普段の仕事に加えて副業をする人が増えている今、資産運用や投資に興味を持っている人も多いでしょう。同時に、投資はギャンブルと同じなのではないか、リスクが大きくて怖いという不安の言葉も耳にします。
この記事では、資産運用をしたことがない人にも分かりやすく、投資と投機の違いやそれぞれのメリットデメリットなどを解説していきます。
投資や投機にはどんな人が向いているのか紹介していきますので、投資をしてみたいけど自信がないという人は参考にしてみてください。
投資と投機の違いを分かりやすく解説
「投資」と「投機」は違う言葉として使われているものの、明確な定義はありません。
一般的には、投資先の将来性を見越して長期的な利益を得ようとするものが「投資」、相場の変動を利用して短期間で利益を得ようとするものが「投機」と呼ばれています。
ここでは、投資と投機についてさらに詳しく見ていきましょう。
投資とは
「投資」とは、将来的な利益を求めて出資することです。今後需要が生まれる可能性のある株式や債権投資、不動産などの投資先に自分の資金を投じて、継続的な資金を得ます。
ただし、投じた資金(元本)以上の金額が利益として戻ってくる保証はありません。必ず成功するわけではありませんが、リターンが大きくリスクもある程度抑えられる方法です。
株式では、投資先が成長して大きくなっていけば、売却時の利益だけでなく、株主優待や配当金といった方法で還元される場合もあります。
不動産投資では、所有している物件を貸し出すことで家賃収入が期待できますし、知名度や人気の高いエリアで貸し出せは大きな利益を安定して得られるでしょう。
投機とは
「投機」とは、短期的な相場の値動きに注目して資産を利益を得る方法です。
投資と違って短期間で結果が出やすく、数週間や数日、早ければ翌日に利益が生まれる場合もあります。
一回の取引で得られる利益は大きくないことが多く、大きな利益を得ようと思うとレバレッジをかけたり、頻繁に取引を行うことが必要になります。投機にチャレンジする際には、その分リスクも比較的大きくなることを知っておくようにしましょう。
一日のうちに購入や売却を行うデイトレードなどは「投機」といえるでしょう。
安定した資産形成には「投資」を選ぶべき
「投機」のような短期的な取引では一度に得られる利益はあまり大きくありません。多額のお金を稼ぐには回数をこなさなければならず、その分リスクも高いです。
一方の「投資」は、株式を例に挙げると、会社の成長度合いに比例して大きな利益を得られるほか、利益に余剰が生まれれば、配当金や会社独自の優待が受けられる場合もあります。
また、株主として株主総会に出席して、意見を述べる権利も得られます。保有している株の数に応じた投票が可能な議決権などもあり、会社経営に参加することも可能です。
安定した資産形成を求めるなら、長期的に利益を得られてリスクが比較的少ない投資を検討することをおすすめします。
FXは投資?投機?
一般的に、短期の売買になりやすいFXは、「投機」といわれています。FXは「外国為替取引」を指していましたが、現在では「外国為替証拠金取引」を指して使われることが一般的です。
FXでは一般的に、日本円をドルやユーロなどの海外通貨と両替する際の、価値の変動によって利益を狙います。レバレッジをかけることにより少ない投資でも運用できることが魅力で、少額の投資で多額の利益が得られるメリットがありますが、同時に多額の損失が生まれるリスクも高いです。
FXは短期間での取引が多く価格変動が大きいため、「投機」として扱われています。
仮想通貨は投資?投機?
ビットコインが大きく高騰と暴落をしたことでも有名な仮想通貨。その短期間での価格変動に注目する場合、仮想通貨は投機的な傾向にあります。
仮想通貨は、通貨の価値を保証する国や中央銀行のような第三者組織がありません。そのため、投資家の需要と供給などによって、大きく価格が上下しやすいといった点でも「投機」といえるでしょう。
ただ、株式のように、将来性がある仮想通貨の価値の上昇を見込んで、長期にかけて保有するケースなど、保有の仕方や目的によっては仮想通貨が「投資」として扱われるケースもあります。
違うもの?投資・投機と同一視されやすい言葉
投資になじみが深い人でも、投資や投機、資産運用の違いについてきちんと理解できている人は少ないでしょう。投資や投機をギャンブルと同じととらえている人も珍しくありません。
ここでは「投資」と「資産運用」の違い、「投機」と「ギャンブル」の違いについて解説していきます。
投資と資産運用
投資と資産運用は同じような意味合いで使われている場合もあり、明確に異なるものであるというわけではありません。しかし、「資産運用」は「企業や債権、不動産などに資本を投じる」投資と違って、将来的な支出や負債のために今手元にある資金や今後の収入を効果的に運用していくための方法です。
資産運用の方法として有名なのは投資信託で、「NISA」や「iDeCo」といった名前を耳にする機会もあるでしょう。投資信託は、銀行の金利だけでは増やせない資金を、低コスト低リスクで増やすことができます。
投資よりも高い利益を得ることは難しいですが、「資産運用」は長期的にコツコツお金を増やして将来のために資金を得るには良い方法です。
投機とギャンブル
投機とギャンブルは似ていますが、目的や利益を得るための方法が違います。短期間で高額収入を得られる可能性があると同時に、損失のリスクを伴うハイリスクハイリターン、運要素が強い、という点で似ていると判断されることが多いのでしょう。
「ギャンブル」は主催者側が得をするようにシステムが作られており、参加者側もある程度娯楽として楽しんでいる人が多いです。
一方の「投機」は、自分が投資した企業側が利益を得ることで自分も収益を得る方法で、大半の人が収入を得るために行っています。
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投資のメリット
興味はあるものの、リスクが高いのではないかと敬遠されがちな投資ですが、実は投資には大きく分けて2つのメリットがあります。
- 長期保有で複利が狙える
- リスクを軽減できる
投資は上手く運用できれば低いリスクで高いリターンを得られる方法です。では、投資のメリットについて詳しく解説していきましょう。
長期保有で複利が狙える
複利というのは、元々投資した金額に利子がつき、その利子も含めた金額にまた利子がついていくことです。長期間保有することで利息が高くなっていき、元金で得られる収益よりもさらに大きな収益を得られます。
一方、利息を元金に含まないのが単利です。単利と複利では年々利益の差が開き、運用期間が10年単位になれば、10万〜100万単位の差が生まれることも珍しくありません。
また、配当金なども投資すれば、さらに利益は大きくなっていきます。
リスクを軽減できる
株式投資の場合、企業は数年、数十年単位で成長していくものであり、短期間での株価の上下で動じる必要はありません。環境や情勢によって一時的に株価に影響があっても、長期間保有していれば変動が安定していく可能性が高いです。
デイトレードなどの投機と違って、株式投資は複数の企業に同時に投資できます。分野の違う企業を複数選んで投資を行うと、一つの分野で株価が下がっても他の分野で補えるので、危険が少ないです。
また、不動産投資では貸し出した物件に入居者が入らない「空室リスク」や、入居者が家賃を払わない「家賃滞納リスク」などのリスクがあります。
しかし、駅の利用率や知名度などを考慮して不動産投資を行えば空室リスクは軽減できます。家賃滞納リスクに関しても、入居者に身元の安定した連帯保証人をつけてもらうなどの対策をすれば安心です。
投資のデメリット
投資はメリットが大きい一方で、デメリットもあります。リスクを考慮した上で運用すれば、少ない損失で大きな収益につながっていくので、デメリットも確認していきましょう。
投資の主なデメリットは2つあります。
- 短期間で大きな利益を得にくい
- 長期間での投資は予測が難しい
では、上記のデメリットについて、詳しく解説していきます。
ある程度の期間が必要
株式投資では、企業の成長を見越した上で長期的な利益を求めるため、短期間で利益を得ることが難しいです。結果が出るまでには時間がかかると考えたほうが良いでしょう。
不動産投資は株式投資ほどの期間は必要ないですが、入居者が入るまでは利益がありません。複数の物件を貸し出している場合は、満室になるまでは管理費などの出費も余儀なくされるため、短期間で大きな利益を得るのは難しいでしょう。
収支予測が難しい
株式投資などでは短くても数年、長ければ数十年単位の未来を予測して株を購入するため、自分の予測通りに企業が成長するとは限りません。経済が落ち込んでいる、会社の経営不振、最悪の場合は企業が倒産する可能性もあります。
急にお金が必要になった場合には、途中で出資を中止しなければいけません。投資を止めたくなったタイミングで株価が上がっていなければ、想定よりも利益が少なくなるリスクもあるので注意しましょう。
不動産投資では、入居者が入らない、入居者の急な引越しで利益に変動が生まれるというリスクがあります。
また、「大学に近い土地で不動産投資を行っていたら、大学が移転して需要がなくなり部屋が売れなくなった」など、土地そのものの価値が変動する可能性もあるので、リスク管理が必要です。
投資に向いている人とは?
投資には、冷静で計画性があり、情報収集に余念がない人が向いています。長期間での利益を求めるため、短気な人は投資に向いていません。
現在の株や土地の価値、これからどう需要が生まれるのか、それによってどれくらいの利益が期待できるのか、ということを考慮した上で計画的に将来性を見込んで投資する必要があります。
数年先の未来を見据えながら購入するため、さまざまな情報を仕入れて、その中から必要な情報を的確に判断して投資を行える人が投資にうってつけです。
投機のメリット
ギャンブル性が高いとされている投機ですが、もちろんメリットもあります。投資とは違ったメリットがあるため、投資に自信がない人は投機に挑戦してみるのも良いでしょう。 投機のメリットには以下の2点があります。
- 短いスパンで利益を得られる
- こまめな値動きのチェックで大損のリスクを回避できることがある
具体的なメリットについて詳しく解説していきます。
短いスパンで利益を得られる
デイトレードなどの投機は一日単位で取引を行うことが多く、その日のうちに収益が確定します。将来性や企業の成長を考慮する必要がないため、長期的なリスクはありません。
常に株価の動きを見逃さない集中力や観察力が必要ですが、大きく値下がりする前に手放せば大損のリスクは減ります。同時に、株価が上昇する瞬間を見逃さずに確実に利益を追っていけば、短期間でも利益を期待できる方法です。
また、買った不動産を売って価格変動で利益を得る不動産投機では、家賃収入を得る不動産投資よりも短期間で収益を期待できます。
頻繁なチェックで大損失リスクを下げられる可能性がある
投機はリスクが大きいというイメージを持たれがちですが、デイトレードなどであれば頻繁に値動きをチェックしておけば、大きな損の可能性を軽減することができます。
「今下がったけどこれから上がるかもしれない」、「もっと株価が上がるかもしれない」といった感情に左右されると売り時を見失ってこのメリットも活かせず、大損につながってしまいます。
失敗しないためには売買のための独自のルールを設け、その基準に則って、感情に流されず取引を行っていくことが大切です。
投機のデメリット
メリットがある一方で、投機にどんなデメリットがあるのかを紹介していきます。
- 取引が頻繁で時間や手間がかかる
- コストが大きい
人によっては投資よりも投機のほうが向いているという場合もあります。投機のデメリットを詳しく解説するので、リスクもしっかりと理解してから運用を検討しましょう。
頻繁な取引の手間がかかる
投機は短期間で何度も売買を繰り返し、少しずつ収益を得る方法が一般的で、一番リスクも少ないです。その分、取引に時間や手間がかかります。
取引に慣れるまでは時間もかかり、回転率をあげることが難しいです。売買での収益以前に、取引などに時間がかかるせいで時間に見合った収益が得られない可能性もあります。効率的にできるようになるまではある程度の時間と慣れが必要です。
コストが大きい
短期間での売買がメインの投機では、売買する度に手数料などのコストがかかるため、投資よりも必要経費が高い傾向にあります。
手数料を事前に想定しておかなければ、手間をかけて稼いだにも関わらず総合的にはマイナスになる場合もあるので注意が必要です。FXなどを行う場合には、コストを抑えるために手数料が安い証券会社を利用するなどの工夫をしましょう。
また、不動産投機も短期間での売却を前提としていますが、物件を購入するたびに仲介手数料などがかかります。短期間で土地の価値が上がる確証もないため、所有期間によっては不動産取得税などの税金もかかる可能性があり、購入と売却のコストが高くなりやすいです。
投機に向いている人とは?
投機に向いているのは、時間に余裕を持っていてある程度資金がある人です。デイトレードなどの投機では、ずっと売買画面と向き合いながら行うため、市場が空いている時間に仕事をしている人にはできません。
不動産投機の場合でも、土地などを毎回検討して探さなければいけないため、手間がかかります。
また、投機は取引に使ったお金を全額失う危険もあり、必要資金で投機を行ってしまうと生活できなくなる可能性があります。失っても生活に支障のない範囲で、売買できるだけの金額を持ち合わせている人でないと難しいでしょう。
時間の都合がつき、取引に回せる余剰なお金がある人には投機が向いています。
まとめ:投資・投機の違いを把握して理想の資産形成を
長期的に投資先の将来性を見据えながら利益を追求するのが「投資」、価格変動を予測し短期間で売買して利益を得るのが「投機」です。
「投資」は短期的な利益が少なく、長期にわたる予測は難しいというデメリットがあります。しかし、株式投資では長期保有による複利などの利益を得やすく、不動産投資では家賃収入などの安定した収益が期待できるといった点が大きなメリットです。
「投機」は頻繁な取引に時間や手間がかかる、売買にかかるコストが大きいというデメリットがある一方、短期間で大きなリターンを得られるというメリットもあります。
長期間安定した利益を求めるなら「投資」が向いていますが、余剰資金があり短期間での利益を求めるなら投機を選ぶのも良いでしょう。ぜひ、自分に合った理想の資産形成を検討してみてください。