「手取りで40万円稼げるとかなりリッチだ」と言われることがあります。手取りとは、いわゆる月収(額面給与)から各種税金や保険料が天引きされた金額であり、「月収いくらなら手取り40万円になるのか」と気になる人も多いでしょう。
そこで本記事では、手取り40万円の人の額面給与と生活実態を紹介します。手取り40万円の人はどのような生活が送れるのかわかります。手取り40万円が期待できる業種や職種と、手取り40万円を目指す方法も紹介しているので、目指したい人はぜひ参考にしてください。
手取り40万円の人の額面給与は約53万円
手取り金額は、額面給与から税金や社会保険料を引くことで算出できます。差し引かれる税金や社会保険料の種類と割合は、以下の表が目安値です。
項目 | 税率・料率の目安 |
---|---|
所得税 | 20.42%(課税所得330万円 から694万9,000円まで)※1 |
住民税 | 約10%(都道府県によって異なる場合あり) |
健康保険料 | 標準報酬月額の約5%(本人負担分)※2 |
介護保険料 | 標準報酬月額の0.82%(本人負担分)※2 |
厚生年金保険料 | 標準報酬月額の9.15%(本人負担分)※2 |
雇用保険料 | 給与の0.5%(本人負担分)※2、※3 |
※1:復興特別所得税が2.1%含まれる(令和19年までの時限措置)
※2:社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)負担は労使折半
※3:雇用保険料率は、一般の事業は0.5%。農林水産業・清酒製造業・建設業は0.6%
これら6種類の税・保険料が天引きされるため、額面給与と手取りが異なります。大まかな手取り金額は、「額面給与×75%=手取り金額」の式で計算できます。
よって、手取り金額40万円を受け取れる場合、必要な額面給与は「40万円÷75%=約53万円」です。
手取りの正確な計算方法については、以下の記事を参考にしてください。
手取り40万円の人の生活レベル
では、手取り40万円の人の生活レベルはどの程度なのでしょうか。額面給与が約53万円なので、年収を単純計算すると「53万円×12=636万円」となります。ここにボーナスや各種手当が加わった場合、さらに年収が増えます。民間平均443万円と比べると、200万円近く高い年収です。
参考:国税庁長官官房企画課「令和3年分 民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」
余裕のある手取り40万円を得ている人は、どのような生活を送れるでしょうか。独身・パートナーと二人暮らし・パートナーと子供一人の3パターンについて、以下でシミュレーションしてみます。
独身の場合
独身の場合、調査によると1か月の消費支出は約17万2,000円です。主な支出項目は次のとおりです。
支出項目 | 費用 |
---|---|
食料 | 約4万円 |
住居 | 約3万円 |
交通・通信 | 約2万4,000円 |
教養娯楽 | 約2万円 |
交際 | 約1万1,000円 |
光熱・水道 | 約1万円 |
参考:総務省統計局「家計調査 家計収支編 1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)表番号1 (2021年)」
手取り40万円に対して消費支出が17万2,000円なら、余裕が20万円以上あり、ゆとりのある生活が送れるでしょう。ワンランク上の住居を選んだり、人脈を広げる交際に積極的に参加したり、さまざまな選択が可能です。
パートナーと二人暮らしの場合
パートナーと二人暮らしの場合、調査によると1か月の消費支出は約24万8,000円です。主な支出項目は次のとおりです。
支出項目 | 費用 |
---|---|
食料 | 約6万6,000円 |
住居 | 約2万円 |
交通・通信 | 約3万5,000円 |
教養娯楽 | 約2万1,000円 |
交際 | 約1万9,000円 |
光熱・水道 | 約1万9,000円 |
参考:総務省統計局「家計調査 家計収支編 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出(表番号3ー1)(2021年)」
手取り40万円に対し消費支出が24万8,000円なので、15万円以上の余裕があるといえます。子供が欲しい場合は、二人暮らしの間に教育費を可能な限り貯金しておくと、子供の将来の選択肢を増やせます。子供の予定がない場合は、老後への資産形成を行いやすいでしょう。
パートナー・子供一人(3人家族)の場合
パートナーと子供一人がいる3人家族の場合、一般的な1か月の消費支出額は28万5,000円です。主な支出項目は次のとおりです。
支出項目 | 費用 |
---|---|
食料 | 約7万7,000円 |
住居 | 約1万9,000円 |
交通・通信 | 約4万1,000円 |
教養娯楽 | 約2万4,000円 |
光熱・水道 | 約2万3,000円 |
保険医療 | 約1万5,000円 |
参考:総務省統計局「家計調査 家計収支編 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出(表番号3ー1)(2021年)」
手取り40万円から消費支出額28万5,000円を引くと、10万円程度が手元に残ります。20万円以上ゆとりがあった単身世帯とは、金銭的余裕が異なります。子供の教育費やその他万が一に備えて、貯蓄や資産形成を優先させるといいでしょう。
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手取り40万円が期待できる年代や業種・職種
手取り40万円(つまり額面給与で53万円以上)は、どのような人が多いのでしょうか。年代・業種・職種の3点、額面年収636万円を超えられる人物像を以下で解説します。
年代:50代
手取り月額が40万円の場合、額面給与は約53万円です。よって、手取り40万円を得られる年収は単純計算で「53万円×12=636万円」以上が必要です。
次の表で、年齢別の平均給与を見てみましょう。なお、全年齢を通じた平均給与は443万円(男性545万円、女性302万円)です。
年齢階層別の平均給与
年齢 | 平均 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
20歳以上25歳未満 | 269万円 | 287万円 | 249万円 |
25歳以上30歳未満 | 371万円 | 404万円 | 328万円 |
30歳以上35歳未満 | 413万円 | 472万円 | 322万円 |
35歳以上40歳未満 | 449万円 | 533万円 | 321万円 |
40歳以上45歳未満 | 480万円 | 584万円 | 324万円 |
45歳以上50歳未満 | 504万円 | 630万円 | 328万円 |
50歳以上55歳未満 | 520万円 | 664万円 | 328万円 |
55歳以上60歳未満 | 529万円 | 687万円 | 316万円 |
60歳以上65歳未満 | 423万円 | 537万円 | 262万円 |
65歳以上70歳未満 | 338万円 | 423万円 | 216万円 |
70歳以上 | 300万円 | 369万円 | 210万円 |
参考:国税庁長官官房企画課「令和3年分 民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」
男女平均および女性については、どの年齢層でも600万円に達していません。男性の場合、40代後半で630万円となり、50代で636万円を超えています。よって、50代で手取り40万円を得られる可能性が高まるといえるでしょう。
その一方、若い間に手取り40万円を得るのは難しいとわかります。
年代別平均年収に関する詳細は、以下の記事を参考にしてください。
業種:上場企業や外資系企業に入社
業種ごとの平均給与をみると、600万円を超えているのは次の3業種です。
- 電気・ガス・熱供給・水道業:766万円
- 金融業・保険業:677万円
- 情報通信業:624万円
また、企業規模ごとの平均給与をみると、規模の大小で平均給与が大きく異なります。資本金が10億円以上の株式会社では給与が600万円以上の人が45.6%を占めている一方、資本金2,000万円未満では600万円以上は12.6%しか存在していません。
よって、大企業・上場企業に入社することが手取り40万円への近道といえるでしょう。日本企業だけではなく、金融業や保険業、情報通信業はもちろん、その他業種の外資系企業も高年収が期待できます。
職種:弁護士、公認会計士などの士業や個人事業主
大企業や外資系企業のサラリーマン以外に手取り40万円が可能な職種としては、弁護士や公認会計士などの高度資格が必要な士業が挙げられます。その他、税理士や不動産鑑定士も高収入を得られます。
また、医師・歯科医師・獣医師といった医学資格関係も周知のとおり高収入です。これら有資格を活かしての開業はもちろん、スペシャリストやビジネスオーナーとしての個人事業主も高収入を得る可能性があります。
手取り40万円を目指す方法
「今さら大企業には入社できないし、資格もないので手取り40万円は無理だ」とあきらめる人もいるかもしれません。しかし、今からでも手取り40万円を目指す方法はあります。以下で紹介する2つの方法を参考に、自分に合った方法で手取り40万円に挑戦してみてください。
年収の高い企業や職種に転職する
現時点の勤務先よりも、年収の高い企業や職種に転職することをおすすめします。勤務先が小規模企業であったり、高年収が少ない業種では、努力しても大幅な昇給は期待できません。
あなたが目指す企業が外資系企業であれば、新卒ではなくても採用されやすい傾向が高いです。また、日本企業の雇用も近年では流動性が高まっているため、転職はしやすくなっているでしょう。年収を増やすためには、ぜひ転職を選択肢に入れてみてください。
副業をする
転職をせずに、副業をして第二の収入源を作る方法もあります。まずは自分に無理のない範囲の副業で手堅く稼ぎ、一定の余裕が生まれた段階で副業を増やしたり、副業の種類を変えると収入が増えていきます。
例えば、不動産投資や不動産経営は初期費用も必要ですが、安定した大きなリターンも見込めるうえに、多忙なサラリーマンも行いやすいのが特徴です。ぜひ、自分に合った副業で収入を増やしていきましょう。
副業の種類に関する詳細は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ:手取り40万円は少数派!特定の業界職種への転職や副業が近道
手取り40万円の額面給与や生活レベル、期待できる年代・業種を解説しました。日本の平均給与からみて、手取り40万円は少数派の高所得者であるといえるでしょう。今の勤務先で手取り40万円を期待できない場合は、転職や副業、資産運用などをすることが必要です。
高収入が得られると予測できる業種や職種への転職を目指すか、勤務先は変えずに副業で収入を増やすかのいずれかが、おすすめの方法です。手取り40万円は簡単に得られる金額ではありませんが、得られると生活に大きな余裕ができます。
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