マンション投資のリスクとは?7つのリスクと対策や運用ポイントを紹介

桜井 鉄郎

監修者:桜井 鉄郎

企業系ファイナンシャルプランナー。
プライム上場の金融機関に勤務、主に住宅ローンの相談販売を担当。
顧客に対し最適資金計画を提案、マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等について説明。
これらの経験を活かし金融・不動産に特化したライターとして活動中。

保有資格:
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士
証券外務員1種(日本証券業協会認定)
ビジネス法務エキスパート(東京商工会議所認定)

 マンション購入による不動産投資を検討しているものの、どのようなリスクがあるのか気になっている方もいるでしょう。
 
確かに、不動産投資のリスクはゼロではありません。しかし、回避方法をきちんと身につけておけば、リスクの高い物件をあらかじめ把握して、リスクをゼロに近づけることが可能です。
 
この記事ではマンション投資においてどのようなリスクがあるのか、またその対策について紹介します。内容を把握して、リスクの少ない不動産投資の実施に役立ててください。

目次

不動産投資が危険性が高いといわれる理由とは?

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンといわれ、価格の変動はやや緩やかですが、さまざまなリスクがあって危険性がやや高いといわれることもあります。
 
ただし、リスクに対する予測や対処がしやすいことが不動産投資の特徴です。投資を始める前にリスクの種類とそれぞれに対する対策を知っておけば、リスクが現実化した時でも落ち着いて対応できます。
 
そこで、マンション投資のリスクとその対策について解説していきます。

マンション投資の7つのリスクと対策

マンション投資には具体的にどのようなリスクがあるのかを紹介します。さまざまなリスクはありますが、いずれも対策をすることが可能です。

リスク①:空室により想定収益が得られない

想定していたよりも空室期間が長くなると、その分だけ家賃収入を得られなくなります。空室期間中も維持費や税金、ローンの返済などが発生するため、空室時の赤字は避けられません。

空室リスクへの対策

空室期間を減らすためには、需要の高い物件を選ぶことが大切です。駅近や都心の物件は需要が高い傾向にあります。また、家賃設定も重要です。良い物件が見つかったら、間取りや広さ、築年数などから適正な家賃を設定し、入居希望者を引きつけましょう。入居者募集の営業力が高い賃貸管理会社を選ぶのも有効です。

MIRAP-ミラップ-の空室リスク対策

弊社では適正賃料査定システム「Raymond」と経験を積んだ仕入れのエキスパートにより、需要の高い物件をご用意することができています。その結果、入居率は98%です。さらに、「Raymond」は空室が出た際でも、スピーディーに新たな入居者を適正賃料にて募集することにも役立っています。
ただ、それでも怖い場合は集金代行ではなく、家賃保証で始めるか、途中で家賃保証契約に切り替えることでリスク分散することがおすすめです。

リスク②:家賃滞納により収入が得られない

家賃滞納が発生すると、空室と同様に家賃収入が得られません。滞納者を強制的に追い出すことは法律的に難しい側面もあります。しかも、家賃滞納者が住んでいる限り、新規に募集をかけることができません

家賃滞納リスクへの対策

家賃滞納を長期間許してしまうと滞納額が膨らみ、交渉も難しくなります。そのため、できるだけ早期に対策を講じることがおすすめです。個人での対応は難しいことも多いので、多少費用がかかっても専門家へ依頼するのが良いでしょう。また、滞納保証がある管理会社を選ぶと、滞納期間中の家賃を補償してくれることもあります。

MIRAP-ミラップ-の家賃滞納リスク対策

入居者が滞納しても月末には必ず家賃が入る様に、弊社が家賃をお振込します。提携保証会社による、家賃滞納保証契約でリスクに備えた対策を取れます。

リスク③家賃下落により想定収益が得られない

どんな建物も経年劣化は避けられません。部屋や設備が古くなると賃貸需要を保つのは難しくなるでしょう。その際、空室を避けるためには、家賃を下げる必要が出てきます。

家賃下落リスクへの対策

家賃の下落を完全に防ぐのは難しいものです。物件を長く運用していくにあたり、家賃下落を踏まえたうえで利回りのシミュレーションを行うようにしましょう。賃貸需要が高い物件は、家賃も下落しにくい傾向にあります。物件選びの時点で立地や部屋の設備などをさまざまな面で慮しておくことが大切です。

リスク④:物件の資産価値が下落し売却収益が見込めない

どんな物件も、経年によって資産価値はほぼ確実に下がります。新築物件を購入した場合でも、購入時と売却時では物件そのものの価値に大きな差が出ることも少なくありません

リスク⑤:管理会社の倒産により家賃や敷金の回収ができなくなる

自分で物件の管理を行わない場合は、不動産管理会社に入退居の手続きや家賃の回収などを委託するのが一般的です。
 
しかし、不動産管理会社が倒産すると、それまでの家賃や敷金が回収できなくなってしまう場合があります。

物件の資産価値下落リスクへの対策

倒産リスクを回避するためにも、経営状態が良好な管理会社を選ぶことがおすすめです。管理戸数が多い管理会社は手数料収入も多く、経営は安定していることが多いです。
 
家賃や敷金を会社の財産と分けて管理していることを示す、賃貸住宅管理業登録制度への加入状況も判断基準の一つです。もちろん、管理会社の実績も必ず確認しておきましょう。

リスク⑥:災害による建物の損壊や土地の価値下落が発生する

地震や火災といった災害は、発生や被害規模の予測が難しいものです。大規模災害は起きる確率は低いものの、起こった際は、建物の損壊やインフラ損失により地価に影響が出ることもあります。また、小さな災害であっても補修や資産価値の下落などが発生する可能性はあります。

災害リスクへの対策

あらかじめハザードマップを確認して、被害規模が少ないと予測される場所の物件を選ぶことが大切です。また、ハザードマップが示す災害リスクに応じた保険へ加入しましょう。災害による損傷は、物件の修繕状況にも左右されます。修繕計画をきちんと確認して物件の強度を保ち、損傷を最小限に抑えましょう。

リスク⑦:金利の上昇によりローン返済額が増加する

金利が上昇する可能性は否定できないので、リスクは認識しておくべきです。借入れ金額が大きい場合は、金利上昇の影響を大きく受けます。

現在の日本は投資用不動産のローンも低金利という状況であり、返済可能な限度まで借り入れ、返済期間を長く設定してもさほど利息の負担は大きくありません。借り入れることによって、手元に資金を残しておくことができます。

マンション投資とその他投資のリスクを比較

マンション投資はミドルリスク・ミドルリターンといわれています。不動産価格や地価は数年単位で大きく変動することはないためです。マンション投資と比較するとハイリスク・ハイリターンといわれる、株やFXにはどのようなリスクがあるのかを紹介します。

株やFXは予測が当たったときのリターンが大きい一方で、予期せぬリスクもあります。
 
景気の動向や企業の経営状況などを前もって予測するのは、ベテランの投資家であっても難しいものです。また、価格が乱高下するケースも多く、市場を読み違えた場合には大きな損失を生む可能性があります。安定して利益を出すには向かない投資手法だといえるでしょう。
 

マンション投資のメリット

マンション投資は対策が取りやすいとはいえ、リスクがあるのは事実です。それでも、資産運用する上でマンション投資が有効といわれるのは、投資をするメリットがあるからです。

メリット①:節税効果がある

不動産投資の費用は経費に計上することができ、他の所得と通算することで所得税・住民税の節税効果があります。
 
物件の取得にかかった費用を減価償却費として計上することができます。減価償却費は高額なため、他の投資方法と比較して税務上の所得を大きく下げることができます。
 
また、手元の預金や現金を不動産化し、マンションの評価額が下がることを利用して、相続税を節税することもできます。

メリット②:少額からスタートできる

マンション投資は、ワンルームから始めることができ低価格な物件では数百万円から購入することができます。
 
株やFXのように多額の資金を短期間で投入してリターンを狙う方法と比較すると、マンション投資は収益化に時間を要します。しかし、マンション投資は値動きが小さい分、安定した運用が期待できます。

メリット③:生命保険効果がある

金融機関から融資を受ける場合は、不動産ローンを組むのが一般的です。ローンを組む場合、ほとんどのケースで「団体信用生命保険(団信)」に加入する仕組みになっています。
 
事故や病気など、ローンが返済できない状況に陥る可能性は誰にでもあります。しかし、団体信用生命保険に加入していれば、残された家族にはローンの支払い義務は発生せず、不動産の所有権は相続することができます。

不動産運用のポイント:事前準備と収支計画も大切

マンション投資の失敗を防ぐには、想定されるリスクを回避するための対策を、購入前に立てておく必要があります。どのような対策ができるのか解説します。

対策①:収益シミュレーションを行う

マンション投資の収益性を確認するには、「表面利回り」と「実質利回り」を計算する方法があります。表面利回りは想定される年間家賃収入を物件の購入価格で割っただけであり、購入時の諸経費や購入後の維持管理費、保有コストについては考慮されていません。
しかし、表面利回りだけならお得に見えても、実質利回りはそれほどでもない物件も少なくありません。そのため、表面利回りだけで収益物件を判断するのではなく、必ず実質利回りも計算するようにしましょう。
 
空室や突発的な修繕費、家賃の値下げなども考慮して細かくシミュレーションしておくと、不動産のリスクに対応できるのか明確になるはずです。
 

対策②:立地(地域やエリア)を吟味する

購入予定のマンションの種類によって、立地や周辺環境を吟味しましょう。
 
例えば、ワンルームマンションを購入した場合は、都心部は単身者が多く、ニーズが一致しやすいといえます。特に、都心部でも人気エリアのマンションは高い需要が見込めるでしょう。
 
購入価格が上がる分、家賃設定もある程度高く維持できるため、計画的なローン返済が可能です。

対策③:リスクに備えて手元に現金を確保する

マンション投資をするときは、リスクに備えて手元に現金を確保しておくのがおすすめです。マンション投資に起こるリスクは、災害や物件の損傷など予期せず突発的に発生するものが多いため、万が一に備えて資金を確保することが大切です。
 
ローンの返済が滞った場合、マンションを手放さなければならないこともあります。購入時より、売却価格は下がっている場合が多いため、物件も手放した上にローンが残ってしまう可能性もあります。

さまざまなリスクを考慮したシミュレーションを行い、資金を確保するようにしましょう。

まとめ:マンション投資のリスクを認識し一つ一つ対策をとることが重要

マンション投資には少なからずリスクがあります。しかし、どのリスクも事前に対策をたてることができます。
 
リスクをゼロにすることはできませんが、それぞれのリスクについてその対応策を認識し、備えておくことで、リスクの発生確率の軽減と、リスクが起こった際の被害を軽減することができます。紹介した内容を参考にして、リスクに対策できる物件を選びましょう。

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