日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の予約採用を受けようとするとき、高校3年生の5~6月頃にスカラネットへの申込入力と必要書類の提出が必要です。
その後、学校による日本学生支援機構への推薦や採用選考と手続きは進みますが、もし書類提出期限を過ぎてしまったらどうなるのでしょうか。
結論から述べると、原則として期限に間に合わなければ予約採用は諦め、大学等へ進学した後になって奨学金に申し込む「在学採用」を検討します。ただし、状況によっては予約採用を諦めずに済む場合もあります。
そこで本記事では、奨学金の予約採用で高校が定めた書類提出期限を過ぎてしまったときにどうなるのか、そして具体的な対応方法について解説しますのでお役立てください。
マイナンバーの提出のみが遅れた場合
スカラネットへの申込入力が完了したものの、日本学生支援機構にマイナンバー関係書類を郵送することが遅れてしまった場合です。
奨学金案内資料では「インターネットでの申し込み後、1週間以内にあなたと生計維持者のマイナンバー関係書類をJASSOに簡易書留で郵送します。」と記載があります。
しかし、日本学生支援機構の「奨学金チャットボット」の回答によると、マイナンバー関係書類の郵送が遅れても日本学生支援機構への連絡は不要です。
とはいえ、1週間以内と定められているため、遅れた場合はなるべく早く郵送しましょう。一定期間経過すると、日本学生支援機構から申込者本人に連絡がくることもあります。
高校等への書類提出が遅れた場合
次に、奨学金の予約採用にあたって高校等への書類提出期限を過ぎてしまった場合です。原則としてどうなるのか、どのように対応すべきなのかについてそれぞれ紹介します。
原則:予約採用の申し込みは間に合わないので在学採用を検討する
奨学金の予約採用にあたって高校から提示された書類提出期限を過ぎると、原則として予約採用の申し込みを諦めなければなりません。高校在学中の予約を諦め、進学先の大学等を通じて「在学採用」に申し込む必要があります。
なお、予約採用と在学採用それぞれの奨学金の初回振込スケジュールは以下のとおりです。
- 予約採用:4月から6月のいずれかの月(進学届の提出時期によって変わる)
- 在学採用:6月または7月
対応:早めに在籍学校(高校等)に相談する
奨学金の予約採用の書類提出期限を過ぎた場合、早めに高校等に相談することが重要です。高校が定めた期限は日本学生支援機構が定めているわけではなく、校内推薦など学校側の日程を踏まえ設定されたものだからです。
また、学校によっては申し込み1回目や2回目など、数回の申し込み期間を設けている場合があります。さらに、第二種奨学金の場合、5~6月頃に募集される「春募集」だけでなく、第2回予約採用として10月下旬頃から「秋募集」が始まるケースもあるようです。
いずれにしても、予約採用に申し込むためには早めに学校に相談しましょう。
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奨学金の予約採用の「期限」に関する3つのポイント
最後に、奨学金の予約採用の「期限」に関する3つのポイントを紹介します。具体的には「奨学金の初回振込」の時期などに影響する内容なので、ぜひチェックしておきましょう。
ポイント①申し込み情報を正しく入力・記入する
スカラネットに入力する申し込み情報は、正しく入力しましょう。もしスカラネットへの入力情報等(学生本人や生計維持者の氏名・生年月日など)に誤りがあると、採用選考の結果通知が大幅に遅れる可能性があります。
また、希望する奨学金の種類(申込区分)は、申し込んでから変更・修正はできません。慎重に選択しましょう。もし誤りがあった場合は、学校に申し出てすべてやり直さなければいけない場合があります。
学校によっては下書きシートなどを準備してくれますので、活用しましょう。
ポイント②採用候補者決定通知後は口座開設と保証人等の準備を早めに行う
奨学金の予約採用に申し込み、晴れて11月頃に「採用候補者決定通知」が届いた場合、進学をただ待っているだけではいけません。奨学金振込口座の開設や、保証人の準備などが必要です。
- 進学予定の学校が奨学金の対象学校かどうかを確認
- 奨学金を受ける本人名義の振込口座を開設
- 人的保証なら連帯保証人(原則父母)と保証人(原則おじ・おば・兄弟姉妹)を選ぶ
奨学金の採用候補者に決定したからといって、必ず奨学金を受けられるわけではありません。例えば貸与型奨学金なら「貸与奨学金対象校」が定められており、大学や短大の学部・学科は対象ですが、通信教育課程は対象外です。
本人名義の奨学金振込口座については、JAバンク(農協)や楽天銀行、ジャパンネット銀行(インターネット専業銀行)など一部対象外の金融機関があるので注意しましょう。
ポイント③進学届と返還誓約書を正しく早めに提出する
進学時には、進学先の学校へ以下の書類提出が必要です。正しく記入して早めに提出しましょう。
- 採用候補者決定通知(進学先提出用)
- 進学届(インターネット提出)
- 返還誓約書
進学届を学校の定める期限までに提出しない場合、「奨学金を辞退した」とみなされます。進学届が受理されて、ようやく「奨学生」として採用されるのです。また、進学届の提出の早さによって初回振込の時期が変わります。
進学届に入力した振込口座の内容に誤りがあると、振込が遅れるので注意しておきましょう。
また、進学届だけでなく返還誓約書も提出が必要です。(給付型奨学金であれば不要です。)選択した保証制度によって、その他準備しておくべき書類は以下のように変わります。
- 機関保証:保証依頼書・保証料支払依頼書
- 人的保証:連帯保証人と保証人の印鑑登録証明書(連帯保証人は収入証明書も)
返還誓約書を提出しない場合には、採用取消・振込済みの奨学金の全額返金となることがあるため、正しく早めに提出しましょう。
まとめ:奨学金の予約採用申し込みは期限厳守が大切!正しく早めに手続きを進めましょう
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金における予約採用等は、期限の厳守が大切です。予約採用で学校が定める提出期限に遅れてしまうと、予約採用の申し込みチャンスを逃すことになるかもしれません。
もし期限に遅れた場合は、早めに学校に相談しましょう。場合によっては融通をきかせてもらったり、2回目の募集を案内してくれたりします。
晴れて予約採用の候補者として決定した後も、進学届や返還誓約書など、期限が定められている重要な提出書類があります。遅れたり、内容が誤っていたりすると大きな問題に発展しかねません。
奨学金の予約採用申し込みをはじめ、進学後の提出書類についても、案内資料をじっくりと読みながら正しく早めに手続きを進めましょう。