「貯蓄から投資へ」というフレーズを聞いたことがあるかもしれませんが、日本の金融資産の大半は預金や保険などが占め、株式や投資信託の割合は10%程に過ぎません。理由の1つは「投資って難しそう」「損をしそうで怖い」というイメージを持つ人が少なくないことです。
今回の記事では、投資の意味や目的、リスクについて解説します。初心者におすすめの投資方法やリスクの回避策も紹介するので、投資のことを正しく知る機会にしてください。
投資とは|定義と種類
まず最初に、投資の意味と種類について確認しましょう。
投資とはお金を増やすために資産運用すること
投資とは、お金を増やすために行う資産運用の1つです。貯蓄も資産運用の1つですが、貯蓄は「お金を貯めること」、投資は「お金を増やすこと」という違いがあります。一般的に、積立預金や定期預金などを貯蓄、株式や債券、不動産などの資産運用を投資といいます。
投資の目的は、お金を増やして資産形成することです。長期にわたり投資を継続することで、教育費や住宅購入費、老後資金など、まとまった資金を準備できます。
投資の種類
投資の種類は、さまざまです。主なものは次の通りです。
- 株式
- 債権
- 不動産
- 投資信託
- 不動産投資信託(REIT)
- 暗号資産(仮想通貨)
- 外貨預金
- FX(ドルやユーロなど海外通貨を使った運用方法)
投資信託とは、投資家から集めたお金を投資のプロが運用し運用収益を投資家に還元する投資商品です。投資先は国内外の株式や債券などで、多くの銘柄に分散投資されます。
投資の種類について具体的に知りたい人は、次の記事を参照ください。
投資のメリットとリスク
次に、投資のメリットとリスクについて解説します。投資先によって、メリットとリスクの大きさが異なるため、投資商品の選択は慎重に行う必要があります。
投資のメリット:お金を効率的に増やせる
投資のメリットは、お金を効率的に増やせることです。預貯金と比較して、投資のほうが高い運用成果が期待できます。また、運用で得られた利益を再投資することで複利効果が得られ、より効率的な運用が可能です。
また、投資を促す政府の施策としてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)など、税制上の優遇措置が受けられる商品もあります。通常、配当金や売買益には20.315%課税されるのに対し、NISAやiDeCoの運用益は非課税です。
投資のデメリット:損をするリスクがある
投資のデメリットは、元本が保証されていないことです。預貯金は低金利で大きな利息が期待できない反面、元本は保証されています。一方、投資は一定の利益が期待できる反面、元本割れのリスクがあります。
一般的に、大きな利益が期待できる投資ほどリスクは大きく(ハイリスク・ハイリターン)、利益が小さいほどリスクは小さく(ローリスク・ローリターン)なります。
投資に伴うリスクは投資先によって異なります。主なリスクは次の通りです。
- 価格変動リスク:株価などが下がる可能性があること
- 信用リスク:国や企業が破綻するなどで元本や配当金などがもらえない可能性があること
- 為替変動リスク:為替レートの変動によって投資商品の価値が下がる可能性があること
- 流動性リスク:投資商品が売りたいとき(または価格)に売れない可能性があること
投資のリスクについて詳しく知りたい人は、次の記事を参照ください。
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投資リスクを避ける3つの基本原則
投資にはさまざまなリスクが伴うため損をすることもありますが、以下の3つの原則を守って投資することでリスクを抑えることが可能です。
- 長期運用
- 積立投資
- 分散投資
それぞれについて説明します。
基本原則①:長期運用
投資リスクを避ける1つ目の原則は、長期投資することです。短期投資では、投資した商品が値下がりして損をすることもあります。しかし、長期投資で値下がりしたときは商品を売却せず、商品価値が上がるのを待つことで価格変動リスクを抑えられます。
為替変動リスクについても同様です。円安のときに海外通貨建ての商品を買って円高になれば損をしますが、円安になるまで待つことができれば為替変動による損失を抑えられます。なお、長期について定義はありませんが、概ね5年から10年以上が目安です。
基本原則②:積立投資
2つ目の原則は、積立投資することです。積立投資とは、毎月決まった金額で商品を購入することです。積立投資をすると値段の高いときは少なく、安いときはたくさん購入することになり、平均すると購入価格を下げることができます。
まとまった資金で一括購入した場合、高値掴みで大きな損失を出すこともありますが、積立投資ならこのようなリスクも避けられます。
基本原則③:分散投資
3つ目の原則は、分散投資することです。分散投資とは、投資先を複数に分けることです。投資先の1つで損失が発生しても、ほかの商品の利益でカバーできる可能性があるからです。
ただし、投資先は種類の異なる商品に分散しましょう。株式と債券、国内の商品と海外の商品などです。複数の国内株式に投資した場合、日本経済が悪化して国内株式の多くが値下がりして分散投資の効果が得られないことも考えられます。
初心者におすすめの投資方法
最後に、初心者におすすめの投資方法を紹介します。
3つの基本原則に沿って少額からスタート
投資の初心者には、リスクを抑えながら少しずつ投資に慣れることをおすすめします。前述の長期・積立・分散の3つの原則に従って、リスクを抑えながら投資を始めましょう。投資金額も、少額からスタートして大きな損失が出ないようにします。
積立型の投資信託なら、毎月数千円から1万円の掛け金で投資を始められます。さらに投資金額を抑えたい場合は、掛け金100円から積立できるネット証券もあります。
国内株式に投資する場合、一般的には100株単位で取引しますが、株式ミニ投資なら10株単位で購入可能です。1株1,000円の場合、1万円から投資できます。
税制メリットのあるつみたてNISAとiDeCoを活用
長期・積立・分散投資しながら税制上の優遇措置が受けられる制度が、つみたてNISAとiDeCoです。どちらの制度も運用益は非課税で、iDeCoについては掛け金が全額所得控除されます。
つみたてNISAとiDeCoの取扱金融機関(銀行や証券会社など)が設定した金融商品(預金や投資信託など)から投資先を選択します。つみたてNISAの運用益は20年間非課税なので、教育資金や住宅資金など長期の資産形成に活用できます。
iDeCoは、国民の老後資金準備を支援する目的で設けられた制度です。運用成果は、60歳(最長75歳)から一時金または年金で受け取れます。iDeCoの税制上の優遇措置について詳しく知りたい人は、次の記事を参照ください。
長期的な資産形成は投資がおすすめ!リスクを理解して少額から始めよう
投資とは、お金を増やすために行う資産運用の1つです。お金を効率的に増やせるため、長期的な資産形成に適した運用方法です。ただし、投資にはリスクが伴うため、損をする可能性もあります。
しかし、本記事で紹介した投資リスクを避ける3つの基本原則に従えば、リスクを減らすことが可能です。投資商品の特徴とリスクを理解して、まずは少額から投資を始めましょう。