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家計

単身赴任は頻繁にあるものではないため、いざ必要な状況になるとさまざまな不安で頭を悩ませることになるでしょう。これからの生活面での不安に加え、金銭面での不安も大きなものです。

この記事では、そのような状況で支給される単身赴任手当について手当の種類や相場、支給条件を解説します。実際に単身赴任が必要になったときの参考にしてください。

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単身赴任手当とは|目的と種類

単身赴任手当とは「単身赴任」をすることになったとき、勤務先から支給される「手当」です。労働者が異動を命じられたとき、新しい勤務先が自宅から通えないほど遠い場合には転居が必要になります。そのとき家族が同行せず労働者1人が転居することを「単身赴任」といいます。

このとき、就業している勤務先からそれぞれの規程や基準で支給される手当を「単身赴任手当」といいます。単身赴任に関する手当は、労働基準法などに定められているわけではありません。あくまでも、企業などが就業規則などで定めて支給するものです。

まず、単身赴任手当の目的と単身赴任手当以外の手当について解説します。

単身赴任の負担を軽減することが目的

単身赴任をすると、残してきた家族の家賃や生活費に加え、転居した先での自分の家賃や光熱費など、多くの費用がかかるようになります。単身赴任手当は、単身赴任時に追加で必要となる負担を軽減することを目的としています

2015年に発表された厚生労働省の調査(厚生労働省「平成27年度就労条件総合調査」)では、単身赴任手当の支給率は13.8%(企業全体)という結果が出ています。さらにこれは企業規模が大きくなるほど高くなり、支給率は1,000人以上の企業で66.9%に上昇します。

単身赴任手当以外の代表的な手当

単身赴任時の生活に関わるさまざまな費用負担を軽減するために、単身赴任手当以外の手当や補助金を支給している場合もあります。ここでは3つの手当を紹介します。

家賃補助(住宅手当)

家賃負担に対して支給される手当を「家賃補助(住宅手当)」といいます。住宅手当の支給率は45.8%(企業全体)厚生労働省「平成27年度就労条件総合調査」)で、単身赴任手当と同様に、支給率は企業規模が大きくなるほど高くなります。

家賃補助は、労働者の給与に上乗せして支給される場合もあれば、企業が契約している物件の家賃や寮費の一部を企業が負担し、労働者が割安で住むという場合もあります。

帰省旅費手当

労働者が単身赴任先から自宅に帰省する際に、交通費として勤務先から支給される手当を「帰省旅費手当」といいます。交通費の実費、または距離に応じた費用が支給されますが、年に〇回など回数が決まっていることも多い手当です。

転勤支度金(単身赴任準備金)

勤務先の変更によって転居が必要になる場合に、引っ越し費用などの負担を軽減するために支給される手当を「転勤支度金」といいます。転居では引っ越し費用以外にも引っ越し先への交通費や、新しい家電の購入など、さまざまな費用がかかります。

転勤支度金は定額だったり、労働者の役職で金額が変わったり、かかった費用の〇割を支給する、などさまざまな支給基準や方法があります

単身赴任手当の相場

勤務先の種類や企業の規模によって単身赴任手当の相場が異なります。ここでは公務員と一般企業に分けて紹介します。

公務員は月額30,000円が基準

国家公務員の場合、単身赴任手当の支給には法律や人事院で支給条件や支給金額について規程されています。

人事院「国家公務員の諸手当の概要」によると国家公務員の単身赴任手当の基準額は、月額で30,000円です。また、自宅と単身赴任先の住居との距離によって加算がされます。加算額は最高で70,000円です。

地方公務員の場合は、国に準拠することが原則とはなっていますが、各自治体で若干の違いがあります。例えば、北海道では加算額の最高は70,000円と国家公務員と同様ですが、それ以外の距離区分での加算額が国家公務員と異なる部分があります。

参考:北海道教育委員会「諸手当(単身赴任手当のページ)」

民間企業の相場は企業規模によって異なる

民間企業の場合は企業ごとに制度設計が多様なため、単身赴任手当の支給条件や支給金額はそれぞれで異なります

ただ、ある程度公務員の制度に倣っていること、および厚生労働省の調査によって企業規模ごとの平均額などが算出されていることから、ある程度の目安を知ることができます。

厚生労働省「平成27年度就労条件総合調査」によると、単身赴任手当の平均額は以下の通りです。

  • 企業全体 46,065円
  • 企業規模1,000人以上 48,949円
  • 企業規模300人~999人 43,255円
  • 企業規模100人~299人 42,737円
  • 企業規模30人~99人 36,834円

※平成26年11月分「単身赴任手当、別居手当など」の労働者1人平均支給額

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単身赴任手当の支給判定の条件と支給額

ここでは単身赴任手当の支給対象か判断する条件と支給額の考え方について説明します。支給条件は個々の企業の規程や、公務員では法律などで決められています。

支給される条件

単身赴任手当は配偶者がやむを得ない事情で転居に同行できない場合でのみ、支給の対象となります。やむを得ない事情とは以下のとおりです。

  • 配偶者が学校や保育所などに通う子供を養育している
  • 配偶者が父母や義父母、または同居の親族の介護を行っている
  • 配偶者が現在と同じ勤め先で働き続ける
  • 配偶者が現在住んでいる自宅を管理するために、そのまま自宅に住み続ける

国家公務員は上限が明確に決まっている

前述したとおり、国家公務員の場合は、単身赴任手当の基準額と距離による加算額が決まっているため、上限が明確です。

国家公務員の単身赴任手当の最低額は30,000円です。加算を加えた上限は「赴任先と自宅の距離が2,500km以上」の場合で、10万円ということになります。

※参考:人事院「人事院規則九‐八九(単身赴任手当)」

民間企業は個々の企業により就業規則で定めた内容による

民間企業の単身赴任手当については、国家公務員に準じて同様の基準を設けている場合も多いですが、独自の基準やルールを設定している民間企業もあります

そのため、単身赴任手当については、就業規則や労働条件通知書を確認しましょう。

支給手当は給与所得として課税され、全額は手元に残らない

単身赴任手当は給与の一部として支払われます。そのため、所得税と社会保険料が徴収されます。所得税と社会保険料はおおむね2割程度のため、単身赴任手当が4万円の場合、実際の支給額は3.2万円程となります。

また、転勤に要した費用の負担については、特に法律上の規定がありません。会社か社員のどちらが転勤費用を負担するかは会社によって異なります。

まとめ:単身赴任手当の有無や額は勤務先ごとに異なるため就業規則などを確認

単身赴任手当は勤務先によって支給金額が決まっており、それ以外の手当も条件によって支給の有無が決まっています。単身赴任をすることになったら、この記事を参考に勤務先の規程を確認し、自社の単身赴任手当について調べましょう

また、生活面に関しては、ご家族と相談し、単身赴任に関する不安を解消してください。単身赴任の生活費については、下記の記事も合わせてご確認ください。

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