物価が高騰する中、家計の見直しを検討している人もいるでしょう。家族の人数が多い家庭ほど支出は増え、将来に備えた貯蓄も必要となるため、上手に節約して家計の改善を図りましょう。
今回の記事では、4人家族の平均的な生活費について解説します。平均的な生活費と比較することで、無駄な支出がないかを確認できます。また、節約のポイントについても紹介するので、参考にしてください。
4人家族の生活費は平均32.9万円
総務省の「家計調査」によると、2021年度の4人家族(勤労世帯)の平均生活費は32.9万円です。まずは、生活費の内訳と支出金額の大きい費用について説明します。
4人家族の生活費の内訳
4人家族の生活費の内訳は次の通りです。世帯の有業者数(1.89人)や夫婦の収入(世帯主は約50万円、配偶者は約10万円)であることから、「夫婦と子ども2人で配偶者がパート勤務の4人家族」がモデルケースといえます。
4人家族・勤労世帯の平均生活費・2021年度:
支出項目 | 平均金額(円) | 割合 | 支出の内容 |
---|---|---|---|
食料 | 8万6,019 | 26.1% | 食材費、外食費など |
住居 | 1万7,432 | 5.3% | 家賃、修繕費など(住宅ローンの返済は含まない) |
光熱・水道 | 2万2,773 | 6.9% | 電気代、ガス代など |
家具・家事用品 | 1万3,347 | 4.1% | 家具代、家事サービスなど |
被服および履物 | 1万2,454 | 3.8% | クリーニング代などを含む |
保健医療 | 1万2,824 | 3.9% | 病院の医療費、医薬品代など |
交通・通信 | 4万9,962 | 15.2% | 携帯代、自動車関連費用など |
教育 | 3万2,931 | 10.0% | 入学金、学費、塾代など |
教養娯楽 | 3万0,713 | 9.3% | レジャー費、本代など |
その他 | 5万0,546 | 15.4% | 雑費、こづかい、交際費など |
生活費合計 | 32万9,001 | 100.0% |
参考:政府統計ポータルサイトe-Stat「家計調査・2021年・1世帯当たり1か月間の収入と支出/4/世帯人員・世帯主の年齢階級別」(以下同様)
支出金額が大きいのは食費や交通・通信費
生活費の内訳を見ると「食費」「その他」「交通・通信費」の順で支出金額が大きくなっています。その他の支出を除くと、食費の割合は全体の26.1%、交通・通信費は15.2%であり、2つの支出が生活費の4割以上です。
つまり、支出金額の大きな食費と交通・通信費を上手に節約できれば、効果的に生活費を抑えることができます。
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4人家族の生活費の特徴
2人家族や3人家族の生活費と比較することにより、4人家族の生活費の特徴を解説します。
世帯人数別の平均生活費・2021年度(円):
世帯人数 | 2人 | 3人 | 4人 |
---|---|---|---|
食料 | 6万7,170 | 7万6,289 | 8万6,019 |
住居 | 2万4,273 | 2万0,291 | 1万7,432 |
光熱・水道 | 1万8,476 | 2万1,344 | 2万2,773 |
家具等 | 1万1,829 | 1万2,455 | 1万3,347 |
被服など | 7,955 | 9,959 | 1万2,454 |
保健医療 | 1万3,452 | 1万3,815 | 1万2,824 |
交通・通信 | 4万8,715 | 4万9,899 | 4万9,962 |
教育 | 1,023 | 1万6,872 | 3万2,931 |
教養娯楽 | 2万3,424 | 2万6,446 | 3万0,713 |
その他 | 6万6,492 | 5万8,361 | 5万0,546 |
生活費合計 | 28万2,809 | 30万5,731 | 32万9,001 |
年齢別や地域別などの生活費について詳しく知りたい人は、次の記事をご参照ください。
特徴①:食費や被服費は家族の人数に応じて増加する
4人家族の生活費の特徴の1つ目は、家族の人数が増えることによって食費や被服費などが増加することです。光熱・水道や教養娯楽費についても同じ傾向にあります。
ただし、家族の人数と比例して食費などが増えるわけではありません。3人家族と食費を比較した場合、家族の人数は1.5倍になっても、食費は約1.14倍に収まっています。家族が増えることで食費などの総額は増えますが、1人当たりの費用は抑えられています。
特徴②:教育費は3人家族の2倍程度である
特徴の2つ目は、教育費に関しては子どもの人数に比例して支出金額が増加することです。世帯人数別の平均生活費より、子ども1人当たりの教育費は1.6万円以上かかります。
教育費は子供の年齢や進学先(国公立か私立か)、塾代などで大きく異なります。日本政策金融公庫の「教育費に関する調査結果」によると、高校から大学までの教育費(入学・在学費用)は子ども1人当たり約942.5万円です。
子供が小さく教育費負担の少ない時期に、2人分の高校・大学進学費用の準備が必要です。進学費用は節約が難しいため、費用が高額な学習塾は避けるなど支出を抑える工夫をしましょう。
特徴③:その他の支出額は少なめである
特徴の3つ目は、上記の食費や教育費などを除くと支出は少なめであることです。保健医療費や交通・通信などは、家族の人数が増えても支出金額はあまり変わりません。その他支出については、交際費を中心に家族人数が増えるほど支出金額が減少します。
4人家族の場合、教育費などが増えた分をカバーするために、節約できるところは工夫して支出を抑えている様子がうかがえます。教育費を除くと、2人家族や3人家族、4人家族の生活費の平均金額はほとんど変わりません。
4人家族の生活費を節約したい!節約のポイント3選
最後に、4人家族が生活費を節約するときのポイントについて説明します。
節約のポイント①:外食費や娯楽費はメリハリをつけて使う
節約のコツ1つ目は、メリハリのある支出を心がけることです。たとえば、外食費は月1回などと決めるといいでしょう。家族の人数が1人増えても食費は1万円程度しか増えない理由の1つは、家庭で家族全員の食事をまとめて作ることで、1人あたりの食費を抑えているからです。
外食やデリバリーが多くなると、家族の人数に比例して食費も増加します。娯楽やレジャーについても同様です。ときには家族旅行で羽を伸ばすのもいいですが、普段はお金のかからない公園を利用するなどして、教養娯楽費も計画的に節約しましょう。
ちょっとした贅沢も必要ですが、油断すると支出は膨らみやすいので注意しましょう。
節約のポイント②:教育費は早い時期から準備する
節約のコツ2つ目は、教育費は早い時期から準備をスタートして教育費の負担を平準化することです。前述の通り、子供の小さいうちは教育費もあまりかかりませんが、高校、大学と進むごとに費用は高額になります。
奨学金や教育ローンを利用する場合でも、ある程度の教育資金を準備したほうがいいでしょう。お金が必要な時期は事前にわかっているので、上手に節約して教育資金づくりを進めましょう。
節約のポイント③:毎月の固定費を下げる
節約のコツ3つ目は、毎月の固定費を下げることです。固定費とは、毎月定額(または定額に近い金額)を支払う支出項目です。電気・ガス代や携帯代、インターネット回線費などが該当します。
特に、携帯代については大手キャリアと格安スマホ会社の価格差は大きいので、家族4人が携帯を使用している場合は、携帯会社の切り替えで毎月数万円も節約できるケースもあります。
契約先を変えたあとは節約を意識することなく支出を抑えられるため、固定費の削減は有効な節約方法と言えます。
効果的な節約方法や家計の見直し方法について詳しく知りたい人は、次の記事をご参照ください。
まとめ:支出にメリハリをつけて生活費をコントロールしよう
総務省の調査によると、2021年度の4人家族(勤労世帯)の平均生活費は32.9万円です。将来、子ども2人分の高校・大学進学費用が必要になるため、早めに教育資金の準備を始めましょう。
3人家族と比較すると教育費が2倍かかるため、その他の支出を抑えなければなりません。外食費や娯楽費などは必要最小限に抑えて上手に節約しましょう。
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