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家計

読書量と年収は比例するのか気になっていることでしょう。確かに、年収の高い人は読書量が多いイメージがあります。

実は、「年収の低い人に比べて年収の高い人のほうが読書量は多かった」という調査結果はあるものの、「読書量が多ければ年収が高くなる」と言い切れる調査結果はありません。
 

つまり、読書と年収の因果関係は明確ではないのです。例えば、年収が高いからこそ読書に多くのお金をかけられると捉えることも可能です。

とはいえ、積極的に自己投資を継続している人は年収が高くなる傾向にあることはわかっています。

そこでこの記事では、読書量と年収は比例するのかを考察したうえで、目安として年収1,000万円以上の人の読書量を紹介します。年収1,000万円以上の人と同様まで読書量を増やす具体的な方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

なお、以下の記事ではお金持ちの7つの習慣を紹介しており、そのうち2つが読書と関係しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。

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読書量と年収は比例する?

読書量と年収は、おおよそ比例すると考えられます。

ただ厳密には、「読書量(書籍費)が多い人は年収も高い」という強い「相関」があります。正しくは比例(y=ax)ではありません。

今回は、書籍費と年収のデータに関連性があるのかどうかを調べる「相関分析」を簡単に行ってみます。

下図は、総務省の家計調査の統計表2-5(年間収入十分位階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)を使って相関関係を調べたものです。
 

具体的には、以下の数値(年収の低い人から順に10%ごとに区分したグループの平均年収と書籍費)をグラフにプロットし、相関関係を調べました。当然、下位90~100%は「上位10%」に置き換えられます。

年収十分位階級 年収範囲 平均年収 平均書籍費(1ヶ月あたり)
下位10% 0~377万円 290万円 ¥2,183
下位10~20% 377~463万円 424万円 ¥2,128
下位20~30% 463~535万円 499万円 ¥2,287
下位30~40% 535~606万円 570万円 ¥2,413
下位40~50% 606~679万円 642万円 ¥2,705
下位50~60% 679~751万円 714万円 ¥2,788
下位60~70% 751~843万円 795万円 ¥2,960
下位70~80% 843~962万円 900万円 ¥3,458
下位80~90% 962~1149万円 1043万円 ¥3,813
下位90~100% 1149万円~ 1458万円 ¥4,708

参照:
総務省「家計調査(家計収支編) 五分位・十分位の境界値(二人以上の世帯)」
総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2020年(表2-5)」
 

図を見るとわかるとおり、書籍費と年収は「正の強い相関(※)」にあるといえます。

※決定係数は0.97、相関係数は0.98。

今回は以上のように相関関係を調べてみましたが、統計上、あまり精度の高い分析とはいえません。その理由は以下3つです。あくまでも参考としてください。

  • 分析には一定数以上の個別値が必要だが、1世帯それぞれの年収や書籍費は把握できないため、今回は平均値を用いていること
  • 「年収が高いから書籍費に多く出費できる」という関連性も考慮すべきこと
  • 単に書籍費との関係を調べたものであり、「書籍費=読書量」とは必ずしも言い切れないこと

年収1000万以上の人の読書量は?

「読書量が多いから年収も高くなる」という因果関係ははっきりしませんが、「読書量が多い人は年収も高い」という相関関係はわかりました。

それでは、年収1,000万円以上の人の読書量は、具体的にどのくらいでしょうか。

出版文化産業振興財団(JPIC)の調査結果(※)によると、年収1,000~1,500万円の人は1ヶ月に3~4冊読んでいる人が多い(23.6%)と分かります。

月間読書量 全体 年収1,000~1,500万円
0冊 23.7% 17.1%
1冊 29.2% 26.4%
2冊 19.2% 20.0%
3~4冊 17.9% 23.6%
5~7冊 5.9% 5.7%
8冊以上 4.1% 7.1%

※参照:出版文化産業振興財団(JPIC)「現代人の読書実態調査(2009年)」(PDF)

本調査は成人1,550人を対象として2009年に実施された調査です。少し古い調査のため、現在とは実態が異なる可能性がある点は注意してください。

しかし、やはり傾向としては年収が高いほど読書量は多いといえるでしょう。
 

読書量と年収が比例するといわれる理由とは?

読書量と年収は比例するといわれます。ここでは、この理由を解説します。

  • 理由①読書は稼げるようになるための自己投資
  • 理由②読書すると自ら考えて柔軟に行動する力がつく
  • 理由③読書で成功者の考え方がわかる
  • 理由④読書で収入を上げる行動のモチベーションが上がる

理由①読書は稼げるようになるための自己投資

読書は、稼げるようになるための自己投資だといえます。

一般的に、就職してから年数が経過するごとに年収は上がりますが、退職するまでに誰もが年収1,000万円以上になれるわけではありません。

それでは、年収1,000万円以上になれる人となれない人の差にはどのような原因があるのでしょうか。

この原因について、「自己投資を継続しているかどうか」が大きな要因になっていることを示す調査結果(※)があります。 年収1,800万円以上の人と600万円台の人それぞれ500人ずつにアンケートをとった結果、以下のような結果が出ているのです。

  • 読書量は2倍の差
  • 勉強時間は1日当たり約30分の差
  • 1年当たりの自己投資額は約10万円の差

さらに、年収1,800万円以上の人は、40代以降も自己投資額が増えているというのが特徴的です。 この調査結果より、読書は「稼ぐ人と稼げない人の差」であり、稼げるようになるための自己投資でもあるといえるでしょう。

※参照:NIKKEI STYLE「年収1800万円以上の特徴は? 成功する人は勉強していた」
 

理由②読書すると自ら考えて柔軟に行動する力がつく

読書をすると、自ら考えて柔軟に行動する力がつくといわれています。

読書は、文章を目で見て、頭のなかで情報を整理したり、登場人物や著者の考え方を想像することを促します。

そのため、よく考える力(思考力)や他の人の立場に立って考える力がつき、ものの捉え方も広くなります。

結果的に、自ら考えて柔軟に行動する力や新しいビジネスを企てる力も身に付く可能性が高くなります。
 

理由③読書で成功者の考え方がわかる

人生における成功の定義は人それぞれですが、仮に収入を増やすことだとすると、読書によって自分よりも収入が高い人の考え方や行動がわかります。

成功者の考え方や行動がわかれば、知らない状態よりも年収を上げるための行動ができるかもしれません。

以下のような言葉もあります。

  1. 「心(考え方)が変われば行動が変わる」
  2. 「行動が変われば習慣が変わる」
  3. 「習慣が変われば人格が変わる」
  4. 「人格が変われば運命が変わる」

理由④読書で収入を上げる行動のモチベーションが上がる

読書をすると、「自分もできる」という自信が湧いたり、「やりたい」と感じることもあるでしょう。

つまり、モチベーションを上げることができます。

「人はそう簡単に変わらない」といわれることもあります。新しいことをするには危険を伴うため、現状維持をしたがるという理由です。

現状維持から脱却するためには動機づけ(モチベーション)が必要で、そのために読書が有効になることがあります。

いくら読書で知識が増えても、アウトプットしなければ意味を成しません。読書で学んだことや感じたことは、行動に移しましょう。
 

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読書量0から毎月4冊に増やすための方法5選

年収1,000万円以上の人は、毎月3~4冊を読む割合が多いという調査結果を紹介しました。

しかし、今まで読書をしたことがない人にとっては、いきなり1週間に1冊のペースで本を読むことは難しいといえます。それだけでなく、サラリーマンであれば時間が限られていて読書する時間がないということもあるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、以下の方法です。

  • 読書量を増やす方法①興味のある話題の本を探してみる
  • 読書量を増やす方法②好きな人や尊敬する人にオススメの本を聞く
  • 読書量を増やす方法③電子書籍を読む
  • 読書量を増やす方法④図書館で本を借りてみる
  • 読書量を増やす方法⑤買い物帰りに書店に寄ってみる

どんな本なら読めるか、本を読むきっかけをどう作るかなどについて紹介します
 

読書量を増やす方法①興味のある話題の本を探してみる

まずは、「読んでみよう」、「読めそう」と思える本を探しましょう。

例えば「パン」が好きなら、以下のようにインターネットで検索して探してみるのも1つの方法です。
 

  • 「パン 本 ベストセラー」
  • 「パン 本 有名」

読書量を増やす方法②好きな人や尊敬する人にオススメの本を聞く

インターネットで検索して探す方法だけでなく、好きな人や尊敬する人にオススメの本を聞いてみるのも良いでしょう。

好きな人や尊敬する人が、いつもどのような本を読んでいるのかを知れますし、話題作りにもなります。
 

読書量を増やす方法③電子書籍を読む

ここからは、「読める本の探し方」ではなく「読書量を増やすための読み方」を紹介します。

最近では、紙の本だけでなく電子書籍も豊富に出回っています。紙の本にこだわる必要はないため、気軽に読める電子書籍を読んでみると良いでしょう。

電子書籍なら時間に余裕がない人でも隙間時間に読むことができます。仮に月額定額制のサービスを使えば、「読まないともったいない」という気持ちも読書の支えになります。
 

読書量を増やす方法④図書館で本を借りてみる

自宅に居ながらスマートフォンで本を読める電子書籍よりはハードルは高いですが、図書館で本を借りてみるのもオススメです。

図書館で興味を持った本を、思い切って借りてみましょう。

図書館で本を借りるといずれ返さなければいけません。読まないまま返しに行くのは面倒であるため、なかば強制的に本に触れる機会を増やせます。

読書量を増やす方法⑤買い物帰りに書店に寄ってみる

いつもの買い物帰りに、書店に寄ってみるのもオススメです。

多くの書店では、入り口近くに「オススメの本」が並べられています。普段読書をしない人にとっても、興味のある本が見つかるかもしれません。

総合店舗なら店舗内に書店が入っていることもあるでしょう。図書館と同様、本に触れる機会を増やすことにつながります。
 

まとめ:読書量と年収は無関係ではない!毎月4冊を目指そう

読書量と年収には、正の強い相関関係がありました。

しかし、年収が高い人は読書量が多いという調査結果はありますが、逆に、読書量が多ければ年収も高くなるという因果関係を示す根拠ははっきりしないのが現実です。

一方で、やはり読書と年収の因果関係を否定しきるのも難しいでしょう。

目安として、年収1,000~1,250万円の人は1ヶ月に3冊から4冊の読書をしている人が多い傾向です。つまり、1週間に1冊と考えれば良いでしょう。

1週間に1冊読むことを目標として、ぜひ本記事で紹介した方法を実践してみてはいかがでしょうか。

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