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厚生年金基金は廃止?基金加入者が年金を受け取る方法

2019年4月までに大部分の厚生年金基金が解散しました。厚生年金基金に加入していた人は自分がもらえる年金がどうなるか気になるところでしょう。

今回の記事では、厚生年金基金のしくみや年金の受け取り方について解説します。記事を読めば、厚生年金基金の加入状況の確認方法がわかり年金の請求漏れを防ぐことができます。

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厚生年金基金のしくみ

厚生年金基金(以下、基金)とはどのような年金でしょうか。基金のしくみと年金支給を行う組織について確認しましょう。

厚生年金基金は厚生年金の代行制度

厚生年金基金とは、老齢厚生年金の支給の一部を代行する制度です。基金が代行する年金を「報酬比例部分」、国が老齢厚生年金として支給する年金を「再評価・スライド部分」といいます。

さらに、基金によっては独自の年金を加算するケースもあります。基金の加入者は、所定の年齢に達すれば老齢基礎年金(国民共通の年金)と老齢厚生年金(会社員や公務員の上乗せ年金)に加えて、基金から企業年金が支給されます。

厚生年金基金の仕組み

引用:企業年金連合会「よくあるご質問・Q2」

代行するのは厚生年金基金と企業年金連合会

基金の年金給付業務を行うのは、個々の「厚生年金基金」と「企業年金連合会」です。

「厚生年金基金」は前述の制度名であるとともに、年金支給業務を行う組織名でもあります。

組織としての基金は設立形態によって下記の3つに分類されます。

  • 単独型:1つの企業が単独で設立した基金
  • 連合型:主力企業を中心に複数の企業が設立した基金
  • 総合型:業界団体などを母体として複数企業が集まって設立した基金

また、給付形態によって下記に分けられます。

  • 代行型:厚生年金の給付の一部を代行し、支給率を高くしてその給付を厚くする基金
  • 加算型:代行部分に独自の給付部分を上乗せする基金

「企業年金連合会(以下、連合会)」は、解散した基金の加入者や基金を脱退した人(途中退職者)に対する年金給付を一元的に行う組織です。つまり、個々の厚生年金基金から年金の支給を受けられない加入者の受け皿として機能しているのです。

また、確定給付(拠出)年金などの企業年金に関わる業務も行っています。

厚生年金基金の設立から廃止まで

基金は、実質的には廃止される方向です。ここでは、基金設立から廃止に至るまでの経緯について解説します。

①厚生年金基金の設立

基金は、会社員の老後保障のために、公的年金である厚生年金に上乗せして年金を支給する企業年金制度として1966年にスタートしました。

高度経済成長時代、従業員の福利厚生の向上を目的に多くの企業が基金を設立し、1996年度末には1,883基金と設立数のピークを迎えました。

②厚生年金基金の減少と代行割れ

バブル崩壊後、運用環境の悪化などで企業が基金を維持する負担が増加したため、代行部分を国に返上(代行返上)する基金が増え基金数は減少しました。

さらに、2012年のAIJ投資顧問事件(※)をきっかけに、基金の代行割れがクローズアップされました。代行割れとは年金支払いするための基金の積立金が運用難などで不足している状態をいい、代行割れした基金の加入者は年金がもらえない可能性もあります。

※AIJ投資顧問による年金詐欺事件。基金から年金資産の運用を任されていた同社の詐欺行為により多額の年金資産が消失しました。

③厚生年金保険法の改正と基金の現状

前述のAIJ投資顧問事件などがきっかけとなり、2014年に厚生年金基金法が改正されました。

主な改正内容は下記の通りです。

  • 厚生年金基金の新設は認めない。
  • 2014年4月から5年間は特例解散制度を見直して、 基金が解散する時に国に納付する最低責任準備金の納付期限を緩和するなどの特例を設ける。
  • 2019年4月以降は、代行資産を保全するために必要な所定の基準に満たない基金に対しては、 厚生労働大臣が解散命令を発動できる。

 2014年の施行日から大半の基金が特例解散を行いました。2021年4月時点で存続する基金は5基金となっています。今後、基金の新設はないため、5基金を除いて基金は実質的に廃止されたといっていいでしょう。

「東京都電設工業厚生年金基金」の例

代行返上を行い2018年4月に新しい年金制度に移行した東京都電設工業厚生年金基金を例に、基金加入者の年金がどう変わるかみてみましょう。同基金は東京都内の電設業の会社が加入する総合型基金です。

2018年4月の基金の解散前後の加入状況
 

引用:東京都電設工業企業年金基金「当企業年金基金のしくみ」

基金が代行していた報酬比例部分が国に返上され、基金未加入者と同様に、加入者は老後に国から老齢年金を受給します。

基金独自の加算年金などは、新しくできた企業年金に引き継がれます。新しい企業年金を運用・管理するのは、基金解散後に設けられた「東京都電設工業企業年金基金」です。

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基金加入者の年金受給方法

基金加入者が受け取る年金は個々人で異なりますので、基金が解散した場合と基金を脱退(途中退職)した場合に分けて解説します。

パターン①基金が解散した場合の受給方法

基金が解散した場合の年金受給方法は、基金の年金資産をどこが引き継いだかによって異なります。

  • 国が引き継いだ場合
    代行部分が国に返上され、国から老齢厚生年金として受給します。 報酬比例部分の加算年金などは連合会などから受給。
  • 連合会が引き継いだ場合
    連合会が代行部分などを引き継ぎ、代行部分も加算部分も連合会から受給します。

引用:日本年金機構「厚生年金基金加入期間がある方の年金」

2014年4月の改正以降は、年金資産の引き継ぎ方法は上記①の国への返上のみです。それより前は上記②が基本でした。

定年退職者で加入していた基金が連合会に引き継がれた場合、年金の支給時期になると連合会から年金請求の案内が届きます。案内を待って手続きすれば年金が受け取れるので、特段の対応は不要です。ただし、その他の企業年金へ資産を引き継いだ場合は、その企業年金の窓口へ連絡をして手続きすることになります。また、基金の解散時に分配金を受け取っている場合は、給付がないため手続きもありません。

パターン②基金を脱退した場合の受給方法

会社を中途退職するなどで基金を脱退した人の年金資産は、原則的に連合会に引き継がれ年金支給時期になると連合会より手続きの案内がきます。短期で退職した場合、将来の年金に代えて脱退一時金を受け取ることもできます。

基金を脱退した場合で困るのが、引っ越しなどで連合会から連絡が取れなくなっているケースです。本人も基金に加入していたことを忘れていたり、そもそも基金がなにかを理解していないケースもあります。次の章で確認しましょう。

基金の加入状況がわからない場合の確認方法

自分が加入していた基金の名前がわからない、加入していたかどうかわからない場合は下記にて加入状況を確認できます。

  • 会社退職後に送付される「移換完了通知書」・「年金の引き継ぎのお知らせ」(年金資産が連合会に移管されたことを通知する書面)を確認する。
  • 連合会に電話・訪問・インターネットにて照会(※)する。

 ※連合会の照会先

まとめ:年金受給のポイントは加入状況の確認と請求タイミング

厚生年金基金とは、厚生年金の支給を一部代行し、さらに上乗せの給付を行うための制度です。2014年厚生年金基金法の改正により基金は実質的には廃止され、年金資産は国または企業年金連合会に引き継がれるなどしています。

連合会が引き継いだ年金記録は、引っ越しなどでわからなくなるケースがあります。年金の受給漏れがないように、連合会などで加入状況とともに年金請求のタイミングを確認しましょう。60歳、もしくは老齢厚生年金と同時に支給開始となることが多いため、その前に確認することが大事です。

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