ワンルームマンション投資の営業では、老朽化しても建て替えれば資産価値が戻るという説明を受けることがあります。ところが全国で実際に建て替えが行われたマンションは2020年までの累計で254件にとどまり、投資用ワンルームで実現した例はほとんど確認されていません。
ワンルームマンションの建て替えが進まない背景には、次のような事情が重なっています。
- 区分所有者の5分の4以上という決議の要件
- 所有者の大半が居住していないため総会が成立しにくい
- 容積率に余りがなく建て替えても戸数を増やせない
- ワンルーム条例により同じ戸数を再建できない
記事では建て替えの実績と決議の要件を数字で確認したうえで、ワンルーム特有の事情を4つに整理して解説します。2026年4月に施行された改正区分所有法で何が変わったのか、そして建て替えを待たない出口の考え方まで具体的に扱います。


ワンルームマンション投資で建て替えはどれだけ起きているか
分譲マンションの建て替えは制度としては存在するものの、実際に成立した件数はきわめて限られています。国土交通省の集計では2020年までの累計が254件で、2021年の1年間に実施されたのは全国でわずか9件という水準です。
全国の分譲マンションのストックが約700万戸あることを踏まえると、累計254件という数字は全体の0.01%にも届きません。老朽化した建物が自動的に建て替えられていくという前提で投資判断を組み立てるのは、実態から大きく離れた見通しといえます。
| 議案の種類 | 必要な賛成 | 根拠 |
|---|---|---|
| 建て替え | 区分所有者と議決権の各5分の4以上 | 区分所有法第62条 |
| 共用部分の著しい変更 | 区分所有者と議決権の各4分の3以上 | 区分所有法第17条 |
| 管理規約の変更 | 区分所有者と議決権の各4分の3以上 | 区分所有法第31条 |
| 通常の議案 | 区分所有者と議決権の各過半数 | 区分所有法第39条 |
全国の建て替え実績は累計254件にとどまる
マンションの建て替えが成立するのは、駅前の好立地で容積率に余裕がある大規模な物件にほぼ限られています。余った容積率を使って戸数を増やし、新しく分譲する住戸の売却代金で工事費を賄えるかどうかが、事業として成立するかの分かれ目になります。
建て替えの検討を始めてから決議に至るまでには、一般的に数年から10年以上の時間がかかります。合意形成に必要な説明会や個別交渉を重ねる過程で計画が頓挫するケースも多く、途中で断念した物件は統計にも残りません。
築40年を超えるマンションは2021年末の時点で約116万戸あり、2041年には約425万戸まで増える見通しが示されています。ストックの増加に対して年間9件という建て替えのペースでは、老朽化した建物の大半が手つかずのまま残り続ける計算になります。
建て替えが成立した物件の多くは1970年代までに建てられた団地型のマンションで、広い敷地と低い建ぺい率が条件になっています。都心部の狭い敷地に建つ投資用ワンルームとは、事業として成り立つ前提条件がまったく異なります。
老朽化したマンションの出口としては、建て替えよりも敷地を含めた一括売却のほうが実現の可能性は高くなっています。
建て替え決議に必要な5分の4という要件
区分所有法第62条は建て替えの決議について、区分所有者の数と議決権の両方で5分の4以上の賛成を得ることを求めています。人数と議決権の二重の要件があるため、頭数で8割を超えていても専有面積の広い住戸の所有者が反対すれば決議は成立しません。
50戸のワンルームマンションであれば、40戸以上の所有者が賛成し、なおかつ議決権でも80%以上を確保する必要があります。反対票が11戸出た時点で決議は成立しないため、11人を説得できるかどうかが実務上の分かれ目になります。
管理規約で要件を厳しくすることは認められていますが、法律より緩やかに定めることは原則として認められていません。区分所有者の財産権を侵害する恐れがあるためで、5分の4という水準は個々のマンションの判断では下げられません。
決議が成立したあとには、反対した区分所有者に対して建て替えへ参加するかどうかを問い合わせる催告の手続きへ進みます。参加しない意思を示した所有者に対しては、賛成した側が時価で住戸を買い取る売渡請求権を行使できる仕組みです。
売渡請求の対象になると保有を続けるという選択肢がなくなるため、反対票を投じた所有者であっても強制的に権利を失うことになります。
決議時の平均築年数は37.7年
建て替えの決議に至ったマンションの平均築年数は37.7年で、耐用年数の目安とされる47年より早い段階で判断されています。検討の開始から決議まで10年近くかかることを踏まえると、築25年から30年の時点で議論が始まっている計算になります。
建て替えに伴う自己負担額は1戸あたり平均で約2,000万円という調査結果が示されています。好立地で新規分譲の収益が大きければ自己負担がゼロに近づくケースもありますが、多くの物件では所有者が資金を用意する前提になります。
投資用のワンルームで2,000万円を追加で拠出する判断は、自宅として住み続ける場合と比べて成り立ちにくくなります。新しい建物になったとしても賃料が2倍になるわけではないため、投じた資金を家賃収入で回収するには長い年数がかかります。
築25年から30年で議論が始まるということは、購入から10年程度しか経っていない段階で意思決定を迫られる所有者も出てきます。ローンの残債が大きく残っている時期に追加の資金を求められるため、賛成に回れる所有者はさらに限られます。
建て替えの累計実績は254件で、年間では9件という水準で、老朽化したら建て替えられるという前提で保有を続ける判断は現実的ではありません。
ワンルームマンション投資で建て替えが進みにくい4つの理由
ファミリー向けの分譲マンションと比べたとき、投資用のワンルームはさらに建て替えの合意形成が難しい構造を抱えています。所有者の属性と建物の設計、そして条例による制約が重なることで、決議に必要な賛成を集めること自体が困難になります。
4つの要因はいずれも個別の物件で努力して解消できる性質のものではなく、ワンルームという商品の設計に根ざした構造的なものです。購入を検討する段階から建て替えを出口として想定しないことが、判断を誤らないための最低限の前提になります。
ワンルームに特有の事情を整理すると、次の4点です。
| 要因 | 内容 | 結果 |
|---|---|---|
| 所有者の属性 | 大半が居住していない投資家 | 総会の出席率が上がらない |
| 容積率 | すでに上限まで使っている | 増床による収益が見込めない |
| ワンルーム条例 | 最低専有面積と附置義務 | 同じ戸数を再建できない |
| 資金負担 | 1戸あたり平均2,000万円 | 投資家が拠出する動機がない |
所有者の大半が居住していない
投資用のワンルームマンションでは区分所有者のほとんどが別の場所に住んでおり、建物に日常的な関わりを持ちません。総会の議決権行使率は築年数が上がるほど下がる傾向にあり、築40年以上の物件では78.9%まで落ち込むという調査結果が出ています。
投票率が8割を下回る状態では、5分の4という要件を満たすこと自体が数字の上で難しくなり、棄権した所有者は反対と同じ扱いになるため、無関心が積み重なるほど決議は遠のいていきます。
所有者の所在が分からなくなっているケースも一定数あり、相続の登記が済んでいない住戸では連絡を取ることすらできません。所在不明の割合は全国平均で約3.9%とされており、100戸のマンションであれば4戸前後が該当する計算になります。
投資用ワンルームは所有者が全国に散らばっているため、説明会を開いても集まる人数は限られてしまいます。管理組合の理事も居住していない所有者が持ち回りで務めることになり、建て替えの検討を主導する担い手が育ちません。
賃貸管理を委託している所有者の多くは、管理会社から届く総会の資料に目を通さないまま議決権行使書を返送しません。
容積率に余りがなく増床できない
建て替えの事業性を決めるのは、建て替えたあとに増やせる住戸をどれだけの価格で分譲できるかという1点に尽きます。投資用ワンルームは限られた敷地に最大限の戸数を詰め込んで建てられているため、容積率の余りがほとんど残されていません。
容積率を使い切っている物件では建て替えても総戸数が増えないため、新規分譲による収益が生まれない構造になります。工事費の全額を既存の所有者が負担することになり、1戸あたりの拠出額は2,000万円を大きく超える水準に膨らみます。
敷地に対して建物が大きすぎる既存不適格の物件では、現行の法令に合わせて建て直すと戸数がむしろ減ってしまいます。減ってしまった分の権利をどう調整するかという問題が加わることで、合意形成の難易度はさらに一段上がります。
建て替えで事業性が成り立つのは敷地の容積率に3割から5割の余裕が残る物件だといわれますが、投資用ワンルームに余裕はほとんど残されていません。建物の設計図と検査済証を管理組合から取り寄せておけば、実際に使われている容積率と指定容積率を自分で比べられます。
ワンルーム条例で同じ戸数を再建できない
東京23区をはじめとする自治体では、ワンルーム条例によって1住戸あたりの最低専有面積が定められています。条例の施行前に建てられた専有面積20平方メートル前後の物件を建て替える場合、25平方メートル以上に広げる必要があるため戸数は2割前後減ります。
専有面積20平方メートルの住戸が50戸ある物件を、最低25平方メートルの条例に合わせて建て替えると、同じ床面積でも40戸しか作れません。10戸分の権利が消えることになり、誰が減った分を負担するかを決められないまま計画が止まります。
住戸数が一定を超える場合にはファミリー向け住戸の附置義務も課されるため、単身者向けの戸数はさらに削られます。条例が想定しているのは新築の抑制ですが、結果として既存のワンルームマンションの再生を阻む要因にもなっています。
駐輪場の設置義務や管理人室の設置といった共用部の要件も、建て替えたあとの建物には現行の基準が適用されることになります。共用部に割く床面積が増えるほど専有部分は圧迫されるため、確保できる戸数はさらに少なくなっていきます。
自己負担2,000万円を出す動機がない
建て替えに参加するには1戸あたり平均で約2,000万円の自己負担が必要とされ、投資家が拠出を決断する材料は多くありません。新築になっても家賃が2倍になるわけではないため、2,000万円を追加投資しても回収には20年以上の年数がかかります。
自宅として住んでいる所有者であれば、住み続けるために必要な支出として建て替え費用を受け入れる余地は残ります。投資として保有している場合は同じ資金で築浅の別の物件を買えるため、建て替えに応じる合理性はきわめて薄くなります。
工事の期間中は家賃収入が完全に途絶えてしまう点も、投資家が反対に回る大きな理由の1つになっています。建て替えには2年から3年かかるのが一般的であり、工事のあいだもローンの返済だけは変わらず続いていきます。
解体から竣工までの期間に加えて決議から着工までの準備段階にも1年から2年を要するため、合計すると4年から5年にわたって収益が生まれない状態が続きます。工事のあいだの返済原資をあらかじめ別に確保しておかなければ、家計の資金繰りが立ち行かなくなります。
投資家にとって建て替えは、2,000万円を追加で払ったうえに家賃が2年以上止まる選択で、賛成が集まらないのは自然な結果といえます。
2026年施行の改正区分所有法で何が変わるか
老朽化したマンションが増え続けている状況を受けるかたちで、区分所有法の改正が2026年4月1日に施行されました。決議の要件を一部緩和したうえで、建て替え以外の再生手法にも道を開くことが改正の中心的な内容になっています。
改正の背景にあるのは築40年を超えるマンションが20年後には3.6倍まで増えるという国の将来推計であり、管理不全に陥った建物が街に残り続ける事態を避ける狙いがあります。合意形成のハードルを下げる方向で制度が見直された一方、5分の4という原則が変わったわけではありません。
ただし建て替え決議の原則が5分の4であること自体は変わっておらず、緩和の対象は一定の条件を満たした物件に限られます。改正によって合意形成が一気に進むという期待は、実態から見れば過大なものといえます。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 建て替え決議(原則) | 5分の4以上 | 5分の4以上のまま |
| 耐震性が不足する物件 | 5分の4以上 | 4分の3以上 |
| 所在不明の区分所有者 | 反対として扱われる | 裁判所の決定で分母から除外 |
| 建物と敷地の一括売却 | 全員の合意が必要 | 5分の4以上で可能 |
| 災害で被災した物件の再建 | 5分の4以上 | 3分の2以上 |
耐震性が不足する物件は4分の3へ緩和
改正法では耐震性が現行の基準に適合していない物件について、決議の要件が4分の3以上まで引き下げられました。1981年の新耐震基準より前に建てられた物件が主な対象となるため、築45年を超えるマンションで適用の可能性が出てきます。
火災に対する安全性や外壁の剥落の危険性が認められる場合についても、同じく4分の3の要件が適用される仕組みです。緩和を受けるには専門家による調査によって要件に該当することを示す必要があるため、手続きの負担は決して小さくありません。
投資用ワンルームの多くは1980年代後半以降に供給されているため、新耐震基準を満たしている物件が中心になります。耐震性を理由とした緩和の対象からは外れるケースが多く、原則どおり5分の4の要件が適用されることになります。
自分の物件が新耐震基準に適合しているかどうかは、建築確認済証に記載された交付日を見れば判断できます。1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物であれば新耐震基準の対象となるため、緩和の要件からは外れることになります。
耐震診断を実施していない物件については要件に該当するかどうかを判断する材料自体がそろわず、診断には1棟あたり100万円以上かかることもあります。管理組合が診断の費用を負担できるかどうかが、緩和を使えるかどうかを分ける最初の関門になります。
所在不明の区分所有者を分母から除外
相続の登記がされていない住戸や連絡先が不明な所有者は、改正前は決議の分母に含まれたまま反対と同じ扱いを受けていました。改正法では裁判所の決定を受けることで所在不明の区分所有者を分母から除外できるようになり、実質的な賛成率の計算が変わります。
100戸のマンションで所在不明が4戸ある場合、改正前は96戸の賛成でようやく80%を満たす形でした。改正後は分母が96戸になるため、77戸の賛成で要件を満たせる計算になり、必要な賛成数が3戸分減ります。
除外の手続きには裁判所への申立てが必要になり、調査を尽くしても所在が判明しないことを示さなければなりません。管理組合が単独で手続きを進めるのは難しいため、弁護士に依頼する費用と時間をあらかじめ見込んでおく必要があります。
所在不明の所有者を減らしていくには、日ごろから組合員名簿を更新して連絡先の変更を届け出てもらう運用が欠かせません。相続が発生した住戸については登記の状況を確認したうえで、新しい所有者へ連絡が取れる状態を保っておきます。
投資用ワンルームは所有者が入れ替わる頻度が高いため、名簿の更新を怠れば数年のうちに連絡先の大半が古くなってしまいます。
一括売却など新しい再生手法
改正法では建物と敷地を一括して売却するという手法が、5分の4以上の決議によって実行できるようになりました。改正前は全員の合意が必要だったため事実上不可能でしたが、多数決で売却できるようになったことでワンルームマンションにも出口が生まれます。
建物を取り壊してから敷地だけを売却する手法や、一棟をまとめてリノベーションする手法も新たに認められました。いずれも建て替えほどの資金を必要としないため、事業性の乏しい物件であっても現実的な選択肢になり得ます。
一括売却では敷地の売却代金がすべて所有者への配分原資となるため、立地が良い物件ほど受け取れる手取りは大きくなります。容積率を使い切っていて建て替えができない物件であっても、土地としての価値が残っていれば資金を回収できる道が開けます。
買い手となるのは主に不動産デベロッパーであり、取得した土地に新しいマンションやオフィスを建てて開発する形になります。ワンルーム条例の制約を受けない用途へ転用できる立地であれば、土地としての評価はさらに高くなります。
ワンルームにとって現実的な出口は建て替えではなく一括売却で、改正で全員合意が不要になり、多数決で進められるようになりました。
ワンルームマンション投資で建て替えを待たない出口戦略
建て替えが実現する確率が低い以上、老朽化が進む前に売却して投じた資金を回収する方針が現実的な出口になります。築年数が上がるほど買い手は減り、融資を付けられる金融機関も限られていくため、判断を先送りするほど選べる道は狭まります。
売却の判断で見るべきなのは家賃の水準だけではなく、管理組合が修繕を続けられるだけの体力を持っているかという点になります。積立金が不足している物件は将来の負担が読めないため、買い手からも敬遠されて価格が思うように伸びません。
出口を判断する際に確認しておく項目は、次のとおりです。
| 確認する項目 | 入手先 | 危険なサイン |
|---|---|---|
| 修繕積立金の総額 | 重要事項調査報告書 | 長期修繕計画に対して不足 |
| 滞納の状況 | 重要事項調査報告書 | 滞納が総戸数の1割を超える |
| 総会の議決権行使率 | 総会議事録 | 7割を下回っている |
| 大規模修繕の実施履歴 | 管理組合・管理会社 | 周期どおりに実施されていない |
築何年で売却の判断をするか
投資用ワンルームに融資を出す金融機関の多くは、法定耐用年数の47年から築年数を差し引いた期間を返済期間の目安としています。築25年の物件では返済期間が22年までしか組めないことになり、買い手の月々の返済額が増えるため価格の交渉余地は狭まります。
買い手が35年のローンを組める築年数は12年までという計算になり、築15年を過ぎると買い手の層が急速に狭まります。売却を視野に入れるなら築20年を1つの目安とし、遅くとも築30年までに判断を終えるほうが手取りは残ります。
築年数が進んだ物件を買えるのは現金で購入できる投資家か、金利の高いノンバンクを使える買い手にほぼ限られていきます。買い手が絞られるほど価格の主導権は買い手の側へ移っていき、査定額は収益還元法で計算した水準を下回るようになります。
金融機関によっては法定耐用年数を超えた物件にも融資に応じますが、適用される金利は3%台まで上がるのが一般的です。買い手の返済負担が重くなる分だけ購入できる価格は下がることになり、売主が受け取る手取りにも直接跳ね返ってきます。
売却を決めてから成約に至るまでは3か月から6か月かかるため、判断は目安となる築年数より1年ほど前倒しで始めておきます。
管理組合の状態から将来を読む
建物の寿命を左右するのは築年数の長さではなく、管理組合が修繕を計画どおりに実行できているかどうかという1点です。修繕積立金の残高が長期修繕計画の想定を下回っている物件は、大規模修繕のたびに一時金の徴収や借入れが必要になります。
管理費と修繕積立金の滞納が総戸数の1割を超えている場合には、管理組合の運営基盤が揺らいでいる兆候だと判断できます。滞納が増えるほど修繕に回せる資金は不足していくため、建物の劣化が加速するという悪循環に入り込んでいきます。
大規模修繕が12年から15年という周期どおりに実施されてきたかどうかも、管理組合の体力を測る有力な材料になります。周期を過ぎても実施されていない物件については、資金が足りていないか合意形成ができていない可能性がきわめて高くなります。
重要事項調査報告書は管理会社に請求すれば取得でき、積立金の残高や滞納額に加えて修繕の履歴までまとめて確認できます。売却を検討する段階だけではなく、保有している期間も数年に一度は取り寄せて状態を把握しておくと判断を誤りません。
重要事項調査報告書には積立金の残高と滞納額が載っており、管理組合の体力は、建物の将来を読むうえで築年数より確かな材料です。
まとめ|ワンルームマンション投資の出口は建て替えではなく売却
マンションの建て替えは2020年までの累計でも254件にとどまり、2021年に実施されたのは全国でわずか9件という水準です。投資用ワンルームでは所有者の大半が居住しておらず容積率にも余りがないため、建て替えが成立する条件はほとんどそろいません。
保有している物件について確認しておく項目は、次のとおりです。
- 登記簿上の専有面積とエリアのワンルーム条例の基準
- 修繕積立金の残高が長期修繕計画に対して足りているか
- 管理費と修繕積立金の滞納が総戸数の1割を超えていないか
- 買い手が35年ローンを組める築年数を過ぎていないか
2026年4月に施行された改正区分所有法によって、建物と敷地の一括売却が5分の4以上の決議で実行できるようになりました。全員の合意が不要になったことにより、建て替えの事業性がない物件であっても土地の価値を回収できる道が開かれています。
建て替えを待つという前提のまま保有を続けていると、買い手が付かなくなる築年数まで到達してしまいます。まずは重要事項調査報告書を取り寄せて、修繕積立金の残高と滞納額を確認するところから始めてみましょう。











