20歳になると納付の義務がある国民年金保険料。納付方法は、金融機関やコンビニでの現金支払いや口座振替、電子決済が知られています。
実は、国民年金はクレジットカードでも納付できます。クレジットカードを使っている人にとっては、歓迎できる選択肢になるでしょう。
本記事では、国民年金保険をクレジットカードで納付するメリットとデメリット、どのような手順でクレジットカード納付が可能か等をご紹介します。国民年金保険のクレジットカード納付の実態を知っておくと、今の自分にぴったりの納付方法を選べます。
国民年金保険はクレジットカードで納付できる

従来、国民年金保険の納付は「現金で支払う」「口座から引き落とされる」「ATM等の電子決済」のいずれかで行なわれていました。クレジットカードによる納付は平成20年2月から可能になりました。
国民年金保険納付に対応しているクレジットカード会社も20を超えており、ほとんどのカードが使えるようになっています。クレジットカード保持者にとっては、国民年金保険のカード納付は一考したい選択肢になるでしょう。
国民年金保険をクレジットカードで納付するメリット

国民年金保険をクレジットカードで納付するメリットは、次の4点です。
- 前納制度による割引が適用可能
- ポイントをためることができる
- 支払い漏れを防ぐことができる
- 手元にお金がなくても納付が可能
以下でそれぞれについてご紹介します。
前納制度による割引が適用可能
クレジットカードで前納することで、国民年金保険の納付額が割引されます。前納する期間は6カ月、1年、2年から選択可能です。前納期間が長いほど割引が大きくなり、2年前納なら1万5,000円近く割引されます。
割引額のみで考えると、口座振替がもっとも大きいです。現金納付とクレジットカードは同じ割引額であり、いずれも口座振替より割引額が少なくなります。しかし、口座振替ではポイントは付かないため、トータルに考えるとクレジットカード納付の方がお得でしょう。
ポイントをためることができる
クレジットカードで国民年金保険を納付すると、ポイントをためられるのが魅力です。現役時代は、国民年金保険の納付はお金が出ていくだけという気分になってしまいがちです。しかし、クレジットカード納付ならポイントがたまるので積極的に取り組めます。
日常生活で使っているカードを納付に使えば、効率的にポイントをためることができます。ただし、クレジットカード会社やカードの種類によっては、国民年金保険納付にポイントが付かない場合があります。事前にカード会社にご確認ください。
支払い漏れを防ぐことができる
国民年金保険を、毎月送られる納付書で現金払いにしている人も多いでしょう。しかし、忙しい日常生活の中では「納付日はまだ先だし」と後回しにしてしまうことも。そして、いつのまにか支払いを忘れてしまいます。
うっかり未払い状態が続いてしまうと、「財産差し押さえ」等の法的措置がとられる恐れがあります。クレジットカード納付なら自動的に保険料が引き落とされるので、支払い漏れが起こりません。忙しくても未払い状態になることを避けられます。
手元にお金がなくても納付が可能
現金で国民年金保険を納付する場合「今月は生活費が厳しいから、支払いたくない」という状況も起こりえます。いっぽう、クレジットカードで納付する場合は、いったんクレジットカード会社が立て替えてくれるので、手元にお金がなくても無理せず納付できます。
国民年金保険の納付期限日やクレジットカードの支払日にもよりますが、口座から国民年金保険納付額が引き落とされるのは1カ月以上先の支払日になることが多いです。支払日までにお金を準備すればいいので、余裕を持って対処できます。
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国民年金保険をクレジットカードで納付するデメリット

数多くのメリットがある国民年金保険のクレジットカード納付ですが、デメリットも存在します。
次の3点がクレジットカード納付の要注意点です。
- 事前の申請と時間が必要
- 支払い方法は一括払いのみ
- クレジットカード情報が変更したときは変更手続きが必要
現金納付や口座振替に比べて手間がかかったり、選択肢がせばめられていたりするので、前もって知っておくことが重要です。どのようなデメリットなのか、以下でご説明します。
事前の申請と時間が必要
国民年金保険のクレジットカードによる納付は、一般の買い物のカード払いと異なり、金融機関やコンビニでカードを提示して支払うわけではありません。事前に申請が必要で、手続きには1カ月程度かかるとお考えください。
クレジットカードと納付書が手元にあっても、すぐにクレジットカード納付はできません。また、2年前納をする場合は毎年2月末が申し込みの締切です。時間に余裕を持って、早めに申請をしておくことがおすすめです。
支払い方法は一括払いのみ
国民年金保険の納付方法は一括払いのみです。分割払いやリボ払いはクレジットカードならではの利点ですが、国民年金保険納付に関しては利用できません。そのため、まとまった金額がいちどに引き落とされてしまうという点をご了承ください。
2年前納を選ぶと38万円以上の金額が引き落とされます。生活費や公共料金の引き落としと同一のカードを使っている場合、利用限度額に達してしまう恐れがあります。そうなると、そのカードは使えません。前納を選ぶ際は、慎重に考えましょう。
クレジットカード情報が変更したときは変更手続きが必要
住所や名前が変わったり、カードを紛失したため新たな番号で発行したりといった、カード情報に変更があった場合は変更手続きが必要です。できるだけ早く「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」を提出しなければなりません。
その手続きが完了するまで一定の時間がかかります。手続き完了前に納付期限日が来る場合は、納付書でお支払いください。
なお、カードの有効期限が切れた場合に関しては、カード会社が日本年金機構に連絡するため、手続きの必要はありません。
国民年金保険をクレジットカードで納付するための手順

「メリットとデメリットを考えた結果、国民年金保険はクレジットカードで納付したい」と思った人も多いのではないでしょうか。そのためには、次の手順が必要です。
- 手続きに必要なものを準備する
- 年金事務所に書類を提出
何を準備すべきか、どこで手続きをするのかを以下でご紹介します。
手順1:手続きに必要なものを準備する
手続きに必要なものは次の3点です。手元に準備しましょう。
- 国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書
- 年金手帳や納付書等、基礎年金番号のわかるもの
- 利用したいクレジットカード
なお、クレジットカードの名義人と被保険者が異なる場合は「国民年金保険料クレジットカード納付に関する同意書」も必要です。
手順2:年金事務所に書類を提出
「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」の記入を終えたら、お近くの年金事務所に提出してください。窓口提出の他、郵送も可能です。受理されるとその証として「国民年金保険料クレジットカード納付のお知らせ」が届きます。この時点で手続きは完了です。
前納を希望する場合は締切があるのでご注意ください。6カ月(4月~9月分)、1年、2年の前納なら2月末までに、6カ月(10月~翌年3月分)なら8月末までに申し込む必要があります。
【番外】現金納付時にクレジットカードで支払うことはできない

前述しましたが、コンビニや金融機関等で国民年金を納付するとき、クレジットカードで支払うことはできません。
コンビニでは多くのクレジットカードが利用可能です。そして、国民年金保険もコンビニで納付できます。しかし、郵送される納付書で納付をする場合は、現金または電子決済に限られています。
電子マネー(nanacoやWAON等)の機能が付いたクレジットカードなら、クレジットカードでチャージして電子マネーで納付できる可能性があります。確認してみましょう。
まとめ:クレジットカードの利用限度額に気をつけながら納付をしよう
国民年金保険をクレジットカードで納付すると、納付額が割引されてポイントがたまる上に直近の生活費などに振り回されずゆとりを持って支払いができます。手続きの手間といったデメリットはありますが、それを上回るメリットを享受できるでしょう。
ただ、前納を選ぶと相当の金額が一括で引き落とされるため、クレジットカードの利用限度額をオーバーする恐れもあります。カードの利用状況を考えて、利用限度額に気をつけながら前納制度をうまく取り入れるとさらにお得になるので、ぜひご一考ください。