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保険

「妻が生命保険に加入している家庭はどれくらいある?」
「家計収入の不安を減らすための生命保険なら、収入のない妻・専業主婦に生命保険は必要ない?」
このような悩みを抱えていませんか?

家計を支えている夫が生命保険へ加入するのは一般的ですが、妻・専業主婦の生命保険についてはあまり把握されていない現状があります。しかし、単に収入がないからといって、妻・専業主婦は生命保険に加入しなくてもいいのでしょうか。妻が体調を崩して家を空けた場合に発生する費用を把握しなければ、万が一の場合に貯蓄だけでは賄えない恐れがあります。

そこで、今回は「妻・専業主婦の生命保険への加入実態や家事の価値」「妻・専業主婦に生命保険が必要なケースと選び方」をご紹介。この記事を読めば、妻・専業主婦に対する保険の必要性・必要な保険の種類がわかるでしょう。

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妻・専業主婦の生命保険への加入実態や家事の価値は?

妻・専業主婦の生命保険への加入実態はどうなっているのでしょうか。また、妻・専業主婦が行なう家事の価値はいくらに相当するのでしょう。そこで、以下の3つのデータについて確認していきます。

確認するデータ:

  • 妻の生命保険の加入率
  • 妻の普通死亡保険金額
  • 妻の家事活動の貨幣評価額

確認するデータは、妻の生命保険の加入率・普通死亡保険金額・家事活動の貨幣評価額です。3つのデータを参照して、妻・専業主婦に生命保険が必要なのか、これから確認していきましょう。

妻の生命保険への加入率は約80%

まずは、妻の生命保険への加入率についてみていきましょう。2021(令和3)年度に生命保険文化センターが「生命保険に関する全国実態調査」を実施しました。調査によると、妻の生命保険への加入率は約80%でした。配偶者の年収別の全生保加入率は、以下のとおりです。

配偶者の年収 配偶者の全生保加入率
所得はない 79.5%
50万円未満 75.7%
50~100万円未満 78.0%
100~200万円未満 84.3%
200~300万円未満 81.8%
300万円以上 84.8%
不明 75.6%
合計 80.3%

参照元:生命保険文化センター「2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」」

全生保とは、以下の4機関の総称です。

  • かんぽ生命を含む民間生命保険会社
  • 2007年(平成19年)10月の郵政民営化以前に加入した簡易保険商品
  • JA
  • 県民共済・生協等

配偶者の年収100万円以上で、全生保加入率は80%を超えています。配偶者の年収が高いほど加入率も高い傾向がありますが、所得なしでも79.5%もの人が加入していることがわかりました。ほとんどの人が、所得に関わらず妻の生命保険の必要性を感じていると言えるでしょう。

妻の普通死亡保険金額の平均は692万円

同調査では、配偶者の年収別の全生保における普通死亡保険金額も調べていました。調査結果は以下のとおりです。

配偶者の年収 配偶者の普通死亡保険金額(全生保)
所得はない 637万円
50万円未満 533万円
50~100万円未満 563万円
100~200万円未満 613万円
200~300万円未満 808万円
300万円以上 1,148万円
合計 692万円

参照元:生命保険文化センター「2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」

妻の普通死亡保険金額の平均は692万円となっています。普通死亡保険金額とは、被保険者が病気などで死亡した場合に支払われる保険金のことです。配偶者の年収別にみると、配偶者の年収300万円以上で普通死亡保険金額が1,148万円と最も高い結果に。配偶者の年収が上がれば上がるほど、配偶者の普通死亡保険金額も高くなる傾向にあります。

妻の家事活動の貨幣評価額は年間で約193万円

妻の家事活動が無償労働に位置付けられているために、これまで毎日こなす家事の価値を正確に把握できませんでした。無償労働とは第三者に頼めることを基準としています。例えば、炊事・洗濯・縫物・編物・家庭雑事・介護・看護・育児・買い物・ボランティア活動です。

平成30年に内閣府が実施した「家事活動等の評価について」において、無償労働の貨幣評価額が算出されました。妻の家事活動の貨幣評価額は、年間193万5,000円、月給に換算すれば、16万1,250円。妻が家事に費やす時間は年間1,313時間であることから、時給に換算すると約1,470円になります。(参照元:内閣府「家事活動等の評価及び関連翻訳の公表について(2019年6月17日 訂正)」

今まで年収という数字として現れていませんでしたが、家事や育児も立派な労働です。もちろん、経済的な影響以上に、妻の存在が家族へ及ぼす精神的な影響は計り知れません。

妻・専業主婦が生命保険が必要な3つのケース

妻・専業主婦に生命保険は必要なのでしょうか。妻に生命保険が必要なケースは、以下の3つです。

妻に生命保険が必要なケース:

  1. 入院費用を支払う必要がある
  2. 妻の不在を補填しなければならない
  3. 万が一の際は葬儀などの費用がかかる

妻・専業主婦に生命保険が必要かどうかは、家計への影響度合いで考えましょう。妻・専業主婦に万が一のことがあったら、夫は仕事を続けながら今の生活を維持できるのか具体的にイメージしなければなりません。病気やケガなどで入院して妻が不在になる、または万が一の際には葬儀費用もかかります。それぞれ詳しくみていきましょう。

必要なケース①:入院費用を支払う必要がある

1つ目は、入院費用を支払う必要があることです。病気やケガで入院となれば、入院費用の支払いは避けられません。それでは、入院費用はどれくらいかかるのでしょうか。

入院経験がある人の、直近の入院における入院日数は、平均で 17.7 日となっている。

引用元:生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」

自己負担費用の総額を入院日数で除した1日あたりの自己負担費用*は、平均で 20,700 円となっている。

引用元:生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」

生命保険文化センターの調査によると、過去5年間に入院経験がある人の、直近の入院における入院日数は平均で17.7日でした。直近の入院時1日あたりの自己負担費用は平均20,700円。単純計算すると、1回当たりの入院で36万6,390円も自己負担していることになります。

なお、自己負担費用には治療費だけでなく、食事代・差額ベッド代・交通費・衣類・日用品などを含んでいます。公的医療保険である高額療養費制度の条件を満たした場合には、適用後の金額が自己負担費用です。入院費用が36万6,390円かかることを念頭に、保険を利用すべきか貯蓄で賄えるのかを検討してみましょう。

必要なケース②:妻の不在を補填しなければならない

2つ目は、妻の不在を補填しなければならないことです。特にベビーシッターや家事代行サービスを頼まなければならない場合、その金額を試算しておかなければなりません。内閣府が2020年にベビーシッター業界の現状を調査したところ、価格面において高い費用負担を強いられることがわかりました。

・登録料、月会費・年会費が1~10万円かかる。
・利用料の相場は、1時間当たり2,000円~3,000円。
 子どもが病気の場合は、1時間あたり3,000~5,000円になることも。

引用元:内閣府「ベビーシッター業界の現状と規制改革の要望(2019年)」

また、掃除・洗濯・買い物・花の水やりまで家事全般を家事代行サービスに依頼するとします。家事代行サービスのダスキンの料金を確認すると、家事全般を依頼する場合は2時間7,700円~が必要です(参照元:ダスキン「家事おてつだいサービス」)。家事・育児の何をするにしても、外部委託すればお金が必要となる点を覚えておきましょう。

必要なケース③:万が一の際は葬儀などの費用がかかる

3つ目は、万が一の際は葬儀などの費用がかかることです。葬儀費用の相場は、一般葬・家族葬・1日葬・直葬・火葬式など葬儀形式によって異なります。経済産業省の資料によれば、葬儀費用の相場は約115万円です。(参照元:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査の結果|15.葬儀業(2023年4月分)」

葬儀費用は故人の預貯金から支払えますが、手続きを踏む必要があり相続後すぐには出金できません。また、手続き後に相続預貯金の仮払い制度を利用しても、1つの金融機関に対する払い戻しの上限は150万円となります。葬儀などの費用には、まとまった金額がすぐに必要になることを認識しておく必要があります。

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妻・専業主婦におすすめな生命保険と選び方

妻・専業主婦に生命保険が必要なケースを理解したところで、ここからはおすすめな生命保険と選び方をご紹介します。とはいえ、妻・専業主婦にとって死亡保険の加入必要性は低いといえるでしょう。妻・専業主婦の収入が家計を支えているわけではない場合、死亡保障がなくても経済的な影響は小さいからです。

そのため、妻・専業主婦にとって死亡保険よりも必要性が高い保険は、以下の3つです

妻・専業主婦に必要性が高い保険:

  1. 医療保険
  2. がん保険
  3. 女性疾病特約付きの保険

病気やケガに備える医療保障は、妻・専業主婦にも必要です。医療保障は収入の有無は関係なく、医療費の自己負担分を貯蓄などで賄えるかどうかが問題です。それぞれ詳しくみていきましょう。

妻・専業主婦に必要性が高い保険①:医療保険

妻・専業主婦に必要性が高い保険の1つ目は、医療保険です。先ほども述べましたが、入院時の1日あたりの自己負担費用は平均20,700円、入院日数は平均で17.7日です。よって、20,700円×17.7日=36万6,390円が1回の入院にかかる費用となります。

あくまで平均的な金額なので、入院が長引けば費用はさらにかさむ恐れがあります。入院費用を貯蓄で賄えないのであれば、医療保険へ加入して備えるようにしましょう。

妻・専業主婦に必要性が高い保険②:がん保険

妻・専業主婦に必要性が高い保険の2つ目は、がん保険です。公益財団法人がん研究振興財団が発行する「がんの統計2023」によると、男女ともおよそ2人に1人が一生のうちにがんと診断されています。がんの原因は環境要因と遺伝要因がありますが、以下のような人はがん保険を検討してみましょう。

  • 身内に何回もがんを罹患した人がいる
  • 身内に特定のがんが多く発生している

先進医療であるがん重粒子線治療では、一部のがんを除いて健康保険適用外です。重粒子線治療の費用は約300万円で、全額自己負担になります。そのため、がんに対する補償を充実させるには、がん保険が必要不可欠です

妻・専業主婦に必要性が高い保険③:女性疾病特約付きの保険

妻・専業主婦に必要性が高い保険の3つ目は、女性疾病特約付きの保険です。女性疾病特約は、女性特有の疾病で入院または手術をした場合、通常の入院・手術給付金に保障が上乗せされる特約です。女性疾病特約の保障範囲は保険会社によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。

  • 乳がん
  • 卵巣がん
  • 子宮頸がん
  • 子宮外妊娠
  • 帝王切開
  • 流産
  • 女性更年期症状

出産予定がある人や女性疾病に手厚く備えたい人は、選択肢に入れてみましょう。

まとめ:夫婦で相談して妻の万が一の際にも備えよう

妻の生命保険への加入率は約80%です。生命保険の種類としては、死亡保険よりも医療保険・がん保険・女性疾病特約付きの保険がおすすめです。出産の予定がある人は、女性疾病特約付きの保険への早めの加入を検討しましょう。

妻が体調を崩して家を空けた場合、入院費用や家事育児代行サービス費用は思わぬ出費となります。妻の万が一の際に備えるため、この機会にぜひ夫婦で保険の必要性について相談してみましょう。

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