子どもが生まれて3人家族になると出費も増え、夫婦2人のときに比べて生活費がかかります。また、マイホームの購入や子どもの進学に備えた資金準備も気になるところです。
本記事では、3人家族の平均的な生活費について解説します。生活費がいくら必要かは家庭によって異なりますが、平均的な生活費を知ることは家計の点検に役立ちます。現在の生活費と将来に向けた貯蓄のバランスが上手く取れるように、本記事を参考に家計を見直してみましょう。
3人家族の生活費は平均約30.6万円
総務省の「家計調査」によると、2021年度の3人家族(勤労世帯)の平均生活費は約30.6万円です。まずは、生活費の内訳と注意すべき住宅に関する費用について説明します。
3人家族の生活費の内訳
3人家族の生活費の内訳は次の通りです。世帯の有業者数(1.83人)や夫婦の収入(世帯主は約48万円、配偶者は約9万円)であることから、「夫婦と子ども1人で配偶者がパート勤務の3人家族」がモデルケースといえます。
3人家族・勤労世帯の平均生活費・2021年度:
支出項目 | 平均金額(円) | 割合 | 支出の内容 |
---|---|---|---|
食料 | 7万6,289 | 25.0% | 食材費、外食費など |
住居 | 2万0,291 | 6.6% | 家賃、修繕費など(住宅ローンの返済は含まない) |
光熱・水道 | 2万1,344 | 7.0% | 電気代、ガス代など |
家具・家事用品 | 1万2,455 | 4.1% | 家具代、家事サービスなど |
被服および履物 | 9,959 | 3.3% | クリーニング代などを含む |
保健医療 | 1万3,815 | 4.5% | 病院の医療費、医薬品代など |
交通・通信 | 4万9,899 | 16.3% | 携帯代、自動車関連費用など |
教育 | 1万6,872 | 5.5% | 入学金、学費、塾代など |
教養娯楽 | 2万6,446 | 8.7% | レジャー費、本代など |
その他 | 5万8,361 | 19.1% | 雑費、こづかい、交際費など |
生活費合計 | 30万5,731 | 100.0% |
参考:政府統計ポータルサイトe-Stat「家計調査・2021年・1世帯当たり1か月間の収入と支出/4/世帯人員・世帯主の年齢階級別」(以下同様)
食費の割合は生活費全体の25.0%、交通・通信費は16.3%で、2つの支出が生活費の4割以上を占めます。効率的に節約を行うには、金額の大きな支出項目を中心に家計を見直すといいでしょう。
家賃や住宅ローンの支払分は上乗せが必要
生活費の内訳を見るとき、住居費については注意が必要です。上記の調査では住居費2万291円のうち家賃は1万3,232円ですが、実際の家賃はもっと高いでしょう。この金額は持ち家の人を含む平均金額であり、賃貸の人は現在の家賃を考慮して生活費を比較する必要があります。
また、生活費に住宅ローンの支払いは含まれないため、持ち家でローン返済中の人はローン返済分を加算して平均生活費を活用しましょう。
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3人家族の生活費の特徴
3人家族の生活費の特徴を見るために、2人家族や3人家族の平均生活費とその内訳を確認しておきましょう。それぞれを比較すると、3人家族の生活費には3つの特徴があります。
世帯人数別の平均生活費・2021年度(円):
世帯人数 | 2人 | 3人 | 4人 |
---|---|---|---|
食料 | 6万7,170 | 7万6,289 | 8万6,019 |
住居 | 2万4,273 | 2万0,291 | 1万7,432 |
光熱・水道 | 1万8,476 | 2万1,344 | 2万2,773 |
家具等 | 1万1,829 | 1万2,455 | 1万3,347 |
被服など | 7,955 | 9,959 | 1万2,454 |
保健医療 | 1万3,452 | 1万3,815 | 1万2,824 |
交通・通信 | 4万8,715 | 4万9,899 | 4万9,962 |
教育 | 1,023 | 1万6,872 | 3万2,931 |
教養娯楽 | 2万3,424 | 2万6,446 | 3万0,713 |
その他 | 6万6,492 | 5万8,361 | 5万0,546 |
生活費合計 | 28万2,807 | 30万5,731 | 32万9,001 |
年齢別や地域別などの生活費について詳しく知りたい人は、次の記事をご参照ください。
特徴①:平均生活費は2人家族より約2.3万円増える
2人家族が夫婦のみ、3人家族が夫婦と子ども1人だと想定すると、子どもが1人増えたことによって生活費は約2.3万円アップしたことになります。生活費の増加率は1割にも満たないため、意外とお金がかからないと感じる人もいるのではないでしょうか。
1人当たりの生活費は2人家族は約14万円、3人家族は約10万円、4人家族は約8万円と家族数が増えるとともに減少します。減少の理由は、支出項目によって家族で共用できることもありますが、家族数が増えるほど節約して支出を抑えていることが考えられます。
特徴②:教育費がかかる
世帯人数別の平均生活費の内訳をみると、教育費だけは子どもの人数に比例して支出金額が増えます。そのほかの支出は子供が増えても増加率は一定の範囲内ですが、教育費は子ども1人当たり約1.6万円必要です。家族数の増加に伴う生活費アップの大半は教育費によるものです。
また、教育費については子どもが成長するにしたがって急に増加することに注意しましょう。就学前や義務教育中の子どもはあまりお金はかかりませんが、高校や大学の進学時には大きな費用が必要になります。子どもが小さく家計に余裕があるうちから将来の教育資金を準備しましょう。
特徴③:交際費などは4人以上家族より支出が多い
4人家族と比べると保健医療費やその他支出(交際費など)は3人家族の方が多いです。また、3人家族も4人家族も支出金額があまり変わらない支出項目もあります。教育費や食費などやむを得ない支出の増加を、その他の支出を抑えてカバーしている様子がうかがえます。
逆にいえば、3人家族の方が節約して支出を抑える余地が大きいかもしれません。余裕のある夫婦2人のときの生活習慣を続けている場合、無駄な支出がないかを点検してみましょう。
3人家族の生活費を節約したい!節約のポイント3選
最後に、3人家族が生活費を節約するときの3つのポイントについて説明します。
節約のポイント①:子供の教育にお金をかけすぎない
節約のコツ1つ目は、子供の教育にお金をかけすぎないことです。大学進学費用のほか、高校までは学習塾や習い事にお金がかかります。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によれば、公立の学校に通う小学生の学校外活動費は約21万円、中学生は約31万円、高校生は約18万円です。
学校外活動費の使途は、小学生は水泳やピアノなどの習い事、中高校生は学習塾が中心です。複数の習い事を掛け持ちしたり高額な学習塾に通わせると、教育費で家計が圧迫されることもあります。家計の収支や貯蓄のことを考えると、習い事などにお金をかけ過ぎないことも重要です。
節約のポイント②:将来に備えて貯蓄する
節約のコツ2つ目は、将来に備えて一定額を貯蓄し残りのお金で生活することです。4人家族と比較すると3人家族の方が交際費が多いなど、節約できる余地が大きいと考えられます。大学進学費用や2人目の子どもが生まれた場合などに備えて、できるときにきちんと貯蓄しましょう。
特に、教育費や外食費、レジャー費などは一定の制限を設けないと、費用がどんどん膨らむこともあるため注意が必要です。
節約のポイント③:毎月の固定費を下げる
節約のコツ3つ目は、毎月の固定費を下げることです。固定費を下げると、節約を意識することなく毎月の支出を抑えられるからです。
固定費とは、住居の賃料や電気・ガス代、携帯代、習い事・塾の費用などのことです。電気・ガス代や携帯代については、契約する会社を変更するだけで年間数万円以上も節約できるケースがあります。
転居して賃料を下げたり、子どもの塾を変えて費用を抑えたりすることは難しいかもしれませんが、年間数十万円の節約も期待できる効果的な方法です。
効果的な節約方法や家計の見直し方法について詳しく知りたい人は、次の記事をご参照ください。
まとめ:生活費を見直して将来に備えて貯蓄しよう
総務省の調査によると、2021年度の3人家族(勤労世帯)の平均生活費は30.6万円です。夫婦2人世帯として、平均生活費は約2.3万円、教育費は約1.6万円アップします。
教育費については、子どもが成長するとともに増加し大学進学時にピークを迎えます。将来に向けた資金作りを行うため、本記事を参考に生活費を見直し、自分にあった効果的な節約方法を見つけましょう。
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