家計が厳しいため支出を抑えたい場合、真っ先に削るべきは固定費です。固定費を思い切って減らすと、家計のやりくりが思った以上に楽になります。
しかし、「なぜ固定費なの?」「どのように固定費を減らすの?」「一人暮らしで節約するにはどうしたらよいのか?」など疑問があるかもしれません。そこで本記事では、固定費を削減する理由と、固定費の節約ポイントを解説します。節約方法を事例を交えて具体的に紹介しているので、どうすればいいのかが簡単にわかります。
ただし、固定費の節約のやり過ぎは禁物です。固定費を見直す際の注意点もあわせてご紹介しているので、無理のない範囲で節約するよう心がけてください。
固定費は収入の何パーセントが理想?
固定費の見直しが必要というのは何となく知っていても、何パーセントほどが理想なのか気になりますよね。
一般的な目安ですが、「収入の45%を固定費、35%が変動費、残り20%を貯蓄や投資等に回すとよい」と言われています。
特に家賃は、30%ほどといわれています。
そもそもなぜ固定費の削減が必要なの?節約効果が高いのが固定費である理由
「家計の節約の際に、まず固定費を削減すべきなのはなぜ?」と思う方も多いのではないでしょうか。
節約と聞くと、食費を削ったりレジャー費を減らしたりするイメージがあります。しかし、実は食費の削減は苦労の割に、さほど効果は大きくありません。
なぜ食費ではなく固定費を最初に削減すべきなのかをご説明します。生活費は、大きく分けて固定費と変動費の2種類です。毎月の出費が不規則な食費やレジャー費は、変動費に該当します。一方、住宅費や光熱費など毎月ある程度定まった費用は、固定費です。
固定費の削減が効果的な理由は、毎月確実にかかる費用なので、一度減額するとその後は費用を一定に保てば節約が続くからです。例えば食費は買い物のたびに悩みますが、固定費は一度見直すだけで半永久的に節約できます。
まとまった金額をストレスと無縁で、ある種自動的に節約できるので、ぜひ固定費を見直してください。
固定費の節約方法やポイントをカテゴリー別に5つ紹介
「固定費を削減すべき理由がわかったけれど、どう減らせばいいの?」とお考えかもしれません。固定費のカテゴリーごとに、節約方法とポイントを解説します。主な固定費は、次の5つです。
- 住居費
- 光熱費
- 保険料
- 通信費
- 車の維持費
これらの固定費ごとにどう節約すべきか、それぞれご紹介します。
1.住居費を抑えて固定費を削減する
賃貸かマイホームかを問わず、住居費は固定費の中で大きな割合を占めています。そのため、住居費を抑えることで固定費全体を削減できます。賃貸の場合と持ち家の場合、それぞれの節約方法を見てみましょう。
一人暮らしで賃貸の場合は家賃が安い部屋へ引っ越しを検討する
現在、賃貸で一人暮らしをしている場合は、家賃が少しでも安い部屋へ引っ越すと、家計が楽になります。例えば家賃が現在より3万円安くなれば、年間36万円を節約できます。不動産屋への仲介手数料や引っ越し代などの費用を考慮しても、節約効果の方が高いでしょう。
住まい選びに関しては、次のような条件を満たす物件を探す方が多いでしょう。
- 駅から徒歩○分以内
- 最寄り駅に急行が止まるかどうか
- 物件の築年数
- 洋室
これら全ての条件を満たす住まいを探すのではなく、絶対譲れない条件以外は妥協するとより安い家賃の物件を見つけやすいです。
持ち家の場合は繰り上げ返済や借り換えで住宅ローンを抑える
既にマイホームをお持ちの場合は、繰り上げ返済や借り換えで住宅ローンを抑えることができます。繰り上げ返済には、「返済期間短縮」と「毎月の返済額軽減」の2タイプがあります。いずれも節約につながりますが、「返済期間短縮」ならより大きな節約が可能です。
住宅ローンの借り換えは、ローン残額が1,000万円以上かつ返済期間が10年以上あり、借り換え後の金利が1%以上低くなる場合、節約が期待できます。
ただし、借り換えには手間と時間、数十万円程度の諸費用が必要です。多少費用はかさみますが、中立的な立場でアドバイスしてくれるFPなどの専門家への相談をおすすめします。
2.光熱費を抑えて固定費を削減する
光熱費、つまり電気代とガス代は水道代と異なり、契約を見直すことで削減することができます。節約のために、いちいち電化製品のプラグをコンセントから抜く必要はありません。具体的な光熱費の節約方法を解説します。
電気代を節約する
電気代を節約するために、まず現在の契約プランは適切かどうか見直しましょう。契約先の電力会社によりよいプランがある場合は、プランを変更すると節約できます。
現在契約中の電力会社に適切な契約プランがない場合、電力会社自体を変更することも選択肢のひとつです。以前と同様に電気を使っていても会社を変えただけで電気代が安くなる可能性があります。生活スタイルを変えることなく節約ができるため、おすすめです。
ガス代を節約する
ガス代も、契約プランや契約会社を見直すことで節約が可能です。契約を見直すと、ガスの使い方をまったく変えていないのにガス代が減るので、ストレスなく節約できます。
また、電力会社やガス会社によっては、電気とガスのセットプランを契約すると、料金が割引されます。支払いもひとつにまとめられるので、手間が省けて便利です。
3.保険料を抑えて固定費を削減する
将来の不安に備えて保険に加入しますが、保険の契約内容をしっかりと確認しているでしょうか。実は保険はマイホームの次に大きな買い物と言われており、保険料を抑えると固定費の削減が可能です。
複数の保険に加入している場合、保障内容が重複していることがあります。また、ライフステージによって必要となる保険は変化します。保険をかけっぱなしにせず、必要な保険は何なのか見直すと、支払保険料を減らせる可能性が大きいです。
4.通信費を抑えて固定費を削減する
現代社会において、スマートフォンやインターネットの使用は不可欠です。そのため、通信費が一定必要になるのは避けられません。しかし、通信費を抑えることは可能です。現代に生きる者にとって不可欠なアイテムを、リーズナブルに使いこなしましょう。
スマホ料金を節約する
スマートフォンの料金を節約する方法として、格安プランへの切り替えが挙げられます。大手キャリアも格安プランを用意しているので、データ使い放題プランから切り替えるだけで節約につながります。
もっと思い切って節約するなら、格安スマホ(格安SIM)がおすすめです。「キャリアメールが使えない」「通信速度が遅くなる時間帯がある」といったデメリットが気にならない場合は、格安スマホを使うと安く済みます。
インターネット料金を節約する
インターネットを契約している場合、自宅でどの程度使用しているか、見直してみてください。さほど通信速度が必要でないなら、モバイルWi-Fiルータに変えることも選択肢のひとつです。
「あまり自宅でネット使ってない」という方は、スマートフォンのテザリング機能で済ませられるかもしれません。
自宅でネットを使う場合は、スマートフォンとインターネットをセットで申し込むことで、料金が割引されるプランもあります。
5.車の維持費を抑えて節約する
車は本体購入価格以外に、維持費がかかることが特徴です。車の維持費を抑えることで、家計への負担を抑えられます。車の維持費の中でも主な固定費となる、自動車保険と駐車場代、ガソリン代について見てみましょう。
自動車保険を節約する
自動車保険のうち、自賠責保険は長期契約をすると支払保険料が下がります。12か月契約を3回繰り返すより、37か月契約を行なった方がお得です。
任意加入の自動車保険は、不要な補償や特約が含まれていないか、見直してみましょう。例えば、自分のみが運転する場合、家族運転時の補償が含まれている保険は必要ありません。車をどのように使っているかを考えると、必要な補償や特約が明確になります。
駐車場代を節約する
自宅にガレージがない場合、月極駐車場代が必要です。駐車場代を負担に感じる場合、より安い駐車場を探してみてください。屋外駐輪場や、利便性に欠ける場所の駐車場なら、駐車場代が安くなる期待ができます。
ガソリン代を節約する
車を使えば使う分だけ必要となる費用が、ガソリン代です。ガソリン代を節約するためにセルフサービス方式のガソリンスタンドを使うと、割安になります。また、ガソリン代の支払いをクレジットカードで行なうことでポイントを貯められます。
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家計の固定費を見直すときの注意点を3つ紹介
「固定費の節約方法がわかったから、さっそく取り組もう」とお考えかもしれません。しかし、固定費を見直す際には次の3点に気をつける必要があります。
- あらかじめ目標を決めてから節約を始める
- 生活の質は落としすぎないように注意する
- 少しずつ変動費の見直しも始める
これら3つの注意点を理解しておくと、家計の改善を実現しやすいでしょう。
1.あらかじめ目標を決めてから節約を始める
実際に節約を始める前に、毎月どの程度節約したいのか、具体的な目標を決めることが必要です。「削減するほど節約できる」とやみくもに固定費を減らしても、効果は半減です。例えば、スマホの契約を格安スマホに変えた場合、使い方によってはかえって割高になります。
「毎月○万円節約」と明確に目標を決めることで、「このプランに変えるといくら節約になるのか」と削減について具体的に考えられます。そのため、本当に不要な固定費のみを削減することが可能です。
2.生活の質は落としすぎないように注意する
節約ばかりに目を向けると、生活の質が落ちるおそれがあるのでご注意ください。家賃の安さに着目して住まいを選んだ結果、想像以上に不便だと心身へのダメージが大きくなります。
また、格安スマホにすることで、使いたい時につながらないというストレスを感じるかもしれません。固定費の削減は、いったん手続きをするだけで自動的に節約ができるため、ストレスなく継続できる点が魅力です。
生活の質が落ちすぎるとストレスがたまってしまい、節約疲れに陥るおそれがあります。あくまで無理なく行える範囲で、固定費を削減してください。
3.少しずつ変動費の見直しも始める
ある程度固定費の削減を行なった後は、少しずつ変動費の見直しも始めてみてください。「マイボトルを持参して、ペットボトル飲料代を節約する」など、少しずつでかまいません。
コンビニに行く回数を減らしたり、トレンドアイテムはファストファッションで取り入れたり、いろいろな方法があります。無理なくできる節約を変動費においても行なうと、家計がより改善されます。
よくある質問
Q:固定費見直しランキングは?
A:
- 光熱費
- 保険
- 通信費
Q:毎月の固定費には何がある?
A:
- 住居費
- 光熱費
- 保険料
- 通信費
- 車の維持費
Q:固定費の節約のポイントは?
A:
- 住居費を抑えて固定費を削減する
- 一人暮らしで賃貸の場合は家賃が安い部屋へ引っ越しを検討する
- 電気代を節約する
- ガス代を節約する
- 保険料を抑えて固定費を削減する
- スマホ料金を節約する
- インターネット料金を節約する
- 自動車保険を節約する
- 駐車場代を節約する
- ガソリン代を節約する
Q:手取り15万円の固定費はいくら?
A:手取り15万円の場合は、固定費が7万5000円~9万6000円ほどです。1人暮らしの場合特に固定費のほとんどが家賃なので家賃によって大きく変わるでしょう。
Q:三大固定費とは?
A:保険、住宅ローン、通信費が三大固定費といわれています。
Q:買い物が週に何回するのが節約か
A:一般的には、週に1~2回の買い物の周期がおすすめです。
Q:固定費の見直すときの注意点
A:
- あらかじめ目標を決めてから節約を始める
- 生活の質は落としすぎないように注意する
- 少しずつ変動費の見直しも始める
まとめ:節約の効果が大きい固定費から見直して支出を削減しよう
固定費の概要や節約方法について、ご紹介しました。毎月出費が決まっている固定費は、一度見直すだけでその後は楽に節約できます。意志の強さとは無関係に節約が続く仕組みなので、どなたでもストレスフリーで行なえるのが魅力です。
本記事で紹介した固定費以外にもサブスクリプションサービスの料金や教育費などの出費の割合が大きい場合も見直してみましょう。
各固定費を少しずつ減らすだけで、結果的にはまとまった金額を節約できます。生活の質を下げすぎないという視点は重要ですがぜひ固定費を見直して支出を削減してみてください。