資産運用を行うときは、同時に関連分野の資格を取得すると、より効果的に運用できます。資格試験合格に向けて勉強することで、資産運用に必要なエッセンスを効率よく学べます。取得した資格がキャリアアップにつながる可能性もあり、まさに一石二鳥です。
「でも、どんな資格を取ればいいのかわからない」と悩むかもしれません。そこで、本記事では目的別に役立つ資格9選を紹介します。自分が取り組む資産運用と直結する資格を取得すると、今までわからなかった事柄が明確に理解でき、余裕をもって運用できます。
なお、資格取得以外の資産運用に関する勉強方法も紹介しているので、参考にしてください。現代は書籍やWeb、スマホなどで手軽に勉強ができる時代です。スキマ時間を勉強に活用して、上手に資産運用しましょう。
資産運用の勉強に資格を取得するメリット
「資産運用のために、資格を取得するのは面倒くさい」と思う人もいるでしょう。確かに、資格取得の勉強には一定の時間と努力が必要です。多忙な毎日の中で、資産運用に取り組む時間に加えて、資格の勉強時間を捻出することは容易ではありません。
しかし、資格の勉強をすると効率よく投資や資産について学べるため、運用効果が上がりやすくなります。また、資格勉強に取り組む中で、実務知識や法律関連の知識も身につきます。
例えば、不動産投資の場合、不動産業に携わっていない限り民法や宅建業法からは縁遠い人がほとんどでしょう。専門知識を学ぶことで、分からない事が減り、余裕をもって運用することができます。ぜひ関連する資格を取得し、資産運用にお役立てください。
資産運用全般に役立つ資格3選
投資や資産運用を始める際に、まずは資産運用全般に役立つ資格の勉強をすることをおすすめします。次に紹介する3つの資格なら資産運用に必要な知識を広く獲得できます。
- ファイナンシャルプランナー
- 投資診断士
- 日商簿記
どの資産運用方法を選ぶにしても、必ず役立つ知識が得られる資格です。独学で資格取得可能なものもあるので、習得したい知識に合う資格を選んでみてください。各資格について、以下で説明します。
①ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー（FP）は、正式名称を「ファイナンシャル・プランニング技能士」という国家資格です。金融財政事情研究会と、日本FP協会の2団体によって試験が実施されます。1～3級まであり、1級が最難関です。
なお、日本FP協会によるAFP・CFPという民間資格もあります。AFPはFP2級を取得後に資格を得られます。
FPの特徴は、お金に関する知識を幅広く身につけられることです。資産運用だけではなく、ライフプランや保険、税金、相続、不動産など広範囲にわたります。人生の中で必ず役立つ知識を得られるといえるでしょう。3級は初学者でも独学で勉強を始めやすいので、おすすめです。
②投資診断士
投資診断士は、投資全般に対して幅広く知識を身につけられる民間資格です。2019年3月に第1回試験が実施された資格であり、マネーリテラシーだけではなく投資に必要なITリテラシーなどもカバーしています。
投資診断士の魅力は、資格取得のしやすさです。最短3週間で資格取得が可能と公式HPで示されており、試験自体も選択式問題60問の6割以上をとれば合格です。手軽に投資について勉強したい人におすすめします。
③日商簿記
日商簿記は、日本商工会議所による民間資格です。財務諸表の読み方などを習得できます。また、貸借対照表や損益計算書を自分で作成することができるようになるので、確定申告の際にも役立ちます。資産運用の面だけではなく、事業経営の面からもおすすめの資格です。
日商簿記には1～3級まであり、3級なら独学の取得も十分可能です。「簿記は難しそう」と思う場合は、2017年に新設された「簿記初級」を勉強してはいかがでしょうか。用語全般や複式簿記の仕組みなどについて理解できます。
不動産投資に役立つ資格3選
不動産投資に取り組む場合、次の3つの資格を取得しておくと役立ちます。
- 宅地建物取引士
- 不動産実務検定
- 賃貸不動産経営管理士
不動産投資に資格取得が必須義務というわけではありません。しかし、これらの資格を取得することで、より不動産投資をうまく行えます。また、不動産投資につきもののトラブルへの対処能力も身につけられます。ぜひ挑戦してみてください。
①宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産取引の専門的な知識が必要な国家資格です。以前は「宅地建物取引主任者」という名称でしたが、2015年4月から現在の名称に変更されました。不動産取引における専門家の重要性が増した結果によるものです。
宅地建物取引士を取得するには、宅建業法や民法、都市計画法などの法令上の制限、各種税金について理解する必要があります。学習内容は難しいですが、宅建資格を得ると専門的な知識が得られるため、不動産業者と対等に渡り合うことも可能です。
宅建について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
②不動産実務検定
不動産実務検定は、不動産投資に関連する実践的知識を身につけられる民間資格です。公式HPでは「日本初の不動産投資専門資格」と述べられており、大家さんや投資家、不動産業者などを対象としています。
賃貸経営ノウハウから不動産投資の方法まで、不動産投資に必要な実務を体系的に学習できることがメリットです。学習内容をすぐに実際の投資や管理に活かすことができます。
③賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅に関する知識を身につけられる国家資格です。従来は民間資格でしたが、賃貸住宅の管理業務の重要性が増した結果、2021年4月から国家資格となりました。
賃貸住宅の管理や運営の知識や、各種トラブル発生時の対応など実務面も身につけられます。また、建物の構造や設備についても学べるので、不動産購入や不動産経営の際に役立てられます。安定した家賃収入を得るためには、管理業務を学んでおくと何かと便利です。
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株式投資に役立つ資格3選
株式投資に役立つ資格として、次の3点をおすすめします。
- 証券アナリスト
- 証券外務員
- ビジネス会計検定
いずれの資格も、株式投資をする上で欠かせない各種の分析手法を身につけられます。取得難易度が高いものもありますが、自分に合った資格を選んで取得を目指してみてください。それぞれの資格について紹介します。
①証券アナリスト
証券アナリストは、証券投資戦略が身につく民間資格です。証券分析や財務分析を行う他、経済データなどから動向を調査・分析し、買うべき株や売買のタイミングを顧客にアドバイスします。もちろん、自分の株式投資にも応用できるので、非常に役立つといえるでしょう。
ただし、証券アナリストは取得難易度が高い資格です。また、資格称号を使用するためには実務経験が3年必要なので、一般の人にとっては活用しづらいかもしれません。金融機関に勤務している人には、キャリアアップも兼ねられるのでおすすめの資格です。
②証券外務員
証券外務員は、金融商品を顧客に販売・勧誘する人にとって取得必須の民間資格です。保険や証券だけではなく、経済や金融の幅広い知識を身につけられます。他の資格と異なり、証券営業に重点が置かれているのが特徴です。
証券外務員を取得しておかなければ、証券会社で顧客からの問い合わせに応じることさえできません。
③ビジネス会計検定
ビジネス会計検定とは、財務諸表を読み取り企業業績を把握するための民間資格です。「財務諸表なら日商簿記でも学べるのでは」と思うかもしれません。日商簿記では、財務諸表を作成することに重点が置かれています。
一方、ビジネス会計検定では財務諸表を読んで分析し、企業の安全性や収益性を把握することが求められます。財務諸表から企業業績を分析する資格なので、株式投資に活用することが可能です。財務諸表の読み方・分析手法がわかるため、より良い株式投資ができます。
1～3級まであり、3級なら独学でも十分取得可能といえるでしょう。
資格取得以外の資産運用の勉強方法
「資格試験の勉強は難しそう」と思う人は、別の方法で資産運用について勉強してみましょう。次の3つの方法なら、気軽に勉強できます。
- セミナーに参加する
- 資料請求をする
- 書籍やWeb記事を読む
いずれもコンパクトにわかりやすく説明してもらえるので、投資初心者も取り組みやすい方法です。これらの方法で勉強した後に、さらに知識を深めるために資格試験を取得するというやり方もあり得ます。各方法について、以下で紹介します。
①セミナーに参加する
資産運用に関して、金融機関や不動産業者などでさまざまなセミナーが開催されています。興味を持ったセミナーに参加してみましょう。無料のセミナーも多いため、気軽に参加できます。
どのようなセミナーがあるのか興味がある人は、以下の記事を参考にしてください。
②資料請求をする
金融機関や不動産業者に資料請求をする方法もあります。多くの場合、資料請求は無料です。その企業の専門とする資産運用についてコンパクトにまとめられているため、投資初心者にとってもわかりやすい内容です。
不動産投資について興味がある人は、下記のMIRAP（ミラップ）に資料請求してみてください。どのように不動産投資を行うのか、またサポート体制の充実度などがわかります。
③書籍やWeb記事を読む
書籍やWeb記事を読むという勉強方法もおすすめです。Web記事は無料で読めるものも多く、現在では投資を扱うYouTuberによる動画解説などもあるため、気軽に勉強できます。
一方、まとまった知識を体系的に得たい場合は、書籍がおすすめです。1冊に該当分野の資産運用についてまとめられているので、総合的かつ実践的に学べます。読みやすく書かれている本が多いため、資格勉強に割く時間がない人にもおすすめです。
「どんな本を選べばいいの」とお悩みの場合、以下の記事を参考にしてください。
まとめ：資産運用について学べる資格はたくさんある！自分に合った資格で効率的に勉強しましょう
資産運用に役立つ資格9選と、資格取得以外の勉強法を解説しました。資産運用に役立つ資格は数多くあります。その中でも特に役立つ資格をセレクトし、本記事で紹介しました。資産運用全般に役立つ資格は、初級編ならいずれも独学で取得可能です。
投資や資産運用で成功するためには、知識や手法を学ぶ必要があります。自分に合った資格を選び、資格取得を通じて効率的に勉強して運用を成功させてください。
