ニュースレター登録
年金

国民年金保険料が免除される年収の基準とは?年金減額への対策も解説

国民年金保険料は1年間に20万円ほど(令和2年度月額16,540円)納めており、軽い負担とはいえません。国民年金保険料を「0にする」免除制度などについて解説していきます。

「国民年金保険料の免除が受けられるらしいけど、自分の年収は免除の対象になるのかな?」

国民年金保険料の免除の年収基準について知っている人は少なく、このような疑問を持つ人も多いでしょう。

実際、国民年金保険料は1年間に20万円ほど(令和2年度月額16,540円)納めており、軽い負担とはいえません。

そこで今回は、国民年金保険料を「0にする」免除制度などについて解説していきます。

国民年金保険料の免除を検討している人に向けて以下のポイントを解説していきます。

  • 国民年金保険料の免除や納付猶予を受けられる条件
  • 免除・納付猶予の基準年収(所得)
  • 保険料を免除・納付猶予した場合の年金受給額
  • 免除・納付猶予を受けても将来もらえる年金を減らさない方法
  • 免除・納付猶予制度の申請方法

 ぜひご自身が国民年金保険料の免除・納付猶予を受けられるかどうかの判断や、賢く年金制度を活用するための参考にしてください。

国民年金保険料の免除や納付猶予を受けられるのはどんな人?

国民年金保険料の免除や納付猶予を受けられるのは、次のような人です。

  • 失業もしくは新型コロナの影響を受けた人
  • 一定の所得基準以下の人

 分かりやすく言うなら、パート・アルバイト、学生、退職者、失業者が対象となっています。

①失業もしくは新型コロナの影響を受けた人

本記事では、おもに「一定の所得基準以下かつ50歳未満の人」を対象に解説しますが、失業者も国民年金保険料免除・納付猶予制度の対象です。

また、2020年2月以降で新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した上で、後述の基準所得以下の所得見込みとなる場合も対象になります。

新型コロナの影響による免除・納付猶予については国民年金機構のページで詳細を確認ください。

②一定の所得基準以下の人

後述する基準年収(所得)以下の場合は、申請書を提出し承認されると国民年金保険料の免除または納付猶予が受けられます。

どのくらい免除されるのかについては、所得基準に応じて次の5パターンに分類されます。

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除
  • 納付猶予(支払い義務はなくならない)

以降で、免除や納付猶予の対象となる基準所得について解説します。 

国民年金保険料免除・納付猶予の基準年収(所得)は?

国民年金保険料の免除もしくは納付猶予を受けられる基準所について紹介します。

免除/納付猶予 所得基準
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構をもとに作成

上の表では「年収」ではなく「所得」が基準となっていることに注意してください。

所得は収入から経費を引いたものであり、国民年金保険料の免除・納付猶予を考える時は、収入ではなく所得で考えます。ご自身の所得がいくらなのかについては確定申告書や源泉徴収票で確認できます。

所得基準で用いられている「扶養親族等控除額」や「社会保険料控除額」は、年末調整や確定申告で申告した金額です。

このように、国民年金保険料の免除・納付猶予の基準は扶養親族の数や社会保険料控除の額によって変わります。以降では、さまざまな世帯における具体的なケースを挙げながら基準所得について解説していきます。

ケース①母子家庭世帯(父子家庭世帯)

いわゆるひとり親世帯のケースを見ていきます。前提として、母子家庭世帯(父子家庭世帯)の扶養親族として子が1人(16歳以上)の場合で計算します。

この場合は扶養親族等控除額は38万円です。

なお、16歳未満の子は扶養親族等控除がされないため、扶養親族等控除額は「0」です。その場合は後述の「ケース③一人暮らし(独身)世帯」を参考にしてください。

免除/納付猶予 所得基準
全額免除 92万円
4分の3免除 116万円+社会保険料控除額等
半額免除 156万円+社会保険料控除額等
4分の1免除 196万円+社会保険料控除額等
納付猶予 92万円

 ひとり親世帯で子どもが16歳以上の場合、全額免除または納付猶予は92万円以下です。

ケース②親と同居している世帯

続いて、親と同居している世帯のケースです。前提として扶養親族は70歳以上の親1人のみと仮定します。

この場合、扶養親族等控除額は「老人扶養親族」で控除額は63万円であるため、以下のようになります。

免除/納付猶予 所得基準
全額免除 92万円
4分の3免除 141万円+社会保険料控除額等
半額免除 181万円+社会保険料控除額等
4分の1免除 231万円+社会保険料控除額等
納付猶予 92万円

 親と同居している世帯でも、扶養親族の数が1人であれば全額免除または納付猶予の基準は92万円以下となり、ひとり親世帯と変わりません。しかし、老人扶養親族の控除額が大きいため、所得基準はひとり親世帯よりも緩く、免除や納付猶予が受けやすくなっています。

ケース③一人暮らし(独身)世帯

一人暮らし(独身)世帯のケースを見ていきます。前提として扶養親族は0人とします。

免除/納付猶予 所得基準
全額免除 57万円
4分の3免除 78+社会保険料控除額等
半額免除 118万円+社会保険料控除額等
4分の1免除 158万円+社会保険料控除額等
納付猶予 57万円

 一人暮らし(独身)世帯の場合は全額免除または納付猶予を受けられる所得基準が57万円以下となり、免除や納付猶予は受けにくくなります。

ケース④無職者(フリータ)またはニート世帯

所得がない無職者の場合も全額免除または納付猶予が受けられます。なお。失業した場合には申請の際に「雇用保険受給資格者証」または「雇用保険被保険者離職票」などの写しが必要です。

国民年金保険料を免除・納付猶予したらいくら減額される?

実際に国民年金保険料の免除や納付猶予を受けられる所得基準だった場合、次に気になるのは免除や納付猶予をすると「将来の年金がいくら減ってしまうのか」といった問題です。

減額の割合は次のとおりで、全額免除された場合でも半額は保障されるようになっています。これは、国が国民年金保険料を同額程度(国庫負担分)納めているためです。

免除/納付猶予 もらえる年金額
全額免除 全額納付した場合の2分の1(年額39万円ほど)
4分の3免除 全額納付した場合の8分の5(年額49万円ほど)
半額免除 全額納付した場合の8分の6(年額59万円ほど)
4分の1免除 全額納付した場合の8分の7(年額68万円ほど)
納付猶予 増減なし(年額78万円ほど)

なお、年額は2020年時点の老齢基礎年金の満額をもとに参考として表記しています。

全額免除、一部免除、納付猶予を受けた場合でも受給資格期間はカウントしてくれます。つまり1年間全額免除を受け、1年間保険料を支払っていなくても、保険料を支払った期間としてみなされるのです。

国民年金を満額受取るために余裕ができたら追納制度を利用しよう

国民年金保険料の全額免除を1年間受けると、満額に対して半額ほど年金を受け取れないことになってしまいます。

余裕ができて後から納付(追納)することで次の2つのメリットがあります。

  • もらえる年金額が増える
  • 追納した金額は社会保険料控除の対象となり税金が軽減される

しかし、追納制度を利用する際には次の点に気をつけなければなりません。

  • 年金事務所で申し込みが必要
  • 追納が承認されてから10年以上前にはさかのぼれない
  • 3年以上前の保険料には一定額が加算されてしまう
  • すでに10年以上保険料を納めているなど受給資格がある人は追納できない

国民年金保険料免除・納付猶予制度の申請方法

申請方法は次のとおりです。

申請先 住民登録地の役所にある国民年金担当窓口
申請方法 窓口/郵送
必要書類 年金手帳または基礎年金番号通知書※場合によってその他書類が必要

申請書は窓口でもらうこともできますし、日本年金機構のサイトからダウンロードもできます。

なお、審査結果が出るまでには2~3か月ほどかかることがあるため注意しておきましょう。

まとめ:所得基準など要件にあてはまったら忘れずに申請しよう

国民年金保険料が免除・納付猶予される所得基準について解説してきました。所得基準は扶養親族の数や社会保険料控除額によって変わるため、詳しく知りたい場合には源泉徴収票や確定申告書を用意して確認してみましょう。

また、全額免除・納付猶予については扶養親族の数が0人の場合は57万円、1人の場合は92万円でした。

もし所得基準など要件にあてはまっていても申請をしなければ免除も納付猶予もされません。忘れずに申請しましょう。

よく読まれている記事 すべて見る