- 「お金のこと、誰に相談すればいいのかわからない…」
 - 「ファイナンシャルプランナー(FP)に相談しても、本当に役立つの?」
 - 「無料相談って、結局営業されるだけじゃないの?」
 
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ファイナンシャルプランナーへの相談は「意味がない」と言われることもありますが、正しく選べば人生の選択を大きく変える価値ある一歩になります。
ただし、相談の目的やFPのタイプを理解しておかないと「思っていた相談にならなかった」という失敗につながることもあります。
主な判断軸は以下のとおりです。
| 判断軸 | 結論 | 
|---|---|
| FP相談は意味ない? | 条件次第で「意味がある」ケースが多い | 
| 相談すべき人 | 家計・保険・将来の不安を整理したい人 | 
| 相談しない方がよい人 | 投資で儲けたい・商品の購入目的の人 | 
本記事では、ファイナンシャルプランナーの資格や立場の違い、相談できる内容、そして「意味ない」と言われる理由まで徹底解説します。
この記事を読めば、ファイナンシャルプランナーに相談するメリットとデメリットの両方が理解できます。
ファイナンシャルプランナー(FP)とは?お金の相談ができる専門家

ファイナンシャルプランナーは、お金の専門家のことです。豊かな暮らしのためには、以下3人の専門家が必要だといわれています。
- お金の専門家:ファイナンシャルプランナー
 - 医療・健康の専門家:医者(医師)
 - 法律の専門家:弁護士
 
実際、ファイナンシャルプランナー資格を認定している日本FP協会は、ファイナンシャルプランナーのことを「家計のお医者さん」と表現しています。
お金の専門家であるファイナンシャルプランナーは、資格や立場で分けることができます。どのような分け方があるのか確認していきましょう。
資格で分けるファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーには、一定の知識・技能を認定する「資格制度」があります。資格制度には民間資格と国家資格(技能検定制度)があり、それぞれ以下のとおりです。
| 項目 | 国家資格(検定) | 民間資格 | 
|---|---|---|
| 資格名称 | FP技能士(1~3級) | CFP・AFP | 
| 実施機関 | 日本FP協会金融財政事情研究会 | 日本FP協会 | 
| 資格更新 | なし | 2年ごと | 
なお民間資格であるCFPやAFPは、国家資格であるFP技能士の2級に合格しなければなりません。また、CFPはAFPからでないとなれません。
つまり、資格取得の難しさは以下の順であるとも言えます。
- FP技能士1級またはCFP
 - AFP
 - FP技能士2級
 - FP技能士3級
 
立場で分けるファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、企業系ファイナンシャルプランナーと独立系ファイナンシャルプランナーに分けることもできます。
| 項目 | 企業系FP | 独立系FP | 
|---|---|---|
| 概要 | おもに金融機関に勤務 | FP業務が本業 | 
| メリット | 特定分野の専門性が高く、相談料が安め | 公平中立な立場で提案してくれる | 
| デメリット | 柔軟な提案が難しい | 特定分野の専門性が劣る場合がある | 
企業系FPは銀行や保険、不動産、証券などを取扱う企業に属しており、取扱商品に関する分野の専門性が高い反面、企業に属している以上は柔軟な提案が難しい一面があります。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談できる内容とは?

ファイナンシャルプランナーに相談できる内容は、個人の家計管理や将来設計など、お金のこと全般です。具体的な相談内容の例を以下に挙げます。
| 相談ジャンル | 相談内容 | 
|---|---|
| 相談ジャンル | 相談内容 | 
| 家計・貯蓄 | ・家計管理の方法を知りたい ・毎月の収支がギリギリでお金を貯める余裕がない ・教育・老後・住宅資金など、いくら・どのように貯めれば良いかわからない  | 
| 資産運用 | ・資産運用を始めたいが、どのようにやれば良いかわからない ・資産運用のやり方を見直したい  | 
| 住宅 | ・固定金利と変動金利どちらを選択すべきかわからない ・無理なく住宅ローンを組みたいが、いくらまで借りれるかわからない ・住宅ローンの借り換えを検討しているが、どうすれば負担を抑えられるか知りたい ・団体信用生命保険が何かわからない  | 
| 保険 | ・子どもが生まれたら保険に入らなければいけないのか知りたい ・どのような保険を選ぶべきかわからない ・保険料を抑える方法を知りたい ・相続税対策をしたい  | 
漠然と「お金に不安がある」といった相談も可能です。

ファイナンシャルプランナー(FP)への相談は意味ないと言われる理由

ファイナンシャルプランナーへの相談は、家計の見直しや老後の備えを考えるきっかけになる一方で、「相談しても意味がなかった」と感じる人もいます。その背景には、FPの資格制度や業界の仕組みがわかりにくい点、そしてサービス内容の質にばらつきがあることが挙げられます。
ここでは、相談を受けた人が後悔してしまう4つの理由を解説します。
無料相談が営業目的になっているケースがある
「無料FP相談」という言葉をよく目にしますが、その多くは保険や投資商品の販売を目的とした相談サービスです。相談料はかからなくても、ファイナンシャルプランナーが保険会社や金融機関と提携しており、商品を紹介することで報酬を得られるようになっています。
実際、家計の相談をしたはずなのに「この保険に入ればすぐに解決します」と販売トークに切り替わることもあります。中立的な意見を得にくく、結果的に「売り込みを受けただけ」と感じてしまう人が多いのも事実です。
相談前には、以下の点を確認しておくと安心です。
- なぜ無料で相談できるのか
 - FPがどの企業と提携しているのか
 - 相談内容に対して販売目的が含まれていないか
 
無資格・経験不足のFPが存在する
ファイナンシャルプランナーは、国家資格がなくても名乗れる職業です。そのため、資格を持っていても実務経験が浅い人や、一分野にしか詳しくない人も少なくありません。
たとえば、保険に特化したFPが住宅ローンや投資相談に対応した場合、知識が十分でないまま一般論で終わってしまうこともあります。結果として「ネットで調べた内容と同じだった」「具体的な提案がなかった」と感じてしまうのです。
ファイナンシャルプランナー相談の質は、担当者の経験と得意分野で大きく変わります。相談前に確認しておきたいポイントは次のとおりです。
| 確認項目 | チェック内容 | 
|---|---|
| 資格名 | AFP・CFP・FP技能士などの種類 | 
| 実務経験 | 相談歴や得意分野(保険・住宅・資産運用など) | 
| 実績 | 過去の相談件数や対応事例の有無 | 
知識だけでなく、相談者の立場に立って考えられるかどうかもファイナンシャルプランナー選びの重要な判断軸になります。
FP資格は名乗れる範囲が広く、知識に差がある
ファイナンシャルプランナーには複数の資格があり、主に以下の3種類が存在します。
| 資格名 | 主催団体 | 特徴 | 
|---|---|---|
| FP技能士(1〜3級) | 国家資格(厚生労働省) | 幅広い基礎知識を問うが、実務経験がなくても取得可能 | 
| AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャルプランナー) | 日本FP協会 | 継続教育が必要で、実務を伴うFP向け | 
| CFP(サーティファイド・ファイナンシャルプランナー) | 日本FP協会 | 国際的にも通用する最上位資格。実務能力重視 | 
このように、ファイナンシャルプランナーの肩書きだけではスキルの深さを判断できないのが現状です。資格取得のハードルが低い分、「名刺にFPと書けるが、実践経験が乏しい」という人も中には存在します。
利益優先で特定商品を勧めるFPがいる
残念ながら、すべてのファイナンシャルプランナーが相談者の立場で提案してくれるとは限りません。保険会社や証券会社と強く提携しているファイナンシャルプランナーの中には、自社商品を販売することで手数料を得ている人もいます。
たとえば、「今が買い時です」「この保険なら一生安心できます」といったセールス色の強い言葉が出たら注意が必要です。相談者の利益よりも、自分の成果を優先している可能性があるからです。
ファイナンシャルプランナーを選ぶ際は、以下の3点を意識してください。
- FPがどの金融機関や企業と関係しているかを確認する
 - 複数の商品を比較しながら提案してくれるかを見る
 - 相談料や報酬の仕組みを事前に理解しておく
 
中立的なファイナンシャルプランナーは、商品の販売よりも「あなたにとって何が合うか」を一緒に考えてくれます。信頼できるFPかどうかは、提案内容よりも質問にどう答えるかで判断しましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する4つのメリットとは?

それでは、ファイナンシャルプランナーに相談するメリットについて紹介していきます。相談する前にどんなメリットがあるのか、把握しておきましょう。
メリット①お金の専門家に相談できる
ファイナンシャルプランナーは、あなたが夢をかなえるために必要なお金に関するアドバイスをするお金の専門家です。住宅ローンや相続、教育など家計に対する専門的な知識を持っています。
お金への感覚や相談時の経済状況は十人十色ですが、ファイナンシャルプランナーはそのようなあなたの価値観や現状のヒアリングを行います。専門的な立場から、家計の状況を踏まえたうえで、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
メリット②将来への不安が解消し希望を持てる
ファイナンシャルプランナーに相談するメリットは、将来への不安が解消し、将来に希望を持てることです。お金は生活するうえで欠かせないものであり、例えば以下のような状況だと現状や将来に対して不安や不満を感じる人も多いのではないでしょうか。
- 結婚・出産してマイホームを持ちたいが、お金が足らずに諦めなければならないかもしれない
 - 毎月の生活費を捻出するのが精一杯で、老後の資金を準備する余裕がない
 
そこでお金のプロであるファイナンシャルプランナーに相談すると、現状の悩みや将来やりたいことをもとに家計分析を行って、マネープランの見直しを含めた具体的な改善策を提示してくれるのです。
なお、法律の関係上ファイナンシャルプランナーが回答できない事項などについては、弁護士や税理士などの協力を得ながら回答することがあります。
メリット③一般論ではなく自分だけの改善策(プラン)がわかる
お金の悩みなどについて、一般論ではなく自分だけの改善策(プラン)がわかる点もファイナンシャルプランナー相談の大きなメリットです。
インターネットでお金について調べると「一般論」を知ることになりますが、「自分の場合はどうすればいいの?」といった疑問が残る場合も多いでしょう。そこでファイナンシャルプランナーに相談すると、「自分だけの具体的な改善策(プラン)」が提示されるのです。
メリット④知らないうちに損することを防げる
お金に関して、「知らないと損する」ことがたくさんあります。ファイナンシャルプランナーに相談すると、「知らないで損してしまうことを防げる」メリットがあります。
知らないと損することなどについて、一例を挙げると以下のとおりです。
- 育児休業中は申出によって社会保険料を支払わずに済むことを知らず、社会保険料を支払ってしまう
 - 公的保障や企業保障が十分あるのに民間保険を契約し、不要な保険料を支払ってしまう
 - 医療費控除やセルフメディケーションの適用を受けられるのに受けず、無駄な税金を支払ってしまう
 - ローンの繰上げ返済を利用できるのに利用せず、無駄な利息を支払ってしまう
 
他にも知らないと損することは多数ありますので、利用・活用できる制度はないかなども含め、ファイナンシャルプランナーに相談してみると良いでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する2つのデメリット

ファイナンシャルプランナーへの相談はメリットが多くありますが、デメリットもあります。せっかくの相談を有意義なものにするためには、メリットだけではなくデメリットについて知っておくことも大切です。デメリットを知ったうえで相談を検討しましょう。
ファイナシャルプランナーに相談するデメリットとともに、対応法も解説しているので、相談する際の参考にしてください。
①良いファイナンシャルプランナーが担当になるとは限らない
相性の良いファイナンシャルプランナーが担当になるとは限りません。ファイナンシャルプランナーはプロである前に1人の人なので、相性の良し悪しがあります。
もし、担当が合わないと感じた場合は、他の担当に変更してもらえるよう、申請することも可能です。担当につくファイナンシャルプランナーがあなたに合うかどうかを事前に見極めることは難しいので、担当者を変更できることを覚えておきましょう。
②金融商品の購入を勧められる
インターネットで調べると、無料のファイナンシャルプランナー相談が実施されています。相談してみたいと感じているものの「ただより怖いものはない」と感じ、ためらっていませんか?
無料の相談の場合、相談時に紹介した商品を利用者に購入してもらうことでファイナンシャルプランナーにバックが入るシステムがほとんどです。相談の終了後におすすめの商品を提案される可能性がありますが、必ず買わなければいけないものではありません。紹介が不要な場合は、事前にファイナンシャルプランナーに伝えておくことも1つの方法です。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する際の5つの注意点

ファイナンシャルプランナーへの相談は、デメリットを踏まえても十分に魅力的です。では、いざ相談しようと決めたときにどのようなことに注意して相談を行えば良いのでしょうか。相談する際の注意点を3つ紹介します。
相談する前には必ず確認を行いましょう。具体的にどのような部分に気を付ければ良いのか、詳しく説明します。
①事前に料金を確認する
ファイナンシャルプランナーに相談を行う際は、必ず事前に料金の確認を行いましょう。
ファイナンシャルプランナーは基本的に有料相談を承っています。無料の相談を行っている場合もありますが、初回のみ無料で商品の購入を促す紹介がある場合が大半です。
②ファイナンシャルプランナーの専門分野を確認する
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ですが、その中でも専門分野があります。
ファイナンシャルプランナーにも得意、不得意があることを念頭におきましょう。あなたの相談内容と専門分野を照らし合わせ、相談するファイナンシャルプランナーを選ぶことが大切です。
相談しても、相手が正しいことを言っているのかどうか判断できない方がほとんどでしょう。そのため、事前にあなたに合った方を選定することで、ミスマッチを防げ、より質の高い提案が受けられます。
③相談内容を事前に整理する
ファイナンシャルプランナーに相談する際は、相談内容を事前に整理してから相談しましょう。
あなたが解決したい問題を明確にしておくことによって、ファイナンシャルプランナーから得られる回答も明確になります。不要な説明をされたり、必要な説明が不十分になったりすることを防げます。
④中立的立場ではない場合がある
ファイナンシャルプランナーは企業系と独立系に分けられると紹介してきました。このうち、企業系FPは中立的立場ではない場合があります。
なぜなら、商品やサービスを売って利益を得ることを目的とする「企業」に属しているFPだからです。例えば、本当は最善の改善策が別にあるのに、その企業が取扱う商品を勧められる場合があります。
⑤無資格者がFPを名乗っている場合がある
無資格者がファイナンシャルプランナーを名乗っている場合がある点には注意しておきましょう。というのも、ファイナンシャルプランナーは名称独占資格でも業務独占資格でもないからです。
- 名称独占資格:無資格者が名乗ることを禁じられている資格
 - 業務独占資格:有資格者でないと業務を行うことを禁じられている業務(資格)
 
つまりファイナンシャルプランナーは名称も業務も独占されていないため、誰でもファイナンシャルプランナーを名乗って有償でお金の相談を受けることができます。無資格者が悪いわけではありませんが、必要に応じて「どのFP資格を有しているか」確認してみても良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)を選ぶ際の3つのポイント

ファイナンシャルプランナーといっても、さまざまな人が立場や分野で活躍しています。その中からあなたの悩みを解決に導いてくれるファイナンシャルプランナーの選び方を3つ紹介します。
どれも一見すると判断が難しそうな内容です。ファイナンシャルプランナーとのやり取りのなかで、どこを見れば良い方を選べるのか、解説していきます。
①中立的な立場で意見を伝えてくれるか
1つ目のポイントは、中立的な意見を伝えてくれるかどうかです。
ファイナンシャルプランナーもさまざまな人がおり、あなたの相談を自分の得意分野に持ち込んで解決しようとする人がいます。ファイナンシャルプランナーの価値観や専門が中心にきてしまい、あなたの悩みを解決できない可能性があります。
多岐にわたる選択肢を提示し、あなたの価値観や希望に沿ったものを一緒に選んでくれる方を見つけましょう。
②相談実績や専門知識が豊富か
2つ目のポイントは、相談実績や専門知識が豊富かどうかです。
ファイナンシャルプランナーはプロではありますが、業務経験や経歴は人によって異なります。相談実績のある方は、それだけ多くの相談者の悩みを解決に導いてきた方です。あなたの悩みを正確に理解し、適切な解決法を提示する力を持っています。
あなたの悩みが確実に解決に近づくよう、提案力や対応の丁寧さにも注目し、相談実績があるファイナンシャルプランナーを選びましょう。
③金融機関や専門家とのつながりがあるか
3つ目のポイントは、相談するファイナンシャルプランナーが専門家とのつながりを持っているかどうかです。
ファイナンシャルプランナーの資格で行うことのできる業務は限られています。企業に属している場合は、自社の専門家を紹介できます。しかし、独立している方に相談する場合は異なります。相談を行い解決策を考えても、専門家を紹介してもらえないため、自分の手で専門家を探さなくてはなりません。
必要な専門家のもとで問題の解決へと進んでいくために、ファイナンシャルプランナーの持つつながりを事前に確認しましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)相談の料金相場

ファイナンシャルプランナーへの相談における料金相場は以下のとおりです。
| 料金形態 | 相場の目安 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 初回相談(60〜90分) | 5,000〜10,000円程度 | 単発で家計や保険を見直したい人に適する | 
| 継続相談・顧問契約 | 月5,000〜30,000円程度 | 定期的に家計・教育費・投資を点検したい人向け | 
| ライフプラン作成 | 10,000〜50,000円程度 | 年収・支出・将来の目標に基づいた設計を作成 | 
| セミナー・相談会形式 | 無料〜3,000円程度 | 一般的な内容で個別性は低め | 
CFP資格を持つ独立系FPや実務経験が豊富なファイナンシャルプランナーほど料金は高めですが、その分、根拠に基づいた提案と長期的なサポートを受けられます。
相談する前には以下の点を確認しておきましょう。
- 相談料の有無と支払い方法(時間単位・成果報酬制など)
 - 提案書の作成費や見積もり料が含まれているか
 - 後日のフォローやメール相談が追加料金になるか
 
事前に料金体系を確認すれば、「思ったより高かった」「勧誘目的だった」といった失敗を防げます。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するべき人・しなくていい人

ファイナンシャルプランナーは、家計の整理、保険の見直し、老後の資金設計まで相談できますが、誰にとっても最適というわけではありません。
ここでは、ファイナンシャルプランナーへの相談が向いている人・向いていない人の特徴を整理します。
FP相談が向いているのは「家計や保険を見直したい人」
FP相談に向いているのは、家計の支出バランスや保険内容を見直したい人です。毎月の出費が増えて貯金が思うようにできない、保険の内容を理解できていない、将来の資金計画が不安という悩みを抱える方に適しています。
たとえば、次のような人はファイナンシャルプランナーに相談する価値があります。
- 毎月の支出が増えて貯金が思うようにできない
 - 加入中の保険内容を理解しておらず、無駄がないか不安
 - 住宅ローンや教育費を見越した資金計画を立てたい
 - 老後資金や退職後の生活費に不安がある
 
ファイナンシャルプランナーは、こうした課題を収入・支出・保険・資産運用など家計全体のバランスで捉え、生活設計を含めた無理のない中長期プランを提案します。
また、家計簿の見直し方や保険の入りすぎ・不足の判断、老後資金の積立シミュレーションなど、具体的な行動に落とし込める点も強みです。
FP相談が不向きなのは「投資商品の売買をしたい人」
一方で、株式や投資信託などの売買タイミングを知りたい人にはファイナンシャルプランナーへの相談は向きません。
ファイナンシャルプランナーはお金全体の設計を行う専門家であり、「どの銘柄を買うべきか」「いつ売るべきか」といった具体的な投資判断を助言する立場ではないためです。
たとえば、以下のような相談内容はファイナンシャルプランナーの守備範囲を超えています。
- どの株を買えば儲かるか教えてほしい
 - 為替の動きを予想してほしい
 - 短期間で資産を増やす方法を知りたい
 
こうした相談は、証券アナリストやIFA(独立系金融アドバイザー)など、投資の専門家に依頼するのが適しています。
ファイナンシャルプランナーができるのは、資産運用の「目的設定」や「リスク許容度の整理」、「分散投資の考え方」のような方向づけです。法律上、個別銘柄の推奨や売買の助言はできません(金融商品取引法による制約があるため)。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する流れ

ファイナンシャルプランナーに相談する前の注意点や相談のメリットを一括で確認してきました。
それでは、最後にファイナンシャルプランナーに相談する流れを紹介します。
- 相談内容や家族・家計の状況を書き出しておく
 - 相談するファイナンシャルプランナーを探す
 - 家計簿や給与明細などの資料を集めておく
 - ファイナンシャルプランナーに相談する(ヒアリング)
 - ライフプランの提案を受ける(プランニング)
 - ファイナンシャルプランの実行
 
相談内容や家族・家計の状況を書き出しておく
まずは、ファイナンシャルプランナーに相談したい内容と家族や家計の状況、どこで相談するか(オンライン・対面)も書き出してみましょう。相談の際にも、ファイナンシャルプランナーを探すときにも役立ちます。
ファイナンシャルプランナーによってそれぞれ得意分野があるため、事前に相談内容をまとめておくことで、相談内容に合ったファイナンシャルプランナーを探すことができます。なお、相談内容はお金に関する漠然とした曖昧な悩みであっても問題ありません。
相談するファイナンシャルプランナーを探す
相談内容がある程度まとまったら、相談するファイナンシャルプランナーをWeb上で比較・検索して探しましょう。
ファイナンシャルプランナーを探す際は、比較サイトの口コミや公式ページ、実際の相談体験も参考にしながら、以下のような項目をもとに探してください。
- 対応地域(エリア):東京、大阪、横浜など
 - 資格:FP技能士・AFP・CFP・公認会計士・税理士・弁護士・証券アナリストなど
 - 得意分野:ライフプラン・老後(年金)・資産運用(投資)・不動産(住宅ローン)・保険・相続
 - 性別:男性・女性・どちらでも良い
 - 料金:1時間あたりいくらか
 
家計簿や給与明細などの資料を集めておく
相談予約が完了したら、相談前に家計簿や給与明細などの資料を集めておきましょう。相談内容にもよりますが、資料が充実しているほど具体的な相談が可能です。
その他、用意しておくと良い資料は以下のとおりです。
- 家計簿(または収支がわかるメモやアプリなど):毎月の収入と支出を把握するため
 - 給与明細:手取りなどを把握するため
 - 預貯金明細:資産(貯蓄)を把握するため
 - 資産・負債明細(※):資産や負債を把握するため
 - ねんきん定期便(またはねんきんネットのスクリーンショット画像):老後資金プランニングなどのため
 - 保険証券(または契約内容がわかるもの):保険内容見直しなどのため
 
※株式や投資信託などの有価証券(資産)や、消費者ローン、住宅ローンなどの明細をいいます。
ファイナンシャルプランナーに相談する(ヒアリング)
相談の予約をした期日に、ファイナンシャルプランナーからのヒアリングを受けます。まずは「どうしたいのか」などの希望と家計の現状を確認されます。
なお、ファイナンシャルプランナーへの相談は1回あたり1~2時間程度で終わることが多く、相談回数は1~3回程度が一般的です。なかには1年間の顧問契約も提供していたり、3回パックを提供しているFPもいます。
 
▼30秒で完了▼
ライフプランの提案を受ける(プランニング)
ヒアリングの結果をもとに、ファイナンシャルプランナーがライフプランニング(人生設計)を踏まえて提案するライフプランを受けます。
流れ⑥ファイナンシャルプランの実行
ファイナンシャルプランナーへの相談が終わったら、その後、決定したプランニングをもとに改善策などを実行していきます。
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談に関するよくある質問

FP相談は「お金の悩みを整理できる場」ですが、初めて利用する人にとっては不安や疑問も多いものです。ここでは、相談者から特によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
「意味ない」と感じたら相談を途中でやめてもいい?
はい、もちろん大丈夫です。ファイナンシャルプランナーへの相談はあくまで「相談者のためのサービス」であり、途中でやめる自由があります。話を聞いてみて「期待していた内容と違う」「自分には合わない」と感じた場合は、遠慮なく中止を申し出ましょう。
ファイナンシャルプランナーの中には、相談者の理解度や希望を確認しながら柔軟に進めてくれる人も多いです。一方で、もし話を一方的に進めたり、商品紹介に偏るようであれば、無理に最後まで付き合う必要はありません。
無料相談であっても、契約や購入の義務は一切ありません。「今回は参考になったので一度検討します」と伝えるだけで問題ありません。納得できるFPに出会うまで、複数の相談先を比較するのもおすすめです。
FPに家計を全部見せるのは恥ずかしいけど大丈夫?
ファイナンシャルプランナーは、相談者の収支や家計状況を評価するためではなく、改善策を見つけるために確認しています。
あなたを責めることも、比較することもありません。実際、ファイナンシャルプランナーの立場から見ると、「家計を見せてくれる=信頼してくれている証拠」です。
FPに保険や投資の勧誘を受けたときの対応方法は?
ファイナンシャルプランナーへの相談の中には、保険会社や証券会社と提携しているケースもあります。そのため、保険商品や投資信託の勧誘を受けることもありますが、興味がない場合ははっきり断って問題ありません。
対応のポイントは次の3つです。
- 興味がなければ「検討します」と伝えるだけでOK
- →契約義務はなく、その場で決断する必要もありません。
 
 - 提案理由を確認する
- →「なぜこの商品が自分に合うのか」を聞くことで、中立性を見極められます。
 
 - 複数の提案を比較する
- →一つの選択肢に偏らず、他社FPや別サービスで同条件を確認してみましょう。
 
 
しつこい勧誘が続くようであれば、トラブルや危険を避けるために相談窓口や運営会社に報告して別担当に変更してもらうのが安心です。
オンライン相談でも信頼できる?
はい、最近ではオンライン相談でも高品質なサービスが受けられるようになっています。画面共有やデータ送付を活用しながら、対面とほぼ同じレベルで相談できます。
特に、次のような点をチェックすればオンライン相談でも安心です。
- 顔出し・実名で対応してくれるか
 - 所属や資格、実績が明示されているか
 - 提案書や資料を事前に送付してくれるか
 
在宅で相談できるため、忙しい人や地方在住の人にも便利です。
FP相談後にすぐ再相談・乗り換えしてもいい?
もちろん問題ありません。ファイナンシャルプランナーへの相談は一度きりではなく、ライフステージの変化に応じて何度でも利用してよいものです。
たとえば、「結婚・出産などで家計が変わった」「住宅ローンを組んだ」「転職して収入が増減した」といったタイミングでは、再度FP相談を受けることで最新のプランに更新できます。
まとめ
この記事では、ファイナンシャルプランナーへの相談の実態や、意味がないと感じる理由、そして上手に活用するためのポイントを解説しました。
ファイナンシャルプランナーへの相談は「お金を増やす方法」ではなく、「お金を整理して人生を整えるための時間」です。家計や保険、将来の資金計画に不安がある方ほど、相談の価値を実感できるでしょう。



