「つみたてNISAが解約可能なのかどうかわからない」と悩む人もいます。つみたてNISAは、資産運用のひとつとして人気の高い方法です。しかし、運用方法を変えたくなったり、現金が必要になる等の事情で、解約したくなる可能性もあります。
つみたてNISAの始め方についてはご存知の人も多いですが、解約方法はあまり認知されていません。そこで、本記事ではまず、つみたてNISAを解約する3つのデメリットと、解約前に検討すべき4つの選択肢、解約時の3つの注意点を解説します。
これらの情報を紹介した後に、具体的な解約方法を説明します。実際に解約する前に、解約のデメリット等をしっかりと吟味してください。なお、解約後につみたてNISAを再開する手続きも解説しているので、やり直しも可能です。
つみたてNISA自体についての詳細な解説は、以下の記事を参考にしてください。
つみたてNISAは途中解約可能
つみたてNISAは、いつでも途中解約ができます。解約を申し出た時に担当者に引き留められたりすることはなく、簡単な手続きでスムーズに手続きできるため、いつでも気軽に解約可能です。
「だったらすぐに解約しよう」と思うかもしれません。しかし、つみたてNISAは、簡単に解約するのはもったいない資産運用方法です。解約にはむしろ大きなデメリットがあり、できれば解約を回避することをおすすめします。
今のつみたてNISAが気に入らない場合も、解約せずに済ませられる方法を紹介するので、解約を急がないでください。まずは、次項で解約のデメリットについて解説します。
つみたてNISAを解約する3つのデメリット
つみたてNISAの解約には、大きなデメリットがあります。次の3点です。
- 非課税期間を活用できない
- リスク分散効果が低くなる
- 複利効果を得られない
これらのデメリットがあると知らずに解約してしまうと、後悔することになりかねません。解約に伴う3つのデメリットを熟知した上で、解約すべきかどうか判断しましょう。以下で、各デメリットについて詳しく解説します。
デメリット①非課税期間を活用できない
つみたてNISAには、最長20年間の非課税期間が設定されています。非課税期間中は、つみたてNISAで得た利益の額にかかわらず、税金がかかりません。資産運用をする人にとって、非常にお得な制度です。
しかし、つみたてNISAを途中解約すると、20年間ある非課税期間を活用できません。また、年間最大40万円の非課税投資枠が復活しない点にも、注意が必要です。
例えば、つみたてNISAで35万円の金融商品を積み立てて、1年以内に解約した場合、当該年の非課税投資枠は5万円(=40万円ー35万円)のみです。
つみたてNISAを含むNISA全般に関する詳細な解説は、以下の記事を参考にしてください。
デメリット②リスク分散効果が低くなる
つみたてNISAは長期運用による高いリスク分散効果が見込まれる運用方法であるため、解約するとリスク分散効果が低くなってしまいます。そもそも、つみたてNISAで運用できる金融商品は、国内外の株式や債券等を幅広く組み合わせ、リスクを最小化するように設計されています。
そして、リスクを低減させた投資信託を、自分の決めた定額で毎月購入する仕組みです。毎月定額の金額で対象の投資信託を購入するため、投資対象の価格上昇時には少なめの数量を買い、価格下落時には多めの数量を買うというリスク分散効果が得られます。
また、株価の変動リスクは長期運用することで軽減することが出来るため、短期間で解約してしまうと長期運用によるリスク分散効果が低くなります。
デメリット③複利効果を得られない
つみたてNISAは、長期運用をすることで複利効果が得られます。複利効果とは運用で得た利益を再投資することで、「お金が新たにお金を作る」という状態で効果的に資産を増やすことができます。
しかし、つみたてNISAを解約すると複利効果を得ることはできません。複利効果は長く運用するほど高い効果を得られるため、つみたてNISAを短期で解約してしまうのはとてももったいないといえるでしょう。
解約前に検討すべき4つの選択肢
「つみたてNISAが優れた運用方法といわれても、今の所損失ばかりだから解約したい」と思う人もいるでしょう。また、「すぐにお金が必要だから解約しなければならない」という人もいるかもしれません。
しかし、そのような理由で焦って解約する必要はありません。解約前に、次の4つの選択肢を検討してみてください。
- 投資する銘柄を変える
- 金融機関を変更する
- 投資を一時休止する
- 必要な分だけ解約する
これらの選択肢によって、解約を避けることも可能です。解約を早まるとデメリットが発生し、後悔するかもしれません。各選択肢について、以下で詳しく解説します。ぜひ、じっくりと読んでみてください。
選択肢①投資する銘柄を変える
運用がうまく行かず不満がある場合は、投資する銘柄を変えてみましょう。つみたてNISAは初心者も取り組みやすい運用方法ですが、資産運用であることに変わりはありません。投資対象が今ひとつと感じたなら、もっと良い投資先を探してみてください。
「変更が面倒なのでは」と思うかもしれませんが、つみたてNISAの投資先変更は比較的簡単です。初心者が取り組みやすいつみたてNISAであっても、投資を行っているという点を再認識し、必要があれば銘柄を変えてみましょう。
選択肢②金融機関を変更する
「現状では利益が出ていない」という理由で解約を考えている場合、金融機関を変更することで解決できるかもしれません。金融機関によってつみたてNISAの対象となる金融商品の種類や数が異なるため、金融機関を変えて自分に合う商品を見つけることが可能です。年に1回なら変更できます。
金融機関を変更する場合は、ネット証券への変更をおすすめします。ネット証券なら、つみたてNISA対象の商品をより多く扱っており、少額の積立金額でも始められます。
選択肢③投資を一時休止する
株価の下落や停滞が続いて不安になり、解約したいという人は、投資を一時休止してみてください。つみたてNISAは、長期運用によって株価変動リスクを軽減するため、株価が下落しても不安になる必要はありません。
しかし、それでも不安な場合は、投資を一時休止して様子見をすることがおすすめです。株価の暴落で即時解約するのではなく、いったん積み立てを休止し、相場が回復するまで待ってみてください。
選択肢④必要な分だけ解約する
現金が急ぎ必要になったという理由で解約する場合は、全てを解約するのではなく、必要な分だけ解約しましょう。つみたてNISAは、いつでも必要な金額分を現金化できます。必要金額だけ売却し、残りはつみたてNISAとして継続するとデメリットの回避が可能です。
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つみたてNISAを解約するときの3つの注意点
「それでもつみたてNISAを解約したい」という場合は、次の3点に注意してください。
- 解約のタイミングを見極める
- 売却手数料を確認する
- 来年度まで再開設できないことがある
これらの注意点を知らずに解約すると、「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。解約前に、3つの注意点をぜひご確認ください。以下で各注意点について解説します。
注意点①解約のタイミングを見極める
株価が下がったからといってあわてて解約するのではなく、解約のタイミングを見極めることが重要です。株価下落は、一定時間の経過によって回復することがよく見られます。
そのため、急いで解約してしまうと、安値で売却した挙句に翌日株価が復活していた、という事態もあり得ます。運用の目標金額や売却価格等、解約の指標となる数値をあらかじめ決めておくと、後悔しない決断が行えるでしょう。
注意点②売却手数料を確認する
つみたてNISAを解約する際、解約手数料はありません。しかし、つみたてNISAの金融資産を売却するための売却手数料が必要となる可能性があります。金融機関によって売却手数料は異なるため、解約前に売却手数料を確認しておきましょう。
注意点③来年度まで再開設できないことがある
ある年につみたてNISAで金融商品を購入し、同年内に解約すると、NISA口座を来年度まで再開設できない場合があります。つみたてNISAだけではなく、一般NISAも開設できません。また、金融機関を変えても関係なく、再開設できません。
つみたてNISAを解約する手続き
つみたてNISAの解約手続きは、次の3ステップで完了します。
- つみたてNISAの口座がある金融機関に、電話またはインターネットのウェブサイトで解約の意思を伝える
- 金融機関から「非課税口座廃止届出書」が送られるため、記載し本人確認書類を添付して返送する
- 解約手続きが完了すると、金融機関から「非課税口座廃止通知書」が送られる
非常に簡単な手続きで解約できるため、急いで手続きをする必要はありません。解約前にデメリット等を熟考してください。なお、解約完了後に送付される「非課税口座廃止通知書」は、つみたてNISAの口座を再開設する時に必要となるため、大切に保管しておきましょう。
解約後に再開する手続き
「解約したけれど、もう一度つみたてNISAを始めたい」という場合は、再開設ができます。解約後に再開する手続きは新規申込と大きく変わりませんが、「非課税口座廃止通知書」が必要な点が異なります。手続き方法は、次の3ステップです。
- 金融機関から「非課税口座開設届出書」を取り寄せ、記載し本人確認書類と非課税口座廃止通知書を添付して返送
- 金融機関と税務署による審査
- つみたてNISA口座の開設完了後、金融機関から通知
まとめ:つみたてNISAを解約する場合は、デメリットや注意点を考慮したうえで適切なタイミングで実施しましょう
つみたてNISAの解約に関して、デメリットや検討すべき選択肢、解約時の注意点、解約手続き、解約後の再開設方法を解説しました。つみたてNISAは、長期保有によって利益を獲得する運用方法です。そのため、解約を避けられるに越したことはありません。
どうしても解約する必要がある場合は、デメリットや注意点を考慮し、適切なタイミングを見極めて行いましょう。解約手続き自体は簡単なので、解約を焦らず、解約を回避できないかどうかしっかりと検討してください。