「ユニット・リンクの何がひどいの?」
せっかく加入した保険が期待外れの内容だったら、後悔しますよね。
さらに、出直そうと解約して戻ってきた金額が支払い済みの保険料を大きく下回ったら、損失額によっては素直に受け入れられません。
結論から言うと、ユニット・リンクは、10年以上加入して保険料を運用し続けないと、満期保険金額が支払った保険料を越えることが困難です。なぜなら、ユニット・リンクは、保険料から毎月経費が引かれ、10年未満の解約だと手数料も発生して、簡単に元本を割りこむためです。
ここでは、ユニット・リンクの評判から見える特徴とともに、ひどい評価の理由や加入前に確認すべき点、効率的な資産運用の手段を順番にお伝えします。この記事を読み終わる頃には、あなたが本当にユニット・リンクに加入すべきか判断できるようになります。
アクサ生命「ユニット・リンク」とは?
ユニット・リンクは、死亡・高度障害に備えながら、運用結果次第で受け取り金額が増減する変額保険です。特に指定の投資信託を運用すると満期保険金額が増える場合がある点から、注目されています。
- 死亡・高度障害保障を変額保険で準備できる
- 保険期間終了後に運用実績に応じた保険金を受け取れる
- 満期保険金は一時金と年金どちらかで受取可能
- 運用が不調な場合は終身保険に変更も可
- 3大・7大疾病に関する特約も追加可能"執筆不要
ユニット・リンクは、単なる保険商品とは異なり、資産運用も可能なことから、注目度の高い変額保険商品です。
ユニット・リンクの評判はひどい?口コミをチェック
ユニット・リンクを良く思う人もいれば、悪く捉える人もいるため、ユニット・リンクの評価は二分されています。そもそも、保険商品には、メリットとデメリットがあるため、加入者によって評価が分かれるのは当然です。
口コミの内容から、ユニット・リンクの特徴を理解して、あなたに適した保険か確認しましょう。
ユニット・リンクのいい評判・口コミ
- 積立金が低くても基本保険額を受け取れる
- もしものときの死亡保険や高度障害への備えをしながら資産形成の楽しみがある
- 投資経験がないため、保険で保障を確保しながら資産形成できるのはうれしい
ユニット・リンクを前向きに評価している人は、ユニット・リンクの保険機能に重きを置いている傾向があります。具体的には、特別勘定資産の運用による満期保険金の増加よりも、死亡・高度障害への備えとして加入している人の評価が高いです。
そのため、保険がメインであり、運用による資産形成はおまけとして考えれば、ユニット・リンクは悪くない保険と言えます。
ユニット・リンクの悪い評判・口コミ
- コストが高い
- 解約控除のせいで契約を切るに切れない
- 投資としての自由度が低く不便
- 運用実績がひどい
ユニット・リンクを否定的に評価している人は、ユニット・リンクでの資産運用に対する期待値が高い傾向です。具体的には、死亡・高度障害への備えよりも、運用による満期保険金の増加や短期間での解約を重んじる人の評価が低いです。
よって、保険商品を活用した資産運用に主眼を置いている人にとっては、ユニット・リンクは物足りない保険と言えます。ユニット・リンクの評判を整理すると、ひどいと言われる理由は資産運用商品として魅力に欠ける点に行きつきます。
ユニット・リンクの評判がひどいと言われている3つの理由
ユニット・リンクに悪い評価をしている原因を探ると、3つの要素に整理されます。いずれも、保険商品としての保障内容ではなく、資産運用商品として捉えた場合の懸念点です。
- 保険関係費(手数料)が高く不透明 解約控除が高い 運用実績が良くない
保険関係費(手数料)が高く不透明
ユニット・リンクでの資産運用を考えると、年率0.85%以上の手数料は、一般的な投資信託商品と比較すると割高です。そもそも保険関係費とは、支払った保険料から差し引かれる手数料を指します。
ユニット・リンクでは5つの手数料が存在し、このうち2項目は具体的な数値が明らかで最低でも年率0.85%です。一方、残りの3項目は不明なものの、実際の手数料は年率0.85%以上であることは明らかです。
投資の基本として、手数料が高い商品で資産形成するのは非効率であり、回避すべき商品です。その観点から、ユニット・リンクで資産運用して運用益を出すのは決して簡単ではありません。
解約控除が高い
ユニット・リンクに加入して10年未満で解約等をする場合、払い戻し金額から解約控除が適用されて手元に戻る金額が減ります。解約控除とは、契約の解約や保険金額の減額をした場合に、積み立てた金額から一定の金額を引くことです。
ユニット・リンクの場合、加入から10年未満で以下のケースに該当すると解約控除が発生します。
- 保険料の支払がないまま、猶予期間を経過した場合
- 保険料の支払いをやめて、契約を有効にし続けたい場合
- 保険料の負担を軽くしたい場合
- 契約を解約したい場合
例えば、保険・払込期間30年、基本保険金額957万円、年間保険料24万円の30歳男性が1年後に解約すると払い戻し金額は2~3万円です。
参考:アクサ生命「ユニット・リンク保険(有期型)ご契約のしおり・約款」P45
ユニット・リンクは解約控除が高いことから、加入後10年未満で解約を前提に加入する人にはおすすめできません。
運用実績が良くない
特別勘定名 | ユニット・プライス2022年7月末 | 騰落率(%) | ||
---|---|---|---|---|
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | ||
安定成長バランス型 | 205.92 | 2.10 | 2.72 | 0.19 |
積極運用バランス型 | 256.21 | 2.49 | 3.47 | 1.00 |
日本株式型 | 115.55 | 3.68 | 3.45 | 3.62 |
日本株式プラス型 | 265.29 | 2.27 | 3.40 | △ 4.28 |
外国株式プラス型 | 457.60 | 3.77 | 5.70 | 6.60 |
世界株式プラス型 | 166.60 | 4.29 | 2.95 | △ 0.83 |
新興国株式型 | 115.17 | △ 2.46 | △ 0.92 | △ 3.67 |
世界債券プラス型 | 155.55 | 0.96 | 3.04 | 2.06 |
オーストラリア債券型 | 106.99 | 3.20 | 9.07 | 4.08 |
金融市場型 | 94.13 | △ 0.06 | △ 0.30 | △ 0.61 |
ユニット・リンクで投資可能な投資信託は、運用期間によっては運用実績が良くない場合があります。例えば、ユニット・リンクでの投資対象の1つである外国株式プラス型の場合、年換算騰落率は11%です。
しかし、2020年4月頃から2021年3月頃までの1年間は高値を更新できませんでした。もし、この期間の直前に加入し、この期間に運用状況を確認したら運用実績は良くありません。
参考:アクサ生命「ユニット・リンク 特別勘定の月次運用レポート 2023年5月度」
ユニット・リンクの運用商品は、短期的に運用実績を確認すると運用実績が悪い場合があります。ユニット・リンクで資産運用する場合、保険関係費や解約控除により短期的での運用益確保は困難で、短期的には元本割れする可能性があります。
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ユニット・リンク加入前に押さえておくべき注意点3つ
ユニット・リンクの加入前の検討時点で、考慮しておく必要がある注意点が3つあります。加入後に後悔しないように、注意点を全て許容できるかどうか確認しましょう。
- 長期運用をしないと元本割れを起こすリスクが高いこと
- 投資商品ではなく、生命保険だということ
- 投資・運用にリスクが存在すること
長期運用をしないと元本割れを起こすリスクが高いこと
ユニット・リンクに加入した場合、10年以上継続しないと解約控除が適用されてしまい、払い戻し金額が元本割れする可能性が高いです。前述の30歳男性が保険期間・払込期間30年、基本保険金額957万円、年間保険料24万円で加入するケースで改めて確認しましょう。
アクサ生命の試算では、運用益を得るためには運用利回りが6%だと8年以上、3%だと11年以上が必要です。
参考:アクサ生命「ユニット・リンク保険(有期型)ご契約のしおり・約款」P45
つまり、ユニット・リンクを10年未満での資産運用の目的のために利用すると、元本割れする場合があります。
生命保険だということ
ユニット・リンクは、そもそも生命保険であることを前提に検討しましょう。ユニット・リンクの本分は死亡・高度障害への備えであり、効率的な資産運用をするために開発された商品ではありません。
そのため、効率的な運用を最優先に考えているならば、ユニット・リンクがベストな商品とは言えません。ユニット・リンクに資産運用の機能があっても、それはメインの機能でないことを十分に理解しておきましょう。
投資・運用にリスクが存在すること
投資リスクについて
・ご契約者が損失を被ることがあります。
・この保険は積立金額、払いもどし金額および満期保険金額などが特別勘定資産の運用実績に応じて変動(増減)するしくみの変額保険です。
・特別勘定資産の運用には、資産配分リスク、株価変動リスク、金利変動リスク、信用リスク、カントリー・リスク、流動性リスク、為替リスク、派生商品取引のリスクなどがあります。これらのリスクはご契約者に帰属し、ご契約者が損失を被ることがあります。
・ご契約を解約した場合の払いもどし金額や満期保険金額などが払込保険料総額を下回る場合があります。(払いもどし金額および満期保険金額に最低保証はありません。)
・特別勘定における資産運用の結果がご契約者の期待どおりでなかった場合でも、アクサ生命または第三者がご契約者に何らかの補償・補填をすることはありません。
引用元:アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク 投資リスク・費用
投資して運用を行う以上、資産が減少するリスクは避けられません。
投資対象の商品は、株価や金利等の経済要因により、大きく増減する場合もあるからです。例えば、運用商品の1つの外国株式プラス型では、2020年4月頃に直前の最高値から30%以上も下落しました。
参考:アクサ生命「ユニット・リンク 特別勘定の月次運用レポート 2023年5月度」
投資信託商品を通じて株式や債券に投資する以上、市況変動の影響を必ず受けることを理解しておきましょう。
費用について
お客さまにご負担いただく費用があります。
・この保険にかかる費用には、ご契約の締結・維持、死亡保障などにかかる費用および特別勘定の運用にかかる費用があります。
・払込保険料からご契約の締結・維持などに必要な費用を控除した金額を特別勘定に繰り入れます。したがって、払込保険料の全額が特別勘定で運用されるものではありません。
・特別勘定に繰り入れた後に、死亡保障などに必要な費用や運用関係費を特別勘定資産から定期的に控除します。
・ご契約の締結・維持・死亡保障などに必要な費用については、被保険者の年齢・性別などにより異なるため、具体的な金額や上限額を表示することができません。
引用元:アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク 投資リスク・費用
ユニット・リンクに関わらず、保険商品ではサービス維持のための費用が不可欠です。その費用を元手に、万一の保障を提供するのが保険の基本的な考え方だからです。
例えば、加入状況を適宜確認できるwebサービスも、その運営に経費がかかり、その費用は保険関係費から捻出されます。保険商品は維持費用なしには継続できず、加入者が保険の維持に必要な費用の一部を保険料で支払っている事実を理解しておきましょう。
ユニット・リンクは一般的な投資信託と元本割れをしたり、保険商品であるために一般の投資信託商品より手数料が高いことを理解しておきましょう。
ユニット・リンクよりも効率的に資産運用が可能な商品2つをチェック
資産運用を目的に考えると、ユニット・リンクよりも効率的に資産運用を進められる仕組みがあります。ここでは、国が国民の資産運用を支援すべく税優遇制度を組み込んだ2つの商品をチェックしましょう。
- 積み立てNISA
- iDeCo
積み立てNISA
積み立てNISAは、ユニット・リンクと異なり、運用資産を自由に引き出せる点が特徴です。積み立てNISAの場合、投資信託商品の購入手数料はなく、利用手数料も平均0.3%程度で、投資金額をほぼ全額運用できます。
また、最大の特徴である運用益が非課税である点は効率的な資産運用を後押しします。一方、ユニット・リンクは、保険料から保険関係費や運用関係費が差し引かれた金額が運用の対象のため、投資効率は低いです。
そのため、積み立てNISAと比較するとユニット・リンクは手数料が割高で資産運用のみが目的でお金の出入りの自由度を求めるならば、積み立てNISAがおすすめです。
iDeCo
iDeCoは、年金資金の資産運用において税優遇を受けられる私的年金制度です。iDeCoの最大のメリットは、拠出全額が所得控除され、運用益も非課税、かつ、受給時にも税優遇があることです。
ユニット・リンクの保険料も生命保険控除の対象になりますが、運用益や受け取り金額に税優遇はありません。そのため、もし、年金の資産形成を考えるならば、効率性はiDeCoが優っています。
ただし、iDeCoは運用資産を年金以外では受給できないため、引き出し時期に制限がある点は要注意です。
年金の資産形成を目的とするならば、iDeCoを活用がおすすめです。効率的な資産運用を求めているならば、ユニット・リンクよりも積み立てNISAやiDeCoの利用がおすすめです。
まとめ:デメリットを理解して、本当に自分に必要かを判断しよう
この記事では、ユニット・リンクでひどい評判があることを踏まえ、以下の4点を解説しました。
- ユニット・リンクに関する評判から見える特徴
- ユニット・リンクの評判がひどいとされる3つの理由
- ユニット・リンクの検討時に確認しておくべき3つの注意点
- ユニット・リンク以外で取り組める効率的な資産運用方法
ユニット・リンクは保険商品であるため、保険特有の割高な手数料や解約控除も踏まえると、短期間での資産運用には不向きです。それゆえ、資産運用を目的とするならば、ユニット・リンクでの資産運用はおすすめできません。
しかし、ユニット・リンクを10年以上の契約継続できれば、死亡・高度障害の保障を得ながら、満期保険金額も増やせる可能性が高まります。あなたが長期運用できるならば、資産運用の方法としてユニット・リンクも選択肢に含めましょう。