教育費を準備するために、ネット証券でジュニアNISAを活用する人もいるでしょう。しかし、複数のネット証券があるため証券会社選びは簡単ではありません。
そこで、今回の記事ではジュニアNISAの概要を踏まえた上で、ネット証券の中でも利用者数の多い楽天証券とSBI証券の特徴について詳しく解説します。
ジュニアNISA口座を開設する際の手順もご紹介するので、ジュニアNISAを利用したい人は証券会社選びの際の参考にしてください。
ジュニアNISAは未成年者を対象とした少額投資非課税制度
ジュニアNISAは、2016年1月からスタートした未成年者少額投資非課税制度で、子供の資産形成をサポートするために導入されました。ジュニアNISAの口座を開設した上で投資すると、株や投資信託の利益などにかかる約20%の税金がかかりません。
ジュニアNISAの口座を開設できるのは、日本に居住する0歳から19歳までの未成年者です。(ただし、2023年は成人年齢の引き下げにより、0歳から17歳の人が利用できます。)
ジュニアNISAの概要は以下の通りです。
投資可能期間 | 2016年~2023年 |
---|---|
非課税期間 | 最長5年間 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年80万円が上限 |
非課税対象 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金・譲渡益 |
ジュニアNISAの非課税枠は1年ごとに設定され、一度に80万円を投資することも複数回に分けて投資することも可能です。そのため、資金力に応じた投資ができるでしょう。
なお、ジュニアNISAの口座を新規で開設できる期間は2023年までである点や、元本が保証されていない点には注意が必要です。
ジュニアNISA口座で非課税となる利益は2種類
ジュニアNISAで非課税となる2種類の利益を確認しましょう。
購入した投資信託等を値上がり後に売却した場合
購入した株や投資信託等が保有している間に値上がりし、その後売った場合には、値上がりによる利益に対して本来は約20%の税金がかかります。
しかし、ジュニアNISAの場合は課税されず、値上がりによる利益をそのまま受け取ることができます。
購入した投資信託等を保有している間に配当金等を受け取った場合
保有している株などに対する配当金も通常は課税対象ですが、ジュニアNISAであれば非課税です。
ジュニアNISAのメリット
先述の通り、ジュニアNISAは2023年に制度が終わることが既に決まっているため、今から始めてもメリットがあるのか疑問に感じる人もいるでしょう。
しかし、ジュニアNISAは制度終了までは非課税で投資できる点が大きなメリットです。そのため、年間80万円の非課税枠は今から加入しても積極的に使うことができます。
また、2023年にジュニアNISA制度が終了したあとも、ロールオーバーの手続きを行うことで投資済みの資産は非課税のまま18歳まで引き続き保有することができます。長期間保有することで値上がりが期待できる銘柄を選ぶと、非課税枠を活用しながら資産運用が可能です。
ロールオーバーとは?
ジュニアNISAや一般NISAで、非課税期間が終了した際に、保有している金融商品を翌年の新たな非課税投資枠に移管することをロールオーバーといいます。保有している金融商品の非課税期間満了時の時価が80万円を超えていても、金融商品すべてをロールオーバーすることが可能です。
ジュニアNISAのデメリット
ジュニアNISAのデメリットとして、金融機関の変更ができないという点があります。どうしても金融機関を変更したい場合は、現在利用しているジュニアNISA口座を廃止してからでないと新規のジュニアNISA口座の開設ができません。口座を廃止すると過去の利益に課税される点には注意が必要です。
また、口座開設者が18歳になるまでは特段の事情がない限り払い出しができず、18歳以前に払い出した場合も過去の利益に対して課税されます。なお、ジュニアNISAの払い出しは口座の廃止を意味し、再度ジュニアNISAを利用する場合も新たに口座を開設しなければなりません。
そのため、ジュニアNISAで運用しているお金を教育費に充てたいと考えている人は、計画的にお金を準備することが大切です。なお、2024年以降は年齢を問わず自由に非課税での払い出しが可能になる点も覚えておきましょう。
【ジュニアNISAにおすすめ】楽天証券とSBI証券の特徴は?
ジュニアNISAの口座をどの証券会社で開設すべきか迷う人も多いでしょう。以前は窓口や店舗を設けて営業している証券会社が主流でしたが、最近ではインターネットを使って証券取引サービスを行うネット証券が人気です。
ここでは、数あるネット証券の中でも人気が高い楽天証券とSBI証券の特徴を解説します。
楽天証券
楽天証券は、インターネットショッピングモール「楽天市場」など、インターネット関連サービスを中心に展開する楽天グループの証券会社です。
特徴①:投資信託資産形成ポイントが貯まる
楽天証券で投資信託を50万円以上保有すると、投資信託資産形成ポイントが貯まります。例えば、毎月月末時点の投資信託の残高が50万円以上200万円未満では20ポイント、200万円以上400万円未満では80ポイントが付与されます。
投資信託資産形成ポイントは、楽天証券ポイントコースと楽天ポイントコースのいずれかを選択し受け取ります。楽天ポイントコースでは、楽天市場や楽天ブックスといったサービスでの買い物時にポイントが利用でき、ポイントの利便性も非常に高いのが特徴です。
特徴②:日本経済新聞が無料で読める
楽天証券で口座を開設すると、日経テレコン(楽天証券版)が無料で利用できます。日経テレコン(楽天証券版)では、日本経済新聞が閲覧できるほか、過去1年分の新聞記事検索も可能です。
日本経済新聞から、投資の際の参考情報だけでなくさまざまなニュースや情報をキャッチすると良いでしょう。
特徴③:オンラインセミナーを受講可能
楽天証券では、旬な銘柄やテクニカル分析手法など、投資の際に知っておきたいさまざまな情報を提供するオンラインセミナーを開催しています。
参加費無料のセミナーも数多く開催されているため、投資に関するさまざまなコンテンツに触れることができます。
SBI証券
SBIホールディングスの傘下であるSBI証券は、国内株式の個人取引シェアが第1位の証券会社です。手数料の安さにも定評があり、投資信託の取扱実績数も業界トップ水準を誇っています。
特徴①:TポイントやPontaポイントが貯まる
投資信託の保有額など、SBI証券における取引やサービスの利用実績に応じてポイントが貯まります。TポイントやPontaポイント、dポイントから好きなポイントを選ぶことができ、日常の買い物にも活用できます。
特徴②:三井住友カードでクレカ積立が可能
SBI証券では、三井住友カードによる積立ができます。クレジットカードで決済ができるため、SBI証券の口座にお金を入金せずに投資信託等の購入が可能です。さらに、最大2.0%のVポイントがもらえるため、投資しながらポイントもお得に貯めることができます。
特徴③:外国株式が取引可能
SBI証券は、外国株式を取り扱っている唯一の証券会社で、取扱い国数はアメリカや韓国など計9ヵ国です。国内株式や投資信託だけでなく外国株式にも投資できるため、投資先の選択肢が広がるでしょう。
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ジュニアNISAを始めるにはどうすればいい?
ジュニアNISAのメリットとデメリットを確認した上で、これからジュニアNISAを始める際の手順を解説します。
STEP1:ジュニアNISA口座を開設する証券会社を選ぶ
証券会社だけでなく、銀行や信託銀行などでもジュニアNISAの口座を開設することができます。どの金融機関を利用するか迷った際には、インターネットで取引ができるネット証券がおすすめです。
ネット証券は金融機関の窓口に来店する必要がなく、時間や場所を問わず利用できて利便性が高いといえるでしょう。
なお、どのような金融商品を扱っているかは金融機関によって異なりますので、事前にホームページ等で確認しておくと良いでしょう。
STEP2:口座開設を申し込む
口座を開設する金融機関からジュニアNISA口座開設書類を取り寄せます。ネット証券の場合は証券会社のホームページから書類を請求することが可能です。
記入した書類を金融機関に提出する際には、同意書や申請書の他に、親権者と子供の本人確認書類や子供のマイナンバー関連書類が必要です。
必要書類の詳細を確認の上、漏れのないよう提出しましょう。
STEP3:株や投資信託を購入する
金融機関に提出した書類はその後税務署にて確認が行われます。税務署での確認後、金融機関から口座の開設完了通知が来たら、ジュニアNISAの口座開設は完了です。
証券会社から送付される書類は大切に保管した上で、ジュニアNISA口座で株や投資信託等を購入します。
なお、ジュニアNISAは元本が保証されないため、銘柄選びは慎重に行いましょう。
まとめ:ジュニアNISAは楽天やSBIなどネット証券の利用を検討しよう
ジュニアNISAは、子供の資産形成をサポートする少額投資非課税制度です。
投資可能期間は2023年までですが、それまでは年間80万円の非課税枠が利用できる点や、2024年以降は払い出し制限がなくなる点を考慮すると、今からでもジュニアNISAを始めるメリットは大きいです。
ジュニアNISAを始める際には、ネット証券を利用することでインターネット上でさまざまな証券サービスが利用できます。本記事を参考にしながら、楽天証券やSBI証券でジュニアNISAの口座を開設しましょう。