念願の二人暮らし、始めてみたはいいものの「思った以上に生活費がかかるな」と感じる人も多いです。「切りつめているつもりなのに出費がかさんでしまう」という世帯も多いでしょう。
今回の記事では、二人暮らしの理想的な食費について解説し、ストレスを溜めずに節約するポイントを紹介します。二人暮らしの食費の特徴を理解し、目標予算を立てられるようになれば、上手に節約することができるでしょう。
なお、「二人暮らし」といっても、その形態には夫婦や同棲以外にも、子供やパートナーとの共同生活があります。今回の記事では、「おとな二人分」の食費を前提とし解説を進めていきます。小さな子供との二人暮らしで食費が少ない世帯や、職場などで食事代補助の受けられる生活をしている世帯は、金額を少なくして読み進めてください。
また、お金の使い方全般については、下記の記事もご覧ください。
二人暮らしの平均的な食費は月6.6万円
政府統計の家計調査によれば、2人世帯での1 ヶ月あたり食費の全体平均は約6.6万円です。世帯主が60歳未満の勤労者世帯を抽出すると、平均は約6.4万円とされています。意外なことに、年齢を制限しない勤労者世帯の食費の全体平均は約6.7万円であり、若い世帯のほうが平均食費が少ないという調査結果が出ています。
なお、金額はあくまで統計上の平均ですので、食費を多く使ってしまう世帯もあれば、すでに上手に節約ができている世帯も含まれています。
1 ヶ月あたり | 全体平均 | 世帯主が60歳未満の勤労者世帯 |
---|---|---|
収入 | (掲載なし) | 600,103円 |
消費支出 | 248,144円 | 287,524円 |
食費 | 66,327円 | 64,056円 |
参考:政府統計ポータルサイトe-Stat「家計調査・2021年・表3-1世帯人員別/二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯」(以下同様)
※わかりやすさのため項目を加工して作成(実収入を収入と読み替えて記載。以下同様)。
生活費のうち主要な割合を占める食費
生活費は、家賃や住宅ローンなどの割合も大きいですが、日常生活に必要な商品、サービスを購入する「消費支出」のなかで、食費が占める割合は上の表のとおり約2割を占めています。金額でみても、家賃や住宅ローンの次に食費が大きな支出となる家計が一般的です。
このため、せっかく家賃や消耗品費を切りつめても、食費で散財してしまえば、生活費は高くなってしまうのです。
統計に基づく平均食費額
平均食費6.4万円のうち、内訳を詳しくみていきましょう。平均と自分の家庭の食費を比較してみてください。
穀類 | 魚介類 | 肉類 | 乳卵類 | 野菜果物 | 油・調味料 |
---|---|---|---|---|---|
約0.5千円 | 約0.4万円 | 約0.6万円 | 約0.3万円 | 約0.8万円 | 約0.3万円 |
菓子類 | 調理食品 | 飲料 | 酒類 | 外食 | 総計 |
約0.5万円 | 約1.0万円 | 約0.5万円 | 約0.4万円 | 約1.1万円 | 約6.4万円 |
理想的な二人暮らしの1 ヶ月の食費とは
一般的に、食費は手取りの15%から20%程度を目安にするのがよいとされています。手取り月収別に試算してみると、統計平均の約6.4万円を予算にすることができる世帯は、意外と多くないことがわかります。
手取り月収 | 25万円 | 35万円 | 45万円 |
---|---|---|---|
食費目安 | 3.8~5万円 | 5.3~7万円 | 6.5~9万円 |
※手取り月収に対し15%・20%にて試算
二人暮らしの食費の特徴
統計に基づく平均、手取りベースでの理想の目安をそれぞれみてきましたが、「うちはこんなに食費をかけていたのか」と驚いた人も少なくないでしょう。二人暮らしの多くにとって食費は、次のような特徴があり、気づかぬうちに生活費を圧迫してしまうのです。
二人暮らしの食費にはどのような特徴があるのか、具体的に説明します。
特徴①外食費が多くなりがち
1つ目の特徴は、外食費が多くなりがちです。統計に基づく平均外食費は、約1.1万円です。3人世帯(約1.2万円)や4人世帯(約1.5万円)と比較すると高いことが分かりますが、2人世帯の外食費は一人当たりの金額としても多くなりがちです。
一人暮らし(約1.1万円)の金銭感覚のままランチなどを外食で済ませてしまうと、平均よりさらに多くなってしまいます。
特徴②共働きだと時間のかかる自炊はしづらい
2つ目の特徴として、2人世帯はライフステージ上、共働きであることが多く、それぞれが仕事から帰ってきてからゆっくりと自炊をするのは難しいと推測できます。この点は、総菜や弁当などを示す「調理食品」の金額から把握できます。
調理食品の購入平均は一人暮らしの(0.8万円)に対し、二人暮らしでは約1.0万円であり、3人世帯(約1.1万円)や4人世帯(約1.2万円)より調理食品に頼っていることがわかります。
特徴③作り置きのメリットを感じにくい
3つ目の特徴として、同じく調理食品の人数当たりの負担割合から、二人暮らしでは作り置きのメリットを感じにくいことが挙げられます。
世帯人数が増えるほど、作り置きや小分け冷凍することで食費を浮かせることができますが、二人暮らしの場合、冷蔵庫や冷凍庫が大きくないことも多く、そもそも作り置きや小分け冷凍の習慣がない世帯も少ないためと推測できます。
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上手な節約のポイント
「二人暮らしの食費を節約するのは、やっぱり難しい!」と不安に感じた人もいるでしょう。しかし、二人暮らしの食費の特徴を理解し目標予算を立てられるようになれば、上手に節約することができますので、ここからは節約のポイントを紹介します。
本記事では、食費に関する節約方法を紹介しています。その他の節約方法については、下記の記事もご覧ください。
まずは外食費を見直そう
食費の中で外食費が占める割合が多い場合は、まずは外食費から見直してみましょう。
スーパーを複数店舗回って10数円程度安い買い物をすることも大切ですが、ランチのセットドリンクを外して300円節約するほうが家計には即効性があります。
職場の付き合い上、どうしても一緒に食事をしている人と違うものが頼みづらいという場合には、週のうち少しずつでもお弁当を持参する日を設けてみることも有効です。
ストレスを溜めない自炊をしよう
自炊習慣のない世帯で、いきなり自炊中心の生活を始めるとストレスが溜まるばかりか、張り切りすぎてこれまでよりも食費が高くなってしまうことがあります。
大切なことは「外食を減らす→調理食品を活用する→自炊で節約する」のプロセスを継続して回せるように習慣化することですので、まずは調理食品としての総菜やお弁当をうまく活用することをおすすめします。
「一週間分の材料を土日にまとめて作り、小分け冷凍する」などの上級者向けテクニックは、外食費や調理食品で削るところがなくなってから始めても遅くありません。
食費は手取りの15%を目安に定期的に見直そう
節約の基本ですが、食費に関してもまずは目標予算を立てることが非常に大切です。ここまで記事を読んでいただいたことで、現状どれだけ食費がかかっていて、自分たちの予算の目安はどの程度なのか具体的にイメージができるようになってきたでしょう。
忘れてはいけないのが、手取り金額の増減に合わせて目標予算も見直していく必要があるという点です。残業代や各種手当、支給額の変動もあり得ますので、手取りの増減に合わせて一度決めた目標予算であっても、定期的に見直す必要があります。
まとめ:目標予算を立てて上手に食費を節約しよう
気づかぬうちに高額になりがちな二人暮らしの理想的な食費について解説し、ストレスを溜めずに節約するポイントをご紹介しました。
二人暮らしの食費の特徴を理解し、目標予算を立てられるようになれば、上手に節約することができるでしょう。