不動産投資のなかでも、中古マンション投資は人気です。しかし、マンション投資の詳細を理解しないまま投資を始めてしまうと、大きな損失につながります。
そこでこの記事では、中古マンションへの投資の概要を解説した上で、中古マンション投資のメリット・デメリットなどを解説します。
中古マンションに投資する際の失敗例とその解決策も併せてご紹介しますので、中古マンション投資を検討している方はぜひ参考にしてください。
中古マンション投資とは?
中古マンション投資とは、中古マンションを購入し、賃貸・売却することで収益を得る投資方法です。中古マンションの価格は急激に下落しにくい特徴があり、投資目的で不動産を購入したいという人におすすめです。
中古マンション投資と比較されることの多い新築マンション投資は、物件の購入価格は高いものの、最新の設備が整っており、メンテナンス費用も少なく抑えることができます。
しかし、新築マンションは購入後はすぐに中古マンションに区分され、資産価値は購入価格より下落することが多いです。また、新築マンションは広告費が価格に上乗せされていることが多く、割高といえるでしょう。
一方、中古マンションの資産価値は比較的安定しており、過去の管理状況なども確認しやすいです。特に、人口が増え続けている都心は不動産需要が旺盛だと言われており、立地や設備面を確認して付加価値のある物件を探すことで、中古マンション投資によって安定した収益を上げられるでしょう。
中古マンション投資の魅力は「運用利回り」
中古マンション投資の魅力は運用利回りの高さです。不動産投資における運用利回りとは、投資した金額に対する収益の割合を表します。利回りは物件の収益力を知る指標の1つとも言われており、運用利回りは表面利回りと実質利回りに大別できます。
それぞれの利回りの詳細を理解し、物件を選ぶ際に参考にしましょう。
表面利回り
表面利回りは、グロス利回りと呼ばれることもあり、物件価格に対する年間家賃収入の割合を示す指標です。表面利回りは以下の通り算出します。
表面利回り(%)=(年間家賃収入)÷(物件価格)× 100
なお、表面利回りは実際に不動産を運用する際に必要な諸費用を考慮していないため、より詳細な利回りを確認するために実質利回りも確認することが大切です。
実質利回り
実質利回りは、物件価格に対する年間家賃収入から管理修繕費や固定資産税、損害保険などの諸経費の支出を差し引いた金額の割合を示したもので、実際の収益力がわかります。なお、実質利回りはネット利回りやNOI利回りと表現されることがある点も覚えておきましょう。
実質利回り(%)=(年間家賃収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)× 100
※購入時の諸経費とは、仲介手数料・登記費用・不動産取得税などを指します。
中古マンション投資の3つのメリット
中古マンション投資は、運用利回りの高さ以外にも、価格が安くて購入しやすいといったメリットがあります。中古マンション投資における3つのメリットを以下で解説しますので、投資を始める前に必ずチェックしましょう。
メリット1:運用利回りが高い
中古マンションの運用利回りは、新築マンションよりも高いことが多いです。中古マンションは安く購入できるため、入居者が安定して確保できる場合は収益を上げられる可能性が高くなります。
ただし、中古マンションは購入価格が安いことが多く、収益額は新築マンションよりも少なくなることがある点には注意が必要です。
メリット2:価格が安くて購入しやすい
同じ立地、似た間取りであれば、新築マンションに比べて築年数の古い中古マンションの方が安く購入できる点もメリットです。購入の際に、不動産の仲介業者と価格を交渉することで、表示価格よりもさらに安く購入できることもあるでしょう。
ただし、中古マンションを購入する際は、購入価格×3%+6万円の仲介手数料がかかる点には注意が必要です。MIRAP-ミラップ-は、物件を一旦購入し、それから再販するという形で展開しており、AIを駆使して物件を厳選しているため、仲介手数料を取っていないことが特徴です。
メリット3:安定した収入が得られる
中古マンション投資におけるメリットの3つ目として、安定した収入を得られる点があります。中古マンションは、新築マンションに比べて資産価値や家賃相場が急に下落する可能性が低く、空室にならないように留意することで継続的に安定した収入を得られます。
また、不動産は資産であるため、いざという時には売却し現金化できます。複数の物件を持っている場合は、不動産を売却することで手に入れた現金でローンを返済するなど、資産の状況やライフステージに応じた投資が可能です。
中古マンション投資の3つのデメリット
中古マンション投資のメリットを確認すると、「いますぐ投資を始めたい」と考える人もいるでしょう。しかし、中古マンション投資にはデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットも確認した上で中古マンション投資をはじめましょう。
デメリット1:売却時に損することもある
先述の通り、マンションは築年数に応じて資産価値が下がるため、購入から5年、10年が経過すると不動産価格が大幅に下がり、売却時に損する可能性があります。売却時までは家賃収入によって収益があったとしても、売却時に損すると赤字になることも想定されるため、資産価値が下落するリスクや売却時のリスクは必ず知っておきましょう。
「自分にとって効率のいい投資って何かな?」とお悩みの方は、投資を始める上で重要なポイントを、まずは押さえておくことが大切です。それは、自分がどのような「投資タイプ」なのかを事前に把握しておくことです。 MIRAPの投資診断ではLINEでカンタンに「投資タイプ」を知ることができます。あなたは一体 なにタイプでしょう?
デメリット2:修繕費・維持費が高額となる可能性がある
中古マンションでは、修繕費や維持費がかかる点もデメリットです。経年劣化が原因の修繕は、築年数が古くなるにつれて増えてくるでしょう。
しかし、マンションによっては定期的に修繕を行っていることもあり、このような物件であれば購入後の修繕費の負担を減らすことができます。そのため、中古マンションを購入する際には管理組合が正しく機能しているかや、修繕工事履歴を必ず確認しましょう。
デメリット3:自然災害や火災リスクがある
築年数に応じて災害のリスクが高くなる点も、中古マンション投資のデメリットといえるでしょう。特に、築年数が古い中古マンションは耐震性が低いことが多く、地震で被害を受ける可能性が高いです。
中古マンションの中には、築年数が古くても耐震性が高い物件があるため、購入時に耐震性も併せて確認しましょう。なお、洪水や津波被害に関しては、自治体のハザードマップで確認できるため、活用してみてください。
中古マンション投資を始める際の注意点
新築マンションに比べて物件を安く購入できることが多い中古マンション投資は、住宅ローンが使えないなどのさまざまな注意点を確認した上で投資を始めましょう。また、注意点を確認すると同時に投資目的を明確にすることで、無理なく投資を続けることができます。
中古マンション投資を始める際の注意点を以下で解説します。
注意点1:住宅ローンは利用できない
住宅ローンは、投資用物件の購入には利用できません。不動産投資ローンは審査が厳しく、投資の際に住宅ローンを利用したいと考える人は多いですが、住宅ローンは購入する本人が日常的に居住することが要件です。
仮に、投資用物件であることを隠して住宅ローンを利用し、後に投資物件だったことが判明した場合には、契約違反として銀行から一括返済を求められることがあります。そのため、中古マンションの投資には必ず不動産投資ローンを利用しましょう。
注意点2:賃貸需要のある物件を選ぶ
不動産投資において、賃貸需要の有無は最も重要であり、人口減少が予想される場所は避け、借り手がつくと予想できる物件に投資することで、安定した収益を期待できます。
さらに、災害のリスクを軽減するためにも、耐震性の良い物件を選びましょう。耐震基準の改正が行われた1981年6月1日以降に建てられている物件を選ぶと、地震が起こっても物件への被害を最小限に抑えることができます。
なお、古い物件でも、補強工事が実施されるなど、耐震性に優れている物件もあるため、物件のメンテナンスの状況も確認しましょう。
注意点3:実質利回りを確認する
先述の通り、中古マンション投資は比較的利回りが高いという特徴があり、投資の際には、利回りの良い物件を選ぶことが大切です。ただし、不動産の広告に表示されている利回り価格は、多くの場合コストを差し引いていない表面利回りを使用している点には注意が必要です。
実際の収益力を正しく判断するためにも、各種コストを差し引いた実質利回りを算出し、どの程度の収益が得られるのかをよく調べた上で、投資物件を選びましょう。
注意点4:投資前に物件の詳細を確認する
中古マンション投資を始める際の注意点として、売主が物件を売却する理由についてもしっかりと調べておく点が挙げられます。築浅物件が売りに出されている場合は、以前トラブルがあったのかもしれません。
何らかの良くない理由で物件が売却されている場合、入居を希望する人が現れない可能性があるため、立地条件が良いにも関わらず売却されている物件は、詳細をきちんと確認することをおすすめします。
注意点5:物件の管理状況を確認する
購入後の修繕やリフォームなどの費用をできるだけ抑えるため、建物の管理状況をよく調べる必要があります。修繕費の積み立て状況や、管理組合の活動状況のチェックは必須です。管理状況の良い物件は売却する際にも有利だと言われており、細かい部分まで確認しておくと良いでしょう。
中古マンション投資の失敗例と解決策
さまざまなメリットがある中古マンション投資ですが、安易に投資を始めるのは禁物です。時には赤字経営に陥る可能性もあることを考慮し、中古マンション投資の失敗例とその解決策を事前に理解しておくことで、投資に失敗する可能性を下げることができます。
①投資用マンションの老朽化
老朽化についての失敗例と解決策をご紹介します。
①投資用マンションの老朽化:失敗例例えば、中古マンションを購入した直後に、物件の老朽化が原因で水道管が破裂することも想定されます。このようなアクシデントにより、修繕費が発生した上に、入居者への損害賠償金を支払わなければならず、結果として数百万円単位の支出が発生するかもしれません。
①投資用マンションの老朽化:解決策老朽化による購入直後の思わぬ出費ケースを避けるためには、売買契約する際にマンションの修繕履歴を不動産仲介業者に確認しておくことが大切です。また、併せて管理組合の活動状況や修繕積立金の有無なども確認してください。
中古マンション購入後に発生する住宅の欠陥などに対する修繕費は、購入者が負担しなければならず、購入前に修繕状況を十分にチェックしておくと安心です。
ただし、現在では売主に瑕疵担保責任が義務付けられており、このような被害が発生した場合は売主である会社が責任を持って対応することになっている点も併せて知っておきましょう。
瑕疵担保責任とは
瑕疵担保責任とは、売買の目的物に瑕疵(取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態のこと)があり、それが取引上要求される通常の注意をしても気づかぬものである場合に、売主が買主に対して負わなければならない責任のことをいいます。
②赤字経営
赤字経営についての失敗例と解決策をご紹介します。
②赤字経営:失敗例不動産投資を行う上で、赤字経営はできるだけ避けたいものです。しかし、中古マンション投資を始めたものの、固定資産税や維持費などの出費も重なり、次第にローンの返済が苦しくなるかもしれません。
物件への入居者がなかなか決まらず空室が続いたことで、赤字経営になるとこのまま投資物件として所有していて良いのか不安になるでしょう。
②赤字経営:解決策
赤字経営は、マンション購入前に固定資産税や維持費などの出費を視野に入れた収支計画を綿密に立てることで回避することができます。収支計画を立てる際には、ローンの返済額だけを計算するのではなく、空室が出てもローンが返済できるかをシミュレーションしておくとよいでしょう。目先の事だけを考えるのではなく、長期的なマンション経営を計画することが重要です。
中古のワンルームマンションは少額で投資ができる
中古マンションの中でも、特にワンルームマンション投資は高い利回りを実現しており、他の金融商品と比べても魅力が高いです。また、投資用マンションは相続対策効果も高く、例えば東京の中古ワンルームの場合は、時価の約3分の1程度の評価になり、財産を現金で所有するよりも評価額が小さくなります。
さらに、ワンルームマンションなら資産を1ヶ所に集中させることなく、投資リスクを分散できる点が特徴です。資産運用の基本は分散投資と表現されることもあり、購入時期や築年数、所有する物件のエリアを分散することでより安定的に収益を確保できます。
ワンルームの物件はファミリータイプよりも物件価格やリフォーム費用、空室期間などの面において優れており、少額で不動産投資を始めるには最適です。
まとめ:中古マンション投資は利回りの高さが魅力!詳細を理解し始めよう
中古マンション投資は、利回りが高く、利便性のよい中古物件なら安定した収入が見込めます。ただし、築年数が古い物件は、災害に弱い・デザインが古い・修繕費用が高くなる可能性がある点を念頭に置いておく必要があります。
良質な物件を購入するためにも、中古マンション特有のリスクやデメリットも考慮し、必要に応じて不動産コンサルタントなどの専門家に相談しながら中古マンション投資を始めましょう。