サラリーマンにおすすめの投資商品8選!リスクを抑えるコツも解説

高層ビル

監修者

柴田 剛秀

株式会社シュアーイノベーション ファイナンシャルプランナー

柴田 剛秀

AFP / 宅地建物取引士 / 2024年度 MDRT 成績資格会員

多くのサラリーマンが将来に向けて投資を考えていますが、投資商品の選択での失敗は避けたいと思う方も多いでしょう。

そこでこの記事では、次の内容についてまとめました。

この記事を読んでわかる事

  • サラリーマンが投資するべき2つの理て
  • サラリーマンにおすすめできる投資商品8選
  • サラリーマンが投資する際の4つの注意点

サラリーマンにおすすめの投資商品のみでなく、投資時の注意点やリスクを最小限に抑えるコツについても紹介します。
本記事を通じて、自身に最適な投資商品を見つけてみましょう。

目次

サラリーマンが投資するべき2つの理由

サラリーマンが投資するべき理由は、主に次の2つです。

  • 貯金していても金利が低いためお金が増えない
  • 金融庁が老後30年間で約2,000万円不足すると発表した

上記の理由を理解すると、多くのサラリーマンが投資する背景が明確になります。

理由①:貯金していても金利が低いためお金が増えない

サラリーマンが投資を検討すべき理由は、貯金しても金利が低く、資産がほとんど増えないためです。

例えば、メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の円預金金利は、普通預金で年0.001%です。

1,000万円を預けても、1年間で得られる利息はわずか1,000円(税引前)にすぎません。

また、金融機関の中でも比較的金利が高いといわれているネット銀行においても、円預金金利は年0.01〜0.02%程度です。

大幅な利上げがおこなわれるのは難しいと考えられるため、今後も低金利が続くと推測できます。

貯金だけで資産を構築するのは難しいため、多くのサラリーマンが投資に取り組んでいると把握しておきましょう。

理由②:金融庁が老後30年間で約2,000万円不足すると発表した

老後には多くの資金が必要とされるため、サラリーマンには投資が必要です。

2019年に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが老後に必要な資金を2,000万円と公表しました(※1)。

これは、平均的な夫婦の場合、老後の家計収支が毎月5万円の赤字であり、20年間で約1,300万円、30年間で約2,000万円の穴埋めが必要となるためです。

ただし、この推計のモデルとなった世帯の収支は、実収入が月20万9,198円(年金収入は19万1,880円)、実支出は月26万3,718円です。

したがって、収入がモデル世帯よりも少ない場合や、支出が多い場合は、2,000万円以上の資金が必要となります。

これらの金額を貯金だけで準備するのは容易ではありません

老後の2,000万円を貯めるためにも、多くのサラリーマンが積極的に投資を始めています。

※1:高齢社会における資産形成・管理

サラリーマンにおすすめできる投資商品8選

サラリーマンにおすすめの投資商品は、以下のとおりです。

  • 投資信託
  • ETF
  • 株式投資
  • 外貨預金
  • つみたてNISA
  • iDeCo
  • 不動産投資

ここでは、それぞれの投資商品の特徴について紹介します。

自身に適した資産運用方法を選ぶ際の参考にしてみてください。

①:投資信託

多忙な会社員におすすめなのは、投資信託です。

投資信託は、投資家から集めた資金をプロの投資家(ファンドマネージャー)が運用する商品です。

そのため、毎日チャートをチェックする必要がありません。

また、国内外の株式、債券、不動産などに分散投資が可能です。

少額から投資できるため、多くの会社員が初めての投資商品として選んでいます。

②:ETF

サラリーマンには、ETFもおすすめです。

ETF(上場投資信託)は、一般的な投資信託とは異なり、取引所に上場しているため、リアルタイムの価格での取引が可能です。

さらに、ETFは売買手数料が無料で、信託報酬も比較的低い傾向があり、取引コストを抑えられます。

ETFはさまざまな銘柄で構成されているため、投資を通じて多数の株式や債券に分散投資できます。

また、数千円などの少額から投資ができるのも、サラリーマンにとっては嬉しいポイントです。

③:株式投資

株式投資は、単に利益を得るだけでなく、経済に関する知識も身につくため、会社員におすすめの商品です。

株式投資では、売買益のみでなく、配当金や株主優待を受けられるため、総合的に見て高い利回りでの投資が可能です。

また、一部の銘柄では、配当金と株主優待の合計利回りが5〜10%を超えるものもあります。

株主優待では、ギフト券や割引券、商品、クオカードなどを受け取れます。

さらに、市場分析や企業分析を通じて、経済や財務に関する知識が身につき、会社の業務にもプラスの影響を与える可能性があるでしょう。

④:外貨預金

サラリーマンには、日本円を米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドルなどの外貨に換えて預金する、外貨預金もおすすめです。

外貨預金は金利が比較的高い傾向があるため、円預金と比較してより多くの利益が期待できます。

また、預金時よりも円安になっている場合は、金利収入とは別に為替差益も得られます。

一度預け入れた後は、基本的に満期まで何もする必要がないため、多忙なサラリーマンにも安心です。

ただし、円高になり為替差損が発生する可能性もあるため、慎重な取り組みが必要です。

⑤:金

いつの時代でも人気の高い金投資は、サラリーマンにもおすすめの投資商品です。

金は鉱物であり、その存在量には限りがあるため、価値がなくなる心配がありません。

また、金はインフレ時に価値が比較的安定しており、インフレに対する耐性を持つ資産としても知られています。

「有事の金」としても知られ、リスク回避の際の投資先として人気があります。

金投資には、金地金や金貨の購入、純金積立、投資信託、ETF、先物取引などさまざまな種類があり、多様性も魅力です。

⑥:つみたてNISA

つみたてNISAは、個人投資家向けの非課税制度で、長期・積立・分散投資のサポートを目的としています。

通常、株式投資や投資信託の利益には20.315%の税金が課せられます。

しかし、つみたてNISAの口座で得た利益については非課税となり、税金が一切かかりません。

そのため、資産形成を効果的に進められます。

つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円であり、非課税期間は最長20年間です。

対象となるのは一定の要件を満たす投資信託に限られます。

また、2024年からは新NISA(つみたて投資枠)としてリニューアルされ、年間投資枠や非課税期間などが拡充されます。

⑦:iDeCo

iDeCoは、個人型確定拠出年金の制度です。

自身が支払った掛金を選択した投資商品で運用し、資産を構築します。

iDeCoを利用する際のメリットは、以下のとおりです。

  • 運用益が非課税
  • 掛金が全額所得控除
  • 公的年金等控除や退職所得控除の対象

通常、株式投資や投資信託の利益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでの運用益は非課税です。

さらに、掛金が全額所得控除の対象となり、節税効果が期待できます。

また、運用資産を受け取る際には、年金か一時金のどちらかを選択可能です。

年金の場合は公的年金等控除が適用され、一時金の場合は退職所得控除の対象となります。

ただし、iDeCoで運用した資産は、原則として60歳以降でないと受け取られないため注意してください。

⑧:不動産投資

不動産投資も会社員におすすめの投資商品です。

一棟マンションやアパート、ワンルームマンションなどを購入して賃貸に出し、毎月家賃収入を得られます。

安定的に入居者を確保できれば、一定の収入が期待できます。

不動産投資ローンを活用すれば、少ない元手でも投資可能です。

また、多くの場合、団体信用生命保険がローンに付随しています。

そのため、ローン契約者に不測の事態が起きた場合、保険金でローン残債が支払われ、家族にはローンのない物件を残せます。

サラリーマンが投資する際の4つの注意点

サラリーマンが投資する際の注意点は、以下の4つです。

  • 会社によっては投資が禁止されている場合がある
  • 投資はあくまで副業であり本業に支障が出るような投資をしない
  • 生活や家族を第一に考えて余剰資金で投資する
  • 投資で利益を出したら確定申告をおこなう

適切なリスク管理を実現するためには、注意点の理解が重要です。

それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。

①:会社によっては投資が禁止されている場合がある

会社によっては、投資が禁止されている場合があるため、注意が必要です。

禁止されているにもかかわらず投資をおこない、会社にバレると何らかのペナルティが科せられる可能性があります。

たとえば、金融機関は株式投資を禁止している場合が多いため、投資をはじめる前に就業規則を確認してみてください。

②:投資はあくまで副業であり本業に支障が出るような投資をしない

投資に過度な時間を費やし、それが本業に悪影響を及ぼすような状況は避けるべきです。

「投資の勉強に時間をかけすぎて睡眠不足で本業に集中できない」などの事態が起きると、本業の評価が下がる可能性があります。

本業の評価が下がれば、給料やボーナスにも影響が及ぶ可能性があり、本末転倒です。

それでも投資で多額の利益を得られればよいですが、そう簡単なものではありません。

投資はあくまでも副業であるため、本業に支障が出ない範囲で取り組みましょう。

③:生活や家族を第一に考えて余剰資金で投資する

投資は、基本的に余剰資金を活用するべきです。

なぜなら、投資には利益を得られる可能性がある一方で、損失が生じる可能性もあるためです。

生活資金を使ってしまうと、損失が生じた場合に家賃やローン返済、クレジットカードの支払いなどに影響が及ぶ可能性があります。

また、損失が原因で夫婦関係に亀裂が生じる場合もあるでしょう。

余剰資金を活用していれば、損失が生じても生活への影響は限定的です。

投資をする際は、生活資金ではなく余剰資金を使うようにしてください。

④:投資で利益を出したら確定申告をおこなう

投資による利益が生じた際、確定申告が必要な場合があります。

具体的には、利益が20万円を超え、「特定口座(源泉徴収なし)」または「一般口座」を使用している場合に確定申告が必要です。

逆に、投資の利益が20万円以下の場合や、「特定口座(源泉徴収あり)」を使用している場合には確定申告は不要です。

各口座の特徴は、次のようになります。

年間取引報告書 確定申告
特定口座(源泉徴収あり) 証券会社が作成 不要
特定口座(源泉徴収なし) 証券会社が作成 必要
一般口座 自身で作成 必要

確定申告に不安を感じる方には、「特定口座(源泉徴収あり)」がおすすめです。

証券会社が源泉徴収を行うため、利益が生じた際、個別での税金の納付や確定申告が必要ありません。

サラリーマンがリスクを抑えてうまく投資する5つのコツ

サラリーマンがリスクを抑えてうまく投資するコツは、以下のとおりです。

  • 投資する目的を明確にして感情的な投資を避ける
  • NISAやiDeCoでつみたて投資する場合は税制優遇を受ける
  • 複数の商品に投資してリスクを分散する
  • 長期投資を前提に価格変動によるリスクを最小限に抑える
  • 月5,000円程度の少額から始める

上記のコツを把握すると、投資の失敗リスクを軽減し、成功率を高められます。

それぞれのコツについて、一つずつ確認してみましょう。

①:投資する目的を明確にして感情的な投資を避ける

投資する際には、明確な目的を持ち、感情に左右されないよう心がけましょう

冷静さを失うと、大きな損失を被るリスクが高まります。

例えば「20年間で老後資金◯万円をつくる」といった目的・目標があれば、目先の変動に振り回される可能性が低くなります。

投資の目的やルールを明確化し、感情的な要素をできるだけ排除するよう心がけましょう。

②:NISAやiDeCoでつみたて投資する場合は税制優遇を受ける

NISAやiDeCoを活用すると、リスクを軽減できます。

なぜなら、NISAやiDeCoで出た運用益は非課税となり、税金がかからないためです。

とくにiDeCoは、毎月の掛金が全額所得控除の対象であり、所得税や住民税の節税効果が期待できます。

例えば、年間の課税所得が195万円以上330万円未満で、iDeCoの掛金が年間14万4,000円の場合、税金は約2万8,800円軽減可能です(※1)。

これにより、税負担が軽減され、効率的に資産運用を進められます。

※1:上記は概算であり、実際の金額とは異なる場合があります。

③:複数の商品に投資してリスクを分散する

サラリーマンが投資を始める場合は、リスクを分散するために複数の商品への投資を検討しましょう。

1つの投資先に資産を集中させた場合、その投資先が暴落した際には、資産の大半を失う可能性があるためです。

複数の投資先に分散させると、損失リスクを軽減できます。

大損するリスクを抑えるためにも、複数の商品への分散投資を検討しましょう。

多くのサラリーマンにとって優先すべきなのは、大きな利益を狙うのではなく、損失リスクを最小限にし、手堅く運用する方法です。

④:長期投資を前提に価格変動によるリスクを最小限に抑える

投資は長期的な視点を持ちましょう。

長期投資では、日々の値動きに振り回されずに済みます。

また、短期投資と比較して売買回数が少ないため、取引コストを抑えられます。

また、複利効果を活かせて、ドルコスト平均法によって価格変動リスクの緩和が可能です。

ドルコスト平均法は、定期的に一定金額を投資し、平均購入単価を均等に保つ投資手法です。

サラリーマンは仕事で忙しいため、長期的な視点で投資に取り組みましょう。

⑤:月5,000円程度の少額から始める

最初は、月に5,000円ほどの少額からスタートしましょう。

少額であれば、うまくいかなかった場合でも損失が軽減されます。

実際に投資を行いながらノウハウを学び、徐々に投資資金を増やしていきましょう。

投資の知識やノウハウがまだ不足している段階で大金を投じる行為には、大きなリスクが伴います。

まずは、余剰資金から月に5,000円ほどを捻出し、投資の経験を積んでみてください。

サラリーマンが投資する際によくある質問

サラリーマンが投資する際によくある質問は、以下のとおりです。

  • サラリーマンは投資をやめとけといわれる原因はなに?
  • サラリーマンが100万円を増やすために選ぶべき投資商品はなに?
  • サラリーマンにありがちな投資の失敗例は?

投資を始める前には、できるだけ疑問や不安を解消しておきましょう。

一般的に、よくある質問とその回答を確認してみてください。

Q

サラリーマンは投資をやめとけといわれる原因はなに?

A

サラリーマンは投資をやめとけといわれる原因は、仕事の都合でチャートの確認などに割ける時間が限られているためです。

仕事でニュースやチャートを確認する時間が制約されると、リスク管理ができず、損失を被る可能性があります。

確かに、多忙なサラリーマンにとってデイトレードなどの短期売買は難しいでしょう。

しかし、中長期の投資であれば、毎日の細かなチェックが不要なため、サラリーマンでも取り組みやすいです。

Q

サラリーマンが100万円を増やすために選ぶべき投資商品はなに?

A

おすすめなのは、投資信託やETF、株式投資です。

リターンは少ないですが、比較的手堅く運用したい場合は、投資信託やETFが適しています。

これらは少額から始められて、手軽に分散投資ができます。

また、多くのリターンを狙いたい場合は株式投資がよいでしょう。

100万円あれば、大抵の銘柄は購入可能です。

また、売買益だけでなく、配当金や株主優待を狙う方法もあります。

ただし、どの投資商品にも一長一短があるため、特徴を理解して自身に適した投資商品を選ぶ必要があります。

Q

サラリーマンにありがちな投資の失敗例は?

A

サラリーマンにありがちな失敗例は、最初から大金を投じて大損するケースです。

相場が期待通りに進めばよいですが、予想と反した動きをした場合、多額の損失を被ります。

また、含み損が膨らむと冷静な判断が難しくなり、最悪のタイミングで損切りせざるを得なくなるでしょう。

1回の取引で相場から退場させられるリスクもあるため、注意が必要です。

まとめ

将来に備えて、投資を始めるサラリーマンは増えています。しかし、投資商品の種類は豊富で、商品によって異なる特徴があるため、自身に適した商品を選択する必要があります。また、投資する際は、少額からスタートし、長期的な視点で取り組みましょう。投資は時間を味方につけると、複利効果が高まるため、有利に進展します。この機会に、将来に向けて投資をスタートさせてみてください。

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