「終身保険に入るべきタイミングはいつ?」
「加入するなら早いほうがいいの?」
「終身保険に若いうちに入るメリット・デメリットは何?」
このような悩みを抱えていませんか?
終身保険は被保険者が死亡または高度障害状態になったときに保険金が支払われ、貯蓄性も兼ね備えています。入っておくべきかもと何となく思っていても、本当に自分に必要な保険なのか加入をためらう方も多いでしょう。
あとで保険見直しすれば良いからと安易に加入すれば、終身保険の特徴である貯蓄性を活用するどころか損してしまうかもしれません。終身保険の加入目的を明確にすることで、あなたが納得いく保険選びができるはずです。
そこで今回は「終身保険に若いうちに入るメリット・デメリット」「終身保険に入るべきタイミング」について解説します。終身保険に入るのがおすすめな人も紹介するので、この記事を読めば終身保険に入るべきかどうか決断できるでしょう。
終身保険とは
生命保険はおもに定期保険・終身保険・養老保険の3つの種類に分かれます。終身保険は被保険者が死亡または高度障害状態になったときに保険金が支払われます。定期保険や養老保険との違いは、保険期間・満期保険金の有無・解約返戻金の有無です。
終身保険の保険期間は一生涯で、満期保険金はありませんが、解約返戻金が受け取れます。そのため、同じ死亡保険である掛け捨ての定期保険より、貯蓄性も兼ね備えている特徴があるため保険料は割高です。
また、終身保険は以下のように、種類によって仕組みが異なります。
特徴のある終身保険の例:
>保険料払込期間中など一定期間の解約返戻金を通常より抑えることで保険料を割安にしたもの(低解約返戻金型の終身保険)
>保険料の払込みが「一時払」専用で、契約後、所定の期間(5年など)は保険金が低く設定されるが、徐々に増額され、所定の期間経過後は定額になるもの(逓増型の終身保険)
>保険料の払込みが「月払」や「年払」で、保険料払込期間中の保険金を払込保険料の累計額相当に抑えて高齢期の保障額を手厚くしたもの(積立終身保険)
>市場金利の変動に合わせて、積立利率が所定の期間ごと(毎月など)に見直され、最低保証されている利率より高い利率が適用された場合は保険金などの増加が期待できるもの(積立利率変動型終身保険)
>保険期間中、所定の時期に生存していると祝金(生存給付金)が受け取れるもの(生存給付金付終身保険)
上記の特徴のある終身保険の例では、何に重点を置いているかによって終身保険の商品名が異なります。重点ポイントは、保障性と貯蓄性のバランスです。保障性と貯蓄性どちらを重視するか明確にして、あなたに合った終身保険を選ぶ必要があります。
終身保険に若いうちに入る3つのメリット
終身保険は一般的に若いうちに入ったほうが良いといわれています。しかし、あなたが終身保険を本当に必要だと感じなければ、進んで加入したいとは思えないはずです。そこで、終身保険に若いうちに入るメリットを3つご紹介します。
終身保険に若いうちに入るメリット:
- 若いうちに加入すると保険料が抑えられる
- 生命保険料控除を長期間活用できる
- 健康リスクが低いため診査に通りやすい
若いうちとは、具体的に20代~30代を示しています。終身保険に若いうちに入るメリットについて、それぞれ詳しくみていきましょう。
①若いうちに加入すると保険料が抑えられる
メリットの1つ目は、若いうちに加入すると保険料が抑えられることです。保険の基本的な考えとして、保険金支払いリスクが低い人ほど、保険料は低く設定されます。若いうちに病気になるリスクは低く保てますが、年齢を重ねるほど死亡や病気の発生リスクの上昇は避けられません。
終身保険には、保険料払込期間に種類があり、一定年齢・一定期間で払い込み満了または一生涯払い続けるタイプがあります。いずれにせよ、保険料を早く支払い終えれば、支払い保険料は割安になる点を覚えておきましょう。
②生命保険料控除を長期間活用できる
メリットの2つ目は、生命保険料控除を長期間活用できることです。生命保険料控除とは、15種類ある所得控除のうちの一つです。
生命保険料控除を適用すれば、所得控除により所得税や住民税の額を軽減できます。支払った生命保険料に応じて、所得税4万円・住民税2万8,000円を限度に控除可能です。若いうちに終身保険へ加入して、年末調整または確定申告時に税負担の軽減策を講じましょう。
③健康リスクが低いため診査に通りやすい
メリットの3つ目は、健康リスクが低いため審査に通りやすいことです。生命保険は多くの人が加入しているとはいえ、誰でも入れるわけではありません。保険会社は加入時に審査を行ない、引受可否を判断します。若いうちは健康リスクが低くなりますが、年齢を重ねれば病気やケガを負う可能性は高まります。
たとえ通過したとしても、審査結果によっては保険料が上がってしまうかもしれません。そのため、若いうちに加入すれば、審査も通りやすく保険料も高くならずに済みます。
終身保険に若いうちに入る3つのデメリット
終身保険を若いうちに入ることでのデメリットもあります。終身保険に若いうちに入るデメリットは、以下の3つです。
終身保険に若いうちに入るデメリット:
- 早期解約すると元本割れするリスクがある
- 掛け捨て保険と比較すると保険料は割高になる
- 保険の見直しが難しくなる
終身保険を利用しなくても、貯蓄から賄える経済的余裕があれば終身保険は必要ないでしょう。また、長期間にわたって保険料を支払えない人も終身保険の加入に適していません。これらを踏まえて、終身保険に若いうちに入るデメリットについて、それぞれ詳しくみていきましょう。
①早期解約すると元本割れするリスクがある
デメリットの1つ目は、早期解約すると元本割れするリスクがあることです。終身保険は満期保険金がありませんが、解約返戻金が受け取れます。その解約返戻金は加入期間に応じて増加していきます。
終身保険に加入して長期間経過しなければ、ある程度の解約返戻金は確保できません。早期解約によって受け取る解約返戻金は、払込保険料を下回る可能性があることを把握しておきましょう。
②掛け捨て保険と比較すると保険料は割高になる
デメリットの2つ目は、掛け捨て保険と比較すると保険料は割高になることです。掛け捨ての生命保険とは、定期保険のことをいいます。定期保険は、保険期間が一定期間で満期保険金はなく、解約返戻金も受け取れません。
対して終身保険は、保険期間は一生涯で、満期保険金はありませんが解約返戻金が受け取れます。そのため、掛け捨ての定期保険よりも解約返戻金に充当する分のお金が割り増しされて、保険料は高めに設定されています。
③保険の見直しが難しくなる
デメリットの3つ目は、保険の見直しが難しくなることです。終身保険を含めた生命保険に加入したからといって、見直す機会を設けないのはおすすめできません。家計の負担を軽減するためにも、ライフステージに応じて最適な保険に加入できているか確認する必要があります。
しかし、終身保険は死亡保障だけでなく、貯蓄性も兼ね備えています。保障内容を見直す場合、保険金額の変更または解約の手続きを踏むことになるはずです。保険を見直すことで早期解約すれば、元本割れとなってしまうかもしれません。また、その際に別の保険に再加入すると、年齢が上がっているため保険料が上昇してしまう点も覚悟しておきましょう。
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終身保険はいつ入るべき?必要性を感じる3つのタイミング
終身保険に若いうちに入ることでのメリット・デメリットをご紹介しました。それでも具体的に一体いつが終身保険に加入すべきタイミングなのか、わからない人も多いはずです。終身保険に入るべきタイミングは、以下の3つです。
終身保険に入るべきタイミング:
- 就職するタイミング
- 結婚するタイミング
- 出産するタイミング
就職・結婚・出産、各ライフステージによって、備えるリスクは異なります。それぞれ詳しくみていきましょう。
①就職するタイミング
就職するタイミングは、社会人として自立するタイミングです。学生時代であれば、たとえ病気やケガをしたとしても親が金銭的に負担してくれたかもしれません。しかし、社会人となれば、いつまでも親を頼ってばかりはいられないという思いになるでしょう。
とはいえ、就職して間もない段階では、医療費の負担は重いものとなります。終身保険は、死亡または高度障害のときに保険金が支払われるだけではありません。各種特約を付加すれば病気やケガによる入院・手術などにも備えられるため、賢く活用しましょう。
②結婚するタイミング
保険を検討するきっかけとなるのが、自分だけの人生ではなくなるタイミングです。結婚して万が一の事態があなたの身に起これば、配偶者の生活が困窮してしまうかもしれません。終身保険に加入することで、万が一の事態への備えができます。
また、将来的に子どもを望んでいる場合、女性の方はこの段階で医療保険に加入しておきましょう。妊娠がわかった後では、限られた保険しか加入できません。さらに、異常分娩に関する保障も受けられない可能性もあるため気をつけましょう。
③出産するタイミング
出産するタイミングで考えるべきは、教育資金です。子どもの教育資金の積み立てには、学資保険を思い浮かべる方も多いはずです。しかし、2016年に日本銀行がマイナス金利政策を導入したことにより、学資保険の販売停止が続出しています。そこで、学資保険の代わりにもなる終身保険を検討してみましょう。
終身保険は貯蓄性があるため、解約時には解約返戻金を受け取れ、解約返戻金は教育資金としても活用できます。終身保険で教育資金を準備すれば、目標金額以上の死亡保険金を受け取れる可能性があります。
学資保険は契約時に決められた固定金利で運用しますが、終身保険には変動金利で運用する商品もあるため確認してみてください。教育資金として使用する必要がなかった場合には、終身保険を加入継続して老後資金や介護費用など、柔軟に資金を活用しましょう。
終身保険に入るのがおすすめな人とは
終身保険の特徴を踏まえ、終身保険に入るのがおすすめな人とはどのような人でしょうか。終身保険がおすすめな人は、以下のような人です。
終身保険がおすすめな人:
- 計画的に貯蓄ができない人
- 相続税対策をしたい人
- 自分の葬儀費用を準備したい人
- 子どもの教育資金を準備したい人
- 老後資金や介護費用を準備したい人
保険に加入すれば、毎月自動的に保険料が引き落とされるため、計画的に解約返戻金として貯蓄を形成できます。生命保険の死亡保険金には非課税枠が設けられているため、相続対策としても有効です。
万が一の事態に備えて自分の葬儀費用にもなり、終身保険の解約返戻金を教育資金としても利用できます。若いうちから終身保険で積み立てておき、保障が必要なくなった際には解約して老後資金や介護費用にも活用できる柔軟性も魅力です。
まとめ:最適なタイミングで終身保険に入って備えよう
終身保険は、死亡または高度障害のときに保険金が支払われる保険です。特約を付加すれば、病気やケガといった保障にも対応できます。満期保険金はありませんが、解約返戻金が受け取れるため教育資金や老後資金・相続税対策にも効果的です。
あなたが今、就職・結婚・出産といった人生のターニングポイントを迎えているのであれば、終身保険の入りどきといえます。あなたにとって最適なタイミングで終身保険に入って、将来に向けた備えを始めましょう。