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家計

 

シングルマザーとなって子供の世話をすることになった場合、夫婦で暮らす場合とは異なり、子供の教育や健康にかかるさまざまな費用が必要になります。そのため、毎月の生活費はどれくらいかかるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、シングルマザーの生活費の平均や受けられる公的な援助制度の情報、生活に余裕を持つためのポイントを紹介します。生活費の目安や利用できる公的な支援などを事前に把握したいシングルマザーの方は、ぜひ参考にしてください。

 

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シングルマザーの生活費はいくら?

総務省統計局の調査によると、シングルマザーの平均的な生活費は23〜24万円となっています。

  • 子供が20歳未満の世帯:235,036円
  • 子供が18歳未満の世帯:232,079円

参考:総務省統計局「2023年度 家計調査 世帯類型別」

しかし、この数字は統計上のものであり、実際の生活費は世帯ごとに異なります。居住地や住居形態、子供の年齢や人数などが影響するでしょう。さらに、統計には含まれない冠婚葬祭や入院などの臨時の支出や、貯蓄額なども考慮する必要があります。

シングルマザーの生活費内訳

シングルマザーの生活費の実態はどのようなものでしょうか。ここでは、シングルマザーの平均的な生活費の内訳を表にまとめてみました。

項目 子供が20歳未満の世帯 子供が18歳未満の世帯
食費 56,629円 56,574円
家賃 24,984円 24,414円
水道光熱費 18,481円 18,599円
家具・家事用品費 11,965円 12,905円
被服費 9,191円 9,341円
保険医療費 6,196円 5,905円
自動車等関連費 16,812円 17,089円
交通費 4,388円 3,924円
通信費 12,560円 12,523円
教育費 15,481円 13,704円
娯楽費 20,648円 19,420円
雑費 37,701円 37,681円

参考:総務省統計局「2023年度 家計調査 世帯類型別」

上記の表は、総務省統計局が公開しているデータに基づいています。ただし、同データでは世帯人数の平均が2.65人(子どもが18歳未満では2.61人)となっています。

したがって、「子供が2人以上の世帯」や「親御さんと暮らしている人」は、表の平均額よりも多くの生活費がかかる可能性があることにご注意ください。

ここからは、それぞれの項目について詳しく解説します。

  • 食費
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 家具・家事用品費
  • 被服費
  • 保険医療費
  • 自動車等関連費
  • 交通費
  • 通信費
  • 教育費
  • 娯楽費
  • 雑費
  • 補足:生活費は子供の数や年齢、暮らし方によって変わる

食費

食費は、子どもの人数や年齢によって変動します。基本的には、人数と年齢が高くなるにつれて金額は高くなると考えておきましょう。

未就学児1人や年齢が低い子どもがいる場合は、1ヶ月あたり3万円程度が目安です。小学生以上や思春期など育ち盛りの子どもがいる場合は、1ヶ月あたり4万円〜5万円程度を目安にしましょう。

食費はやりくり次第で大幅に抑えられる部分です。しかし、あまりにも食費を削減してしまうと栄養が偏り、健康を損ねる可能性もあるため、やり過ぎには注意が必要です。「安ければ良い」ではなく、安くなりやすい旬の食材を取り入れるなどして工夫しましょう。

家賃

シングルマザーに必要な生活費のなかでも大部分を占めるのが家賃です。実家に身を寄せたり、持ち家があったりする場合を除き、大半の人にかかる生活費です。

住む家や間取りによって左右されますが、住居費の平均は5万円〜8万円程度かかります。費用に加え、子育てのしやすさや治安の良さ、安全面などを考慮して選ばなくてはなりません。

また、市営住宅や県営住宅に入る場合は、大幅に費用を抑えられます。公営住宅は民間住宅よりも費用が安く、2万円〜3万円程度で住めるケースも少なくありません。ただし、入居するにはいくつかの条件があるため、事前にリサーチしておきましょう。

水道光熱費

水道代や光熱費などは、地域や家の広さ、人数によって左右されます。目安は、1ヵ月あたり1万5,000円〜2万円程度です。真夏や冬場は、エアコンなどを使う機会が増えるため、高くなる傾向にあります。生活費のなかでも変動しやすいため、余裕を持って見積もっておくと安心です。

なお、地域によっては児童扶養手当や特別児童扶養手当を受給している場合は、水道料金の免除を受けられる可能性があります。詳しくは、お住まいの地域の水道局に問い合わせてみましょう。

家具・家事用品費

生活していくうえで洗剤やティッシュペーパーなどの日用品も欠かせません。製品や子どもの人数によって左右されますが、1ヵ月あたり5,000円〜1万円程度は確保しておくと安心です。

また、家具や家電、寝具などが壊れ、新たに必要になるケースもあります。洗濯機や冷蔵庫などの家電は価格が高いため、万が一の際に備えて貯金しておくとよいでしょう。もし費用を抑えて家具や家電を手に入れたい場合は、フリマアプリやリサイクルショップを活用するのがおすすめです。

被服費

被服費は必ず毎月かかるわけではありませんが、1ヶ月あたり5,000円〜1万円程度が目安です。子どもが小さい頃は成長が早いため、頻繁に洋服や靴を買わなくてはならないことも少なくありません。

できるだけ費用を抑えるには、知り合いからお下がりをもらったり、フリマやリサイクルショップを活用したりするのがおすすめです。

保険医療費

母親が正社員の場合は、会社で保険に入れてもらえますが、パートやアルバイトの場合は、自分で保険に加入しなくてはなりません。国民年金(令和6年度)は1カ月あたり16,980円、健康保険は所得や年齢によって異なります。

また、自分に何かあったときの備えとして生命保険、子どもの将来に備えた学資保険などの加入も検討する必要があります。

一方で医療費は、自治体によって条件が異なりますが、医療費助成制度を利用することで負担を軽減することが可能です。

年齢や所得、お住まいの地域などによって左右されるため、一概にはいえませんが1ヵ月あたり5,000円〜1万円程度は用意しておくと安心です。

自動車等関連費

移動に車が欠かせない方も少なくありません。一般的に車の維持費には、税金・保険料・ガソリン代・メンテナンス費用などがかかります。加入している任意保険やガソリン代、駐車場代によっても左右されます。

維持費の目安は、1ヶ月あたり普通車1.5Lは3万6,000円、普通車2.5Lは4万1,000円、軽自動車は3万2,000円です。維持費の負担を抑えたい場合は、軽自動車がおすすめです。

ただし、家族が多かったり、荷物を多く積んだりする場合は、普通車を選んだほうが良いケースもあるため、ご家族の状況に合ったものを選びましょう。

交通費

子どもと出かけたり、習い事に行ったりする際には、交通費がかかります。車移動がメインの場合は、電車やバスなどの交通費はかかりませんが、ガソリン代や自動車の維持費が必要です。

子どもが15歳以上で高校や大学への通学に公共交通機関を使う際は、定期代が必要になるため、多めに見積もっておくと安心です。また、児童育成手当を受給している場合は、JR通勤定期乗車券は3割引で購入できる制度を設けている自治体もあります。詳しくは、お住まいの地域の役所に相談しましょう。

通信費

携帯電話やWi-Fi、NHKの受信料なども必要です。契約している通信会社によって異なりますが、1ヵ月あたり1万5,000〜2万円程度を見積もっておきましょう。

最近は携帯電話が普及しているため、固定電話は必要ないケースも少なくありません。家族全員が携帯電話を持っている場合は、固定電話は解約して費用を抑えることをおすすめします。

教育費

教育費は、子どもを通わせる学校によって大きく左右されます。小学校から高校まで公立に通った場合は、授業料や給食費などを諸々合わせて1ヵ月あたり1〜3万程度かかります。公立の学校は、就学援助制度を利用することで費用の援助を受けられる可能性があるため、気になる方は確認しておきましょう。

一方で私立に通わせた場合は、1ヵ月あたり6万円〜9万円程度かかります。公立の学校に比べると授業料や制服代などが多くかかってしまいます。学校によってはさらに費用が必要になるケースもあるでしょう。

また、大学に進学した場合は、理系や文系、私立か国公立によって費用が大きく異なります。進学のために塾に通うことになった際には、1ヵ月あたり1万円〜2万円、もしくはそれ以上かかることもあります。

娯楽費

娯楽費は、家庭によって大きく異なります。総務省による家計調査では、1ヶ月あたり20,000円前後の過程が多い傾向にあります。子どもの人数が多いほど必然と高くなるため、人数に合わせて多めに見積もっておくとよいでしょう。

また、娯楽費は食費と同様に削りやすい部分ですが、子どもの創造性や社会性を育むために削りすぎるのはよくありません。節約しながらも子どもと一緒に楽しめる娯楽を見つけることをおすすめします。

雑費

雑費とは、冠婚葬祭や旅費、理美容費など不定期に支出する費用のことを指します。結婚式に出席する際のお祝いや衣服代、子どもの習い事で必要な雑貨など様々なものが雑費に該当します。予備費の意味合いもあるため、多めに確保しておくと安心です。

また、雑費は気づかぬうちに出費が増えているケースも少なくありません。使いすぎを防ぐために定期的に家計簿をチェックしましょう。

補足:生活費は子供の数や年齢、暮らし方によって変わる

先述した月々の生活費は平均値であり、子供の数が多いほど教育費や食費は高くなります。自分たちの生活に照らし合わせるときは、家族の人数や暮らし方を考慮することが大切です。

例えば、自宅を所有しておりローンの支払いがなければ住居費は必要ありません。子供が私立の学校に通っている家庭は、平均より教育費がかさむことも想定できるでしょう。

さらに、子供の年代が高くなるほど、食費・教育費・おこづかいなどに必要な生活費が増えます。とくに、高校生になる15〜17歳では、高校の学費・塾の料金・携帯電話の代金などで出費が大きく増えるといわれています。

シングルマザーの年間収入は272万円~373万円

母子家庭の収入はどの程度なのでしょうか。厚生労働省の調査によると、シングルマザーの平均年収は以下の通りです。

  • 令和2年の平均就労収入:236万円
  • 令和2年の平均収入(自身の収入):272万円
  • 令和2年の平均収入(世帯の収入):373万円

参考:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査 16-1-1 令和2年の母子世帯の年間収入状況」

詳しく解説するので、自身の収入と比較してみてください。

  • シングルマザーの就労収入は平均236万円
  • シングルマザーの世帯収入は平均373万円

シングルマザーの就労収入は平均236万円

厚生労働省の調査では、シングルマザーの就労収入は平均236万円となっています。

月々に換算すると約19.6万円であり、各種税金を引くと、実際に手元に残るのは15~16万円程度です。
参考:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査 16-1-1 令和2年の母子世帯の年間収入状況」
参考:タレントスクエア「【月収・月給別】手取り計算ツール | 額面給与から手取りを計算」

一方、先述した通りシングルマザーの平均生活費は月23〜24万円。つまり、就労収入だけでは生活費を賄うことが困難な家庭が多いということです。

シングルマザーの世帯収入は平均373万円

厚生労働省の調査では、シングルマザーの世帯収入は平均373万円。就労収入の平均と比べると、世帯収入は年間で約140万円高くなっています。平均世帯人員が3.18人であるため、同居親族の収入を含めた世帯全員の収入であることが分かります。
参考:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査 16-1-1 令和2年の母子世帯の年間収入状況」

世帯収入だけを見ると生活に少しゆとりが持てそうですが、実際には母1人、子1人という家庭も存在します。そうなると、200万円台の収入では苦しい生活が強いられることでしょう。

そこで、シングルマザーには複数の支援制度が設けられています。母子家庭が受給可能な手当については後述しますので、生活費に不安のある方は参考にしてください。

シングルマザーの平均貯蓄は422万円

厚生労働省によると、シングルマザーの平均貯蓄額は1世帯あたり4,225,000円でした。一方、以下の通り「貯蓄額50万円未満」もしくは「貯蓄なしのシングルマザー」が全体の33%を占めていることがわかっています。

  • 貯蓄額50万円未満の割合:12.1%
  • 貯蓄額なしの割合:22.5%

参考:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

50万円近い貯蓄額があるとしても、月々の生活費が20万円を超える現状を考慮すると、約2.5ヶ月しか生活を送れません。仕事を失ったり、病気やケガで働けなくなったりするような場合に備えるとしたら、少し物足りない貯蓄額だといえます。

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シングルマザーが実践したい生活費の節約方法

生活費の節約を楽に始めたい人は、毎月かかる固定費の見直しを始めてみましょう。特に、支出の中で大きなウェイトを占める項目については、見直しの効果が高くなります。

見直しによって節約できる可能性が高い項目は、「住宅費」「通信費」などが挙げられます。

ここでは、シングルマザーの生活費を少しでも節約する方法を紹介します。

  1. 住宅費の節約方法
  2. 通信費の節約方法
  3. 固定費の節約方法

もちろん、母子家庭に限らず父子家庭でも違いはなく、同じように利用できるので、ぜひ参考にしてください。

シングルマザーが実践すべき住宅費の節約方法

住宅費を節約するには、民間のアパートなどに比べて家賃が安い公営住宅に住むことが最適です。

公営住宅は需要が高く、地域によっては応募者数が数百倍にもなることもあります。しかし、ひとり親世帯は優先的に入居できる制度がある地域も存在するため、シングルマザーは積極的に申し込みをしてみましょう。

もし、公営住宅の利用が難しい場合は自分の親との同居生活も視野に入れてみてください。
実家であれば家賃が抑えられ、結果的に住宅費を節約できます。

シングルマザーが実践すべき通信費の節約方法

通信費を節約するには、現在の使用状況を確認し、契約しているプランを見直すことが有効です。毎月の使用料をチェックすると、「必要なギガ数よりも多く契約していた」「利用していないサポートサービスに加入していた」などということが判明することもあります。

また、格安SIMや三大キャリアの新プランに乗り換えることも、通信費を大きく削減できる方法の1つです。

子供にスマホを与えるときに家族割プランなども検討し、どれが1番安いのかを確認してみてください。

色々検討した上で、自分の使用状況に見合ったプランに変更し、無駄な支払いを減らしていきましょう。

クレジットカード払いで固定費を節約する

毎月の光熱費や通信費などの公共料金は、クレジットカード払いで節約できる可能性があります。ポイント還元率の高いクレジットカードを選ぶと、固定費の一部がポイントやマイルとして戻ってくるからです。

また、近年では「クレジットカードで家賃の支払いができるサービス」や「カード会社と提携している店舗での買い物でポイント還元率がアップするサービス」といったサービスが増えています。

公共料金だけでなく、家賃や食費、日用品費などの生活費もクレジットカードで支払えるようになれば、ポイント還元の効果はさらに大きくなります。

貯めたポイントを他の日用品の購入に利用すれば、生活費の節約にもなります。クレジットカードのサービスを利用して、固定費の支払いを賢く節約しましょう。

シングルマザーが利用できる各種支援金・助成金・制度

ここでは、シングルマザーが受けられる支援金や助成金、制度について紹介します。

  1. 児童手当
  2. 児童扶養手当
  3. 児童育成手当
  4. ひとり親家庭の住宅手当
  5. こども医療費助成
  6. 母子寡婦福祉資金貸与
  7. 寡婦控除・ひとり親控除
  8. 高等学校等就学支援制度
  9. 国民年金・国民健康保険料の減免
  10. 遺族年金
  11. 公的貸付制度

地域や収入によって条件が異なる場合もありますので、詳細は各自治体にお問い合わせください。

児童手当

児童手当とは、0歳から中学校卒業までの子供を育てている人に対して、国や自治体が給付する制度です。子供の年齢に応じて、毎月一定の金額が支払われます。

子供の年齢 児童手当の金額(一人あたり月額)
3歳未満 一律15,000円
3歳以上 小学校修了前 10,000円 (第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

参考:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」

児童扶養手当

児童扶養手当とは、ひとり親世帯の子供の生活を安定させるために国や市町村から支給される手当です。受給条件は、「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子供(障害のある子供の場合は20歳未満)」を育てている親やその他の方です。

なお、「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子供」とは、通常は高校3年生の卒業時期までの子供を指します。

手当の金額は、子供の数や親の収入によって次の表のように変わります。

子供の数 全部支給 一部支給
1人 44,140円 10,410~44,130円
2人目 10,420円 5,210~10,410円
3人目以降 6,250円 3,130~6,240円

参考:こども家庭庁「児童扶養手当について」

児童育成手当

児童育成手当は、18歳になる日からその年度の3月31日までの子供(障害がある場合は20歳までの子供)を育てているひとり親家庭に対して、自治体から支給される手当です。

支給額は、次のようになっています。

  • 育成手当:13,500円
  • 障害手当:15,500円

参考:国立市「児童育成手当」

児童育成手当は、申請者の所得制限に加え、自治体によっては制度の取り扱いがないところもあります。詳しくは、地域の担当窓口にお問い合わせください。

ひとり親家庭の住宅手当

ひとり親家庭の住宅手当とは、母子(父子)家庭で20歳未満の子どもを扶養している方に向けて支給される手当のことを指します。市区町村独自の制度のため、条件や金額が左右されるうえに、実施していない地域もあるため、注意が必要です。

地域によって条件は異なりますが、主に下記のようなものがあげられます。

  • 20歳未満の子供を養育している
  • 市の住民票に世帯主として登録されている
  • 月額1万円を超える家賃を支払っている
  • 所得制限限度額を満たしている

また、支給される金額は市区町村によって異なりますが、5,000円〜1万円程度が平均です。一律で金額を定めている地域もあれば、家賃によって左右するケースもあります。ただし、限度額が決められていることが大半です。

こども医療費助成

こども医療費助成とは、保険診療で支払った医療費の一部が助成される制度です。小学校就学前や中学卒業までなど市区町村によって対象範囲が異なります。

さらに、助成される金額も市区町村の自治体によって異なるため、事前に居住住所地の役所で確認しておきましょう。

例えば千葉県浦安市では、高校生相当年齢までを対象としており、保険診療分の医療費が無料です。高校に通っていなくても18歳に達する日以後の最初の3月31日までは、対象年齢とされています。

母子寡婦福祉資金貸与

母子寡婦福祉資金貸与とは、母子家庭の経済的自立を支援する貸付制度です。市区町村から資金を借りられ、貯蓄がない家庭でも安定した生活を送ることが可能です。

例えば高校の修学資金として月額52,500円、大学であれば月額14万6,000円が限度額として借りられます。償還期間は、20年以内で無利子で借りられます。修学資金以外にも技能習得資金や生活資金などがあるため、詳しくは地域の役所に相談しましょう。

寡婦控除・ひとり親控除

寡婦控除・ひとり親控除とは、年末調整で所得から一定額を控除できる制度です。

合計所得金額が500万円以下の女性かつ夫と離別または死別しており、親族を扶養している方が対象です。控除額は27万円です。

一方でひとり親控除は、下記の条件にすべて当てはまっている方が対象です。

  • 合計所得金額が500万円以下の納税者
  • 配偶者と離別・死別している又は未婚である
  • 生計を一にする子どもがいる
  • 生計を一にする子は、総所得金額が48万円以下かつほかの納税者の同一生計配偶者や扶養親族になっていない

すべての条件に当てはまる方に限り、35万円の控除が受けられます。気になる方は、一度お住まいの地域の役所に相談してみましょう。

高等学校等就学支援制度

高等学校等就学支援制度とは、高校などの授業料の負担を軽減するために設けられた国の制度です。対象者は国内に居住し、高校に在学中の方です。公立学校に通う場合は、高校授業料相当分(年11万8,800円)、私立学校は所得に応じて加算されます。

入学時に学校から案内が届くため、利用を検討している方は、必ず確認しておきましょう。ただし、高等学校就学支援制度は所得制限があり、年収910万円以上の方は受けられないため、注意してください。

国民年金・国民健康保険料の減免

所得が少ない方は、国民年金や国民健康保険料が減額または免除される可能性があります。減免を受けるには、役所で申請を行わなくてはなりません。

支払いが厳しいからといって放置していると延滞金が発生します。さらに万が一の事態に年金を受け取れなかったり、医療費が全額負担で治療を受けられなかったりするリスクがあります。

国民年金の免除は、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除から所得に合わせて決められます。国民健康保険料の減免の詳細は、お住まいの地域の役所に問い合わせてください。

遺族年金

夫と死別してシングルマザーになった場合は、遺族年金が支給される可能性があります。遺族年金とは、夫が支払っていた国民年金や厚生年金を遺族が受けられる制度です。

遺族年金を受け取るには、亡くなった夫の納付状況や年齢などに条件があるため、詳しくは日本年金機構に相談しましょう。また、遺族年金は老齢年金とは異なり、所得税の課税対象にはならないのが特徴です。非課税になるため、年末調整や確定申告の必要はありません。

公的貸付制度

公的貸付制度は、自治体からお金を借りられる制度です。借りられる金額や返済期間などは自治体や子どもの年齢によって異なります。また、保証人を立てられる場合は、無利子で借りられるのが特徴です。もし保証人を立てられない場合は、銀行から低金利で借りられます。

また、公的貸付制度は、生活困窮者を支援することが目的のため、消費者金融で融資を断られた人でも審査を通過できます。公的貸付制度を希望する方は、お住まいの地域の役所に相談しましょう。

シングルマザーとしての生活基盤を整えるポイント

シングルマザーは生活が不安定になりやすいため、安定した生活を送るための心構えが大切となります。ここでは、シングルマザーが生活基盤を整えるためにおさえておきたいポイントを紹介します。

  1. 収支の状況を可視化して家計を管理する
  2. 勤労収入の安定性を高める
  3. 離婚をしてからの行動に関して決めてから離婚をする
  4. 養育費に関しては必ず決めておく
  5. 将来のために積み立てを始める

上記を押さえておくことで、生活が安定しやすくなるでしょう。

収支の状況を可視化して家計を管理する

家計の安定のためには、現在の収入と支出の状況を明確に把握することが大切です。家計簿をつけることが苦手な方も多いでしょうが、家計管理を効果的に行うことで、収支のバランスを可視化できます。

それでも面倒な人は、金融機関のインターネットバンキングと家計簿アプリを連携させれば、アプリ上で口座管理やクレジットカード・電子マネーの利用状況を一括で管理できます。

家計管理がスムーズにできる仕組みを作れば、お金の使い過ぎや節約のチャンスも分かりやすくなります。将来の資産形成やライフプランを立てるときにも役立つので、生活を安定させるためには、家計管理から始めてみることをおすすめします。

勤労収入の安定性を高める

シングルマザーとして生活をする場合、養育費のみでは不十分な場合が多くなります。正社員として働くことが必須というわけではありませんが、これまで専業主婦だった人も安定性の高い収入源を見つける必要があります。

その際、可能な限り社会保険に加入できる職種を選ぶことが望ましいです。社会保険料の支払いにより、収入の実質的な減少は避けられませんが、病気やケガで仕事を休むことになった際には、傷病手当金の支給を受けられます。

また、将来的には年金の受給額も増加し、国民健康保険や国民年金に比べて負担が軽減されるというメリットもあります。社会保険に加入することは、シングルマザーの収入の安定性を高める上で重要な要素であるといえるでしょう。

生活保護という選択をすることもできますが、生活保護費が満足にもらえずに不安が残るということもあるので、できれば勤労収入を安定させるのがおすすめです。

離婚をしてからの行動に関して決めてから離婚をする

離婚によってシングルマザーになる場合は、離婚後の生活や行動を決めておくことが大切です。人生設計をせずに離婚してしまうと、経済的に厳しくなる可能性が高まります。

まず現在の生活費を把握するために家計簿をつけるのがおすすめです。家計簿をつけ、離婚後に必要な生活費を把握し、収入の見込みを立てましょう。

収入が足りないようであれば収入を増やしたり、利用できる制度をリサーチしたりしてから離婚することで余裕を持って生活を送れます。

養育費に関しては必ず決めておく

シングルマザーになった後は、元夫に養育費を請求できます。養育費の取り決めは公正証書を作成しておくことが大切です。後に養育費を支払ってもらえなかった場合に給料などを差し押さえることができます。

もし養育費の取り決めができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。

ほかにも養育費保証制度を利用するのもおすすめです。養育費保証制度とは、元夫からの養育費の支払いが滞った際に保証会社に養育費を立て替えてもらえる制度です。保証料を支払わなくてはなりませんが、必ず養育費を確保できます。

将来のために積み立てを始める

自分と子どもの将来のために資産運用も検討してみましょう。資産運用には様々なものがありますが、取り組みやすい運用方法に「NISA」があげられます。

一般的に配当金や利益は、20.315%の税金が引かれます。しかし、NISAは枠内であれば運用利益が非課税です。積立額を自由に設定できるうえに、金融機関によっては月額1,000円など少額からはじめられます。

運用に手数料が発生しますが、手数料自体が大きな金額というわけでもないので、将来のために始めてみると良いでしょう。

収入が減り積立が厳しくなった際には、積立額を減らしたり、お休みしたりできるのもメリットです。

シングルマザーが貯金をする際のポイント

今後の生活に困らないようにするために、子供のために節約をしつつ、貯金もしたいと考えているシングルマザーの方も多いでしょう。

しかし、「頑張って節約してもなかなかお金が貯まらない」という場合は、下記のようなポイントに気をつけてみてください。

  • 給料の余った分を貯めるのではなく、あらかじめ貯金額を抜いておく
  • 支出を見える化して余分な支出を減らす
  • さまざまな支出の引き落とし設定をする
  • 積み立てをしている場合は積み立ての金額を見直す

簡単に実行できるものばかりなので、貯金に悩んでいるシングルマザーの方はぜひご覧ください。

給料の余った分を貯めるのではなく、あらかじめ貯金額を抜いておく

貯金をする際に、給料の余った分を貯めようと考える方も多いでしょう。

しかし、余った分を貯めようとするとお金の余りがなかなか出ないため、結局貯金をすることができなかったという方がほとんどです。

そこで、給料の余った分を貯めるのではなく、給料が入った時点であらかじめ貯金額を抜く、先取り貯金をしてみてください。

先に貯金へお金を回していることで、ついつい使ってしまっていた余計なお金を減らすことができるでしょう。

支出を見える化して余分な支出を減らす

余裕を持って貯金をするためには、余分な支出を減らすことが大切ですが、どうしても余分な支出を減らすことができないという方も多いです。

減らせない原因の多くは、どのようなことにお金を使っているか把握できていないことにあります。

そのため、家計簿をつけるなどして支出を見えるようにして、定期的に見直す癖をつけましょう。

そうすると、どのようなところでお金を使っていたのかがわかるので、無駄遣いを減らすことができて貯金もできるようになります。

さまざまな支出の引き落とし設定をする

クレジットカードの引き落としや、家賃、税金などのさまざまな支払いを口座からの引き落としに設定しましょう。

口座からの引き落としになれば、口座からどのようにお金が出ているのかを把握しやすくなるので、無駄遣いに気づくことができます。

もし、口座に入っているお金は全て使い切ってしまうという方は、貯金用口座と支出用口座で分けるのもおすすめです。

積み立てをしている場合は積み立ての金額を見直す

お金を貯めるだけではなく、積み立てをして資産を増やそうと考えている方の中には、積み立ての契約をしてから放置という方もいます。

しかし、積み立てをしてから放置をしていると、家計が苦しい場合でも高額な積立金を払わないといけない場合もあるでしょう。

そのため、積み立てをしているという方は、積み立て金額の見直しを検討してみてください。

シングルマザーのお金以外の悩みの解決方法

シングルマザーのお金の悩みに関して紹介してきましたが、お金以外の悩みも多いかもしれません。

特に多いのが、もしもの時に誰かに頼ることができないというものです。

シングルマザーの場合は働きながら子供の面倒を見るため、どうしても対応できない場合に下記のように備えておくとよいでしょう。

  • 近所で頼れる人を見つける
  • 事前に病児・病後児保育施設を利用できるように登録しておく
  • ベビーシッターの依頼を検討する

子供のために周囲の環境を整えるためにも、ぜひチェックしてください。

近所で頼れる人を見つける

仕事をしているとどうしても朝早くや夜遅くに行動をしないといけないことがあるため、子供の面倒を見る人がいないということになりがちです。

そのような時のために、保育園で知り合った人や地域のファミリーサポート事業に登録している方など、子供を預けることが可能な頼れる人を見つけておきましょう。

日々の関係づくりをしておけば、周囲のママたちは子育ての大変さを知っているため、少しの時間であれば預かってくれることもあります。

事前に病児・病後児保育施設を利用できるように登録しておく

子供は免疫力があまりないため、急に体調不良になることもあります。

しかし、体調不良になるたびに仕事を休めないという方も多いでしょう。

そこで、近所にある病児・病後児保育施設を探して、事前に登録をしておきましょう。

看護師や保育士の方が病気の子供を一時的に預かってくれるので、安心して頼ることができます。

ベビーシッターの依頼を検討する

「近所の知り合いに育児を頼むのは申し訳ない」「いくら信用している人でも、我が子を預けるのは不安」という方は、ベビーシッターへの依頼も検討しましょう。

お金はかかりますが、緊急時でも安心して頼りやすく、自分の時間も作りやすくなるのでおすすめです。

依頼する人次第では病児保育が可能な方もいるので、ぜひ色々と探してみてください。

まとめ:シングルマザーは支援制度を上手く活用しよう

離婚によってシングルマザーとなり、子育てをしながら生活をしていくことは、収入面だけでなく心理面や社会面でも多くの困難が伴います。

生活費を節約するだけでなく、子育てと仕事の両立やキャリアアップの可能性を考慮しながら、シングルマザーに対してさまざまな支援を行っている公的制度を積極的に利用することが大切です。

​​本当に苦しい場合は生活保護を受けるという選択肢もありますが、受けるための資格が厳しかったり、生活費に不安が残るということもあるでしょう。

そのため、これから離婚をされる場合は、生活費の見積もりや子供の成長、自分の将来の計画をシミュレーションするなど、安定した生活を送るための事前準備をしっかりと行いましょう。

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