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給付型奨学金の対象者の基準は?申し込みスケジュールを含めて解説

奨学金の中には返還の義務がない給付型奨学金があります。給付型奨学金は高等教育の無償化制度の1つであり、利用を検討している人もいるでしょう。

今回は給付型奨学金の対象者の基準を解説した上で、実際に給付される奨学金の金額も紹介します。

給付型奨学金は申し込み時期が決まっているため、利用を検討している人はスケジュールを確認の上、忘れず申し込みましょう。

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給付型奨学金は高等教育無償化制度の一環

経済的な理由で学生が学びを諦めることがないように、2020年4月から高等教育の無償化制度がスタートしました。高等教育の無償化制度は、授業料・入学金の減免に加え、給付型奨学金が給付される制度です。

新制度がスタートしたことにより、給付型奨学金の金額が増額され、制度の利用対象となる家庭も、住民税非課税世帯に準ずる世帯にまで拡大されました。給付型奨学金は返還の義務がなく、学生本人の負担を軽減できることが特徴です。

高等教育の無償化制度は、大学・短大の98%、高専の100%、専門学校の73%が対象校と認定されています。在学している学校もしくは進学希望先が、高等教育の無償化制度の対象かどうかを確認した上で、必要に応じて給付型奨学金を含め、高等教育の無償化制度を利用しましょう。

給付型奨学金の申し込み対象者の基準は?

返還の義務がない給付型奨学金の申し込みには、さまざまな基準が設けられています。特に世帯の収入や資産については、保護者(生計維持者)に確認の上、申し込みましょう。

基準1:学力

入学してから1年が経過しているかどうかで、それぞれ異なる学力基準が設けられています。学力基準は以下の通りです。

【入学後1年を経過していない人(2020年度秋入学者含む)】
次の1~3のいずれかに該当すること。
1:高等学校等における評定平均値が3.5以上であること、又は、入学者選抜試験の成績が入学者の上位2分の1の範囲に属すること
2:高等学校卒業程度認定試験の合格者であること
3:将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書等により確認できること

引用元:日本学生支援機構 【大学生等対象】申込資格・選考基準

【入学後1年以上を経過した人】
次の1、2のいずれかに該当すること。
1:GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1の範囲に属すること
2:修得した単位数が標準単位数以上であり、かつ、将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書により確認できること

引用元:日本学生支援機構 【大学生等対象】申込資格・選考基準

基準2:世帯の収入

給付型奨学金の利用には世帯の収入要件が設けられており、学生本人生計維持者が以下の基準に該当する必要があります。

【第1区分】 あなたと生計維持者の市町村民税所得割が非課税であること(※1)。
【第2区分】 あなたと生計維持者の支給額算定基準額(※2)の合計が100円以上25,600円未満であること。
【第3区分】 あなたと生計維持者の支給額算定基準額(※2)の合計が25,600円以上51,300円未満であること。

引用元:日本学生支援機構 【大学生等対象】申込資格・選考基準

なお、給付型奨学金は収入に応じて3つの区分が設定され、区分ごとに給付される奨学金額が異なります。

基準3:世帯の資産

収入の他にも世帯の資産による基準があります。学生本人と生計維持者の資産額の合計が、2,000万円未満の場合に限って給付型奨学金を申し込むことができます。

なお、ここでの資産とは現金や投資用資産として保有する預貯金や有価証券を指し、不動産は含みません。

給付型奨学金の給付金額

先述の通り、給付型奨学金の給付金額は世帯収入区分により異なります。また、学校が国公立か私立かによっても異なります。実際には給付型奨学金としていくら給付されるのか、国公立私立に分けて、それぞれの給付額を解説します。

国公立の場合

進学先、もしくは在学校が国公立の場合は以下の金額が給付されます。なお、生活保護世帯で自宅から通学する学生や児童養護施設等から通学する場合はカッコ内の金額です。

区分 自宅通学 自宅外通学
大学
短期大学
専修学校
(専門課程)
第1区分 29,200円(33,300円) 66,700円
第2区分 19,500円(22,200円) 44,500円
第3区分 9,800円(11,100円) 22,300円
高等専門学校 第1区分 17,500円(25,800円) 34,200円
第2区分 11,700円(17,200円) 22,800円
第3区分 5,900円(8,600円) 11,400円

参考:日本学生支援機構「奨学金の制度 支給額」

私立の場合

一方、私立校に在籍、もしくは進学を希望している場合の給付型奨学金額は以下の通りです。国公立に比べて私立のほうが学費が多くかかるため、私立に在学(進学)する場合のほうが給付金額が高く設定されています。

区分 自宅通学 自宅外通学
大学
短期大学
専修学校
(専門課程)
第1区分 38,300円(42,500円) 75,800円
第2区分 25,600円(28,400円) 50,600円
第3区分 12,800円(14,200円) 25,300円
高等専門学校 第1区分 26,700円(35,000円) 43,300円
第2区分 17,800円(23,400円) 28,900円
第3区分 8,900円(11,700円) 14,500円

参考:日本学生支援機構「奨学金の制度 支給額」

「自宅外通学」の基準

給付型奨学金は収入区分以外にも、自宅通学か自宅外通学かによって奨学金の金額が異なります。奨学金制度における自宅通学とは、学生本人が生計維持者(原則父母)と同居しているか同居に準ずる状態を意味しています。

自宅外通学は、以下の事由に該当する場合など、生計維持者と同居していない妥当性が認められなければなりません。自宅外通学の基準は以下の通りです。

(1) 実家(生計維持者いずれもの住所)から学校までの通学距離が片道60km以上(目安)
(2) 実家から学校までの通学時間が片道120分以上(目安)
(3) 実家から学校までの通学費が月1万円以上(目安)
(4) 実家から学校までの通学時間が片道90分~120分であって、通学時間帯1時間以内に利用できる交通機関の運行本数が1本以内(目安)
(5)上記(1)~(4)に該当しないが、やむを得ない特別な事情により、学業の関連で、自宅実家からの通学が困難

引用元:文部科学省「高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A)

給付型奨学金の申し込みスケジュール

給付型奨学金を含む高等教育の無償化制度の利用を希望する場合は、所定の時期に申し込みが必要です。

令和3年度の在学生と令和4年度の進学予定者の給付型奨学金の申し込みスケジュールは以下の通りです。受付は年2回ですので忘れず申し込みましょう。

令和3年度在学生
(令和3年度現在、大学・短大・高専・専門学校に在学している学生)

・在学校を通じて申し込み(在学採用)
令和3年度の申し込み時期は4月頃と9月頃

※家計急変による申し込みは随時受付

令和4年度進学予定者

・高校を通じて申し込み(予約採用)
令和3年4月より申込受付予定

・進学先を通じて申し込み(在学採用)
令和4年度については4月頃と9月頃に申込受付予定

参考:文部科学省「高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A)」

まとめ:給付型奨学金の申し込みには学力と家計基準がある

高等教育の無償化制度の一環である給付型奨学金の申し込みには、本人の学力の他に、世帯の収入・資産基準が設けられています。世帯の収入に応じて給付される奨学金にも差が出るため、申し込み前に保護者(生計維持者)に確認しておくと良いでしょう。

給付型奨学金の対象かどうかを確認の上、必要であれば給付型奨学金を申し込みましょう。

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