「人生設計図の書き方のコツ・ポイントを知りたい」
「人生設計をすることでどんなメリット・デメリットがあるの?」
このように悩む方は多くいるのではないでしょうか。
人生設計図は自分の好きに書くこともできますが、型を知らないままでは理想の人生計画がうまく作れない可能性もあります。将来の目標を達成して豊かな人生を送るためには、人生設計図の基本になるコツ・ポイントを知っておくことが大切です。
本記事では人生設計図の概要・方法や役立つ書き方、書くときのコツ・ポイントを紹介します。また、人生設計を行うべき理由やメリット・デメリットも解説するので、これから人生設計図の作成をしてみようと思っていて、相談できる人がいない方はぜひ読み進めてみてください。
人生設計図とは?
人生設計図は文字通り、人生のなかにあるイベント・ライフステージを想定して、人生の目標を達成するための計画を立ててノートなどに書き出すことです。「ライフプラン」と言い換えることもあります。
人生のなかで実現したい目標について考えたことがある方もいるでしょう。
「将来は子どもが3人はほしい」「毎年海外旅行に行きたい」「早期退職して55歳から趣味に生きたい」「老後は週に2~3回は趣味の時間に使いたい」など、人生の目標や達成したい内容は人によって異なります。
ただ、共通しているのは、人生の目標を達成するには「お金」の問題が付いて回るということです。
人生設計を考えることで人生の目標を達成することはもちろん、目標実現のために余分な支出が減少したり貯蓄率がアップしたりといった効果も期待できます。
【人生の幸福度が上がる】人生設計図・人生設計ノートの書き方・作り方|基本となる考え方を紹介
人生設計図の仕方にはルールはなく、どのような計画を立てるかは自由に決めることができます。ただ、いきなり人生設計図を書き始めようとしても、うまく進められない方が多いのではないでしょうか。
人生の計画を立てるなら、具体的な人生設計図のやり方を知っておくことが大切です。
ここでは人生設計図の基本的な方法と、はじめて人生設計をする方にとって役に立つ書き方・作り方の基本について例を交えながら紹介します。
- 下準備.人生設計図を書くのに必要なものを用意する
- ステップ1.将来的にやりたいことを書き出してみる
- ステップ2.やりたいことにかかるお金の情報を収集する
- ステップ3.予定を達成する期限を決める
- ステップ4.これまでの情報をもとに「ライフプラン表」と「キャッシュフロー表」を作成する
- ステップ5.定期的に見直す
下準備.人生設計図を書くのに必要なものを用意する
人生の設計図(ライフプラン表)を作成するために、必要なものを用意しましょう。とはいっても必要なものはさほど多くありません。
細かく準備を進めようと思うと時間がかかりすぎて途中で投げ出してしまうこともあるので、「かんたん・シンプル」に準備を進めるのがコツです。
極論、以下の2つがあれば人生設計図を書く準備が完了します。
- 人生設計図を記録するノートまたはエクセル
- 自分が思い描いている将来の夢や目標
ステップ1.将来的にやりたいことを書き出してみる
まず、人生設計図のなかに組み込みたい「将来やってみたいこと」をノートに書き出してみることから始めましょう。ノートを使うことで頭の中が可視化され、未来をイメージしやすくなります。
実現が可能か、いつまでに実現したいのかなどの詳細は一旦置いておき、自分が人生のなかで計画を達成したいことを思うままに記載することが大切です。
ノートでもエクセルでも良いので、以下のように簡単な箇条書きでやりたいことをどんどん記入していきましょう。それらの細かな図を作成するのは後からで構いません。
- 結婚したい新婚旅行がしたい車がほしい
- マイホームがほしい
- 子供は2人ほしい
- 旅行に出かけたい
- 転職したい
- 国家資格の〇〇を取得したい
自分がやりたいことを全て書き出したあとは、ノートに書き出した将来の目標をカテゴリごとにわけておくと、目標を人生設計図に落とし込む際に混乱しないのでおすすめです。
- 【家庭のこと】
結婚したい車がほしいマイホームがほしい子どもが2人ほしい - 【仕事のこと】
転職したい国家資格の〇〇を取得したい - 【趣味のこと】
旅行に出かけたい
ステップ2.やりたいことにかかるお金の情報を収集する
将来的にやりたいことのカテゴリ分けとリストアップが完了したあとは、それぞれのやりたいことを実現するために必要な金額について、大まかでも良いのでノートの同じページに記載しておきましょう。
目標をクリアするのに必要な金額の目安を知ることで、人生設計図全体でかかるお金を把握でき、現実的に実現できるのかを判断するきっかけになります。
前章で作成したメモ書きに追加で金額目安を書くとすると、以下のようになります。
- 【家庭のこと】
結婚したい 300万円
新婚旅行がしたい 50万円
車がほしい 200万円
マイホームがほしい 5,000万円
子どもが2人ほしい 出産費用:50万円、教育費用:1,000万円/人 - 【仕事のこと】
転職したい 30万円
国家資格の〇〇を取得したい 5万円 - 【趣味のこと】
旅行に出かけたい 国内:10万円 海外:30万円
ステップ3.予定を達成する期限を決める
やりたいことの種類とそれにかかる金額がある程度明確になったあとは、どの目標や予定をいつまでに達成するかをノートに書きましょう。
このときは「何となく」で達成年齢を書くのではなく、優先順位を考えましょう。
優先順位が分からない場合「生活が一変するくらい大きなライフイベント」を優先してチェックすることがおすすめです。
ステップ4.これまでの情報をもとに「ライフプラン表」と「キャッシュフロー表」を作成する
次は、これまでノートに書き出した情報をまとめる形で、「ライフプラン表」「キャッシュフロー表」を作成しましょう。
まず、ライフイプラン表の縦軸に自分と家族の名前を記載し、横軸には西暦と1年ごとの自分と家族の年齢を書き出します。
その下に前章までに決めた「実現したいライフイベント」と、「ライフイベントにかかる資金」を書くと、ライフプラン表が完成します。
ライフプラン表を一覧にすると、以下のようになります。はじめてライフプラン表を作る方は例として参考にしてみましょう。
西暦 | 2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 2028 |
自分の年齢 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 |
妻の年齢 | 29 | 30 | 31 | 32 | |
子どもの年齢 | 0 | 1 | 2 | ||
ライフイベント | 結婚・新婚旅行 | 出産 | 家族旅行 | ||
かかるお金 | 結婚300万円 新婚旅行50万円 | 出産費用50万円 | 家族旅行:10万円 |
上記のライフプラン表に「毎年の収支」「貯蓄残高の推移」を加えてシミュレーションしたものが、下の図の「キャッシュフロー表」です。
キャッシュフロー表を一覧にまとめると以下のようになります。
西暦 | 2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 2028 |
自分の年齢 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 |
妻の年齢 | 29 | 30 | 31 | 32 | |
子どもの年齢 | 0 | 1 | 2 | ||
ライフイベント | 結婚・新婚旅行 | 出産 | 家族旅行保育園入園 | ||
かかるお金 | 結婚300万円 新婚旅行50万円 | 出産費用50万円 | 家族旅行:10万円 保育園:10万円 | ||
自分の収入 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 |
配偶者の収入 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | |
収入合計 | 500万円 | 600万円 | 600万円 | 600万円 | 600万円 |
生活費 | 250万円 | 350万円 | 350万円 | 350万円 | 350万円 |
住宅費用 | 60万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
教育資金 | 5万円 | ||||
保険料 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | |
イベント資金 | 350万円 | 50万円 | 20万円 | ||
支出合計 | 310万円 | 830万円 | 530万円 | 480万円 | 505万円 |
年間収支 | 190万円 | ▲230万円 | 70万円 | 120万円 | 95万円 |
貯蓄残高※当初預金300万円 | 490万円 | 260万円 | 330万円 | 450万円 | 545万円 |
キャッシュフロー表まで完成したら設計図通りに貯蓄ができるように逆算しながら、日々の生活で貯金を実践することになります。
例えば2025年は出費が多いことで大幅な赤字を見込んでいるため、節約を心がけて想定以上にお金を残せるように別途対策を考えていきましょう。
ステップ5.定期的に見直す
人生の設計図を作ったあとは、意識づけのためにも定期的に見直すクセをつけると良いでしょう。
One Driveなどの「クラウドストレージサービス」を使うことで、いつでもどこでもエクセルを確認できます。気になったタイミングですぐにチェックしたい方は、人生の設計図はノートではなくエクセルで作りましょう。
欠かさず年に1回以上見直すためには、「自分の誕生日」「クリスマス」など、年1回のイベントに合わせて見直すというルール付けをするのがおすすめです。
人生設計図を立てる・記録するための方法は3つある
人生設計をする際は頭のなかに想い描くだけではなく、紙や画面などにアウトプットして「見える化」することが大切です。
人生設計図を見える化することで目標に対してお金の準備ができているかがわかりやすくなり、遅れが生じている場合は遅れを挽回するための方法を考えやすくなります。
ここでは人生設計図を立てる・記録するために利用できる手段として以下の3つをご紹介します。
- 手書きでノートに書く
- エクセルでパソコンに入力する
- インターネット上のツールやアプリを利用する
手書きでノートに書く
人生設計図をアウトプットする1つめの方法は、「手書きでノートにまとめる」ということです。
この方法は自由度が高く、自分の好みの人生設計図表を作りやすいです。ノートであればデザインや色分けなどを自分の自由に設計できるので、「オリジナルの人生設計図ノートを作りたい」という方にはおすすめできます。
また、パソコンやアプリで人生設計をするときと比べて「自分でノートに書く」という作業が発生するので、1つ1つの内容を意識しやすく、記憶しやすいというメリットもあります。
ただし、ノートに手書きの場合は、ミスや変更があった際に修正がしにくく、お金の計算を自分で行う必要があるため非常に手間がかかります。
色分けまで完璧にした手書きの人生設計図を直すのは非常に面倒であるため、時間をかけずに人生設計図を作りたい方は別の方法のほうが良いでしょう。
エクセルでパソコンに入力する
パソコンの表計算ソフト「エクセル」を利用することでも、人生設計図を作ることができます。
エクセルはうまく計算式を設定することで、入力した数字に応じて合計額などを自動計算することも可能です。
エクセルなら簡単な操作で表組ができ、計算結果を自動で反映するように計算式を組み込んでおくことで、数字の修正対応も簡単に行えます。
いちから表を作って計算式まで組み込むのは大変な作業ですが、ネット上では無料でダウンロードできるテンプレート表があります。
デザインや使い勝手にこだわりがないのであれば、テンプレートを選ぶことでスムーズに人生設計図用の表を作ることができます。
ただ、手書きと違ってパソコンやエクセルの操作に関する知識も求められます。
また、テンプレートを使う場合も、テンプレートによって使用感が全く異なるため、ご自身に本当に合うものを選択する必要があります。
インターネット上のツールやアプリを利用する
3つめの方法が、インターネット上にあるツールやアプリを使用する方法です。
人生設計図用のシミュレーションツールでは、必要な項目をいくつか入力するだけで大まかな人生設計図を立ててくれます。自分でおこなうべき作業が少なく、エクセルのように表計算ソフトの使い方を知っている必要もありません。
ただ、シミュレーションツールやアプリは人による細かな事情をシミュレーションに反映することができません。
自分の状況に合う人生設計をしたい場合には、柔軟性の高いノートへの手書きやエクセルのほうが向いている可能性があります。自分の好きなデザインを作りたいならノート、カスタマイズ性の高さならエクセルがおすすめです。
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人生設計図を書くときのコツ・ポイント
ここまで、将来設計図について基本的な書き方を解説しました。ただ、実際に進めるにあたって上手く書けなくて困ってしまうこともあるかもしれません。
ここでは、人生設計図を書くにあたって大切になるコツ・ポイントとして、以下の3つを紹介します。
- 最初から詳細に決めようとしないでざっくり考える
- 時期を具体的に定めて将来の目標を逆算する
- 一定のタイミングで見直しをかける
ポイント1.最初から詳細に決めようとしないでざっくり考える
人生設計図を書くとき、最初はあまり深く考えず、夢や目標についてざっくりとノートに記載することをおすすめします。
未来について考えるとき、いきなり理想の目標を設定しようとすると、うまくいかない可能性があります。
例えば「〇歳までに結婚して、結婚式は〇〇の会場でプランは▲▲で予算は〇円、ゲストは〇人を呼んで……」と1つの目標を詳細に決めると、人生の数あるイベントの目標を考えるのに相当な時間がかかります。
はじめにつまずいてしまうと、人生設計図に対して苦手意識を持ってしまうかもしれません。
まずは、思い浮かぶまま達成したいイベントを箇条書きするくらいで大丈夫です。
どんどんイベントを書き出してライフプラン表やキャッシュフロー表を作成し、必要なら後から整理・修正すれば良いでしょう。
ポイント2.時期を具体的に定めて将来の目標を逆算する
ライフイベント表やキャッシュフロー表を作成して人生の目標が大まかに決まったあとは、そこから逆算して資金計画を立てましょう。
現状の収入や貯金から考えてしまうと目標が先延ばしになり、いくつかの目標が未達成になる可能性があります。
キャッシュフロー表で作成した目標の貯蓄額が達成できない場合は、目標を後ろ倒しにするのではなく、「副業をして収入を増やす」「支出を切り詰めて手取りを増やす」などの対策をして、計画通りの貯金ができるようにしていきましょう。
逆算してお金を用意するためにも、ライフイベントを実現する時期は明確に定めておく必要があります。
ポイント3.一定のタイミングで見直しをかける
人生設計図は、一度決めたら終わりではありません。自分と本気で向き合う時間を作り、自分の暮らしの変化に合わせて定期的に見直し・修正をかけていきましょう。
「40歳までにマイホームを購入したい」と当時は思っていたけど、現在はどう思っているのか、など、自分の心情に変化がないかも確認することをおすすめします。
気持ちが冷めてしまったイベントはそのままにせず、今の気持ちに見合った目標に切り替えていきましょう。
例えば貯金だけでは10年先の目標を達成できないなら、資産の一部を投資に回してより効率的に運用することも考えたほうが良いかもしれません。
見直しタイミングに決まりはありませんが、可能なら年に1回くらいのペースで定期的に行いましょう。配偶者や子どもがいれば、家族で認識の刷り合わせをしていくことも大切です。
人生設計図を行うべき3つの理由
そもそも人生設計はなぜする必要があるのでしょうか。
それは、現代日本で日常生活を送りながら人生の目標を達成するには、計画的に資金を用意する必要性が高いためです。
ここでは、人生設計をおこなうべき理由について、以下の3つを紹介します。
- 平均寿命がのびてお金がより必要な時代になった
- 少子高齢化による年金制度の崩壊などに備える必要がある
- セカンドキャリアを考える必要がある
平均寿命がのびてお金がより必要な時代になった
人生設計をおこなうべき理由の1つめは「長生きができる時代になった」ことです。
医療がどんどん発達している現代では男女とも平均寿命がのびており、長生きする分だけ生活費が多くかかることになります。
人生設計図で生涯にかかるお金をシミュレーションして準備を進めておかないと、生活費が底を突いて苦しい老後になる可能性があります。
少子高齢化による年金制度の崩壊などに備える必要がある
人生設計をするべき2つめの理由は、少子高齢化です。
日本では医療の発達や女性の社会進出などを背景に少子高齢化が進んでおり、医療費の高騰や年金制度の崩壊、労働者不足など数々の「お金の問題」が懸念されています。
つまり、現在と比較して将来のほうが、老後のお金を確保しにくい状況になる可能性があるということです。
将来に備えて人生設計図を作ることは今後ますます必要になっていくでしょう。
セカンドキャリアを考える必要がある
人生設計をするべき3つめの理由は、セカンドキャリア・パラレルキャリアの重要性が高まっていることです。
少子高齢化で景気が不安定になると、将来的に年金がいまよりも減額される可能性があります。
年金と貯蓄だけでは生活できないとなったあと、定年退職後も働くセカンドキャリアが求められることになります。
また、副業で収入を増やしたり会社の倒産に備えたりする意味で、複数企業で働く「パラレルキャリア」も今後重要になる可能性もあります。
予期せぬ事態に備えた働き方をするためにも、人生設計図で人生の大まかな目標を考えておくことは重要です。
人生設計図を書くことのメリット
人生設計をしないまま何となくお金を貯めるのに比べ、人生設計をすることにはさまざまなメリットがあります。
考えられる具体的なメリットの例は以下のとおりです。
- 目標を立てることで自分の現状が分かる
- 将来的に具体的な行動に移せてモチベーションにつながる
- 自分や家族が将来的に困らない
- 家族で共通の目標ができる
目標を立てることで自分の現状が分かる
人生設計をして将来の目標を立てることで、具体的に行動を起こせるようになるメリットがあります。
人生設計をしないまま何となく生活している場合、将来のために「何を」「いつまでに」やれば良いのか、お金はいくら必要なのかを答えられない人が大半でしょう、
人生設計図で行動計画を作成することで目標を明確に理解でき、実際に行動に移しやすくなります。
将来的に具体的な行動に移せてモチベーションにつながる
具体的な人生の目標を持つことで、モチベーションが上がるメリットもあります。
例えば単に「お金を貯める」だと毎月いくら貯金すれば何が達成できるかが分からず、イマイチ貯金のやる気が出ないことが考えられます。
目標のイベントや、それをクリアするのに必要な金額が分かればゴールが見えるので、貯金ひとつとってもモチベーションが上がるでしょう。
自分や家族が将来的に困らない
人生設計をすることで、将来に家族がお金のことで困りにくくなる点もメリットです。
人生を送るうえで必要なお金やイベントを考えることは難しく、家族みんなで何となく将来に不安を感じながら過ごすこともあるでしょう。
人生設計をすることでイベントをこなすために必要なお金が明確になり、家族全員で対策を練りながら将来のイベントやリスクに備えられるようになります。
家族で共通の目標ができる
人生設計図をノートにまとめることで、家族の共通目標ができるというメリットもあります。
結婚して子どもがいる家庭であれば、人生設計図は家族全員の目標を考えて作ることになります。家族それぞれで「こうなれば良いな」とぼんやり考えるよりも、人生設計図を通じて目標を共有することで、目標達成のために協力して貯金や節約を進めることができます。
人生設計ができた際は自分の心のなかだけにしまっておかず、家族会議で話し合ってみると良いでしょう。
人生設計をしないことでデメリットが生じることもある
「人生設計図のメリットは分かったけど、正直めんどくさい……」
このように考えてしまっている方もいるのではないでしょうか?
人生設計をするとメリットがあると解説しましたが、逆に、人生設計をしないことでデメリットが生じることもあります。
人生設計をしないと人生における目的や目標が明確になっておらず、行き当たりばったりな人生になってしまうと考えられます。
- 大事なライフイベントで預貯金が足りずに目的を果たせなくなる
- 貯金が貯まらず、将来について不安が強くなる
- 時間が無駄に過ぎてしまい、やりたいことをやるチャンスがなくなる
- 転職や退職のタイミングを逃し、定年まで好きでない仕事にしがみつきながら働くことになる など
分かりやすいデメリットが「ライフイベントで貯金が不足する」というものです。
例えば「40歳までに30年ローンで住宅を購入したい」と考えていたとしましょう。
事前に人生設計図を組んで「いつまでに、いくら預金するべきか」を決めておくことで、逆算して毎月貯金するべき金額が明らかになります。あとは「先取り貯蓄」で給料を自動的に預金するしくみを作っておけば、頭金が必要な時期までに決めた額を貯金することができます。
一方、人生設計をしないまま、何となく「40歳までに家がほしいなあ」と考えているだけでは、収入のうちいくらを住宅購入の頭金として貯金するべきかという判断ができません。
何となく貯金をした結果、40歳という目標の期限までに貯金が貯まり切らなくなる可能性があります。
人生の目的・目標をイメージした期限内に達成するためにも、資金計画を含めた人生設計はぜひ行いたいものです。
人生設計をするとき・したあとの注意点
ここでは、人生設計をするとき・したあとの注意点について紹介します。
- 他人と比較せず自分と家族の人生だけを考える
- 人生設計図を書いただけで満足しない
- ポジティブに考えながら作成する
他人と比較せず自分と家族の人生だけを考える
人生設計図を書いていると、ついつい大成功した偉人と自分の人生を比べてしまいがちですが、人生設計図を書くときは他人の成功体験をあまり気にしないようにしましょう。
人生設計図はあくまでも自分自身の目標を達成するためのツールです。
他人と比べて「〇〇さんに負けない人生にしたい」と考えて人生設計図を立ててしまうと、実現性の低い計画になってしまうことがあります。
人生設計図を書いただけで満足しない
人生設計図を立てた方にありがちなのが、書いただけで満足してしまうことです。
人生設計をすることで、目標に向かって毎月すると決めた貯金が順調に貯まっているか、転職などを実現するための情報収集や下準備は順調かなどを知る手掛かりになります。
何度も定期的に見直し、もし計画に遅れが出ている場合はできるだけ早いうちにスケジュールを考え直しましょう。
ポジティブに考えながら作成する
人生設計図を実現するには、「〇〇しなければならない」というネガティブな気持ちではなく、ポジティブな気持ちで計画を立てることが大切です。
ネガティブな感情で義務感を感じながら人生設計図を組んでも、うまくいかない可能性が高いです。
人生設計をする際は目標をフル達成して豊かな人生を送って老後を迎えている自分を想像し、ポジティブな気持ちのなかで作成することをおすすめします。
人生設計図の書き方についてよくある質問
最後に、人生設計図の書き方に関して、よくある質問と回答をまとめました。
人生設計図とは何ですか?
人生設計図は言い換えると「ライフプラン(ライフプランニング)」で、自分の人生の設計図のことです。
自分の将来の目標を達成するために「いつまでに」「何を」「どうすれば良いか」を明確にしたうえで必要な資金計画もセットで考えれば、逆算して毎月いくら貯金するべきか、いつまでに手続きをする必要があるのかなどが明確になります。
人生設計図は30歳からは遅い?
30歳から人生設計図を作ることは、遅いということはありません。人生設計図は若いときだけでなく老後まで必要になるためいつ始めても人生に大きく役に立ちます。
人生設計図の重要性を感じたら、いつでも作成を始めて問題ありません。
人生設計図の書き方の手順は?
人生設計図の作成方法にルールはありませんが、本記事では以下の進め方をおすすめしています。
- 将来やってみたいことを書き出してカテゴリで分ける
- 目標達成のために必要な金額を書き出す
- 達成期限を決めて「ライフプラン表」「キャッシュフロー表」を作成する
人生設計図は高校生や大学生でもやるべき?
はい。人生設計図は高校生や大学生の頃から作っておくことをおすすめします。人生をどう生きるかは人によって異なりますが、お金がないと好きなことができず、快適に毎日を過ごすこともできません。
これまでは親に学費や生活費を出してもらっているはずですが、社会人になったら高校生や大学生とは違って自分でお金を稼いで生活しなければいけません。
就職・結婚・出産・育児・転職などのイベントに必要なお金をどのように用意するか、高校生や大学生のうちから考えるクセを身につけておきましょう。
人生設計図を自分でレポートのようにまとめる能力を身につけておけば、学校を卒業して社会に出てからもお金の心配がない人生を送りやすくなるでしょう。
人生設計ノートの書き方のポイントは?
人生設計ノートを作成する際は、今後の収入の変化まで考慮して計画することが大切です。
会社員として働く人の年収は一定ではなく、年齢や勤続年数、昇進、転職といったさまざまなイベントに応じて変化します。また、子育てや介護などのために時短勤務をした場合は、給料が下がることもあるでしょう。
キャリアプランをイメージしつつ収入の変化まで加味した人生設計ノートを作ることで、より正確なライフプランを作れるでしょう。
人生設計ノートに書く「やりたいこと」が思い浮かびません
やりたいことが思い浮かばない場合、「マインドマップ」を作って自分の願いや夢を書き出してみることをおすすめします。
マインドマップとは、思考を見える化し、深掘りするためのツールです。
- マップの中心に人生の目標を書く
- カテゴリを分けてそれぞれの目標を立てる
- カテゴリごとに目標達成の方法を考える
- 具体的な行動プランを立てる
上記の順番で、中心である「人生の目標」から目標達成の方法やプランを細かく枝分かれさせていくことで、やりたいこと・やるべきことを整理することができます。
まとめ:人生設計図で決めた将来の目標から逆算してお金を貯めよう
現代の日本はさまざまな要因から少子高齢化が進んでおり、わたしたちが老後を迎える頃には今よりも年金収入が減ったり、医療費が高くなったりと、何となく生きているだけではお金が足りずに生活ができなくなる可能性もあります。
人生を豊かに過ごすためにも、できるだけ早いタイミングで人生設計図についてエクセルやノートにまとめてみましょう。
目標を達成する時期と必要な金額を決めたあとは、目標を達成できるように逆算して、毎月コツコツと貯金をしていきましょう。
どうしてもご自身で人生の設計図ができない場合、ライフプランニングのプロであるFPに相談することも検討してみてください。