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家計

働いている人なら、給料日になれば必ず支給される「給与明細」。実は、法律で企業に発行義務が課されていることをご存知ですか。給与明細を発行しないのは、所得税法違反にあたります。

本記事では、給与明細をもらえないことが違法となる根拠と、万が一もらえなかった場合の対策について解説します。給与明細の基本的な見方についても解説するので、給与明細について理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

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【結論】給与明細の発行・交付は会社の義務

結論からお伝えすると、会社側は「労働者に給与明細を発行しない」という対応ができません。給与明細を発行・交付することは「所得税法」にも定められた企業の義務です。

第二百三十一条 居住者に対し国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。
 
引用元:所得税法第231条

法律に定められている以上、会社が給与明細を発行しないのは違法な行為となります。

給与明細を交付する期限

給与明細は「いつ発行しても良い」というわけではなく、交付期限が定められています。

「所得税法施行規則第100条1項」によれば、「支払明細書を、その支払の際、その支払を受ける者に交付しなければならない。」とされており、給与の振込日には労働者に渡すことが義務です。

給与の支払いが毎月10日であれば、毎月10日の支払い日には交付しなければいけません。

給与明細の交付対象者

給与明細の交付義務は「正社員や公務員に交付しなければいけないが、アルバイトは発行しなくてもいい」といった決まりはありません。

給与を受け取る全ての従業員に対して、会社は給与明細を発行する義務があります。

「正社員のAさんやパートリーダーのBさんはもらっているが、私はもらえていない」という状況は法律上許されない、ということは覚えておきましょう。

給与明細不発行時の罰則

給与明細が発行されない場合、罰則もあることが「所得税法第242条7号」に記載されています。

従業員の交付義務を守らずに不発行にした場合、所得税法違反となって「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されます。

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明細をもらえない・届かない場合の対処法

明確に法律で発行する義務が定められていますから、ほとんどの人は問題なく給与明細を受け取ることができます。ただし、なかには何らかの理由で会社が給与明細を発行してくれない場合があるかもしれません。

給与明細が発行されなかった場合の対処法を紹介します。

対策1.会社に給与明細の発行を請求する

もっとも簡単な方法は、会社に給与明細の発行を請求することでしょう。給与明細の発行は所得税法に定められた会社の義務であることはすでに解説したとおりです。

本来は従業員からの問い合わせがなくても会社の方から発行するものですが、それでも発行されない場合は会社に請求してみましょう。

総務部など給与明細を発行している部署に連絡を取り、給与明細が受け取れていない事実を伝えて発行してもらいます。

対策2.税務署・労働基準監督署に相談する

従業員を雇用する企業が給与明細の発行義務を知らないというのは、通常では考えられません。

従業員の側から発行を申請しても受け付けてくれない場合、「単に忘れていた」以外の意図が含まれている可能性があります。そうなると、社内で穏便に解決できません。

自身だけで解決できない場合、社外の機関へ相談しましょう。

最初に相談するべきは「税務署」です。給与明細の発行をしないことは所得税法違反であり、税務署の管轄になります。

税務署に給与明細の不発行を訴えるには、「給与支払明細書不交付の届出書」を提出するなどの手続きが必要です。申請が受理されれば税務署からの指導が入るでしょう。

ただし、税務署からの指導には法的強制力はありません。ここまでやっても給与明細が発行されない場合、労働基準監督署へ相談することも検討します。

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給与明細に記載されている内容とは?基本的な確認ポイント

給与明細が発行されたら、記載されている内容にも目を向けましょう。

企業によって多少異なる場合もありますが、基本的には「支給欄」「控除欄」「勤怠欄」で構成されています。

ここではそれぞれの記載内容と、どんな点に注目して給与明細を確認すれば良いか確認ポイントを解説します。

給与明細の「支給欄」

「支給欄」は基本給、時間外労働手当、通勤手当、資格手当など、企業から支給される金額について記載されています。

  • 雇用契約通りの基本給が支給されているか
  • 時間外労働手当はタイムカード通りに支給されているか

このように「働いた分がしっかり支払われているか」について確認しましょう。

また、資格手当や役職手当など、自身に支給されている手当に間違いがないかも確認が必要です。

  • 資格手当:保有資格に応じて決まった金額が支払われる
  • 役職手当:所定の役職に就いている人に支払われる
  • 通勤手当:所定のガソリン代や定期券代が支払われる
  • 家族手当:扶養家族の人数に応じて支払われる
  • 住宅手当:社宅等の居住費について支払われる

給与明細の「控除欄」

「控除欄」は、支給額から差し引かれた保険料や税金などが記載された項目です。

雇用保険や健康保険、厚生年金の保険料、所得税、住民税などは法律で控除される金額が決まっており、会社が金額を変更することはできません。ざっくりと確認するのであれば、先月までと比べて金額に大きな変更がなければ問題ないでしょう。

自分で計算して確認することも可能です。例えば、所得税の計算方法については以下の記事を参考にしてください。

なお、雇用主が保険者の生命保険に加入している場合や、従業員持ち株会の積立金を支払っている場合も控除欄に記載されます。

給与明細の「勤怠欄」

「勤怠欄」は、出勤日数や遅刻・早退、有給など、その月の勤務記録が記載された項目です。

定められた終業日数と実際に出勤した日数や残業時間がそれぞれ記載されているので、タイムカードと照らし合わせて間違いないかを確認しましょう。

みなし残業が適用されている場合は残業時間のカウントや支給額に注意が必要です。みなし時間より短い場合は設定された金額をそのまま受け取りますが、長くなった場合はみなし残業時間を超えた分を上乗せで受け取ることができます。

みなし残業として設定されている時間を超えているか、超えている場合はその分が支払われているかを確認しておきましょう。

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給与明細がもらえない問題に関する2つの注意点

給与明細がもらえないのは会社側の問題であり、労働者から申請して受け取ることもできるのはすでに解説した通りです。

給与明細に関する2つの注意点についても併せて理解しておきましょう。

注意点1.電子メール等での発行は違法にはならない

受け取る側も勘違いしてはいけないのは、「給与明細は紙で発行する」という決まりがないことです。

2007年に所得税法が改正され、給与明細や賞与明細、源泉徴収票の電子交付が可能になりました。

多くの会社が給与支払日に紙の給与明細を交付していますが、紙で交付をすると多くの手間・コストがかかります。ペーパーレス化が進んでいる現在、給与明細を電子化して発行する企業も少なくありません。

電子メールなどの方法で給与明細を受け取ること自体は違法ではないと覚えておきましょう。

ただし、会社側は「電子化することについて事前に従業員の承諾を得る」「従業員の求めに応じていつでも書面で交付する」という義務があります。どうしても書面で受け取りたい場合や、電子化について不満がある場合は、総務部など担当部署に相談することも検討しましょう。

注意点2.給与明細を受け取れたら必ず保管する

給与明細は給与の支給額、控除、勤怠の内容が記載されているものであり、確認を終えれば捨てても良いと考える人もいるのではないでしょうか。

実生活のなかで給与明細書を利用することもあり、発行された給与明細書は確実に保管しておくのがベストです。

給与明細を利用するタイミングは主に以下の2つが考えられます。

  • 確定申告
  • 失業給付金の申請

確定申告

会社員では年末調整が行われるので、多くの人は確定申告は不要です。しかし、住宅ローン控除を受ける1年目や5団体を超える自治体に「ふるさと納税」をして寄附金控除を受けたい場合、医療費控除を申請する場合などは会社員でも確定申告が必要です。

本来は源泉徴収票から確定申告の必要事項を記入しますが、給与明細で代用が可能です。

例えば、退職後に元の会社から源泉徴収票が送られてこないといったトラブルも考えられるため、念のため給与明細を保管しておくといいでしょう。

失業給付金の申請

退職後に雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付金(失業手当)を受け取る際に給与明細を利用する場合もあります。

基本手当を申請する際は受給資格を確認するため、また支給日数や支給額を決定するために、過去の給与額と雇用保険の加入状況が確認されます。離職票で確認することが基本ですが、同じ内容が記載されている給与明細も一応の備えとして保管しておくと安心です。

給与明細の保管期間やおすすめの保管方法については、以下の記事で解説しています。

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まとめ:給与明細の発行は会社の義務!もらえないなら請求してOK

労働者が毎月受け取る「給与明細」について、会社には発行の義務があることを紹介しました。

給与明細の発行は「所得税法」に明確に定められており、いかなる理由があっても不発行は違法となります。どうしても給与明細が発行されないときは、税務署や労働基準監督署に相談してしかるべき対処を求めましょう。

また、発行された給与明細は確定申告や退職時の手続きに利用する可能性もあります。念のために保管しておくことで、手続きをスムーズに進められるでしょう。

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