用し増やしていく個人型確定拠出年金です。iDeCo(イデコ)の大きなメリットは、運用益が非課税になるうえに掛金が全額所得控除になるところです。運用で資産を増やしながら節税できるので、効率的にお金が増やせます。
iDeCo(イデコ)の対象の金融商品は、株式や投資信託、預貯金、保険など幅広いです。自分の好みに合ったタイプの運用方法を選べるので、老後資金を作りたい堅実な人におすすめです。
ただし、 iDeCoの年金資産は老齢給付金として、原則60歳からしか受け取れないことに注意が必要です。
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先取り貯金の目安は何割?1~3割を先取り貯金へ
「先取り貯金のいろいろな方法はわかったけれど、どの程度貯めればいいのかわからない」という人もいらっしゃるでしょう。先取り貯金の適切な金額は、家族構成やライフスタイルによって異なります。そのため「毎月○万円貯めることがおすすめ」と一概には言えません。
家族構成やライフスタイルによって、手取り月収に対してどの程度の先取り貯蓄が適切なのか、目安表を作成しました。
家族構成やライフスタイル | 手取り月収における先取り貯金の割合 |
独身で一人暮らし | 10% |
独身で実家暮らし | 30~40% |
自営業またはボーナスのない勤め人 | 15~20% |
子どもがいない共働き夫婦 | 20% |
小さな子どもがいる共働き夫婦 | 10~15% |
「独身で実家暮らし」や「子どもがいない共働き夫婦」は、ライフステージの中でも貯金しやすい時期なので、将来に備えて多めに貯めましょう。「自営業またはボーナスのない勤め人」は、ボーナスを得られない分、普段から多めに貯蓄しておくと安心です。
先取り貯金を継続してお金を貯める4つのコツ
先取り貯金は、毎月の継続が大切です。無理をして続けられなくなるのは、本末転倒です。そこで、先取り貯金を継続して成功させる4つのコツをご紹介します。
- 家計の収支を正確に把握する
- 先取り貯金の金額を高く設定しすぎない
- 明確な貯蓄の目標を立てる
- 定期的に見直しを行う
いずれも、先取り貯金を続けて貯めるのに必要なポイントです。それぞれについて以下でご紹介します。
①家計の収支を正確に把握する
先取り貯金に限らず貯金を成功させるためには、家計の収支を正確に把握することが必要です。節約の努力をしているのに貯金ができないという人は、自分では気づかず無駄な出費をしていることが多いです。
自分や世帯の収入を知ったうえで、実際の支出額を記録してみましょう。予想外の無駄遣いに気づきます。必要な支出を切り詰めるのではなく、無駄な出費を減らして貯金に回すと続けやすいです。
②先取り貯金の金額を高く設定しすぎない
やる気になって「先取り貯金がんばろう」と、先取り貯金の金額を高く設定しすぎては継続しにくいです。最初の1~2カ月は続けられても、生活に支障が出て挫折するおそれがあります。
先取り貯金は「無駄遣いを避けて貯金する」というスタンスで、無理なく続けられる金額に設定しましょう。最初は少額でもかまいません。多く貯金したい場合は、慣れてから設定金額をアップすると続けやすいです。
③明確な貯蓄の目標を立てる
明確な貯蓄の目標をたてておくと、先取り貯金は続けやすいです。「貯金はしなければいけないし」とあいまいな気持ちで始めると、長続きしません。
旅行費用や結婚費用、マイカー、マイホーム、老後資金など明確な目的と目標金額があると、モチベーションがアップして継続できます。また、ゴールが明確なので逆算して「毎月○万円貯めれば達成だね」と、適切な目安を設定しやすいです。
④定期的に見直しを行う
先取り貯金は最初に仕組みを作れば自動的にお金が貯まりますが、定期的に見直しを行なうことも必要です。「この方法で毎月○万円と決めた」と放置するのは、資産を増やすチャンスを見のがすことにつながります。
ご自分の生活や収入、社会状況は日々変化します。先取り貯金額は適切か、今の先取り貯金の方法は最適かなど常に考え情報収集しましょう。また、保険代や携帯代など固定費の見直しも家計改善において重要です。
まとめ:自分に合う先取り貯金で確実にお金を貯めよう!
先取り貯金についての概要とおすすめの方法、継続するコツなどをご紹介しました。以下の4つのポイントを確認しておきましょう。
- 先取り貯金は、前もって一定額を取り分ける貯金法なので貯めやすい
- 自分の家族構成やライフスタイルに適した先取り貯金の方法を選ぶ
- 家族構成やライフスタイルにより異なるが、先取り貯金の目安は手取りの10~30%である
- 家計の把握と見直しをしながら、具体的目標を立てて無理のない貯金をする
オーソドックスな貯金から資産運用まで、先取り貯金の方法は多岐にわたります。自分に合った先取り貯金の方法を選び、長期的な目線を持ちお金を貯めていきましょう。