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税金

【保存版】年収1000万円と世帯年収1000万円ではかかる税金が違う!実際の計算で徹底解説

「年収1,000万円」と聞くとうらやましい一方、自分も努力しようという気にさせられます。しかし、「年収1,000万円になると、税金で相当とられてしまうのでは」と考える方もいらっしゃるでしょう。実は、年収1,000万円を1人で得るか夫婦2人で得るかで、税金は大きく異なります。

本記事では、所得税の計算の仕組みや、年収1,000万円を個人で稼いだ場合の税金、夫婦で500万円ずつ稼いだ場合の税金、年収1,000万円の人がすべき5つの税金対策をご紹介します。自分の場合は手元にどの程度残るのかが具体的にわかるので、対策しやすくなるでしょう。

年収1000万円の場合は個人単位と世帯単位のどちらが税金がかかる?

同じ年収1,000万円でも、個人で稼いだ1,000万円と世帯で稼いだ1,000万円とでは、税率が異なります。個人単位のほうが、世帯単位よりも高い税金を課せられます。「家族のために独りで頑張っているのに不公平だ」とお思いかもしれません。

個人単位と世帯単位で税金に差がつく理由は、日本の所得税制度に起因します。日本の所得税の特徴は、次の2点です。

  • 所得が高くなるほど税率も高くなる(累進課税制度)
  • 所得を世帯で判断せず、個人で判断する

 以下で、所得税の計算の仕組みをご紹介した後、年収1,000万円にかかる税金を個人単位と世帯単位で具体的に計算します。

所得税の計算の仕組み

所得税の計算式は、簡単な式でご説明すると、所得税=課税所得×税率-税額控除額と表すことができます。この式を構成する各要素、である次の3点について以下でご紹介します。

  • 課税所得とは
  • 所得税の税率とは
  • 税額控除とは

課税所得とは

所得税の対象となるのが課税所得ですが、収入のすべてが課税所得になるわけではありません。課税所得を求める式は、課税所得=総支給額(基本給+残業代+手当)-非課税の手当-所得控除です。非課税の手当としては、通勤手当が知られています。

所得控除のうち代表的なものを次に挙げておきます。

  • 基礎控除:合計所得2,400万円以下なら48万円
  • 雑損控除:災害や盗難にあった場合に適用
  • 医療費控除:一定の入院治療費や薬代に適用
  • 各種保険料控除:生命保険料や地震保険料など、負担する保険料に適用
  • 寄付金控除:寄付をした金額に適用
  • 扶養控除:家族を養っている場合に適用
  • 配偶者控除:配偶者特別控除:配偶者の収入が一定以下の場合に適用
  • 給与所得控除:従業員の経費代わりとして適用
  • 障害者控除
  • 寡婦(夫)控除

所得税の税率とは

上記で算出した課税所得にかけられる所得税の税率は、超過累進課税方式で決定されています。この方式に基づき、課税所得額の違いによって税率が最低5%から最高45%まで上がります。具体的税率の抜粋は、以下のとおりです。

課税所得額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 9万7,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 42万7,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 63万6,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 153万6,000円

 出典:国税庁「(平成27年分以降)所得税の税率」より抜粋

税額控除とは

税額控除とは、上記の所得税の計算式「所得税=課税所得×税率-税額控除」からわかるように、所得税額を直接引き下げられる控除です。税額控除の一例を以下に挙げます。

  • 配当控除
  • 住宅借入金等特別控除
  • 政党等寄附金特別控除

年収1000万円を個人で稼いだ場合の税金

「夫(45歳)、妻(40歳)、長男(15歳)、長女(12歳)」という世帯で、夫が年収1,000万円の会社員で妻が専業主婦の場合を計算してみましょう。社会保険料控除は年収の15%=150万円、基礎控除は48万円、給与所得控除は195万円で計算します。

上記の所得税=課税所得額×税率-税額控除にあてはめます。なお、税額控除はここでは割愛されていることをご了承ください。

まず、課税所得額は、総支給額-各所得控除額=1,000万円-150万円-48万円-195万円=607万円です。次に、所得税率は上記の表より、20%に該当するとわかります。

よって、607万円×20%-42万7,500円=121万4,000円-42万7,500円=78万6,500円となり、負担すべき所得税額は78万6,500円です。

夫婦で500万円ずつ稼いで世帯年収が1000万円になった場合

同様に、「夫(45歳)、妻(40歳)、長男(15歳)、長女(12歳)」という世帯で、夫と妻がそれぞれ年収500万円の会社員である場合を計算してみましょう。社会保険料控除は年収の15%=75万円、基礎控除は48万円、給与所得控除は144万円で計算します。

まず、夫の所得税額を計算します。課税所得額は、総所得額-各所得控除額=500万円-75万円-48万円-144万円=233万円です。よって、所得税率は10%と決定されます。

よって、233万円×10%-9万7,500円=23万3,000円-9万7,500円=13万5,500円となり、夫の所得税額は13万5,500円です。妻の場合も同じ計算になるため、妻が負担する所得税額も13万5,500円となり、夫婦の合計所得税額は27万1,000円です。

年収1000万円の人がすべき5つの税金対策

同じ家族構成の世帯であるにもかかわらず、個人で年収1,000万円なら所得税額が78万6,500円、夫婦500万円ずつなら所得税額が27万1,000円であるとわかりました。差額は51万5,500円と大きいです。

個人で年収1,000万円を稼いでいる人が、少しでも税負担を軽くできる対策として、次の5つの方法が挙げられます。

  • ①iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • ②ふるさと納税
  • ③つみたてNISA
  • ④配偶者控除・扶養控除
  • ⑤生命保険料控除・地震保険料控除

 節税だけではなく資産形成につながる対策もあるため、ぜひ参考にしてください。

①iDeCo(個人型確定拠出年金)

近年よく耳にするiDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で運用して年金を用意する制度です。毎月の掛金が所得から控除されるうえ、運用益は非課税なので節税できます。年金受取時も税負担が軽減されます。

ただし、年金であるため60歳未満では引き出せない点にご注意ください。

②ふるさと納税

ふるさと納税は節税になるうえに、納税先から返礼品として地元名産品が届くので、人気が高まっています。寄付したい自治体に寄付することで、自己負担の2,000円を除く寄付金全額が所得控除の対象となり、還付されます。

確定申告またはワンストップ特例制度手続きが必要です。

③つみたてNISA

つみたてNISAは、長期保有により積立および分散投資を目的とした資産形成支援制度です。最長20年間利用可能で、毎年40万円まで投資できます。運用益が非課税なので節税につながります。

④配偶者控除・扶養控除

配偶者の年間合計所得が48万円以下(給与所得のみなら103万円以下)など、配偶者が一定の条件を満たした場合、配偶者控除を受けられます。

また、16歳以上で一定条件を満たす親族を扶養している場合は、扶養控除の対象です。親に仕送りをしている場合も、条件を満たせば扶養控除を受けられます。

⑤生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険料や地震保険料を支払っている場合、一定額を所得から控除できます。会社員の場合、年末調整時に「給与所得者の保険料控除申告書」に記入し、保険会社から送付される証明書を添付するだけで手続きが済むので簡単です。

まとめ:個人で働いて年収1000万円の方が共働きの世帯年収1000万円より税金がかかる

所得税の計算の仕組みや、年収1,000万円を個人で稼いだ場合の税金、夫婦で500万円ずつ稼いだ場合の税金、年収1,000万円の人がすべき5つの税金対策をご紹介しました。

個人で年収1,000万円の場合、世帯で年収1,000万円の場合より税金がかかります。税金対策を行うことで、少しでも手取りを増やしましょう。

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