マンションとアパートの違いとは?それぞれの特徴や投資対象の選び方を解説します

岩切 健一郎

監修者:岩切 健一郎

1986年5月生まれ。宮崎県出身。業界10年目。
コンサルティング会社、外資系生命保険会社を経て、現在は保険代理店に勤務しながら発達障害の方のライフプランを専門に行う合同会社ひなたを経営。
保有資格:FP1級、CFP全課目合格

資産運用のひとつとして不動産投資を考える際に、マンションとアパートの区別がつかずどちらに投資すべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、マンションとアパートの一般的な定義と特徴、投資するときの5つの選び方を解説します。本記事を読むとマンションとアパートの違いがわかり、自分がどちらに投資すべきか判断できます

不動産投資を始める前に、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

マンションとアパートの区別に明確な基準はない

マンションとアパートはどちらも集合住宅です。実は、マンションとアパートは明確に区別されているわけではありません。不動産会社やデベロッパー、物件のオーナーが各自呼び方を判断しているだけです。

法的には区別がないため、不動産登記簿謄本にも「マンション」「アパート」などの記載事項はありません。集合住宅にはその他、「メゾン」「ハイツ」「コーポ」などさまざまな名称がありますが、これらも法的には定義はありません。

一般的なイメージとしては「メゾン」「ハイツ」「コーポ」はアパートに近いといえるでしょう。では、マンションとアパートがまったく同じものかというと、そうではありません。次項で違いについて解説します。

一般的な定義

「結局、マンションとアパートの違いは何なのか」と疑問に思うかもしれません。前述のとおり、法的には両者の区別はありません。ですが、一般的には建物の階数や建築の構造によって判断されています。

地域や不動産会社によっては定義が異なる場合もあるため、気になる物件が見つかった場合は、建築構造等をチェックしてください。マンションとアパートのそれぞれの一般的な定義について、以下で解説します。

マンションの定義

マンションは3階建て以上の集合住宅で、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造で建築された建物を指します。アパートと比較すると頑丈で大規模な建物が多いです。

なお、不動産投資の面から見ると、マンションは賃貸と分譲の双方が可能であるため、家賃収入や売却益を期待できます。

アパートの定義

アパートは2階建ての集合住宅で、木造または軽量鉄骨造によって建築された建物です。アパートはマンションよりも小規模な建物といえます。会社によっては、木造や軽量鉄骨造でも3階以上であればマンションと呼ぶ場合があります。

不動産投資の点では、アパートは賃貸がメインであるため、狙えるのは家賃収入です。

マンションとアパート、それぞれの特徴は?

マンションとアパートは、前述のとおり階数と建築構造の違いによって区別されます。この建築構造の違いによって、それぞれのメリット・デメリットがあります

特徴が全く異なるため、自分の居住用・不動産投資用のいずれにしても、しっかり確認しておいてください。以下で、マンションとアパートの各特徴を解説します。

マンションの特徴1:設備が充実している

マンションは設備が充実していることが特徴です。アパートに比べると大規模であり、居住者数も多いため、24時間ゴミ回収スペースや宅配ボックス、防犯カメラ、オートロックなど共同設備が設置されている場合が多いです。

また、常駐管理人やエレベーターもマンションによっては備えられているため、より便利で快適な生活が過ごせます。

マンションの特徴2:安全性が高い

マンションはRC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造のため、頑丈で安全性が高いです。耐震性や耐火性に優れており、もしもの時もあわてずに対処できます。

また、防音性にも優れており音漏れがしにくいため、隣室や上下階の部屋との騒音トラブルも避けられます。集合住宅の場合、近隣入居者とのトラブルは騒音が原因となることも多いですが、遮音性の高いマンションなら静かに安心して過ごせます。

アパートの特徴:家賃が安い

アパートは家賃が安いことも特徴です。木造や軽量鉄骨造のため建築費が安く済むため、家賃も安くなります。築年数や部屋面積、間取り、物件エリアなどが同じ場合、マンションとアパートを比べると、アパートの方が家賃が低い場合が多いです。

「自分にとって効率のいい投資って何かな?」とお悩みの方は、投資を始める上で重要なポイントを、まずは押さえておくことが大切です。それは、自分がどのような「投資タイプ」なのかを事前に把握しておくことです。 MIRAPの投資診断ではLINEでカンタンに「投資タイプ」を知ることができます。あなたは一体 なにタイプでしょう?

マンションとアパート、投資対象を選ぶ際の5つの項目

マンションまたはアパートの投資対象を判断する際は、以下の5つの項目を抑えておきましょう。

  1. 価格
  2. 空室リスク
  3. 維持・修繕費
  4. 節税効果
  5. 資産性

いずれも、不動産投資の際に指標となるポイントです。各選び方において、自分が求める条件を明確にすることで、適した不動産を選べます。それぞれについて、以下で解説します。

選び方①価格

不動産投資の際に、まず注目したいのは物件価格です。最新調査による区分マンションと一棟マンション、一棟アパートの3種類の、それぞれの平均価格帯は以下のとおりです。

  • 区分マンション:約1,500万円
  • 一棟マンション:約1億6,000万円
  • 一棟アパート:約6,900万円

参考:不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや)「収益物件 市場動向マンスリーレポート2022年1月期」

つまり、区分マンション=ワンルームマンション投資は初期投資が少ないため始めやすいことがわかります。一棟マンション投資は投資規模が億単位となるため、いきなり取り組むのは非常に難しいといえます。そのため、区分マンションとアパートで投資先を比較検討する人が多いです。

選び方②空室リスク

不動産投資において、避けたい事態は空室の発生です。マンションとアパートのどちらが空室リスクが高いのか、気になる人も多いでしょう。

結論としては、アパートよりマンションのほうが需要があるため空室リスクが低いです。賃貸住宅市場レポートによると、マンションの空室率が8~14%程度なのに対して、アパートの空室率は30~40%と言われています。空室リスクを何としても避けたい場合は、マンション投資をおすすめします。

選び方③維持・修繕費

建物の維持・修繕費も見過ごせないポイントです。マンションがRC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造で耐久性が高いのに対して、アパートは木造なので維持・修繕費がより多くかかります

また、区分マンションと一棟アパートを比較すると、区分マンションは毎月修繕積立金を払うため共有部への突発的出費はありません。一方、一棟アパートは共有部や建物本体の修繕も全て所有者が行う必要があります。

ただし、一棟マンションの場合はエレベーターの定期点検や修理など、設備のメンテナンスコストが高くなる点に注意が必要です。

選び方④節税効果

節税目的で不動産投資を始める人も多いでしょう。節税効果が高いのは、アパートです。不動産投資において、建物の減価償却費が大きいほど節税につながります。建物の減価償却費は、建物の構造による法定耐用年数の違いによって異なります。

建築構造ごとの法定耐用年数は次のとおりです。

  • RC(鉄筋コンクリート)造およびSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造:47年
  • 鉄骨造:34年
  • 軽量鉄骨造:19年
  • 木造:22年

法定耐用年数が短いほど1年あたりの減価償却費が高くなるため、木造や軽量鉄骨造のアパート投資の方が節税につながります。

不動産の減価償却についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

選び方⑤資産性

資産性という観点でも、建物の法定耐用年数が重要になります。マンションの法定耐用年数が34年または47年なのに対し、アパートは19年または22年です。つまり、マンションのほうがより長く資産性を維持できます

アパートが最短19年しか資産価値がない一方、マンションなら47年間資産価値を有し続けます。そのため、(売却価格と家賃収入の合計額)ー(買取価格)=利益を考えると、マンションがより優れているといえるでしょう。

まとめ:マンションとアパートのそれぞれの特徴を理解して利用目的に合わせて選びましょう

マンションとアパートの区別や特徴、投資の際の5つの選び方を解説しました。法的にはマンションとアパートは区別がないため、木造や軽量鉄骨造であっても「○○マンション」と名づける場合もあります。

そのため、気になる物件の構造はチェックしておくことが大切です。マンションもアパートも異なる特徴を持っています。それぞれの特徴を理解して、利用目的や自分の現状に合わせて、投資に適した物件を選んでください。

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