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家計

生き方が多様化する現代において、独身で老後を迎える女性も少なくないでしょう。現状では、女性は男性よりも平均寿命が長く、現役時代の所得が男性より少ない場合が多いです。

なにも準備をしていないと保有資産額や受給年金額が男性よりも少なくなり、厳しい老後になるおそれがあります。しかし、「いくら必要なのか、どうすればいいのかわからない」と不安に感じる人もいるかもしれません。

そこで、本記事では独身女性に必要な老後資金の金額と老後資金を準備する3つの方法を解説しています。本記事を読むと、具体的な必要金額や今から取り組むべきことがわかり、老後に向けて準備を始められます。

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独身女性が老後資金として貯めるべき最低額

独身女性が65歳まで働いて老後を迎える場合、どの程度老後資金が必要でしょうか。最新調査では、女性の平均寿命は87.57歳となっており、定年退職後は平均約22年間の老後生活が待っていると推定されます。

参考:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」

お勤めの場合と自営業の場合では、老後の収入額が異なります。状況別に老後の必要資金額22年分を試算してみましょう。

  • お勤めの場合:収入2,877万6,000円-支出3,616万8,000円=739万2,000円の貯蓄が必要
  • 自営業の場合:収入1,478万4,000円-支出3,616万8,000円=2,138万4,000円の貯蓄が必要

お勤めと自営業のいずれにしても、年金だけでは不足するため700万~2,000万円代の貯蓄が必要になることがわかります。各計算の詳細について解説します。自分の現状の生活費などと照らし合わせて、老後のシミュレーションをしてみてください。

独身女性の老後の収入(年金額)は?

老後の主な収入は年金になる場合が多いため、年金額を試算します。お勤めの場合は厚生年金を、自営業の場合は国民年金を受給します。調査によると、65歳以上の女性が受け取れる厚生年金の平均年金月額は約10万9,000円です。

また、国民年金保険料を満額納めていた場合、受給できる国民年金はおよそ月5万6,000円です。老後22年間の総収入(受給年金総額)を計算すると、以下のとおりになります。

  • お勤めの場合:月10万9,000円×12カ月×22年=2,877万6,000円
  • 自営業の場合:月5万6,000円×12カ月×22年=1,478万4,000円

参考:厚生労働省年金局「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金と国民年金では、受給額が大きく異なるため、自営業の場合はより多く貯蓄が必要だと推測できます。

独身女性の老後の支出は?

65歳以上の独身女性は、生活費(消費支出)として毎月約13万7,000円支出しています。支出における割合が多い項目およびその金額は、次のとおりです。

支出内容 金額
食料 3万6,216円
住居 1万2,495円
光熱・水道 1万3,156円
保険・医療 8,424円
交通・通信 1万2,843円
交際費 1万7,827円

参考:総務省統計局「家計調査報告家計収支編(2021年)」

生活費だけでも、22年間で13万7,000円×12カ月×22年=3,616万8,000円となり、受給年金額を大きく上回ります。さらに、非消費支出として税金や社会保険料が月1万2,000円程度かかります。

独身女性の老後資金の注意点

「老後も働いて年金以外の収入を得る」と考える人もいるでしょう。しかし、「平均寿命が長い=長く働ける」というわけではありません。女性が健康に過ごせる健康寿命は約75歳であり、平均寿命の87歳とは12年の差があります

つまり、12年間は医療や介護が必要となり得ます。また、女性は男性よりも平均寿命と健康寿命の年数差が長いため、より多くの医療費や介護費用が必要となる可能性も高いです。生活費だけではなく、医療・介護関連費も貯めておかねばならない点に注意が必要です。

長寿社会となった現代、「長生きリスク」という言葉も生まれています。長生きリスクの詳細については、以下の記事を参考にしてください。

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一人暮らしの女性が老後資金を準備する3つの方法

年金頼みでは独身女性の老後は苦しいかもしれませんが、今から老後資金を準備することで老後の生活に余裕を持つことができます。老後資金を準備するおすすめの方法は、次の3つです。

  1. 暮らし方を変える
  2. 支出を見直して削減する
  3. 資産運用などで貯蓄する

これらを早い段階から実行すると、老後資金を効率よく増やせます。それぞれの方法について解説します。

方法①:暮らし方を変える

まず、暮らし方を変えると相当な金額を節約できます。現役世代の支出に大きな割合を占めているのは、家賃や水光熱費、通信費、保険などの固定費である場合が多いです。これらの固定費を減らすと、自動的に節約できストレスフリーで貯蓄を増やせます。

具体的には、以下の方法が挙げられます。

  • 家賃:安い物件に引っ越しをする
  • 水光熱費:さまざまなプランを比較して契約を見直す
  • 通信費:携帯電話は、格安SIMや格安プランに切り替える
  • 保険:契約を見直し、不要な保険は解約する

住居の変更は引越し費用もかかるため、なかなか決断できないかもしれません。しかし、家賃以外の固定費の削減は、今すぐ始められます。ぜひ、現在の各契約内容を見直してみてください。

方法②:支出を見直して削減する

大きな固定費を減らした後は、日々の支出を見直し削減しましょう。食費や被服費、娯楽費、美容費、交際費は毎日の生活を豊かに過ごすためにも、一定の支出はやむを得ません。しかし、自分が思う以上に使っている場合もあります。

項目ごとに、1カ月の支出を記録してみると「趣味にこんなに使っていたのか」など驚くかもしれません。無理のない範囲で、節約してみましょう。固定費の削減および日々の節約は、早い時期から計画的に進めると、無理なく貯蓄できます。

その他、独身の人におすすめの節約方法については、以下の記事を参考にしてください。

方法③:資産運用などで貯蓄する

固定費や日々の支出の削減でためた資金は、貯金するだけではなく資産運用にもまわしましょう。貯金のみでは金利が低く、資金を増やせません。たとえば、メガバンクの金利は、普通預金0.001%、定期預金0.002%です。

現在は政府が資産運用を積極的に勧めており、投資初心者も取り組みやすいつみたてNISAやiDeCoなどの制度があります。税制面での優遇措置が受けられリスクも低めなのが特徴です。

「どのように資産運用すればいいのかわからない」という人もいるかもしれません。その場合、お金の専門家であるマネーコーチに相談してみてください。資産運用だけではなく、ライフプラン設計や生活の見直しなど、お金に関する幅広い疑問に答えてくれます。

しかも、何度でも無料で相談可能です。ぜひ、マネーコーチを活用して、あなたに合う資産運用を始めましょう

まとめ:今から準備を始めて、安心できる老後を迎えよう

独身女性の老後は年金頼みでは厳しく、700万~2,000万円の資金が必要であるとわかりました。資金がないと、年金のみで生活するため毎日が非常に厳しくなり、医療や介護が必要になった場合は対処できないおそれがあります。

しかし、早い段階から固定費の削減や日々の支出節約に努め、低リスクの資産運用に取り組んでおくと、無理なく老後資金を形成できます。本記事を参考に、今から資金づくりの準備を始めて安心できる老後を迎えてください。

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