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家計

専門的な職業訓練を受けることができる高等技術専門校をご存知でしょうか。授業料が安く、就職率も高いことが特徴で、専門学校との類似点も多い一方、認知度はあまり高くありません。

そこで今回は高等技術専門校について解説します。専門学校との違いを理解した上で、自分に合う進路選びの際の参考にしてください。

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高等技術専門校は「公共職業能力開発施設」

高等技術専門校では、求職者や離転職者向けに、就職に必要な専門的知識や技術習得を目的とした職業訓練を実施しています。なお、地域によっては高等技術専門学院、職業能力開発センターなどと呼ばれることもあります。以下で、高等技術専門校の概要を解説します。

高等技術専門校の概要

高等技術専門校は職業能力開発促進法に規定されている公共職業開発施設のひとつであり、学校教育法に規定されている「学校」や専修学校とは異なる特色を持っています。いわゆる「学校」ではないため、高等技術専門校を卒業しても学歴とならない点に注意が必要です。

高等技術専門校は「高技専」と称されることもあり、各都道府県によって運営されています。就職に必要な知識や技能を習得するために、実技を中心とした職業訓練を行う施設です。

対象者

新規中卒者・新規高卒者・離転職者などが高等技術専門校の対象者です。中には高等学校卒業(見込み)以上でおおむね30歳までと限定されているコースもあれば、「就職を希望する人(年齢制限なし)」としているコースもあります。

対象者の条件は高等技術専門校ごと、コースごとに異なりますので、詳細は各校へお問い合わせください。

設置分野と訓練期間

対象者や年齢、訓練期間によってコースが分けられ、高等技術専門校ごとにさまざまな訓練科が設置されています。たいてい1年もしくは2年の訓練期間とするコースがあり、中には短期コースとして6ヶ月の訓練期間を設定していることもあります。

設置分野も各校で異なるものの、一般的な設置分野は以下の通りです。

  • 金属加工・溶接科
  • 電気設備科
  • 機械制御システム科
  • 介護サービス科
  • 建築設計科

授業料と入学金

高等技術専門校の令和3年度の授業料は118,800円です。高等技術専門校によっては授業料を分割して納めるため、授業料の納付方法は事前に確認しましょう。

また、高等技術専門校の入学には学科試験(国語と数学)と面接入試が行なわれることが一般的で、推薦入試は面接のみ実施とする学校が多いです。入学選考料として2,200円がかかり、合格した場合はさらに入学金として5,650円が必要になります。

授業料や入学金が非常に安く、経済的な負担が軽い点が高等技術専門校の特徴です。

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専門学校は「専修学校の専門課程」

高等技術専門校と同様、専門学校もさまざまな分野の技術や知識を習得できます。専門学校は一般的に、高等学校卒業程度の学力がある人を対象としており、工業や服飾など幅広い分野から希望する進路を選ぶことが可能です。以下で、専門学校の詳細を解説します。

専門学校の概要

高等技術専門校は厚生労働省の所管であるのに対し、専門学校は文部科学省の所管です。年間授業数800時間以上、常時40名の学生が在籍している教育施設を専修学校といい、この専修学校では「一般課程」「高等課程」「専門課程」の3課程をおくことができます。3課程のうち、「専門課程」を持つ専修学校を専門学校と呼びます

対象者

専門学校に入学できるのは高等学校卒業者か3年制の高等専修学校卒業者です。

設置分野と修業期間

専門学校のカリキュラムは、主に以下の8分野に分けることができます。なお、専門学校の修業年数は1~4年で、2年制が最も多いです。

  • 工業関係
  • 工業・農業
  • 医療関係
  • 衛生関係
  • 教育・社会福祉関係
  • 商業実務関係
  • 服飾・家政関係
  • 文化・教養関係

授業料と入学選考科

東京都専修学校各種学校協会の調査によると、専門学校の入学金の平均額は昼間制で182,000円、夜間制で165,000円です。また、授業料は昼間制で698,000円、夜間制で557,000円です。年間の授業料が118,800円で済む高等技術専門校とは大きな差があるため、進学を検討する時は経済的な負担を考慮しましょう。

各分野の入学金や授業料の詳細は、以下の資料を参考にしてください。

参考:東京都専修学校各種学校協会「令和元年度専修学校各種学校調査統計資料 調査2 令和元年度学生・生徒納付金調査(PDF)」

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高等技術専門校と専門学校どちらを選べば良い?

特定の専門技術や知識を学ぶために進学を検討する人の中には、「高等技術専門校か専門学校のどちらを選べば良いのかわからない」という人もいるでしょう。自分に合う進路を選択するためにも、授業料の負担や将来の進路を加味した上で進学先を選ばなければなりません。

ここでは以下の3つのケースを例として、それぞれのケースにおける適切な進路を解説します。

  • 日本学生支援機構の奨学金を利用したい場合
  • 大学や大学院への編入・入学を希望している場合
  • できるだけ学費を抑えたい場合

日本学生支援機構の奨学金を利用したい場合

経済的な不安を抱える場合、奨学金を利用する学生もいるでしょう。特に日本学生支援機構の奨学金には給付型・貸与型などさまざまな種類があり、諸条件を満たすと利用することができます。

この日本学生支援機構の奨学金は、国または自治体の確認を受けている大学短期大学に在籍している(もしくは進学予定の)学生が対象です。そのため、高等技術専門学校と無認可の専門学校は対象外です。

日本学生支援機構の奨学金を利用したい場合は認可を受けている専門学校を選びましょう。

大学や大学院への編入・入学を希望している場合

さらに高度な内容を学ぶために、いずれは大学や大学院に編入・入学したいと考えている学生は専門学校を選びましょう。一定条件を満たした専門学校を卒業することで専門士もしくは高度専門士という称号が与えられ、これらの称号を持つ学生は大学や大学院への編入・入学が可能です。

専門士

修業年限が2年以上あり、総授業時間数が1,700時間以上といった要件を満たして専門学校を卒業した場合は専門士の称号が付与されます。専門士の称号があれば大学への編入・入学が可能です。

高度専門士

高度専門士とは知識や技能のさらなる高度化の必要性を背景として創設された称号で、一定の条件を満たした専門学校の4年制の学科修了者に付与されます。高度専門士の称号があれば日本国内において大学学部卒業生と同等とみなされ、大学院に進学することができます。

できるだけ学費を抑えたい場合

「奨学金は利用しないものの、できるだけ学費を抑えたい」という学生は高等技術専門校に進学しましょう。先述の通り、高等技術専門校の授業料や入学選考料は専門学校と比べて格段に安い点が特徴です。

高等技術専門校でも、多岐にわたるカリキュラムから希望するコースを選択することができます。授業料が気になる場合は高等技術専門校を選択しましょう。

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まとめ:高等技術専門校と専門学校の違いを理解した上で進路選択を

今回は高等技術専門校について解説しました。高等技術専門校は公共職業能力開発施設と呼ばれ、さまざまな分野の職業訓練を受けることができます。専門学校と共通する設置分野があるため、経済的な負担をできるだけ軽くするには高等技術専門校を選びましょう。

一方、大学や大学院への進学を検討している場合は専門学校を選ぶ必要があるため、将来の進学等を見据えた上で志望校を選ぶことが大切です。

高等技術専門校と専門学校それぞれの特徴を理解し、自分に合う進路を選択しましょう。

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