「不動産投資はやめとけ」や「不動産投資は損をする」などと言われることが多いようです。そのように言われ、不動産投資を諦めるべきか悩んでいる人も多いでしょう。
結論から言えば、「不動産投資は知識がないならまだやめておけ」と言われているものと認識すべきです。当然ながら、不動産投資に成功している人はいます。
そこでこの記事では「不動産投資はやめとけ」と言われる理由と、おすすめできない人などを紹介します。「不動産投資で成功する人」になるためのポイントがわかるので、ぜひ不動産投資を検討している人は参考にしてください。
目次
「不動産投資はやめとけ」と言われる4つの理由とは?
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由は、簡単にいうと容易に儲けられるものではないからです。投資元本が保証されているわけではありません。また、場合によっては損切りを検討する場面も出てきます。
知識がないならやめておいたほうが良いというのは事実であり、リスクを知ってやるのと、リスクを知らずにやるのとでは大きな違いがあります。
起こりうる損失について知り、備えておくことで、不動産投資で利益を出すことが可能です。以降で「不動産投資はやめとけ」と言われる理由について紹介していきますので、事前に把握しておきましょう。
やめとけと言われる理由①:「利益が出にくいから」
「不動産投資はやめとけ」と言われるのは、知識がないまま不動産投資を始め、利益が出にくい割高物件を買ってしまう人が多いという背景が考えられます。
例えば、投資用不動産(収益物件)が掲載されているサイトで示されているその物件の利回りは、表面利回りであることがほとんどです。表面利回りはあくまでも目安であり、実質利回りとは異なります。
表面利回りと実質利回りの違い
- 表面利回り:家賃収入を物件価格で割ったもの
- 実質利回り:家賃収入からさまざまな諸費用を引いた額を物件価格で割ったもの
仮に表面利回りが8%でも、空室や諸費用の負担、借入金の返済を考慮すると利回りがマイナスになる場合もあります。
ただし、諸費用や借入金の返済負担などを事前に想定して収益性を検討するのは、初心者には難しいのが現実です。
やめとけと言われる理由②:「年金・節税対策の効果が薄い」
不動産投資は、年金の足しや節税対策になると言われることがあります。たしかに間違ってはいませんが、本当にこの手法が適切であるかを検討する必要があります。
その理由は、iDeCoで年金資産を形成するなど他の手法をとったほうが良い場合や、節税対策にならない場合があるからです。生命保険も同様です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
やめとけと言われる理由③:「ローンの返済に追われるから」
不動産投資を始めたからといって、必ずしも収益を上げられる確証はありません。見込んだだけの収益を得られない場合、ローンの返済に追われる可能性があります。
世の中でいわれている、不動産投資の成功率もあくまで一例であり、あまり当てになりません。
例えば、不動産を購入したはいいものの、予想よりも入居者が少ないケースは十分に考えられます。空室が多い場合、購入金額に見合うだけの家賃収入を獲得するのは難しいでしょう。
また、購入時にたてた予測が机上の空論になってしまう可能性もあります。現時点では高い収益が見込めていたとしても、好調がいつまで続くかはわかりません。
収益をどれだけ上げられるかが未知数である一方で、どんな状況であってもローンの返済は必要です。上手く収益を得られず、ローンに困るリスクを常に抱えている点を忘れてはいけません。
やめとけと言われる理由④:「修繕費など費用負担が大きいから」
不動産投資にかかる費用は、購入時の金額だけではありません。不動産という投資対象の性質上、修繕費や交換費用などが必要です。場合によっては、将来予想以上の出費がかさむ可能性もあるでしょう。
もし、不動産ではなく株式や債券などの金融資産に投資していれば、購入時以外に大きな費用はかかりません。購入後に大きな出費が必要になる点は、不動産投資ならではのデメリットです。
不動産投資を始めるなら、事前に修繕費や交換費用を見積もっておいた方がよいでしょう。しかし、実際にどのくらいかかるか正確には予想できないため、リスクを抱えた状態で不動産投資を始めることになります。
不動産投資に向いていない人の特徴4つ
不動産投資は、人によって向き不向きが分かれます。不動産投資に向いていない人の特徴は、主に以下の4点です。
不動産投資について知識がないのにもかかわらず勉強しようとしない |
年収500万円以下で自己資金が少なく高額なローンを組む必要がある |
不動産投資によって短期間で高額な利益を上げようと考えている |
リスクを予測して事前に対策できない |
以下で、それぞれの特徴について詳しく解説します。
特徴①:不動産投資の知識について勉強しない人
不動産投資についての知識がないにもかかわらず勉強しようとしない人は、不動産投資に向いていません。なぜなら、不動産投資には幅広い知識が求められ、しっかり勉強しないと習得できないためです。
不動産投資に必要な知識は、物件の選定方法や運営方法はもちろん、収支のシミュレーションやリスク管理などです。不動産投資で収益を上げるためには理解しなければなりません。
また、知識がないからといって他の人に任せきりになるのは危険です。信頼できない情報に踊らされたり、詐欺に遭ってしまったりするおそれもあります。
同様の理由で、本業が忙しく十分な時間が取れない人にも、不動産投資は向いていません。勉強する十分な時間が確保できてから、不動産投資を始めましょう。
特徴②:年収500万円以下で不動産投資用の優遇金利ローンを活用できない人
年収が500万円以下で自己資金が少ない人は、不動産投資をしない方がよいでしょう。なぜなら、融資を受けたとしても、高額なローンを組む必要があるからです。
金融機関から融資を受ける場合、借りた金額に対して金利がかかります。どれだけの金利がかかるのかは金融機関によります。返済が長期間にわたる場合は、心理的なハードルも高いでしょう。
不動産の運営は、常に順調に進むわけではありません。突発的な修繕が生じたり、空室が増えたりするケースも考えられます。さまざまな事態に対応するため、手持ちの資金には余裕が必要です。
なお、年収500万円という数字はあくまでも目安です。購入しようとしている不動産の価格なども踏まえながら、不動産投資を始めても問題ないのかを検討しましょう。
特徴③:不動産投資で短期で高利回りを期待する人
不動産投資とは、長期スパンで収益を上げていくものです。そのため、短期間で高額な収益を上げようとしている人には向いていません。
不動産投資は、老後資金を増やすことを目的として始める人が多いです。今すぐにお金を増やしたいと考えているならば、不動産投資ではなく株式投資やFX取引などを考えるべきでしょう。
不動産を安く買って高く売れば売却益を得られますが、売却益目的で不動産投資をするのもおすすめできません。不動産の価格が短期間で上がるケースは多くないうえ、下がる可能性も十分にあるためです。
不動産投資は、将来的に収益を上げていれば良いと考える人に向いています。
特徴④:不動産投資のリスクを予測して対策できない人
リスクを予測して事前に対策をとれない人も、不動産投資には向いていません。不動産投資をする場合は、さまざまなリスクを想定する必要があります。
不動産投資には、さまざまなリスクが付き物です。具体的には、次のようなリスクが考えられるでしょう。
空室の増加 |
入居者の家賃滞納 |
物件価格の下落 |
金融機関の金利上昇 |
経年劣化による修繕 |
地震・水害などの災害 |
これらのリスクは、不動産を運営している中で十分に起こり得ます。しかし、実際にトラブルが発生してから対処していては遅いです。
不動産投資をするならば、以上のリスクについてきちんと理解して事前に対策を講じましょう。
不動産投資で成功する可能性を高めるコツ5つ
不動産投資で成功するためには、いくつかのコツが存在します。少しでも上手くいく可能性を高めるため、次の5つのコツを理解しておきましょう。
不動産投資の知識がない場合は自分から勉強する |
不動産投資で何を成し遂げたいのかを最初に決めてから始める |
さまざまなリスクを予想してどれほどの収支になるのかをシミュレーションする |
不動産投資に失敗した方の事例を参考に同じ失敗をしないように運用する |
適当に物件を決めず相場や物件価値を入念に調べてから購入する |
それぞれのコツについて、以下で詳しく解説します。
不動産投資のコツ①:知識を自分から勉強する
不動産投資を始める際は、不動産に関する知識を自分から積極的に勉強しましょう。正しい知識の習得は、不動産投資の成功を後押ししてくれます。
不動産投資に関する知識がほとんどない場合は、まずは本やインターネットなどの勉強を始めましょう。ある程度不動産についてのイメージができてきたら、不動産会社などのセミナーに参加するのがおすすめです。
不動産会社のセミナーに参加する際は、できるだけ多くの会社を比較して、信頼できる不動産会社を選んでみてください。
不動産を購入した後も勉強は可能な限り続け、最新の情報を取り入れましょう。
不動産投資のコツ②:将来を見据えて投資目的を事前に決める
不動産投資を始める前に、目的を明確化しておきましょう。何を成し遂げたいのかを最初に決めておけば、迷わずに目標に向かって進めます。
目的を決める際は、できるだけ具体的な数値を考えます。例えば、「毎月3万円以上の収益を上げたい」や「10年後に購入時の1.5倍以上で売却したい」などです。
具体的な目標を立てれば、収支計画などのプランを立てやすくなります。上手くいかない時の軌道修正もスムーズです。また、不動産投資に対するモチベーション維持にもつながります。
不動産投資のコツ③:リスクを予想して事前にシミュレーションする
さまざまなリスクを予想して、収支がどれくらいになるのかシミュレーションするのも大切です。何もトラブルが起こらないと想定した、都合の良いシミュレーションではいけません。
不動産を長く運営していくうえで、さまざまなリスクが発生するでしょう。代表的なリスクとしては、空室リスク・家賃滞納リスク・修繕リスクが挙げられます。
空室リスクを考えるうえでは、同条件の物件の空室率が参考になります。修繕リスクについては、過去の修繕履歴をチェックしましょう。
家賃滞納リスクに関しては事前の予測は困難です。入居審査を厳しく行い、できる限りリスクを抑えましょう。
不動産投資のコツ④:失敗事例を参考に同じ過ちを犯さない
不動産投資について学ぶうえで、失敗した方の事例は貴重な学習材料です。さまざまな失敗事例を確認し、同じ失敗をしないように気を付けましょう。
よく見られる失敗事例として「新築の賃貸物件が近くにできたため、空き部屋が目立つようになった」という内容があります。
「緩い基準で入居審査をしていたら、家賃滞納者が増えてしまった」なども少なくありません。
実際に起きた失敗事例を調べると、不動産投資のリスクについてより詳しく理解できます。成功事例だけに注目するのではなく、失敗事例に目を向けて勉強しましょう。
不動産投資のコツ⑤:物件は必ず相場や価値を調べてから購入する
不動産投資を始める際は、適当に物件を決めずに、相場や物件価値を調べてから購入しましょう。
どれだけ慎重に物件を選んだかによって、収益が大きく左右されると言っても過言ではありません。
物件選びをする際は、相場や物件価値、立地条件などを入念に調べましょう。
周辺相場や物件価値を調べるときは「土地総合情報システム」や「不動産ポータルサイト」などをうまく活用して、物件情報をくまなく把握しましょう。
立地条件については、交通アクセスや生活利便性などを調べる必要があります。今後、地域がどれだけ発展するのかについても考えなければなりません。地域の発展性を調べる際は、開発計画の有無などを確認しましょう。
物件の知識を付けることは、割安な物件を選定する際に役立ちます。不動産投資の最大の山場とも言えるので、決して適当にせず、時間をかけて選びましょう。
不動産投資で利益を得る仕組みとは?
不動産投資は、知識がないならやめておくべきです。まずは不動産投資で利益を得る仕組みについて説明します。
インカムゲイン | 入居者から受け取る家賃収入
不動産投資は、物件を買って入居者に貸すことで、家賃収入を得ることが基本です。このように、資産の保有によって得られる利益のことをインカムゲインといいます。
銀行にお金を預けたときの利子(利息)や株式の配当金、投資信託の分配金などがインカムゲインの主な例です。なかでも家賃収入は、比較的安定していてその額が大きいという特徴があります。一度入居者を確保できれば、退去まで安定した家賃収入を見込めます。
また、物件自体の利回りが株式と同じ場合であっても、不動産は金融機関から資金を借入れて購入できるため、より少ない自己資金で大きな利益を狙える点が特徴です。
キャピタルゲイン | 物件価格の値上がり益
地価の上昇が見込まれる場合など、不動産を買ったときより高く売ればキャピタルゲインを得ることもできます。しかし、不動産投資ではキャピタルゲインよりも継続的にインカムゲインを得ることにより利益を出す方法が一般的です。
本当に不動産投資はやめておくべきか?4つのメリット
不動産投資のメリットについて、あらためて解説していきます。「やめとけ」と言われてやめるのは簡単ですが、不動産投資のメリットを知ったうえで判断してみましょう。
不動産投資のメリット①:家賃収入でインカムゲイン(不労所得)を得られる
不動産投資は家賃収入という大きなインカムゲインを得られます。また、家賃収入は不労所得に分類可能です。物件の選定から購入までは投資家自ら行いますが、物件の維持管理など運営面は管理会社に委託できます。
そのため、不動産投資はサラリーマンの副業や兼業として始めることも可能です。本業が忙しい人でも不労所得を獲得できます。
不動産投資のメリット②:高所得者の場合、節税できる
不動産投資は、高所得者ほど所得税や住民税の節税が可能です。
どのような節税かと言うと、不動産所得で赤字を出して節税できた額より、不動産を売ったときの納税額のほうが低ければ節税になります。節税額と納税額の差は、高所得者(高税率)ほど多くなることが特徴です。
ただし、現金収支は黒字で不動産所得の赤字という関係を作るためには、1年当たりの減価償却費を大きく取るようにしなければなりません。具体的には、不動産を購入する際に建物の割合を高めたり、耐用年数が短い木造の中古物件を購入したりします。
また、土地分の支払利息を超える赤字金額がなければ、損益通算によって節税はできないことに注意が必要です。
不動産投資のメリット③:現物資産なのでインフレ対策になる
不動産は、現物資産に該当します。現物資産とは、株式や投資信託のようなものではなく、その物自体に形と価値があるものです。
また、インフレとは物価が継続して上昇する状態を指す経済用語です。インフレによって資産の価値が目減りする可能性のことはインフレリスクと呼ばれます。例えば、インフレによって物価が上がると、1万円で購入できたものが3万円になってしまうかもしれません。つまり、物価が上がると1万円というお金の価値が相対的に減ります。
一方、インフレは不動産オーナーにとって有利になると考えられています。家賃が上昇しやすく、借入金の負担が目減りするためです。
不動産投資のメリット④:生命保険や年金として資産になる
不動産投資にあたって物件を購入するとき、団体信用生命保険付きのローンを組むことが多いです。そのため、死亡や高度障害状態になったときは、住宅ローンの返済義務がなくなります。
これにより、遺族は収支が大きく改善した家賃収入を年金のように受け取ることが可能です。公的年金保険(遺族年金)や生命保険(収入保障保険)と似ています。
当然、団体信用生命保険の利用をすることなくローンが完済した後も年金資産となるでしょう。しかし、建物の老朽化により家賃が下落したり、維持費が増加したりする可能性もあるため注意が必要です。
不動産投資をおすすめできない人とは?
不動産投資は、知識がない状態から始めることに加え、次のような人にはおすすめできません。理由もあわせて紹介しますので、把握しておきましょう。
不動産投資をおすすめできない人
- 5年以内にキャピタルゲインを狙っている人
- 年収500万円以下で手持ち資金に余裕がない人
- 言われたことを疑わず騙されやすい人
- 住宅ローンで自分の家を購入する予定がある人
なお、「おすすめできない人」に当てはまらない場合もぜひ不動産投資を前向きに検討してみてください。
5年以内にキャピタルゲインを狙っている人
そもそも、初心者が不動産投資でキャピタルゲインを得ることは簡単ではありません。通常、建物は古くなると劣化して価値が落ちるため、値上がりどころか値下がりによる損失が出てしまいます。
キャピタルゲインを狙う場合は、例えば中古物件を安値で購入し、リフォームやリノベーションによって再販売するなどでキャピタルゲインを狙います。しかし、すでにこのような方法はプロである不動産業者が行っているため、参入は難しいです。
また、保有から5年を過ぎた後に1月1日を迎える日(目安として6年)までに売却すると、短期譲渡所得として税率が約39%と高くなってしまいます。
以上より、キャピタルゲイン狙いで不動産投資を始めるのはおすすめできません。
年収500万円以下で手持ち資金に余裕がない人
不動産投資は、収入や資金に余裕がない人には積極的におすすめできません。あくまでも目安ですが、年収500万円超えが1つの目安です。
そもそも、金融機関から融資が付かなければ全額自己資金で投資しなければなりません。融資が付いたとしても、金利や期間などの条件によっては、現金収支が厳しくなることがあります。
そのうえ、空室が生じたときや突発的な修繕が生じたときには手持ち資金でまかなう可能性もあるのです。そのため、年収や資金に余裕がない人は積極的に不動産投資をおすすめできません。
言われたことを疑わず騙されやすい人
言われたことを疑わず騙されやすい人は、不動産投資をおすすめできません。不動産投資は知識が必要なものであり、賃貸経営を行うのは投資家自身です。
そのため、自力で物件の収益性をシミュレーションしたり、物件の需要を予測したりしなければなりません。もっとも、頼れる不動産業者や専門家などに相談するのも1つの手です。
住宅ローンで自分の家を購入する予定がある人
不動産投資でローンを組むと、場合によっては他のローンの審査に悪影響が生じます。特に、住宅ローンで住宅を購入する予定がある人は注意が必要です。
そのような場合は、事前に金融機関や不動産業者に相談しておくと良いでしょう。
不動産投資で特に多い失敗事例3つ
不動産投資で特に多い失敗事例は、次の3つです。
空室が多くシミュレーションよりも家賃収入が少なくなった |
適当に物件を購入してしまい違う物件にするべきだったと後悔した |
初期費用を抑えようと中古物件を購入したものの修繕費用が高額だった |
それぞれの失敗事例について、以下で詳しく紹介します。
不動産投資の失敗事例①:空室が続き家賃収入が想定以下に
不動産投資をするにあたり、空室リスクは常に起こり得ます。実際、空室が予想より多く、シミュレーションよりも家賃収入が少なくなった事例もあります。
空室の増加は、購入した物件そのものに原因がある場合と、周りの環境に原因がある場合に分かれます。物件自体に原因があるならば、対応はそこまで難しくありません。なぜなら、物件運営者の判断で問題に取り組めるからです。
しかし、周りの環境に原因がある場合の対応は困難です。例えば、周辺地域の過疎化や、利便性の低下などが考えられます。
購入する物件や周りの環境について十分調べるとともに、空室リスクを踏まえたシミュレーションを行いましょう。
不動産投資の失敗事例②:提案された物件比較せずに購入
物件を適当に選び、後悔した事例も多くみられます。複数の物件をあまり調べずに選んだ結果「もっといろいろな物件と比較すれば良かった」となる人が多いです。
物件選びを不動産投資会社に任せた結果、あまり収益を上げられない物件を購入してしまう場合があります。時間を十分に確保できないサラリーマンが、「不動産投資を委託した結果カモられた」と嘆くケースも少なくありません。
悪質な不動産会社を見分けるためには「不動産会社 やばい」などで検索し、口コミを調べておきましょう。
最初の物件選びは、不動産投資の成功率に大きく関わっています。安易に決めるのではなく、時間をかけて慎重に判断しましょう。
不動産投資の失敗事例③:修繕費用が想定以上に
物件の購入費用を抑えようとして、中古物件を好む人は少なくありません。結果として、修繕費用が想定より高額になる事例がいくつも存在します。
例えば、内覧時には問題なく思えても、結露や雨漏りなどを起こしていたケースがあります。また、空室期間が長かったために、キズや傷みがひどく残っていたというケースも多いです
以上のような事態をできるだけ避けるためには、周辺の相場を把握する必要があります。同条件の物件と比較してあまりにも安い場合、何らかの事情が隠されているかもしれません。
物件を購入する際は購入費用だけでなく、将来の修繕費用なども考慮して選びましょう。
不動産投資に関するよくあるQ&A
不動産投資のQ&Aをまとめていますので、ぜひ不動産投資の理解を深めるためにお役立てください。
不動産投資は「大きな借金だからやめとけ」はどう考えるべき?
借金をして返済負担が生じることは確かですが、一概に悪いものとは言えません。
不動産投資は賃貸経営であり、借入金を活用しつつ上手に賃貸経営を進めることは有効です。実際、大手企業も金融機関などから借入れをして事業規模を拡大しています。
賃貸経営における借入金は、借入れによって資金効率を高めたり、早期に資産を形成できたりなどのメリットがあるのです。また、借入金の返済は家賃収入が原資となるため、間接的に入居者が負担していると考えることもできます。
不動産投資は「儲からないからやめとけ」はどう考えるべき?
不動産投資は、儲かる場合もあれば損をする(儲からない)場合もあります。この記事で紹介したように、不動産投資で成功するためには知識を付けることが重要です。
不動産投資はハイリスクか?
不動産投資は、一般にミドルリスク・ミドルリターンと言われています。不動産投資におけるリターンは家賃収入であり、入居者さえ確保できれば通常は安定しているため、リターンのブレ(リスク)は大きくありません。
とはいえ、物件の立地や設備などの条件によっては入居が付きにくい場合もあるでしょう。この場合はハイリスク・ハイリターンと言えます。株式や投資信託と異なり、賃貸経営はリスクをある程度コントロールできるのも特徴です。
空室リスクへの対策は?
空室リスクへの対策は、例えば次のような方法があります。
空室リスク対策の例
- 目安として徒歩10分以内の人気エリアにある物件を選ぶ
- 入居募集時に競合物件より見劣りしないかチェックする
- 入居募集に強い管理会社を選ぶ
- サブリース(家賃保証)契約をする
- 入居付けの仲介報酬(AD料)を上げる
確定申告の手続きはどうする?
不動産投資で得る家賃収入は不動産所得に分類されます。不動産所得は、収入から必要経費を差し引いて計算します。
不動産所得の必要経費の例を以下に示しますので参考にしてください。なお、かっこ書きした科目名は一例です。借入金の元本部分は必要経費にはできないことに注意しておきましょう。
不動産所得の必要経費
- ローンの返済利息(借入金利子)
- 減価償却費
- 固定資産税(租税公課)
- 不動産取得税(租税公課)
- 火災保険料(損害保険料)
- 修繕費
- 消耗品費
- 雑費
賃貸経営に関する取引があった場合は、その取引を帳簿に記帳し、保存しておかなければなりません。原則として年末になると帳簿をまとめて決算書などを作成し、決算書をもとに2月16日から3月15日までに確定申告を行います。
なお、マイナンバーカードがあれば自宅からe-Taxを使ってWeb上で確定申告が可能です。確定申告について不安があれば、不動産業者や税理士に相談しておきましょう。
減価償却費とは?
減価償却費とは、建物や建物附属設備の取得価額を、耐用年数にわたって分割して必要経費とするときの金額です。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
おすすめの不動産投資方法は?
不動産投資には、一棟(戸建てやアパート)や区分マンション(ワンルームやファミリー)などさまざまな投資対象があります。
個別事情によって異なりますが、初心者におすすめなのは比較的投資しやすく、利回りが安定しやすい中古ワンルームマンションです。
まとめ:不動産投資をやめておくべきか十分に検討して判断しましょう
不動産投資はやめとけと言われることがありますが、知識を付けておくと、失敗する可能性を抑えることができます。
「不動産投資はやめとけ」と言われて諦めるのは簡単です。しかし、不動産投資でしか得られない大きなメリットがあります。例えば、融資を利用して少額の資金でも大きな利益を得られたり、インフレに強く安定したインカムゲインを得ることができます。
簡単に諦めるのではなく、知識を深めてリスクを抑えながら、ぜひ大きなメリットのある資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。