不動産投資の今後とは?コロナ禍が与えた影響と将来の予測を解説

teavege

監修者:teavege

フリーのWebライター。行政書士、宅地建物取引士の国家資格を保有しています。不動産オウンドメディア、行政書士事務所、工務店、リフォーム会社等のコラム記事、不動産関連のメルマガ・YouTubeシナリオなどの執筆経験あり。
HP:https://takkenlabo.hatenablog.com/?_ga=2.234692894.1806862999.1670301704-1147025047.1670301704

新型コロナウイルスの拡大は、あらゆる業界に影響を与えました。不動産投資市場でも同じことがいえます。
 
不動産投資を始めるにあたって、コロナ禍の中で収益を得られるのか不安に感じている人もいるでしょう。しかし、不動産投資市場の今後は悲観すべきものかというと、そうではありません。あまり影響を受けなかった物件や、今後需要が回復していくと考えられる物件も多くあります。
 
そこで、不動産投資市場の現状と今後について説明し、これからどのような投資物件を選ぶべきかについても解説します。

目次

不動産投資にコロナ禍が与えた影響

コロナ禍は不動産投資市場にも影響を与えましたが、その影響の大きさは物件ごとに異なりました。投資物件別に、どのような問題が生じたのか、コロナウイルスが与えた影響を振り返ります。

居住用物件投資

居住用物件のマンションやアパートに関して、コロナ禍の影響は比較的小さかったといえます
 
新型コロナウイルスの影響を受けたとはいえ、日本国内の多くの人が住む場所を失うほどの変化ではありませんでした。そのため、居住用物件の需要は急激に減ることはなく、賃料の低下や空室率上昇などの影響は比較的小さかったとみてよいでしょう。
 
投資市場において、一部の中古物件の区分投資マンションの価格がやや下がる影響はありましたが、都心部を中心にテレワークしやすい機能を備えたワンルーム物件の需要は底堅く、人気のトレンドが変化した程度であったといえます。

オフィス用物件投資

オフィス用物件(オフィスビルなど)は、コロナ禍の影響を一時的に大きく受けたといえます。政府は緊急事態宣言を発令し、個人には外出自粛を要請し、企業にはテレワーク推進などを要請しました。
 
テレワークの推進は、企業がオフィス拠点を手放す要因となりました。企業拠点の集約や撤退に関する会社報道が相次ぎ、オフィス用物件の一時的な需要低下につながったといえます。

宿泊用物件

不動産投資市場でコロナ禍の影響を最も受けたカテゴリーは、ホテルや民宿など宿泊用物件です。以前はインバウンド需要などでホテルや民宿の業績は右肩上がりだったため、多くの投資家が参入していました。
 
ところが、コロナ禍の影響が大きくなるにつれて、海外からの渡航客が見込めなくなったうえ、緊急事態宣言下では外出自粛の要請もあり、国内の宿泊客も激減しています。東京オリンピックも無観客での開催となったため、国内外からの観光客が減り、コロナ禍以前の目論見とは大きく異なる結果になりました。

日本経済の今後のトレンド

不動産投資のこれからを考えるにあたって、日本経済の今後のトレンドをみていきましょう。ヒトやモノの流れを把握することで、より精度の高い需要予測につなげることができます。

東京五輪が終わり大阪万博が開催予定

東京オリンピックは、不動産投資の観点において残念な結果となってしまいましたが、次の国際的なイベントとしては、「大阪万博」が開催予定です。

大阪万博は、2025年4月13日から同年10月13日までの184日間の開催を予定しており、経済波及効果(試算値)は約2兆円とされています
 
大阪万博が無事に開催されれば、関西圏での観光客需要や、雇用による住居需要が期待できます

参考:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会HP「開催概要」

金融機関の融資動向

不動産投資の開始時には多くの場合、銀行などの金融機関から融資を必要とします。そこで気になるのが、金融機関の不動産投資市場に対する融資の動向です。
 
前提として融資は、景気の影響を大きく受けます。景気が悪いと、融資は厳しくなる傾向にあります。現状、不動産投資市場への新規参入のために、金融機関からの融資を受けることは相当の投資計画がなければ難しいといえます
 
しかし、コロナ禍の影響が落ち着き、経済活動が回復する頃には、景気回復に伴い融資も再度活発になるでしょう。金融市場の低金利の受け皿として、不動産投資への注目度は依然高い状況のため、不動産バブルが到来したときにこそ、投資機会を逃さないように現在から準備をしておくことが重要です。
 
不動産の融資(不動産投資ローン)の基礎を解説した記事をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

【投資物件別】不動産投資の将来は?

不動産投資の今後はどのように見込まれるかを投資物件別にみていきましょう。コロナ禍で変化したニーズと、今後のトレンドを踏まえた将来予測のもと、どのような投資物件を選ぶべきか、解説します。

【マンション・アパート】都心部の需要は続く

居住用物件のマンションやアパートに関して、コロナ禍の影響は比較的小さかったことを解説しましたが、今後も、都心部を中心に居住用物件の需要は維持されると予測されます。
 
大きな流れとしての都心部への人口流入は続くでしょう。単身世帯の晩婚化といった要素もあり、都市部についてはテレワークしやすいワンルーム物件を投資対象として検討するのも一つの手です。大阪万博が予定通り開催できた場合は、関西圏の景気回復と住宅需要も期待できます。

【オフィスビル】需要は多様化、首都圏以外やシェアオフィスに注目

オフィス用物件について、多くの企業は、今後もコロナ禍と同様の事態が起こるリスクを減らしたいと考えているため、完全にコロナ禍以前の状況に戻る可能性は低いでしょう。テレワークをある程度取り入れた働き方を目指す企業は増えると予測できます。
 
日本国内からオフィスが消えるとまでは考えられませんが、従業員を一か所に集める必要がない企業の一部は、自社オフィスを見直し、シェアオフィス物件と在宅勤務(テレワーク)と組み合わせてオフィス面積を削減する取り組みをしています。
 
従来の、首都圏主要駅のできるだけ駅前物件が優先されていた価値観から、従業員の希望に応じた首都圏以外の地域やシェアオフィスの分散配置などを重視する価値観に変化していく可能性にも注目すべきです。

【ホテル・民泊】インバウンドは微妙、万博などのトレンド地域は注目

宿泊用物件に関して、コロナ禍以前のインバウンド需要を全国的に期待できるかを予測することは非常に難しいです。
 
しかし、日本経済の今後のトレンドに挙げた大阪万博など、インバウンド需要を喚起するようなイベントには常に意識をし、トレンド地域で投資のチャンスがないか注目するのがよいでしょう。

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今後需要が見込める投資物件選びのポイント

投資物件を選ぶ際に考えなければならないことは、実際の需要が見込めるかどうかです。ここでは、今後需要が見込まれる投資物件選びのポイントを見ていきます。

ポイント①:人気の高いエリアにある

ひとつめのポイントが「人気の高いエリアにあること」です。単に知名度が高ければ良いわけではなく、物件の利用者にとっての真のニーズを見極めることは、不動産投資の初心者にはなかなか難しいことです。現状だけではなく、今後の需要予測についても考える必要があるからです。
 
居住用物件で安定した需要が見込めるのは、最寄り駅からの距離が近く、周囲にスーパーやコンビニ、学校など必要な施設があるような物件です。物件選びの際には、最寄り駅からの距離や周辺施設に何があるのか、などをよく確認しましょう。
 
宿泊用物件については、トレンドに挙げた大阪万博などのイベント開催地の人気が高まると考えられます。また、オフィス用物件の場合は、企業の拠点分散化や首都圏脱出の動きを把握することが物件需要の予測に役立つでしょう。

ポイント②:物件の設備を確認する

ふたつめのポイントとして重要なのが、「物件の設備」です。人気エリアにある同じような物件でも、物件の設備が入居率を分けることがあります。
 
新築であったり、最新の設備が充実していたりする物件であれば、当然人気があります。そのため、投資用不動産を選ぶ際には、以下の点を確認すると良いでしょう。

  • 築年数や建物の構造
  • 人気の設備が揃っているか
  • 入居率が見込める間取りか

たとえば、居住用物件なら総じて、インターホンなどのセキュリティや、水回りがきれいな物件の方が需要は高くなるでしょう。ファミリー向け物件では、テレワークがしやすく、家庭内クラスタを起こしにくい動線がある間取りは、今後も人気が高まると考えられます。

まとめ:先行き不透明なコロナ禍でも需要を予測して投資判断しよう

コロナ禍の影響で、不動産投資市場も無視できない打撃を受けました。しかし、不動産投資市場の現状や今後が悲観すべきものかというと、そうではありません。
 
オフィス用物件や宿泊用物件は、大きな影響を受けましたが、オフィス需要がゼロになることはなく、宿泊業界も長期的には需要回復の可能性が大いにあり得ます。マンションやアパートにおいては、都心部の需要がこれからも続くと考えられるでしょう。
 
解説してきたとおり、市場から求められる不動産物件は変化していくと考えられます。これから不動産投資を始める場合は、今まで以上に、将来予測に基づいて今後の需要が見込める投資物件を選ぶことや、十分な準備に基づく投資判断が重要となるでしょう。

不動産投資の知識習得については、以下の記事もご覧ください。

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