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家計

生活レベルの高さに直結する「世帯年収」。

「他の人はどれくらいの世帯年収があるの?」
「世帯年収が上がると、生活レベルはどれくらい上がるの?」

このような疑問をお持ちの人も多いのではないでしょうか。生活レベルの比較ではよく年収1000万円が引き合いに出されますが、ほかにも「500万」「600万」「700万」「750万」「800万」「900万」などの生活レベルも気になるのではないでしょうか?1000万円を超えた「1200・1300・1400・1500・1700・2000」などの年収を得ている人になると、どのようなセレブな生活レベルになるのでしょうか?

世帯年収が上がれば基本的な生活費や余暇、家賃に充てられる金額が増えるため、余裕のある生活を目指すなら少しでも世帯年収を上げておきたいところです。

本記事では家族構成や居住地ごとの平均的な世帯年収、世帯年収ごとの生活レベル、世帯年収を上げるポイントについて解説します。

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世帯年収とは

「年収」とは1年間の収入(総支給額)のことです。1人で500万円を稼いでいるなら「年収500万円」となります。

一方の「世帯年収」は生計を共にする人の年間収入を合計した金額です。

家族それぞれに収入があれば合わせた額が世帯年収となるので、共働きか片働きかでは大きな差が出ます。例えば夫と妻の年収がそれぞれ500万円あれば、世帯年収は1000万円ということです。

片働きで年収1000万円や1200万円に達するのは容易なことではありませんが、共働きなら1人の年収が500~600万円あれば1000万円超の年収を得ることは十分に可能です。

家族構成・居住地ごとの世帯年収は?

世帯年収は、「同一生計を立てる世帯の年収合計」を指します。「同一生計を立てる世帯」とは、「生活するためのお金が出る財布が同じ世帯」のことで、自分の年収の有無や同居・別居は関係ありません。

夫婦共働きなら夫婦それぞれの年収の合計、片働きなら働いている方の年収が世帯年収になります。

世帯年収の平均は家族構成や居住する地域によっても異なるため、一概には言えません。まずは参考までに、世帯や地域ごとの世帯年収の平均値を見ていきましょう。

【全世帯】世帯年収の平均は524.2万円

厚生労働省の「2023年 国民生活基礎調査の概況」によれば、全年代の世帯年収の平均は「524.2万円」でした。

世帯主の年齢階級ごとの平均所得額になると、以下のような違いがみられます。

世帯主の年齢階級 平均所得額(世帯あたり)
29歳以下 339.5万円
30歳代 608.5万円
40歳代 696.0万円
50歳代 758.5万円
60歳代 536.6万円
70歳以上 381.0万円

【子供あり】子育て世帯の平均年収は812.6万円

2023年 国民生活基礎調査の概況」によれば、18歳未満の未婚者である「児童」がいる世帯に限定した世帯年収の平均は「812.6万円」になりました。

ただし、中央値は「731.0万円」と、100万円近い開きがあります。極端に高年収の世帯があると、その極端な数値に平均が影響を受けてしまうことが原因です。

データを小さい順に並べたときにちょうど真ん中に来る「中央値」なら、極端な数値の影響を受けません。一般的な生活実感に近い数値を知りたいなら、中央値を参考にするほうが良いでしょう。

【地域別】居住地域で世帯年収が高いのは東海地方、低いのは沖縄

世帯年収は居住する地域によっても異なります。総務省統計局の「2019年全国家計構造調査」によると、都道府県ごとの年間収入の平均は以下のとおりです。

順位 都道府県 年間収入 順位 都道府県 年収収入
1 東京都 629.7万円 25 奈良県 539.6万円
2 神奈川県 615.4万円 26 山梨県 538.7万円
3 愛知県 613.4万円 27 香川県 538.5万円
4 富山件 612.4万円 28 福島県 538.2万円
5 福井県 608.8万円 29 京都府 532.7万円
6 滋賀県 604.3万円 30 岩手県 529.8万円
7 岐阜県 602.7万円 31 広島県 529.1万円
8 滋賀県 595.3万円 32 秋田県 527.0万円
9 千葉県 595.1万円 33 熊本県 504.1万円
10 三重県 590.8万円 34 大阪府 503.1万円
11 静岡県 588.3万円 35 徳島県 501.7万円
12 埼玉県 587.1万円 36 山口県 501.4万円
13 山形県 582.1万円 37 青森県 493.1万円
14 栃木県 580.1万円 38 福岡県 486.4万円
15 岡山県 570.4万円 39 愛媛県 485.9万円
16 石川県 566.6万円 40 和歌山県 480.9万円
17 宮城県 565.9万円 41 長崎県 479.0万円
18 島根県 562.6万円 42 大分県 472.5万円
19 長野県 560.1万円 43 宮崎県 463.1万円
20 兵庫県 558.0万円 44 北海道 455.3万円
21 群馬県 557.5万円 45 高知県 448.6万円
22 新潟県 551.7万円 46 鹿児島県 432.3万円
23 佐賀県 549.3万円 47 沖縄県 423.3万円
24 鳥取県 542.3万円      

最も高い地域は東京都で、平均629.7万円でした。一方、最も低い地域は沖縄(423.3万円)で、東京とは約200万円の開きがあります。

世帯年収を考える場合、自身が住んでいる地域の相場も念頭に入れる必要があるでしょう。

世帯年収に占める支出の割合の目安

世帯年収がいくら高いといっても、無計画にお金を使いすぎると余裕のある生活はできません。支出ごとに予算の上限を設け、毎月の生活のなかで「自由に使えるお金」「預貯金に回せるお金」を確保することが重要です。

本記事では、支出の種類ごとに収入に対する支出割合の目安について解説しましょう。

住宅ローンは収入の20%以内が目安

結婚して子供が生まれた家庭では賃貸からマイホームへの引っ越しを考える人も少なくないでしょう。その際は数千万円の建築・購入費用を確保するために「住宅ローン」を組むことになります。

住宅ローンの返済負担率は、世帯年収の20%を目安とすることが一般的です。「世帯年収800万円・金利1%・元利均等払い・ボーナス返済なし・返済負担率20%」で借りようとする場合、借りられる金額の上限の一例は以下のとおりです。

  • 20年ローン:2,899万円
  • 30年ローン:4,145万円
  • 35年ローン:4,723万円

賃貸の家賃は収入の30%が目安

夫婦と子供がいる世帯でも、住宅を新築したり購入したりするのではなく、賃貸で生活する人も少なくありません。

賃貸の場合、家賃の目安は「収入の30%以内」です。可能なら25%程度に抑えられるとベストでしょう。

片働きで世帯年収が500万円の世帯では年間に使える家賃は150万円まで、1ヶ月あたり12万5,000円が上限の目安になります。共働きで世帯年収が800万円なら、16万5,000円程度までが許容できる範囲になる計算です。

収入の10~15%は貯蓄に回したい

生活レベルを上げるためにお金を使う前に、将来を見越してしっかりと貯蓄を増やすことも考えたいものです。

一般的に、収入の10~15%を貯金すると良いとされています。月収30万円の片働きの家庭なら「3万円~4万5,000円」が貯蓄の目安です。

ただ、子育てのステージによって貯金しやすい時期とそうでない時期があります。以下のように、ステージに合わせて貯金額を変えることが無理せずに続けるコツです。

  • 結婚から子供を出産するまでは出費がさほど多くないため、手取りの25~30%を貯金
  • 出産から子供が小学校のうちは児童手当もあって学費も多くないため、手取りの20%~25%を貯金
  • 中学校~大学は塾代や学費が大きくなるため貯金額を手取りの5~15%に抑える

「長い目でみてトータルで手取り年収の10~15%」を目標にすれば、無理せずに貯めることができるでしょう。

実際のところ、お金を貯めることができていない世帯も少なくありません。「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によれば、2人以上の世帯で金融資産を保有していない世帯が23.1%もあります。

余ったら増やそうとするのではなく、最初から手取りの10~15%を引いて貯蓄に回すことを意識しましょう。

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世帯年収ごとの生活レベルはどれくらいの差がある?

世帯年収によって実際の生活レベルがどのくらい変わるのでしょうか。

あくまでも一般的なモデルケースにはなりますが、世帯年収ごとにかけることができる家賃・生活費・貯金額などの違いを表にまとめてみました。本記事では一般的な平均年収である400万円~450万円より少し高い「年収500万円」から上の世帯の生活レベルを見てみましょう。

今回比較する年収は通りです。

  1. 年収500万円
  2. 年収600万円
  3. 年収700万円
  4. 年収900万円
  5. 年収1000万円
  6. 年収1200万円
  7. 年収1500万円
  8. 年収2000万円
  9. 年収3000万円

項目ごとの割合は前述のとおり「家賃は年収の25~30%」「預貯金は年収の10~15%」を基準とします。加えて「税金は年収の15~25%(年収によって変動)」「自由に使えるお金は年収の10%」と仮定し、残りを基本生活費に充てるという前提で割合を決めています。

世帯年収500万円の生活レベル

世帯年収500万円の場合、月収にすると41万6,666円です。

年収500万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のようになります。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 10万4,166円~12万4,999円
基本生活費 25~35% 10万4,166円~14万5,833円
預貯金額 10~15% 4万1,666円~6万2,499円
自由に使えるお金 10% 4万1,666円
税金・社会保険料 20% 8万3,333円

独身の場合

年収500万円で家賃が10万円というのは、東京都の中心部では十分な金額とはいえず、場合によっては1K程度の物件になる場合もあります。1LDK以上の物件に住む場合は郊外や隣県に住むことが選択肢になるでしょう。

郊外に住めば都心よりも家賃を抑えることができるため、独身の生活には問題ありません。ただ、自由に使えるお金が約4万円というのは独身でも少なく感じる人もいるかもしれません。

子供がいる3人世帯の場合

年収500万円で子供がいる3人世帯の場合、年収500万円は十分な水準とは言い難いです。

毎月4万円ずつ貯蓄に回して30年続けても、貯まる金額は1,440万円です。以前、金融庁の試算で「老後資金が2,000万円不足する」というニュースがありましたが、30年貯めてもそれに足りません。

子供の教育費や万が一の入院費用などを確保することも考えると、共働きで年収を増やすことも検討しましょう。そのうえで「可能な限り家賃が安い物件に住む」「預貯金を資産運用に回して将来の老後資金を貯める」などの工夫が必要になります。

世帯年収600万円の生活レベル

世帯年収600万円の場合、月収にすると50万円です。

年収600万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のようになります。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 12万5,000円~15万円
基本生活費 25~35% 12万5,000円~17万5,000円
預貯金額 10~15% 5万円~7万5,000円
自由に使えるお金 10% 5万円
税金・社会保険料 20% 10万円

独身の場合

年収600万円の人で家賃に使えるお金が12万5,000円~15万円にもなると、都内でも十分に生活できる水準になってきます。ただし、1Kや1DKなどの物件しか借りられないこともあるかもしれません。これから結婚を見据えて2K~2LDK以上の広さの物件を探すなら、23区でも家賃が安い場所か、郊外・隣県で物件を探すことも検討しましょう。

子供がいる3人世帯の場合

世帯年収600万円は、子育てをするのに最低限の金額ラインといえるかもしれません。住む場所を工夫すれば子ども部屋を確保できますが、都内の家賃が高い場所では子ども部屋のある物件を借りることは難しいです。

毎月5万円(年間60万円)の貯金を30年続けても1,800万円で、老後資金の不足を補うにも不安が残ります。子どもに自分の面倒をみてほしくないなら共働きで世帯年収をアップさせることも検討しましょう。

世帯年収700万円の生活レベル

世帯年収700万円を月収にすると58万3,333円です。

年収700万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のとおりです。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 14万5,833円~17万4,999円
基本生活費 20~30% 11万6,666円~17万4,999円
預貯金額 10~15% 5万8,333円~8万7,499円
自由に使えるお金 10% 5万8,333円
税金・社会保険料 25% 14万5,833円

独身の場合

年収700万円で独身の場合、家賃に14万円以上を割くことができれば都内でも十分な広さの物件に住めるでしょう。

また、基本生活費の半分を食費に充てるとしても、1食1,300円以上の金額を確保できます。食費を朝食500円、昼食1000円に抑えれば、夕食でコンビニや外食でお金を使っても十分な金額といえます。

子供がいる3人世帯の場合

年収700万円もあれば、年収500万円と比較して余裕のある生活が実現します。15万円前後の家賃であれば、2LDK以上の広い物件を借りて子供部屋を確保できるでしょう。

ただし、年収700万円は500万円と比較して税率が高くなる傾向にあります。年収で200万円アップしても、手取り額はそれほど大きくアップしない場合もあります。

世帯年収900万円の生活レベル

世帯年収900万円を月収にすると75万円です。

年収700万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のとおりです。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 18万7,500円~22万5,000円
基本生活費 20~30% 15万円~22万5,000円
預貯金額 10~15% 7万5,000円~11万2,500円
自由に使えるお金 10% 7万5,000円
税金・社会保険料 25% 18万7,500円

独身の場合

独身で年収900万円の場合、家賃に15万円以上をかけることができます。1LDKまでの物件であれば都内でも生活できる可能性が高いです。

基本生活費も最大20万円前後と高く、独身なら困ることはないでしょう。

子供がいる3人世帯の場合

年収700万円と比較すると手元に残るお金が大きく増え、3人家族でも余裕のある生活ができるようになります。また、年収900万円は高校無償化の恩恵をギリギリ受けられるメリットがあります。

高等学校等就学支援金制度(高校無償化)で基準額の年額11万8,800円の支給を受けるための年収目安は「片働きで約910万円」なので900万円ぴったりの年収にすれば子どもの学費を節約でき、同じ高校生の子どもを持つ年収1000万円の世帯よりも余裕のある暮らしが実現する可能性があります。

世帯年収1000万円の生活レベル

世帯年収1000万円を月収にすると83万3,333円です。

年収1000万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のとおりです。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 20万8,333円~24万9,999円
基本生活費 20~30% 16万6,666円~24万9,000円
預貯金額 10~15% 8万3,333円~12万4,999円
自由に使えるお金 10% 8万3,333円
税金・社会保険料 25% 20万8,333円

独身の場合

年収1000万円ならセオリー通りに家賃を収入の25~30%に抑えても、家賃で20万円以上を捻出できます。

都内でも2LDK以上の広い部屋に住むことができ、収入の10%(8万円超)を貯蓄に回せるため、余裕のある生活が実現します。

子供がいる3人世帯の場合

年収1000万円なら計算上は家賃に20万円をかけることが可能です。賃貸ではなく住宅ローンを組んでも十分に余裕のある返済ができるでしょう。

ただし、年収1000万円の場合は児童手当が受け取れなくなる可能性がある点に注意が必要です。児童が1人の家庭の場合、年収の目安が875.6万円を超えると児童手当が支給停止になる可能性があります。月5,000円が支給される特例給付に移行するため、受給額が大きく減少します。

また、高等学校等就学支援金制度(高校無償化)についても、基準額である年額11万8,800円の支給を受けるための年収目安は片働きで約910万円とされています。世帯年収1000万円の家庭は高校無償化の対象外になってしまうでしょう。

年収700~800万円で児童手当を全額受け取れて高校無償化の恩恵を受けられる世帯と比べると、生活レベルの上昇具合は緩やかになるのが一般的です。

世帯年収1200万円の生活レベル

世帯年収1000万円でも公的な補助が外れることで、かえって生活が大変になる可能性はあります。補助がないなかでも生活を豊かにするなら、例えば年収1200万円を目指してみるのはどうでしょうか?

世帯年収1200万円の場合、月収にすると100万円です。ここから、月収100万円の人が到達できる年収になってきます。

年収1200万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のようになります。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 25万円~30万円
基本生活費 25~35% 25万円~35万円
預貯金額 10~15% 10万円~15万円
自由に使えるお金 10% 10万円
税金・社会保険料 20% 20万円

独身の場合

年収1200万円もあれば、家賃を収入の25~30%に抑えても、25万円以上を確保できます。港区など都内でも家賃が特に高いエリアにも居住できるようになるでしょう。都内でも2LDK以上の広い部屋に住むことができれば、生活水準の高さを実感しやすくなるでしょう。収入の10%を貯金に回せば年間120万円の貯蓄を作れるため、年収をキープできれば余裕のある生活が実現します。

子供がいる3人世帯の場合

年収1200万円なら子供がいる世帯でも2LDK~3DK以上の間取りを確保しながら、東京のなかでも地価が高いエリアを選択できる余裕ができ始めます。

基本生活費に30万円前後をかけることができるため、子供の教育費にお金をかけられます。都内で生活しながら子どもが勉強したいことやチャレンジしたいことに挑戦させられるだけの金銭的な余裕が出てくるでしょう。

ただし、年収1000万円の世帯と同様、児童手当に関しては受け取ることができません。2022年10月からは特例給付もありません。2024年10月からは所得制限が撤廃されますが、それまでは児童手当の分の手取りが少なくなるのは致し方ないでしょう。

世帯年収1500万円の生活レベル

世帯年収1,500万円を月収にすると125万円です。

年収1500万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のとおりです。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 31万2,500円~37万5,000円
基本生活費 15~25% 18万7,500円~31万2,500円
預貯金額 10~15% 12万5,000円~18万7,500円
自由に使えるお金 10% 12万5,000円
税金・社会保険料 30% 37万5,000円

独身の場合

年収1500万円にもなると、家賃に毎月30万円以上を充てることができ、3LDK~4Kといった広い間取りのマンションを狙えます。

収入の10%でも12万5,000円を貯蓄に回すことができ、結婚しても家族が増えても安定した生活を続けることができるでしょう。

ただし、年収1,500万円は税率が30%前後と高額になるため、今後もこの高年収が維持できるか見定め、万が一に備えて準備をしておく必要があります。

子供がいる3人世帯の場合

年収1500万円なら子供がいる世帯でも3LDK~4K以上の間取りを確保しながら、子供の教育費にお金をかける余裕があります。

基本生活費も30万円程度使えるため、毎週のように外食でディナーを楽しむ余裕もあるでしょう。

ただし、児童手当に関しては受け取ることができず、2022年10月からは特例給付も受け取れません。年収1000万円と同様に高校無償化の恩恵を受けることもできません。

なお、2024年10月からは所得制限が撤廃されるため、世帯年収1,500万円の世帯でも満額の児童手当を受給できます。

奨学金などを利用できない世帯に対して低金利で貸し付けを行う日本政策金融公庫の「国の教育ローン」についても、子供が5人いたとしても世帯年収の上限1,190万円を超えているためお金を借りることもできません。

年収が高い分だけ補助や給付を受けることができないため、その分だけ支出が多くなることを前提に節制に努めることも必要です。

世帯年収2000万円の生活レベル

世帯年収2000万円の場合、月収にすると166万6666円です。

年収2000万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のようになります。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 41万6,666円~49万9,999円
基本生活費 25~35% 41万6,666円~58万3,333円
預貯金額 10~15% 16万6,666円~24万9,999円
自由に使えるお金 10% 16万6,666円
税金・社会保険料 20% 33万3,333円

独身の場合

年収2000万円の人の家賃をセオリー通りの比率にすると、最高で50万円近い金額をかけられるようになります。日本全国どの地域でも、好きな賃貸物件と契約できるでしょう。住宅ローンを組んで自宅を購入する場合も十分な余裕があるので、豪邸を建てても余裕をもって返済できるはずです。

毎月15~20万円の貯金があるうえに生活費として50万円くらい利用できるため、富裕層らしい生活を満喫できるようになります。

子供がいる3人世帯の場合

年収2000万円もあれば子どもが1人いたとしても、生活するのに全く困らないはずです。住む場所も間取りも気にすることなく、思いのままに生活できるようになるでしょう。

児童手当や高校無償化などの補助を受けることはできませんが、それでも年収1000万円の世帯と比較できないくらい自由に使えるお金があるので生活に困ることはないはずです。

ただ、年収が高くなるごとに税金の支払いも厳しくなります。課税所得を下げながら資産運用ができる「iDeCo」などを活用して節税を考えましょう。

もし個人事業主であれば「小規模企業共済」に加入する方法もあります。掛金を支払えば、掛金の全額が所得控除の対象になるため、iDeCoのように所得税や住民税を節約しながら老後資金を確保できます。

掛金は1000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択が可能です。万が一収入が下がって毎月の掛金の拠出が難しい場合でも、柔軟に掛金を変更できます。

世帯年収3000万円の生活レベル

世帯年収3000万円の場合、月収にすると250万円です。

年収3000万円の人の1ヶ月の生活費や預貯金等に割り振った内訳は以下のようになります。

項目 割合 想定内訳金額
家賃 25~30% 62万5,000円~75万0,000円
基本生活費 25~35% 62万5,000円~87万5,000円
預貯金額 10~15% 25万円~37万5,000円
自由に使えるお金 10% 25万円
税金・社会保険料 20% 50万円

独身の場合

年収3000万円ともなれば、1ヶ月の収入が平均250万円になり、新卒の約1年分の手取りに匹敵するようになります。毎月使える家賃は60万円を超えるようになり、独身なら選べない物件はほぼなくなります。豪華な自宅を購入することも十分に視野に入ります。

基本生活費も最高80万円超と高いので、毎日のように都心のレストランでディナーをすることも可能でしょう。

子供がいる3人世帯の場合

年収3000万円なら子どもが1人いたとしても、十分すぎる生活費や家賃を確保できます。週末は毎週旅行に出かけたり家族でレストランに通ったりする余裕がありつつも、月に25万円以上を貯金できます。

ただ、税金も毎月50万円前後と、セオリー通りとしてもかなりの高額になります。翌年以降の住民税を問題なく支払うためにも、浪費するだけでなくしっかりとした貯蓄の計画を立てたうえで毎日の生活を送ることが大切になります。

年収1000万円の人の割合はどのくらい?

前項では世帯年収ごとの生活レベルをみてきましたが、やはり「パワーカップル」「富裕層」のイメージを持たれやすいのは年収1000万円でしょう。

では日本で年収1000万円を達成している世帯はどのくらいあるのでしょうか?
国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の総数は5,078万人(男性:2,927万人・女性:2,151万人)となっています。全体における平均給与は458万円で、男女別に見ると男性が563万円、女性は314万円です。

この給与所得者の中で年収1,000万円超1,500万円以下の人は180万人(令和4年)となっており、全体における割合は6.2%と決して多くはありません。

出典:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

年代別の平均貯金額はいくらくらい?

年齢を重ねるほど年収が高くなり、長く生活するほど貯金額は大きくなっていくことが予想できます。

では、具体的に、年収別にどのくらいの貯蓄があるのでしょうか?

金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、20代〜50代の貯金額の「平均値」「中央値」は次のとおりです(金融資産を保有していない世帯を含む)。

  単身世帯 2人以上世帯
平均値 中央値 平均値 中央値
20代 121万円 9万円 249万円 30万円
30代 594万円 100万円 601万円 150万円
40代 559万円 47万円 889万円 220万円
50代 1,391万円 80万円 1,147万円 300万円
60代 1,468万円 210万円 2,026万円 700万円

出典:金融広報中央委員会「令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査」
全体的に平均値はごく一部の富裕層に引っ張られており、中央値との差がみられます。

実際の貯金額は「中央値」を参考にすると良いでしょう。

年収1000万円を超えても生活はつらい?

年収1000万円といえば、豊かなセレブ生活をイメージする人が多いのではないでしょうか?

しかし、実際には年収1000万円を超えても、生活レベルを大きく上げることが難しいのが実情のようです。

本記事では、年収1000万円を超えても生活が辛いと感じる理由を解説します。

  1. 手取り収入が増えにくい
  2. 公的補助が受けられなくなることが多い
  3. 居住地域によっては出費が大きい

手取り収入が増えにくい

日本は累進課税制度を採用しており、年収が高いほど税金の割合が高くなるように設定されています。年収の伸びに対して手取りは増えにくく、年収1000万円あっても年収600~800万円くらいの人と比較して劇的に生活が豊かになるわけではありません。

額面から引かれる税金の種類には、以下のようなものがあります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 介護保険料
  • 雇用保険料
  • 労災保険料

生活を豊かにするには年収1000万円よりもさらに高い「年収1200万円」「年収1300万円」「年収1500万円」「年収2000万円」などを目指すことになるでしょう。

公的補助が受けられなくなることが多い

年収1000万円を超えてしまうと、一般的な年収の世帯が受けられていた公的な補助が受けられない可能性があります。

例えば児童手当。2024年10月から所得制限が撤廃されるものの、2024年9月までは、親の収入が所得制限限度額を超えている場合、支給額が一律毎月5,000円に減額もしくは支給対象外(2022年10月から)となります。

高等学校等就学支援金制度はいわゆる「高校無償化」といわれる制度ですが、支給対象になるには原則として年収(目安)が910万円未満であることが必要です。

配偶者控除も、世帯の合計所得金額が1000万円以上では受けることができません。これらに補助がないことでかえって年収1000万円未満より家計が厳しくなる可能性もあります。

居住地域によっては出費が大きい

都市部に住んでいる人の世帯年収1000万円と、地方に住んでいる人の世帯年収1000万円では生活レベルが大きく異なります。

都市部はそもそも給与や時給が地方より高い傾向にあり、世帯年収1000万円を達成できる可能性が高いです。ただし、都市部では家賃や地価など全体的に物価が高いため、世帯年収1000万円でも豊かな生活を送れるとは限りません。

例えば東京都を例にとると、「1LDK・2K・2DK」の賃貸物件の家賃相場について、港区では28.84万円ですが、あきるの市では5.34万円です。
出典:全国統計データ「賃料相場:東京都」

東京都23区は面積に対して人口が多く、家賃や駐車場代が特に高いです。世帯年収1000万円でも特別高年収とはいえず、高い家賃を支払うために節約を迫られるでしょう。家計に占める家賃の割合をよくチェックし、可能な限り比率を引き下げるようにしましょう。

世帯年収をアップさせて生活レベルを上げるための方法

「将来のことを考えて、生活年収をアップさせて生活レベルを向上させたい……」と考えている人も多いのではないでしょうか。

世帯年収を上げるには、「働く人を増やす」「働く場所を変える」「預貯金よりも効率的な方法で資産運用をする」といった方法が有効です。

生活レベル向上につながる年収アップの方法について見ていきましょう。

①片働きから夫婦共働きにする

現在は夫婦のうち片方が働いている状態なら、働く人数を増やすことで世帯年収を上げられます。ボーナスも1人よりも多くの収入が得られ、貯金や楽しみに回すことで生活レベルが向上するでしょう。

夫婦で会社員として働けば2人とも厚生年金に加入することになり、老後の収入に対する不安も軽減されます。ただし、子供がいる家庭では保育園に長時間預けることで保育料が増加するため注意が必要です。

子育てがあって両方フルタイムが難しい場合は1人がパート・アルバイトという働き方もできます。

2018年から配偶者控除が改正されて世帯主が所得控除38万円を受けられる配偶者の年収上限が103万円から150万円に引き上げられており、パート・アルバイトでより長時間働くことが可能になりました。

②転職をする

今よりも高年収の会社に転職することでも、世帯年収を増やせる可能性があります。副業と違って仕事以外の時間は余暇や子育ての時間として使え、本業のパフォーマンスを落とすこともありません。

ただし、まったくの未経験の会社ではなく、これまでのキャリアやスキルを活かせる仕事を見つけることが重要です。未経験の業界では新入社員くらいの給料まで下がってしまうこともあります。

実績を上げて出世することで高年収になる企業でも、未経験では一時的に収入が下がることも頭に入れておきましょう。

③自己投資・資産運用をする

世帯年収アップのために、預貯金を「投資」に回すことも有効です。

まず、自身のスキル・能力を向上させる「自己投資」が候補になります。

  • 自分の能力を高めて仕事で実績を上げ、昇進して役職手当を受け取る
  • 会社で推奨される国家資格を取得することで資格手当を得る など

また、株式や債券などの有価証券に投資することでリターンを狙う「資産運用」もおすすめです。株式のなかには配当金や株主優待など、保有しているだけでプラスになる投資もあります。元本割れのリスクがありますが、預貯金ではまず得られない利回りで資産運用も可能です。

リスクが怖いなら個別の株式ではなく、多くの株式に分散投資できる「投資信託」を利用することも検討しましょう。

「インデックスファンド」という種類の投資信託であれば「日経225」「TOPIX」「ダウ平均」といった指数に連動する値動きになり、実質的にその指数に含まれる全銘柄に分散投資するのと同様の効果を得られます。

1つの株式が値下がっても別の株式が値上がりすることで、下落による損失リスクを抑えられます。積立投資にも対応しており、証券会社によっては毎月100円から投資することも可能です。数万円単位で投資する必要がないため、年収300万円や400万円の世帯など、思い切った投資ができない方でもチャレンジできるでしょう。

上手に節約する方法

世帯年収を増やして生活レベルを上げるなら、上手に節約することも大切です。何もかも贅沢するのではなく、節約するべきところは質素に暮らし、それ以外の時間の生活レベルを上げようということですね。

本記事では、上手に節約する方法として、以下の3つを解説します。

  1. 固定費を見直す
  2. 収入と支出を把握する
  3. ふるさと納税を活用して返礼品をもらう

固定費を見直す

節約の第一歩は、毎月の支出のうち「固定費」を見直すことです。固定費は家賃・保険料・サブスク料金、携帯代金など、毎月固定で支払いが発生する費用のことです。

毎月必ず支払うことになる費用であるため、一度見直せばその後ずっと節約効果が続くことになります。1回の見直しで得られる効果が大きいため、節約を考えた際はすぐに見直しに取り組みましょう。

固定費の見直しは難しいものではなく「契約プランの見直し」によって簡単に節約ができます。例えばスマートフォンをキャリア契約から格安SIMに切り替えるだけで、月に数千円は節約できる可能性があります。

注意点として「保険の見直し」は慎重に行いましょう。一度保険を解約すると、前回の加入時よりも年齢が上がっており、再加入できるとしても同じ保険料にはなりません。また、持病が発覚したあとに再加入しようとしても、加入できないリスクがあります。

保険や家計見直しのプロであるファイナンシャルプランナー(FP)などに相談しながら、保険の見直しは慎重に行いましょう。

収入と支出を把握する

固定費だけでなく、収入と支出を把握して無駄遣いをあぶり出すことも大切です。

収入と支出を把握するには、毎日のお金の動きを家計簿につけることをおすすめします。レシートの内容を毎日手書きするのが面倒な人は「家計簿アプリ」の利用を検討してみましょう。

アプリのなかにはレシートの自動読み取り機能がついたものがあり、上手く活用することで手書きせずともレシートの内容を家計簿に転写できます。

また、各種クレジットカードや銀行口座と連携させれば、支払いがあるたびに自動的に家計簿の内容が更新されていくので、面倒なことなく無駄遣いをあぶり出せるでしょう。

ふるさと納税を活用して返礼品をもらう

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付を行うと、控除上限額内の2,000円を越える部分について税金が控除される制度です。

あくまで税金を前払いしているので「節税」ということではありませんが、寄付金額の30%相当の返礼品を受け取れるメリットがあります。

和牛や高級フルーツなどの返礼品を受け取ることで毎日の食卓に変化をつけられるだけでなく、食品の返礼品を選ぶことで、食費の節約にもつながるでしょう。

資産運用をする・しないでどれくらい差が出るかシミュレーション

収入の一部を資産運用に回すのか貯金に回すのかで、どれくらいの差があるのかシミュレーションしてみました。

【前提条件】

  1. 30代の夫婦2人のうち1人が会社員、子供は10歳の小学生
  2. ボーナスは考慮せず、月の月給は40万円で手取りは75%の30万円と仮定
  3. 毎月の手取りの20%(6万円)を貯金または運用する

資産運用をせずに貯金だけで貯めた場合

毎月6万円を単純に積み立てた場合、5年・10年後・20年後の結果は以下のとおりです。

普通預金の利息はメガバンクで年0.02%程度であり、利子はほとんど得られません。

5年後 360万円
10年後 720万円
20年後 1,440万円

毎月6万円を年利3%で複利運用した場合

投資信託のような投資商品の場合、配当金や分配金を元本に加えて再投資することで「複利運用」ができます。

前述と同じ条件で毎月6万円を複利で資産運用した場合をシミュレーションしてみました。リターンは確実に得られるわけではありませんが、今回は年利3%で計算しています。

年利3%は世界最大規模の機関投資家といわれる日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用結果です。GPIFでは国内株式・外国株式・国内債券・外国債券の4つに分散して投資しており、2011年から2023年度までの期間で年率4.36%のリターンを得ています。

投資を始めたばかりの人はGPIFほどうまく利回りが出ないことも考慮し、年率は3%と仮定します。年率3%で複利運用した結果は以下のとおりです。

5年後 388.44万円(投資元本360万円)
10年後 838.75万円(投資元本760万円)
20年後 1,965.96万円(投資元本1,440万円)

5年後には約28万円、10年後には約78万円、20年後には約525万円のリターンの差が出ていることが分かります。

投資を始める時期が30代中盤の場合、20年後は50代中盤という定年に近い年齢です。ここまで資産運用を続けて500万円の利益を得ることができれば、老後の生活レベル向上に役立てることができるでしょう。

同じ3%のリターンを得られると仮定すると、25年・30年と運用期間が長くなればさらに大きな利益を得ることも可能です。

世帯年収の生活レベルに関するよくある質問

最後に、世帯年収の生活レベルに関して、よくある質問と回答をまとめました。

年代別の世帯年収はどれくらいですか?

全年代の世帯年収の平均は「524.2万円」です、

世帯主の年齢階級ごとの平均所得をみると、以下のような違いがあります。

  1. 29歳以下:339.5万円
  2. 30歳代:608.5万円
  3. 40歳代:696.0万円
  4. 50歳代:758.5万円
  5. 60歳代:536.6万円
  6. 70歳以上:381.0万円

子供がいる世帯の平均年収はどれくらいですか?

「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると、18歳未満の未婚の「児童」がいる世帯に限定した世帯年収の平均は「812.6万円」です。

ただし、平均値ではなく中央値をみると「731.0万円」と、平均より100万円近く低いことがわかります。極端に高年収の世帯が平均の数字に大きく影響しており、貯金を始めるなら中央値の数字を目指すと良いでしょう。

1世帯あたりどれくらいの支出がありますか?

支出に関する項目や金額は家庭ごとに全く異なりますが、多くの人が支払っているのが「住宅ローン」または「家賃」です。一般論ですが、住宅ローンは収入の20%、家賃は収入の30%前後が目安とされています。

家賃や住宅ローンは支出のなかでも特に大きな割合を占めており、少しでも比率を下げて余剰資金を出来る限り残しましょう。月10~15%を貯金に回せると理想的でしょう。

世帯年収が上がれば生活は楽になりますか?

日本では「累進課税制度」が採用されており、世帯年収が上がると所得税などの税負担が重くなります。世帯年収が上がればその分だけ手取りが増えるわけではなく、生活がすぐに楽になるとは限りません。

節約をする方法にはどのようなものがありますか?

上手に節約する方法には、以下のようなものがあります。

  1. 固定費を見直す
  2. 収入と支出を把握する
  3. ふるさと納税を活用して返礼品をもらう

1番最初に取り組みたいのは「固定費の節約」です。家賃やサブスク料金、水道光熱費などは毎月必ず支払いが必要になる費用であり、一度見直しできれば、そのあとずっと節約の効果が継続します。

世帯年収を上げるためにはどうすれば良いですか?

世帯年収を上げるためには、以下のような方法が考えられます。

  • 働く人を増やす
  • 働く場所を変える
  • 預貯金よりも効率的な方法で資産運用をする

まず、夫婦のうち片方しか働いていない世帯は、共働きができないかを検討してみましょう。年収500万円が2人いれば、世帯年収1000万円を達成できます。二人ともフルタイムで働くことは難しくとも、専業主婦(夫)からパート社員として働きに出るだけでも年間50~100万円の世帯年収アップにつながります。

また、預貯金に加えて、より効率的に資産を増やせる資産運用を取り入れることも検討しましょう。例えば「株式」のなかには配当金や株主優待など、保有しているだけでお金を受け取れる投資もあります。元本割れのリスクは当然ありますが、預貯金を大きく超える利回りで運用することも可能です。

世帯年収を上げるために資産運用は有効ですか?

有効です。普通預金や定期預金は元本保証がある反面、金利は年0.02~0.2%程度です。長く預けていてもほとんど利益を増やすことはできません。

一方、資産運用のなかでも「株式」「投資信託」などは元本保証がありませんが、預金を大きく上回る利回りを叩き出せることがあります。

年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)では2001~2023年までの期間で年率4.36%の利益を出しています。

年代別の平均貯金額はどれくらいですか?

平均貯金額は、年代ごとに大きく異なります。2人以上世帯を例にとると以下のとおりです。

  • 20代:249万円
  • 30代:601万円
  • 40代:889万円
  • 50代:1,147万円
  • 60代:2,026万円

年齢を重ねるほど家計に余裕ができ、貯蓄に回しやすいと考えられます。ただし、平均値は一部の富裕層の高額な貯金額に引っ張られており、一般的な貯金額よりもかなり高額になっていることがあります。

2人以上世帯の貯金額の中央値は以下のとおりで、このほうが実態に近いといえるでしょう。

  • 30万円
  • 150万円
  • 220万円
  • 300万円
  • 700万円

ご自身が目指す貯金額は、平均ではなく中央値を参考にすると良いでしょう。貯金ばかり気にすると生活レベルの低下にもつながるため、夫婦や家族で毎月の貯金額などをしっかり話し合いましょう。

年収が1000万円以上あれば生活は楽ですか?

年収1000万円を超えると公的な補助が受けられなくなるケースも多いため、必ずしも世帯年収が上がれば生活が楽になるとは言い切れません。むしろ、補助が打ち切られることも考えると年収500万円や600万円と同等くらいのお金しか使えなかったり、800万円・900万円と比べて生活が苦しくなったりすることも考えられます。

補助や減税の打ち切りをされてもなお「生活が楽だ」と感じるようになるには、更なる高年収を狙うことが必要です。年収1000万円よりもさらに高い「年収1200万円」「年収1300万円」「年収1500万円」「年収2000万円」などを実現できれば、年収1000万円と比べて自由に使える金額が大きくなるでしょう。

東京の世帯年収による生活レベルは高いですか?

東京は給与や最低時給が地方より高く、世帯年収は地方よりも高くなりやすいです。ただし、地価や家賃が高いことから収入に占める支出の割合が高くなり、世帯年収が高くても生活レベルが高いとは断言できません。

リモートワークや在宅ワークが可能な仕事の人は、郊外への引っ越しなども視野に入れることが必要になるかもしれません。

年収が何万円あれば裕福な「富裕層」と呼ばれますか?

野村総合研究所の定義によれば、「純金融資産が1億円以上5億円未満」の世帯のことを富裕層と呼びます。ちなみに5億円以上の世帯が「超富裕層」です。

年収が1000万円でも、あるいは1200・1500・2000万円くらいだとしても、貯金・貯蓄が全くないなら富裕層の定義には当てはまりません、

逆に年収が500万円・600万円でも貯金が1億円以上あれば富裕層と呼ばれます。

理想の平均年収は何万円ですか?

理想の年収は「独身か・既婚か」「生活レベルの高さ」「子どもの人数」などにもよるため、明確な定義はありません。

ただ、本記事で解説してきたように年収1000万円は公的な補助が外されるギリギリの年齢であり、年収600万円・700万円・800万円・900万円の人と比較して圧倒的に生活レベルが上がっているわけではありません。

公的な補助がなくても生活が豊かだと感じるのは、年収1200・1500・2000万円を超えてくるあたりではないでしょうか?

その意味では、理想の年収の入り口になるのが年収1200万円と考えることもできるでしょう。

年収が何万円あれば子ども1人を育てられますか?

総務省統計局の「家計調査報告(2023年)」によると、3人世帯の消費支出は月に31万2567円となっています。1年間の消費支出に換算すると、31万2567円×12で375万804円はかかる計算です。

よって、子どもを1人育てるには最低でも400万円は必要ということが予想できます。ただ、400万円では消費支出しかカバーできないので、非消費支出やイレギュラーな出費を考えると500万円はほしいところです。

1人で500万円の年収を得る必要はなく、例えば「夫が年収400万円・妻が年収100万円」でも育てることは可能でしょう。ただし、生活レベルは家庭によって異なるので、豊かな暮らしをするなら年収600万円以上を目指したいものです。

母子家庭の世帯年収は何万円ですか?

厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」によれば、シングルマザー世帯の平均年収は373万円です。これは児童手当や養育費なども含んだ金額ですが、児童のいる世帯全体の平均年収である約812万円と比較すると半分以下しかないのが現実です。

生活レベルを維持するにはさらに高年収の仕事への転職や、新しい配偶者との結婚も視野に入れて生活する必要があるかもしれません。

パワーカップルとは何ですか?

夫・妻の両方とも年収が高い共働き夫婦で、経済的に余裕のある世帯のことです。ニッセイ基礎研究所が2017年に発表した『ニッセイ基礎研REPORT』によると「夫婦ともに年収700万円以上」の世帯をパワーカップルとして定義されています。

最近では女性の社会進出で正社員として働くケースも多く、世帯年収1000万~1200万円くらいを目指すことも十分に可能です。

まとめ:年収が高くても生活レベルを上げるには将来を見越した対策が必要

世帯年収を上げれば、基本的には生活レベルはどんどん上がっていきます。

ただし、一定以上の年収になると所得税率が上がるほか、高校無償化や児童手当といった給付を受けることもできなくなります。年収が高まったとしても劇的に生活レベルが上がるとは限らず、どんな年収でも将来を見越した対策は必須です。

老後まで現役時代の生活レベルを維持したいのであれば、「年収を上げて預貯金額を増やす」「資産運用で効率的な資産形成を狙う」といった対策を検討しましょう。

年収1000万円でも生活に余裕がない可能性があると感じる方は、1200万円まで年収アップを目指してみるのも良いでしょう。

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