節税のために不動産投資をしている人もいますが、不動産投資がどのように節税に繋がるのか、よくわからない人も多いでしょう。
この記事では、不動産投資と節税の関係や、税金の種類、確定申告に関して、わかりやすく解説します。節税する場合の注意点などを知り、不動産投資において効果的に税金対策しましょう。
目次
不動産投資で節税できる主な税金
不動産投資により節税できる主な税金は「所得税」「住民税」「贈与税」「相続税」「法人税」の5つです。不動産投資は、節税対策ができる投資方法です。
ここでは、不動産投資で節税できる「所得税」「住民税」「贈与税」「相続税」の4つの税をひとつずつ解説します。
不動産投資で節税できる主な税金
- 所得税・住民税
- 贈与税
- 相続税
所得税・住民税
所得税は、個人の収入から必要経費を引いた後の金額に対してかかる税金です。主にサラリーマンなどの給与所得者は、自身の給料から所得税が自動的に差し引かれます。
住民税は、居住している地域の都道府県や市区町村によって徴収される税金であり、個人の所得に基づいて税額が計算されます。
日本では、所得が増えるにつれて税率も高くなる「累進税率制度」が所得税に適用されてます。
課税対象となる所得金額に税率を掛けて、控除額を差し引くと、所得税を算出可能です。
詳しくは後ほど紹介する「減価償却と損益通算による所得税の節税シミュレーション」を参考にしてください。
贈与税
贈与税とは、他人から無償で財産を受け取った際、課税される税金です。贈与税は、年間で110万円の基礎控除があり、年間合計110万円以下の贈与には税金は発生しません。
贈与税は、以下の計算式で計算できます。
贈与税の計算式
(受け取った財産額-110万円)×税率-控除額
具体的な税率と控除額は受け取った贈与の額によって異なるため、次の速算表で確認しましょう。
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除 |
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
引用元:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
相続税
相続税とは、亡くなった人から財産を引き継ぐ際に、相続人が支払う税金です。相続税の計算方法は以下の方法で計算します。
相続税の計算式
(相続税の評価額-基礎控除額)×相続税率-控除額
不動産投資は、贈与の際に適用される相続税評価額に基づく計算法則と同じ原理が相続税にも当てはまるためです。
例えば、1億円の現金を相続する場合と、同額の不動産を相続するケースを比較してみます。現金の相続では、金額が税の計算基礎となります。
不動産の場合は、評価額が一般的に80%程度、つまり約8000万円まで低減されるケースが多いです。評価額が下がることによって相続税が軽減されるため、効果的な節税策です。
特に、借地権や借家権を相続する場合、評価額がさらに下がる可能性があるため、さらなる節税が見込めます。
海外不動産投資は減価償却による節税ができない
2021年の税制改正により、個人投資家は海外不動産の購入にかかる費用の減価償却による節税ができなくなりました。
しかし、税制改正は個人にのみ適用され、法人は引き続き減価償却費を経費として計上できます。
税制の変更は、国外にある中古不動産に関する償却費を日本の減価償却制度の対象とすることに対して「非合理的である」との見解が2020年の税制改正大綱で示された結果、実施されました。
2021年度以降、海外投資の不動産を購入する際の購入費の経費計上が不可能になり、税金対策として大きく見込めなくなりました。
不動産投資でサラリーマンの所得税・住民税を節税する仕組み
サラリーマンが不動産投資で節税する仕組みは、次のとおりです。
不動産投資でサラリーマンの所得税・住民税を節税する仕組み
- 減価償却で経費計上して不動産所得を赤字化する
- 不動産投資の赤字を別の所得で相殺すると節税になる
減価償却で経費計上して不動産所得を赤字化する
不動産所得を赤字化することで、全体の課税所得を減少させ、税負担を軽減できます。減価償却は、購入した不動産価値の減少を年間の経費として記録する方法です。
実際に出費が発生しない状況でも、税務上の経費として扱え、節税効果があります。減価償却を適用できる期間は、物件の建物タイプや新築、中古の区分によって異なります。木造建築の法定耐用年数は22年で鉄骨コンクリート造は47年です。
具体的には、法定耐用年数の全てが経過している場合は「法定耐用年数×20%」を適用します。法定耐用年数を、一部経過している場合は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」を適用します。
新築物件と中古物件では、中古物件の方が減価償却費が高くなる傾向にあります。中古物件の耐用年数が新築時の法定耐用年数ではなく、特定の計算式に基づいて再計算されるからです。
不動産投資の赤字を別の所得で相殺すると節税になる
損益通算を利用すると、不動産からの家賃収入における損失を他の所得と相殺できるため、節税効果が期待できます。
ケース
- 年間の給料収入:500万円
- 年間の不動産からの収益:50万円
- 年間の不動産関連の支出(経費):200万円
上記のケースでは、不動産から150万円の損失(50万円の収入から200万円の支出を引いた額)です。
給料収入と不動産からの損失を合わせた合計所得は350万円(500万円の給料から150万円の損失を引いた額)で、給料所得のみの場合に比べて税金が低くなります。
なぜなら、不動産投資では、節税対策として表面上はプラスの収益を上げていても減価償却などの要因により税務上は損失が出ることも珍しくありません。
不動産投資で資産家の相続税・贈与税を節税する仕組み
不動産投資は、相続税・贈与税の節税対策として有効な手段です。資産を相続や贈与する場合、現金よりも不動産の方が相続税や贈与税を抑えやすいです。
相続税や贈与税を計算するとき不動産の評価額は、路線価(土地)や固定資産税評価額(建物)を使用するため、購入価格よりも低くなります。
路線価(土地)や固定資産税評価額(建物)は、市場価格や購入価格よりも一般的に低く設定されているのは、公平な税制を確保するための措置です。
土地や建物を賃貸した場合、借りた人に借地権や借家権が発生するため、不動産の評価額をさらに下げられます。不動産の評価額についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参照ください。
関連記事:https://sure-i.co.jp/r-eal/basic/3357/
不動産投資における所得税と相続税の節税シミュレーション
不動産投資による所得税や相続税の節税は、適切な投資と税制の理解に基づいて可能です。具体的なシミュレーションを通じて、効果を明確に理解できます。
ここでは不動産投資における所得税や相続税の節税シミュレーションについて解説します。
所得税と相続税の節税シミュレーション
- 減価償却と損益通算による所得税の節税シミュレーション
- 現金と不動産で相続した場合の相続税の節税シミュレーション
減価償却と損益通算による所得税の節税シミュレーション
減価償却と損益通算を活用した場合、所得税がどの程度軽減されるかの具体例を見てみましょう。所得税は、速算表を用いて以下の式で求められます。
所得税の計算式
所得税額=課税所得金額×適用税率-税額控除額
所得税の節税のシミュレーション
- 給与所得:900万円
- 不動産収入:100万円
- 不動産購入費用:2,000万円(耐用年数10年として)
- 不動産関連支出(経費):年50万円
年間の減価償却費は200万円(購入費用2,000万円を10年で割ったもの)で、不動産からの収益は収入と減価償却費、経費を引いたマイナス150万円(=100万円 – 200万円 – 50万円)です。
結果として、課税される収入の合計は給与と不動産からのマイナス収益をあわせた550万円(=900万円-150万円-200万円)で、速算表を用いると税金は以下の通りです。
所得税額=550万円×20% – 42万7,500円=67万2,500円
給与収入のみで計算すると、課税所得収入は700万円(=900万円 – 200万円)で、所得税は97万4,000円(=700万円×23% – 63万6,000円)です。不動産投資を通じて約30万円の節税効果があるとわかります。
所得税を計算する際は、以下の速算表を利用してみてください。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
現金と不動産で相続した場合の相続税の節税シミュレーション
不動産投資で相続税がどれだけ減らせるか、実際の計算をもとに具体例を見てみましょう。
相続税の算出は、以下の計算式を使用します。
相続税の計算式
(相続税の評価額-基礎控除額)×相続税率-控除額
基礎控除額とは、(3,000万円+600万円×法定相続人数)により計算した金額です。相続税率及び税額控除は、課税される遺産の総額に応じて異なり、相続税は所得税と同じく累進課税制度を採用しています。
相続税の節税のシミュレーション
- 法定相続人が1名で、時価総額1億円の賃貸不動産を相続するケース
- 不動産の土地評価額は3,200万円、建物評価額は2,800万円
基礎控除額は3,600万円= 3,000万円 + (600万円 ×1人) で、相続税の対象となる評価額は6,000万円= 3,200万円 + 2,800万円 です。
不動産で相続した場合、相続税の速算表より、相続税は次の通りです。
不動産で相続した場合の相続税額
相続税額= (6,000万円 – 3,600万円)× 15% – 50万円 = 310万円
現金で同額を相続した場合の相続税は次の通りです。
現金で同額を相続した場合の相続税
相続税額= (1億円 – 3,600万円) ×20% – 200万円 = 1,080万円
不動産投資をした場合、しなかった場合と比べて相続税が700万円以上節約できることが分かります。
相続税の算出は以下の速算表を利用しましょう。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
上記の速算表に当てはめて算出した税額を合計したものが相続税の総額です。
不動産投資で節税しやすい物件の特徴
不動産投資で節税を考える際には、物件選びが大切です。高い減価償却費を計上できる新築物件や特定の構造を持つ物件・税制優遇の対象となる物件・運用コストが低い物件を選ぶことで、効果的に節税しながら収益性の高い投資ができます。
ここでは不動産投資で節税しやすい物件の特徴について解説します。
節税しやすい物件の特徴
- 耐用年数が短く減価償却の節税効果が高い不動産
- 価格が安く初期費用を抑えられる不動産
- 減価償却費の割合が高く経費計上できる金額が高い大阪の不動産
耐用年数が短く減価償却の節税効果が高い不動産
耐用年数が短く減価償却の節税効果が高い不動産が、不動産投資で節税しやすい物件です。
構造が同じである住宅の場合、中古の方が購入時点での耐用年数が少ないため、年間で計上できる減価償却費が高い傾向にあります。
中古物件への投資を選べば、初期の数年間にわたって所得税の負担を大きく減らせる可能性があります。
減価償却のメリットを受けられる期間も短くなるため、短期的な利益だけでなく、長期的な視点も持って投資の全体のメリットを評価するのが大切です。
価格が安く初期費用を抑えられる不動産
中古物件は、新築物件に比べて初期費用を抑えられるメリットがあります。
「不動産への投資に興味はあるが、初期の出資額を回収するまでのリスクが不安である」という投資初心者にとって中古物件への投資は魅力的な選択でしょう。
新築に比べて集客するのが難しい中古物件は、賃料の見直しや最新の内装や設備へのグレードアップなどの、賃借人を惹きつけるための工夫が重要です。
中古物件は新築に比べて早い段階でメンテナンスや修理が必要になるため、購入後の維持管理にも注意が必要です。
減価償却費の割合が高く経費計上できる金額が高い大阪の不動産
大阪の不動産は、減価償却費の割合が高いため、不動産投資において節税しやすい物件として注目されています。
東京よりも大阪の方が土地が安いため、建物代金から土地代を引いて求める減価償却費が高くなり、節税につながります。
不動産投資を考える際、マンションの価値は土地と建物に分けて評価する必要があります。土地は経年による価値の減少がないため、減価償却の対象外となるためです。
マンション購入における投資額から土地の価格を除外した残りが建物の価格として減価償却できます。
東京と大阪で新築マンションを購入した場合の価格を比較すると、東京では約3000万円が一般的な価格ですが、大阪では約2000万円で同じ条件の物件が購入できるのです。
約1000万円の差額は主に土地価格の違いによるもので、大阪の方が減価償却費の割合が高くなるため、投資の初期費用を節約しながら税務上のメリットがあります。
大阪で不動産投資を始める方には、大阪中心部の一室マンション投資に特化し、テクノロジーを駆使した新しいタイプの不動産投資サービスであるMIRAP(ミラップ)がおすすめです。
MIRAP(ミラップ)は、管理手数料が業界最安なため、少ない予算で初期費用を節約しながら不動産投資運用を実現できます。
オーナーが物件を購入した後は、MIRAPが管理を一手に引き受けるため、時間をかけずに本業に集中できます。
節税目的の不動産投資における失敗事例8選
節税目的での不動産投資は魅力的に聞こえるかもしれませんが、慎重に計画しない場合、さまざまな失敗につながる可能性があります。失敗事例を学び、それを避けることで、より安全で効果的な不動産投資ができるでしょう。
ここでは節税目的の不動産投資における失敗事例8選を紹介します。
節税目的の不動産投資における失敗事例
- 事例1:課税所得が低く不動産投資による大きな節税効果が期待できない
- 事例2:節税ばかり考えて利益が見込めず赤字になる
- 事例3:不動産売却の利益を譲渡所得と認識していない
- 事例4:外注管理費・損害保険料の経費計上の扱い方を知らない
- 事例5:赤字経営が続いて追加融資できず資金繰りが難航した
- 事例6:築年数とローンのバランスを確認せずに物件を購入した
- 事例7:減価償却費よりもローンの元本返済額が大きくなり節税効果が薄れる
- 事例8:サラリーマンは所得税の節税のために確定申告が必要だと認識していない
事例1:課税所得が低く不動産投資による大きな節税効果が期待できない
課税所得が低い個人が不動産投資を節税目的でおこなった場合、不動産投資による減価償却等の節税効果が期待できません。
課税所得が低いのは、元々納めるべき所得税の金額が少ないため、不動産投資から生じる減価償却の節税メリットが少なくなります。
課税所得の低い人が不動産投資を節税目的で行った場合、不動産投資による減価償却の節税効果が小さくなるため、効果を事前に見積もる必要があります。
事例2:節税ばかり考えて利益が見込めず赤字になる
節税ばかりに目を奪われ、収益性を軽視した不動産の購入は、赤字につながる可能性があります。
節税に注力し過ぎると中古マンション投資の収支がマイナスに転じ、特にローンを組んでいる場合には返済が困難になる可能性があり、最終的には投資を続けられなくなる可能性があります。
投資用マンション購入で、将来的に投資の範囲を広げたい場合にも、赤字運営は大きな障害です。また、必要な修繕やリフォーム資金の調達が難しく、物件の価値向上に必要な投資ができなくなる恐れもあります。
税金対策に目を奪われがちですが、それによって不動産投資の基本的な目標である収益性と資産の増加を見失わないようにすることが重要です。
事例3:不動産売却の利益を譲渡所得と認識していない
不動産の売却から生じる収益は、一般的には不動産所得とは異なり、譲渡所得として分類されます。
譲渡所得は給与所得や不動産所得とは異なり、収支の相殺ができないため、所得税を減らす効果は期待できません。
不動産投資から得られる収入には、種類によって税金のかかり方が変わるという重要な違いがあることを把握しておくことが大切です。
不動産投資において、売却利益を正しく譲渡所得として認識し、申告することは非常に重要です。
事例4:外注管理費・損害保険料の経費計上の扱い方を知らない
外注管理費や損害保険料などの支出は、不動産投資をする上での固定的な経費として扱われます。地震保険や火災保険などの保険料は、契約を結んだ期間全体の料金を前払いで支払うケースが一般的です。
しかし、税務上の経費として認められるのは、その年に実際に適用される保険料の部分だけです。
例えば、ある年に不動産のために20年契約の保険に10万円を支払った場合、税務上は年間5,000円の経費としてのみ認識され20年間にわたって毎年計上することになります。
長期契約の経費は管理が複雑になりがちで、継続的な注意が必要です。
事例5:赤字経営が続いて追加融資できず資金繰りが難航した
多くの投資家が銀行融資を利用して資金を調達しますが、もし投資が赤字になり続けると、今後の融資を受けにくくなるリスクがあります。
物件の運営が赤字となり、その赤字が続くと物件の価格が上昇してもその利益が運営赤字によって相殺されてしまいます。
投資初期から固定資産税やメンテナンス費用などを含めた長期的な資金計画を立てることが重要です。
事例6:築年数とローンのバランスを確認せずに物件を購入した
物件を選ぶ際は、築年数とローンの条件のバランスを見極めることが重要です。
物件の築年数は、物件の状態・価値・修繕費用などに大きく影響し、ローンは投資の利益や資金の流れに大きく影響します。
築年数とローンのバランスを確認せずに物件を購入すると、予期しないコストが発生したり、収益が見込みよりも低くなる可能性があります。
リスクを避けるためには、物件購入前に築年数とローンのバランスをしっかりと確認するのが重要です。
事例7:減価償却費よりもローンの元本返済額が大きくなり節税効果が薄れる
減価償却費よりもローンの元本返済額が大きくなると、節税効果が薄れます。減価償却費は、実際の出費がないにも関わらず帳簿上の収益を減らし、結果的に支払う税金を少なくする効果があります。
ローン返済は、基本的に元本と利息の二つの部分があり、税務上で経費として認められるのは利息だけです。ローンは返済を続けると、利息の比率が減少していくため、実質的に税金の負担額が増加する傾向にあります。
結果的に、帳簿上の収益が急増し、所得税の負担が増えてしまい資金繰りを困難にする原因です。
事例8:サラリーマンは所得税の節税のために確定申告が必要だと認識していない
多くのサラリーマンは、所得税の節税のために確定申告する必要性を見落としています。給与収入だけでなく不動産投資からの所得がある場合、認識不足は結果として損をしてしまうケースが少なくありません。
給与所得者の場合、給与所得とマンション経営で得られる不動産所得の二種類の所得があります。不動産所得とは、年間の家賃収入から修繕費や固定資産税など必要経費を差し引いた金額です。
給与所得と不動産所得を個別に計算した額に対して課税されます。不動産所得がマイナスであれば、プラスの給与所得から差し引けるのが「損益通算」です。
通常、サラリーマンは年末調整で給与所得控除が自動的に適用されるため、追加で確定申告する必要がないと考えがちです。
確定申告を青色で申告すれば65万円控除が受けられます。サラリーマンが不動産投資をする際には、確定申告の必要性を理解し、適切に行動することが非常に重要です。
不動産投資の節税に関するよくある質問
ここでは不動産投資の節税に関するよくある質問について紹介します。
不動産投資の節税に関するよくある質問
- Q1:不動産投資が節税にならないケースはある?
- Q2:別荘は税金対策になる?
不動産投資が節税にならないケースはある?
所得が低い場合や不動産所得が赤字にならない場合など、不動産投資が節税にならないケースはいくつかあります。
別荘は税金対策になる?
給与収入を得ている個人が趣味や休暇のために別荘を購入した場合、その購入や維持に関わる費用を税務上の経費として申告し、節税を図ることは原則としてできません。
別荘を購入し、貸別荘業として実際に事業化しない限り、税金の面でのメリットはありません。
サラリーマンの方が大家となって、不動産投資で節税をするためには、減価償却や損益通算についての理解が必要です。また、節税だけに着目せず、利益を出すことも考えていかなければなりません。
サラリーマンが節税対策として不動産投資を検討するときは、投資額の少ないワンルームマンションがおすすめです。リスクを抑えながら節税できます。節税効果の高い法定耐用年数の短い物件も魅力的ですが、空室リスクなどに注意が必要です。自分で管理するのが不安な場合には、税理士や不動産のプロに相談してみてはいかがでしょうか。