皆さんの「年金手帳」の色は、何色ですか?職場などで周囲の人にも、手持ちの年金手帳の色を聞いてみてください。
年金手帳の色は、ただデザインが変わっているだけでないので、その意味にも注目したいところです。年金手帳の色によっては、将来的に困る事態に陥る可能性を抱えている可能性があります。
本記事では、年金手帳の色(青やオレンジなど)の違いにどんな理由があるのかについて解説し、色による注意点についても解説します。年金についての不安を少しでも解消するために、本記事の内容を確認して、必要に応じて行動してください。
年金手帳の色の違いとそれぞれの意味
年金手帳の色は、3つの色が代表的です。
- 青色
- オレンジ色
- 茶色
「交付した年代」によって年金手帳の色が異なります。それぞれの色の年金手帳について説明するので、ぜひお持ちの年金手帳とあわせてご確認ください。
青色の年金手帳
「青色の年金手帳」は、平成9年1月以降に、年金の被保険者の資格取得手続きをした場合に発行されます。表紙の上部には「年金手帳」と記載されており、下部には「日本年金機構」または「社会保険庁」と記載されています。
表紙下部に記載されている名称が異なるのは、発行年度の違いによるものです。平成9年1月から平成21年12月までに発行された青色の年金手帳の表紙下部には「社会保険庁」と記載されており、それ以降に発行された物に関しては「日本年金機構」と記載されているはずです。
オレンジ色の年金手帳
「オレンジ色の年金手帳」は、昭和49年11月から平成8年12月までに、年金の被保険者の資格取得手続きをした場合に発行されたことを意味します。平成8年以前に交付されているということは、2021年時点で満年齢45歳以上の方が該当するでしょう。
青色とは全く系統の異なる色合いになっていますので、青色の年金手帳とは見間違えることはないでしょう。なお、表紙下部には「社会保険庁」と記載されています。
茶色の年金手帳
「茶色の年金手帳」は、昭和35年10月から昭和49年10月に、国民年金の被保険者の資格取得手続きをした場合に発行されます。
オレンジ色と色系統が似ていますが、表紙の表記内容に違いがあります。表紙上部には「国民年金手帳」の記載と年金番号や氏名欄があり、表紙下部には「厚生省」と表記されています。
なお、茶色の年金手帳が発行されている頃は5年前後で年金手帳の色が変更されており、茶色の他にも水色や薄橙色などの年金手帳も存在します。
年金手帳の色 | 茶色 | オレンジ色 | 青色 |
---|---|---|---|
表紙上部の記載項目 | 国民年金手帳複数の記載項目 | 年金手帳 | 年金手帳 |
表紙下部の記載項目 | 厚生省 | 社会保険庁 | 社会保険庁または日本年金機構 |
発行年度 | 昭和35年10月~昭和49年10月 | 昭和49年11月~平成8年12月 | 平成9年1月~ |
年金手帳が青色以外の場合は、不備がないか要チェック!
年金手帳には、3種類以上のカラーバリエーションがあることがわかりました。もし、お持ちの年金手帳がオレンジ色または茶色など、つまり青色以外の場合にはその内容に不備がある可能性がありますので確認してください。
以下の3点について詳しく説明していきます。
- オレンジ色・茶色の年金手帳は不備がある可能性
- 年金手帳の内容に不備があるか確認する方法
- 年金手帳に不備があった場合の対処法
オレンジ色・茶色の年金手帳は不備がある可能性
お持ちの年金手帳が青色以外の色である場合には、「基礎年金番号」がない可能性があります。
基礎年金番号はさまざまな方法で確認できますが、年金関係の書類で確認できない場合もあるでしょう。その場合、日本年金機構などの窓口に問い合わせても、個人情報保護の観点から電話やメールでの確認はできません。
「基礎年金番号」とは、公的年金制度において共通して使用される、被保険者ごとに割り振られている番号です。基礎年金番号を利用して、被保険者ごとの公的年金の加入状況が記録されます。
基礎年金番号を利用することで、年金に関する相談や裁定が迅速かつ確実に実現でき、年金関連のトラブルを減らすことができます。
この基礎年金番号がないということは、将来的に年金に関するトラブルを抱えることになるかもしれません。公的年金制度は将来のセーフティネットとして機能する制度であり、これに不安を抱えるということは将来への備えが疎かになることに違いないでしょう。
年金手帳の内容に不備があるか確認する方法
通常、年金手帳を確認すれば、基礎年金番号が記載されています。年金手帳の色ごとに記載方法が異なりますが、青色の年金手帳であれば「基礎年金番号」という記載部分に4桁+6桁の計10桁の番号があります。オレンジ色の場合は記号4桁+番号6桁の形で記載されているはずです。
もし、これに該当する記号や番号が年金手帳のどこにも記載されていない場合は別の方法(※)で基礎年金番号を確認する必要があります。手軽な方法としては「基礎年金番号通知書」または「ねんきん定期便」を確認するのがおすすめです。
これらの書類等には、基礎年金番号が記載されています。ただし、「99」から始まる番号が記載されていた場合には、さらに注意が必要です。この番号は「仮基礎年金番号」と呼ばれており、文字通り仮に作られた番号です。正式な基礎年金番号が必要になりますので、この点も次の項目で説明する対処法を実践する必要があります。
※基礎年金番号の確認方法については、日本年金機構のページでご確認ください。
年金手帳に不備があった場合の対処法
年金手帳や基礎年金番号に問題があるとわかったら、早めにお近くの年金事務所に相談してください。その際、お持ちの年金手帳(複数ある場合は全部)や本人確認書類、その他年金に関係するであろう書類を可能な限り持参しておくと、手続きをスムーズに進められる可能性があります。
年金手帳に関する不備があることは、被保険者本人の責任ではありません。しかし、問題があることがわかっていて放置することは、将来、年金に関する手続きや相談において不安を残すことに他なりません。
こうした問題は、発覚したら早めに解消することが重要です。年金事務所で手続きすることを面倒に感じるかもしれませんが、余計なトラブルを防ぐためにも早めに対処することをおすすめします。
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年金手帳が青色でも注意するべきこと
上記の基礎年金番号の不備は、青色の年金手帳では起こらないことです。では、青色の年金手帳であれば何も気にすることがないのかといえば、そうでもありません。
年金手帳は年金関係でアクションを起こす際に必ず必要になる書類ですから、余計なトラブルに巻き込まれないように以下の2つのポイントに注意してください。
- 年金手帳はきちんと管理しておく
- 年金の受給には条件がある
年金手帳はきちんと管理しておく
年金手帳は「紛失」しないように、しっかりと管理しておくことが重要です。
免許証や保険証ほど滅多に使いませんし、薄いのでなくしやすいかもしれません。しかし、紛失してしまうと、いざという時に困ります。
なくさないのが一番ですが、年金手帳を紛失してしまった場合には、所定の手続き(※)によって再交付してもらえます。必要書類等を揃えて、早めに対処しましょう。
年金の受給には条件がある
年金手帳が手元にある場合でも、無事に年金を受け取れるかどうか確認しておきましょう。
例えば「老齢基礎年金」の場合、保険料納付済期間+保険料免除期間が10年以上なければ、65歳になっても年金を受給できません。経済事情などにより、年金保険料の未納や免除制度を利用している方の場合、10年以上の受給資格期間があることを確認しておいたほうがよいでしょう。
その他にも、自分がいくら年金をもらえるのかを、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。老後は何かとお金がかかるものですが、収入は限られてしまいます。人生設計をするためにも、年金額の確認は重要です。ご自身がいくら年金をもらえるのかについては、こちらの記事をご覧ください。
まとめ:年金手帳の色は交付年代の違い
本記事では、年金手帳の色の違いについて解説しました。
以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 交付時期によって年金手帳の色は違う
- 青色以外の年金手帳は基礎年金番号などに不備がある可能性がある
- 不備を正すためには年金事務所への問い合わせが必要
色の違いだけで不備の可能性の有無が分かれるのは面倒ですが、前もって対処できれば余計なトラブルの発生を防ぐことができます。また、年金手帳自体に不備がなかったとしても、紛失や受給資格などの問題を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
年金に関するトラブルは、将来への備えに直結する大問題です。年金手帳や年金関連で問題がある場合や不安を抱えている方は、早めに年金事務所などの窓口に問い合わせて、問題や不安を解消してください。