確定拠出年金は節税になる!?iDeCoの3つの節税効果と注意点を徹底解説


人生100年時代と言われる現代、豊かな老後生活を送るためには自分で老後資金を作って行かなくてはなりません。そこで、注目されているのが、自分で将来の老後資金をつくる確定拠出年金です。

節税対策として確定拠出年金がおすすめ、という話を耳にしたことはありませんか?「節税になるのなら始めてみたいけれど、内容がいまいち良く分からない」という人も多いのではないでしょうか。

この記事では、個人型確定拠出年金(iDeCo)によって節税できる3つのポイントと注意点について詳しく解説していきます。iDeCoでどれくらい節税できるのか、自分には合っているのかをしっかり理解しましょう。

そもそも確定拠出年金って何?


確定拠出年金とは、公的年金である国民年金や厚生年金に追加し、将来もらえる年金を増やすための私的年金です。毎月一定額の掛金を拠出して運用方法を自分で選び、運用成果によって受け取る年金額が変動します。

運用先は定期預金・保険商品・投資信託の3種類から1つ、もしくは、組み合わせて選ぶことができます。途中で変更することも可能です。

確定拠出年金には、掛金を企業が負担する企業型確定拠出年金(企業型DC)と、自分で負担する個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類があります。

企業型DCは会社が制度を導入していないと利用できません。一方で、iDeCoは60歳未満(2022年5月からは65歳未満)の国民年金の保険料を収めている被保険者であれば利用可能です。会社員(※)の他に、公務員や自営業者、主婦など多くの人が利用できます。

※企業型確定拠出年金に加入している場合、マッチング拠出を実施していないことや個人型確定拠出年金に加入できる規定があることがiDeCoの加入条件です。

この記事では、個人型確定拠出年金について詳しく解説していきます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の3つ節税効果とは


「確定拠出年金は節税にならない」などの声を聞いたことがありませんか?確定拠出年金を始めても大丈夫か、本当に節税できるのかと不安になり疑ってしまう人もいるでしょう。

ここでは、iDeCoの3つの節税効果を解説していきます。

  • 掛金が全額所得控除される
  • 運用益が非課税で再投資できる
  • 受け取り時に一定額が非課税になる

節税効果についてしっかり学び、疑問を解消しましょう。 

①積立時の節税:掛金が全額所得控除される

積立時には、所得税と住民税が積立額に応じて軽減されます。

積立時の全掛金が所得控除になるため、確定申告や年末調整の際、課税対象となる所得を減らせます。課税所得にかかる所得税と住民税が軽減され、節税効果を受けられるのです。

私的年金には確定拠出年金のほか、個人年金保険もあります。個人年金保険では年間上限控除額(所得税4万円、住民税2.8万円)が定められています。そのため、掛金全額が所得控除の対象となる個人型確定拠出年金のほうが、より大きな節税効果を受けられるのです。

節税額は所得や掛金の額により変わります。掛金の上限で積み立てた場合の所得別の年間節税額は以下の表にまとめました。ご自身の所得でいくら節税できるのか確認してみましょう。

所得別年間節税額一覧

課税所得 所得税(税率) 住民税(税率) 年間節税額
企業年金(DB)のある会社員・公務員 企業型年金のない会社員・専業主婦(夫) 自営業
年間上限金額14.4万円(月掛金1.2万円) 年間上限金額27.6万円(月掛金2.3万円) 年間上限金額81.6万円(月掛金6.8万円)
195万円未満 5% 10% 2万1600円 4万1400円 12万2400円
195万円~ 330万円未満 10% 10% 2万8800円 5万5200円 16万3200円
330万円~ 695万円未満 20% 10% 4万3200円 8万2800円 24万4800円
695万円~ 900万円未満 23% 10% 4万7520円 9万1080円 26万9280円
900万円~ 1800万円未満 33% 10% 6万1920円 11万8680円 35万0880円
1800万円~ 4000万円未満 40% 10% 7万2000円 13万8000円 40万8000円
4000万円以上 45% 10% 7万9200円 15万1800円 44万8800円

※復興特別所得税は加味していません 

②運用時の節税:運用益が非課税で再投資できる

運用時には、運用で得た収益が非課税で全額再運用できます。

預金や投資信託などで得た収益には20.315%が課税されます。しかし、個人型確定拠出年金で運用した場合、運用収益は課税対象にはなりません。運用収益は全額を運用にまわすことができるため、運用がうまくいくと効率的に資産を増やせます。

運用収益が非課税なので税金分の運用資金が増え、追加の運用収益を産んでいます。同じ期間で比べると、運用時の節税効果が大きくなっていることが分かるでしょう。

③受取時の節税:受け取り時に一定額が非課税になる

受取時には、年金でも一時金でも税制優遇があります。

60歳を超えると積み立てたお金を老齢給付金として受け取ることが可能です。受け取り方には、分割して受け取る「年金」と一括で受け取る「一時金」の2通りあります。どちらの受け取り方でも一定額までは非課税であるため、自分に合った受け取り方を選びましょう。

一時金で受け取る場合

一時金で受け取る場合、老齢給付金は退職所得となります。そのため、同じ年に受け取る他の退職所得との合計額から退職所得控除を受けることが可能です。

控除額は確定拠出年金の積立期間、もしくは勤続年数から計算できます。

退職所得控除の計算法

勤続年数 退職所得控除
20年以下 40万円×勤続年数(80万円未満の場合は80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数ー20年)

出典:国税庁「No.1420退職金を受け取ったとき(退職所得)(令和2年4月1日現在法令等)」 

年金で受け取る場合

年金で受け取る場合、老齢給付金は雑所得となります。そのため、公的年金等の他の収入との合計額から公的年金等控除を受けることができます。

受け取り年齢が65歳未満は60万円、65歳以上は110万円までは非課税です。公的年金等の収入の合計額によって控除額が変わってきますので注意が必要です。

雑所得の計算法を以下の表にまとめました。受け取る際にいくら控除できるのか、ぜひ参考にしてください。

公的年金等に係る雑所得の計算法

年金の受取者年齢 公的年金等の収入金額の合計額 割合 控除額
65歳未満 公的年金等の収入金額の合計が60万円以下の場合は所得金額はゼロとする
60万円超~130万円未満 100% 60万円
130万円~410万円未満 75% 27万5000円
410万円~770万円未満 85% 68万5000円
770万円~1000万円未満 95% 145万5000円
1000万円以上 100% 195万5000円
65歳以上 公的年金等の収入金額の合計が110万円以下の場合は所得金額はゼロとする
110万円超~330万円未満 100% 110万円
330万円~410万円未満 75% 27万5000円
410万円~770万円未満 85% 68万5000円
770万円~1000万円未満 95% 145万5000円
1000万円以上 100% 195万5000円

 ※公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が1,000万円以下である場合
出典:国税庁「No.1600公的年金等の課税関係(令和2年4月1日現在法令等)」

個人型確定拠出年金(iDeCo)の注意点3選


ここまで、確定拠出年金の節税効果について解説してきました。

しかし、節税という言葉に踊らされ、すぐに飛びついてはいけません。メリットの反面、注意が必要な点もあります。

ここからは、個人型確定拠出年金について以下の3つの注意点を解説していきます。

  • 積立金は60歳まで引き出せない
  • 手数料が自己負担となる
  • 受け取り方によっては節税効果が薄くなる

注意点①積立金は60歳まで引き出せない

個人型確定拠出年金は60歳になるまでは基本的に引き出せません。突然お金が必要になった時に、すぐ引き出して使えないお金だということを頭に入れておきましょう。

毎月の掛金は1年に1回見直すことができるので、ライフスタイルの変化に応じて変えていくのがおすすめです。月々5000円から1000円単位で決められます。近い将来に必要になるお金を考慮し、掛金は余裕のある範囲で決めましょう。

注意点②手数料が自己負担となる

個人型確定拠出年金では、手数料は全て加入者本人が負担します。主な手数料は以下の3つです。

  • 加入・移換時の手数料(初回1回のみ) 2829円
  • 掛金納付にかかる手数料(毎月) 105円
  • 投資信託の際にかかる運営管理手数料、給付手数料(毎月)

投資信託の際にかかる手数料は、運営管理する金融機関により金額が違います。加入を検討する際は、色々な金融機関の手数料を比較してみましょう。

注意点③受け取り方によっては節税効果が薄くなる

退職金が出る予定の人は、確定拠出年金を一時金として受け取る際に注意が必要です。退職金と一時金を同じ年にもらってしまうと、勤務年数か加入年数のどちらかに応じた金額しか退職所得控除が適用されません。

一時金を退職金と別の年に受け取ることで、退職金には勤務年数分、一時金には確定拠出年金の加入年数分の退職控除と、それぞれで退職所得控除を受けられます。受け取るタイミングで節税効果が変わるので、自分に合った受け取り方を考えておきましょう。

どのくらい税金負担は軽減できる?シミュレーションをしてみよう


ここまで、個人型確定拠出年金の節税効果について解説してきました。個人型確定拠出年金の節税効果は、課税所得のある人であれば、誰もが節税の恩恵を受けることができます。

自分の場合は一体どれくらいの節税効果があるのか、実際に計算してみたいと思う人もいるでしょう。

確定拠出年金法に定める記録関連運営管理機関「JIS&T(ジス・アンド・ティ)」の節税メリットシミュレーションでiDeCoの節税効果の算出が可能です。実際にシミュレーションをして、個人型確定拠出年金で自分がどれだけ節税できるのかをみてみましょう。

まとめ:確定拠出年金で節税をしよう!

この記事では、個人型確定拠出年金の3つの節税効果と注意点について解説してきました。

個人型確定拠出年金は上手に利用することで、節税効果の恩恵を受けながら老後の資金形成ができる制度です。注意点をしっかり頭に入れた上で、個人型確定拠出年金の加入を検討してみましょう。


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