投資というと、刻々と変動する株価を何台ものモニターでチェックしながら株の売買を繰り返す光景をイメージする人もいるかも知れません。このイメージが当てはまるのは、デイトレーダーと呼ばれる短期運用を主とする人たちです。
一方、最初に運用ルールを決めれば、後はほったらかしでも勝手に資産運用してくれる投資方法もあります。今回の記事では、ほったらかし投資のポイントとおすすめの投資商品などについて解説します。長期的な資産形成を目指して投資を検討している人は参考にしてください。
ほったらかし投資とは
ほったらかし投資という言葉に明確な定義はありませんが、一般的には、手間や時間を掛けずに投資をするスタイルのことを意味している場合が多いようです。
例えば投資信託の場合、投資先のファンドにより、投資商品の種類や構成、運用方針が異なります。投資するファンドを選んで毎月の投資金額を決めれば、あとは投資の専門家が勝手に運用してくれます。ロボアドバイザーといって、人間の代わりに人工知能(AI)が自動的に運用してくれる資産運用サービスもあります。
ほったらかし投資のメリットは、手間なく簡単に投資ができることと、知識があまりない人でも気軽に投資を始められることです。また、少額から始められる商品が多いことも魅力です。
しかし、投資にはリスクがあり元本が保証されないことは、一般的な投資と同じです。数か月単位または1年に1度くらいは、運用状況をチェックして状況に応じて見直しが必要です。
投資の種類とリスクについて詳しく知りたい人は、次の記事を参照ください。
ほったらかし投資のポイント
ほったらかし投資では、ミドルリスク・ミドルリターンを狙った投資がおすすめです。ハイリスク・ハイリターンの場合、大きな損失を受けることもあるため、長期間ほったらかしにしておく
ことは危険です。また、長期間一定の資金を投資に充てるため、想定リターンが低すぎるともったいないでしょう。
ほったらかしでミドルリスク・ミドルリターンの投資を行うポイントは、長期運用・積立投資・分散投資を行うことです。長期運用によって、投資商品の価値が一時的に下がっても値上がりを待つことができます。また、積立投資や分散投資には、投資する時期や商品を分散することでリスクを低減する効果があります。
長期運用・積立投資・分散投資によるリスクの抑制について詳しく知りたい人は、次の記事を参照ください。
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ほったらかし投資でおすすめの投資商品
ほったらかし投資のポイントを説明しましたが、具体的にはどのような商品に投資するのがいいのでしょう。おすすめの投資商品を3つ紹介します。
おすすめの商品①:株式投資信託の積立
1つ目のおすすめ商品は、株式投資信託の積立です。
投資信託とは
投資信託とは、個人が出資したお金の運用を、専門家であるファンドマネージャーに任せる運用方法です。投資信託は、投資先によって次に分類されます。
- 株式投資信託
- 公社債投資信託
- 不動産投資信託(REIT)
- バランス型投資信託(株式や債券など複数の投資先に分散投資) など
ポイントは、「株式」を運用対象とした「投資信託」に「積立」方式で資金を拠出するということです。
株価は短期的にはアップダウンしますが、長期的に見ると株式市場全体は概ね上昇を続けています。長期投資を前提にすると、一時的に株価が下がっても値上がりを待つことで利益を上げたりリスクを抑えられるでしょう。
また、投資信託には複数の銘柄が含まれているため、分散投資によるリスクの低減が期待できます。専門家であるファンドマネージャーが銘柄を選別してくれるので、専門知識がなくても投資できる点も魅力です。
積立は毎月の購入金額が一定であるため、値上がりしたときは購入量を抑え値下がりしたときに購入量を増やします。その結果、平均購入価格が下がるので利益を上げやすくなります。
これらの理由により、株式投資信託の積立は、長期運用・積立投資・分散投資の代表的な商品であると言えるでしょう。リスクを抑えながら一定の利益を狙うのに適した商品です。
おすすめの商品②:バランス型投資信託
2つ目のおすすめ商品は、バランス型投資信託です。バランス型投資信託は投資信託の一種で、投資先が株式だけでなく債券など幅広いことが特徴です。株式100%の投資信託と比較して、分散効果が高いため、よりリスクを抑えることができます。
一般的に、株式の価格が上がると債券価額は下落するトレードオフの関係にあります。バランス型投資信託では、ある時期において、投資商品の価格が上がったときに売却し、相対的に安価な投資商品を購入します。そのため長期間においてバランスのとれた運用が可能です。
おすすめの商品③:不動産投資信託(REIT)
3つ目のおすすめ商品は、不動産投資信託(REIT)です。不動産というと大きな資金が必要になると思うかもしれませんが、不動産投資信託ならば1口1万円~投資できます。
仕組みは一般の投資信託と同様、個人が出資したお金を専門家が不動産運用し、その利益を投資家に分配します。
不動産投資信託の魅力は、安定した家賃収入と資産の値上がりが期待できることです。また、投資信託という仕組みを活用することで、個人では買えない高額な物件への投資が可能です。
不動産投資信託の売買は、インターネット証券を含む証券会社を通して行います。既に証券口座のある人はその口座を利用できるので、株式や投資信託と同じように手軽に売買可能です。
ほったらかし投資でおすすめの制度
ほったらかし投資をするなら、税制上の優遇措置が受けられる、つみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の活用をおすすめします。
おすすめの制度①:つみたてNISA
つみたてNISAは、長期・積立・分散投資を支援するために国が設けた非課税制度です。毎年の掛金40万円を上限に、最大20年間、投資で得た利益(分配金や譲渡益)には税金がかかりません。
つみたてNISAを取り扱うのは、銀行や証券会社です。投資信託は各金融機関が取り扱う株式投資信託やバランス型投資信託などの中から選択します。
利益の全額を再投資できるため、運用期間が長いほど非課税メリットは大きくなります。教育資金など長期での資産形成に効果的な制度です。
おすすめの制度②:iDeCo
iDeCoは、日本国民の老後に向けた資産形成を支援するために国が設けた私的年金制度です。投資で得た利益が非課税になるだけでなく、掛金は全額所得控除され、給付を受けるときも税制上の優遇措置が受けられます。
つみたてNISAより税制面で有利ですが、原則60歳にならないと受け取れないため、教育資金や住宅資金の準備には向いていません。しかし、老後に向けた資産形成を行うには最適な制度と言っていいでしょう。
iDeCoを取り扱う金融機関は、主に銀行や証券会社です。投資先は各種投資信託のほか生命保険、定期預金など、つみたてNISAと比較して幅広い商品が対象です。
まとめ:初心者が長期的な資産形成を行うには、ほったらかし投資がおすすめ
ほったらかし投資とは、手間や時間を掛けずに投資をすることで、初心者にぴったりの投資方法です。本記事でご紹介したように、株式投資信託の積み立てや、バランス型投資信託は、ほったらかし投資に向いた投資商品だと言えます。
ポイントは、長期運用・積立投資・分散投資によってリスクを抑えながら一定の利益を狙うことです。株式投資信託や不動産投資信託など最適な投資商品を選択して、長期的な資産形成を目指しましょう。