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不動産投資 資産運用

マンション減価償却の必要性と計算法を徹底解説|3ステップで簡単計算

不動産投資を始める場合、経費計上は節税のためには必須です。この記事では、節税にとって重要な経費である減価償却について解説します。減価償却とは何かについて説明したうえで、原価償却の計算方法などを紹介します。マンションの減価償却について理解し、不動産投資を始める際の参考にしてください。

マンションの減価償却とは何か?

減価償却とは、固定資産の価値を分割して、長期間に渡って経費計上することをいいます。マンションであれば、購入費用をあらかじめ定められた年数で分割し、毎年経費として計上します。

マンション投資では節税が重要

マンション投資で得られる家賃収入は、課税対象であるため、節税対策が重要となります。経費を計上し、収益を減らすことで、支払うべき税金が減ります。マンション投資で計上できる経費には、管理費・修繕積立金・住宅ローンの利息・火災保険などの保険料・固定資産税・減価償却費などがあります。

節税につながる減価償却費

減価償却費は、金銭的な負担がなく、節税につながる経費として非常に重要です。減価償却費は、マンションの購入費用を一定期間で分割し、経費として計上できます。マンション投資を行う際は、家賃収入に対して課税されるため、減価償却費を経費計上することで収益が減らせます。

減価償却の計算対象とは?

減価償却の対象となるのは、建物と建物附属設備で、土地は対象とはなりません。建物附属設備とは、電気設備や給排水設備など、10万円以上の建物に附属する設備をさします。10万円未満の建物附属設備については、減価償却ではなく、マンションの購入年度の消耗品費となります。

建物には、マンションを購入したときの仲介手数料・固定資産税・都市計画税も含まれます。土地は時間の経過とともに劣化しないと考えられ、減価償却の対象ではありません。

マンションの減価償却をするメリット

マンションの減価償却をするメリットについて解説します。

支出のない経費計上できる

マンションの減価償却は、実際には支出のない費用を経費として計上できます。減価償却は長期に渡って経費計上できるため、数年間の節税が可能となります。マンション投資を行ううえでの節税は非常に大切であるため、減価償却は非常に重要です。

経費を数年に分けて計上できる

減価償却することで、マンションの購入費を分割し、数年に分けて経費計上することで、購入年度と次年度以降の経費に大きな差ができません。基本的に、帳簿上の利益が多いほど税金は高くなります。減価償却費として毎年経費計上をすることで、年度ごとの収益の増減が少なくなり、毎年の税額が安定します。

マンションの減価償却をするデメリット

マンションの減価償却をするデメリットについて解説します。

耐用年数前の劣化で支出が増える

耐用年数前に、災害などによりマンションが壊れるなどの劣化がおきると支出が増えることがあります。耐用年数よりも早くマンションが劣化しても減価償却費の計上はなくなりません。

マンションの劣化により、家賃収入が得られなくなっても減価償却費としての支出が続くためです。

売却益が高額になることがある

マンションを購入してから年数が経つにつれ、減価償却されることにより簿価(帳簿上の建物の価値)は下がっていきます。マンションが簿価以上の金額で売却できた場合、簿価が低ければ低いほど売却益が高くなり、結果として所得税も高くなります。

マンションの耐用年数で決まる減価償却

マンションの耐用年数と減価償却について解説します。

マンションの耐用年数とは?

耐用年数とは、マンションを利用できる年数のことです。耐用年数は税法で定められており、建物の素材や製造方法に加え、使用方法などによって細かく決まっています。建物が完成してからの年数を表す築年数とは異なるため注意しましょう。

建物の減価償却は定額法を用いる

マンションの建物の減価償却については、平成28年4月以降定額法を用いることになりました。購入日が平成28年3月より前のマンションの建物附属設備は、定額法・定率法のどちらを選んでもよいことになっています(2020年2月時点)。新たに税制改正があれば、減価償却の方法も変わる可能性があり注意が必要です。

減価償却費計算のための3ステップ

減価償却費の計算方法について説明します。

土地とマンションと設備に分ける

マンション全体の購入金額を「土地」「建物」「建物附属設備」の3つに分けます。土地は減価償却の対象とはならないため、建物と建物附属設備のみを対象とします。

マンションと設備の耐用年数を求める

耐用年数は建物の構造によって定められており、中古マンションは築年数を考慮して計算しなければなりません。建物と建物附属設備の耐用年数は異なるため、別々に計算します。築年数が耐用年数を超えている場合は、計算式が異なるため、以下で解説します。

築年数が耐用年数を超えていない

築年数が耐用年数を超えていない場合の耐用年数の計算式を紹介します。最終的に端数が出たときは、端数を切り捨てた年数を耐用年数とします。

耐用年数 =(建物・建物附属設備の耐用年数)-(築年数×0.8)

築年数が耐用年数を超えている

築年数が耐用年数を超えている場合の耐用年数の計算式を紹介します。端数は切り捨てます。

築年数 =(建物・建物附属設備の耐用年数)×0.2

マンションの減価償却費を計算する

マンションの建物と建物附属設備の耐用年数を算出できたら、以下の計算式で原価償却費を計算します。耐用年数ごとの償却率は、国税庁のホームページに掲載さています。

減価償却費 =(建物の購入価額×償却率)+(建物設備の価格×償却率)

中古マンションの建物価格の算出方法

中古マンションの建物価格は明らかでないケースが多いです。ここでは、中古マンションの建物価格の算出方法を解説します。

固定資産税から算出する方法

「固定資産税納税通知書・課税明細書」を見ると、固定資産税評価額が分かります。これを土地と建物の割合をもとに按分すれば、建物価格の算出ができます。複雑な計算が必要なため、この方法を使いたい場合は専門家へ相談することをおすすめします。

消費税から算出する方法

売買契約書に消費税の記載がしてあれば、消費税額から建物価格を算出できます。土地は非課税であり、消費税がかかっているのは建物部分だけとなるためです。消費税率10%、消費税が180万円であれば、税抜の建物価格は1,800万円だと分かります。消費税を含めた建物価格は1,980万円となります。

標準建築単価から推測する方法

標準建築単価とは、国土交通省が算出した1平方メートルあたりの工事費の平均値を指しています。床面積が分かれば、国税庁のホームページに掲載されている「建物の標準的な建築価格表」の数値を用いることで建物価格を算出できます。

建物設備価格を算出する方法

中古マンションの建物設備価格の算出方法は、新築時の工事費が分かっているかどうかによって異なります。新築の場合は、建物設備価格を契約書や発注書などで簡単に確認できます。しかし、中古マンションでは設備に関する書類がない場合も少なくないため、建物設備価格を算出するのは大変です。過去に裁判となった際の判例に基づいた算出方法を以下で紹介します。

工事費割合が分かっている

新築時の工事費が分かっている場合、中古マンションを購入した時点での未償却率を考慮するのが基本です。未償却率をもとに按分します。

工事費割合が分からない

新築時の工事費が分からない場合、「再建築費評点数算出表」をもとにして建物設備価格を算出します。「再建築費評点数算出表」は、新築の建物の固定資産税を計算するために自治体ごとに使用してされています。

参考:賃貸建物と建物附属設備の取得価額の区分方法    | 公益社団法人 全日本不動産協会 

マンションの減価償却費の計算例

マンションの減価償却費の計算例を紹介します。

新築マンションの場合

鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の新築マンションを5,000万円で購入した場合について考えます。

  1. 土地価格:2,000万円
  2. 建物価格:2,500万円
  3. 建物設備価格:500万円
  4. 耐用年数:47年(鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造)
  5. 耐用年数47年の償却率は0.022

計算式に当てはめると以下のとおりであり、減価償却費は65万円となります。

(2,500万円×0.022)+(500万円×0.022)=65万円

中古マンションの場合

鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の中古マンションを3,000万円で購入した場合について考えます。

  1. 土地価格:1,000万円
  2. 建物価格:1,500万円
  3. 建物設備価格:500万円
  4. 築年数:20年

建物と建物設備の耐用年数を算出し、償却率を出します。

47年 -(20年×0.8)=31年(償却率は0.033)

15年 × 0.2 =  3年(償却率は0.334)

計算式に当てはめると以下のとおりで、減価償却費は221万円となります。

(1,500万円×0.033)+(500万円×0.344)≒ 221万円

まとめ

不動産投資でマンションを購入する際は、減価償却もきちんと行うことが節税のために大切です。減価償却のやり方には細かな規則があるため、正しく理解したうえで計算する必要があります。複雑な部分もあるため、必要に応じて専門家に相談されることをおすすめします。

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