投資用マンションの購入を検討していると、補助金や助成金でお得に買えないかと考える人は多いですが、居住用の住宅に向けた制度と投資用の物件に使える制度は、対象が大きく異なります。制度を誤解したまま購入を判断すると、補助金を前提にした収支計画が崩れ、購入後に想定外の負担が生じる原因になります。
本記事では、投資用マンションの購入に補助金がない理由と、賃貸オーナーが2026年に使える省エネ関連の補助金を解説します。申請の手順、費用対効果の計算の仕方、補助金を理由にした勧誘に対する注意点も、あわせてまとめました。


投資用マンションの購入に使える補助金はある?
投資用マンションの購入自体に使える国の補助金は、原則としてなく、住宅の取得を支援する制度の多くは、購入者が自ら住むことを対象にしているため、賃貸に出す物件は対象外になります。
賃貸オーナーが使える補助金は、購入後の設備の交換や断熱のリフォームなど、既存の賃貸住宅の省エネ化を支援する制度が中心で、購入時の頭金や諸費用を補う性質のものではありません。
購入の負担を減らす現実的な手段は、頭金、金利、値引き交渉、費用の見直しであり、補助金に頼らずに収支を組む姿勢が欠かせません。
購入時に使える制度の可否は、次の表のとおりです。
住宅ローン控除は、自ら居住する住宅が対象で、賃貸に出す投資用の物件は対象外です。
| 制度 | 投資用マンションに使えるか | 理由 |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除 | 使えない | 自ら居住する住宅が対象 |
| 住宅取得を支援する補助金(新築の購入者向け) | 原則使えない | 購入者が自ら居住することが条件の制度が多い |
| 賃貸住宅の省エネ改修の補助金 | 使える場合がある | 賃貸オーナーも対象の事業がある |
| 自治体の補助金 | 自治体による | 賃貸住宅が対象かどうかは各自治体が決める |
購入自体に使える国の補助金は原則ない
投資用マンションを購入する際に、頭金や諸費用を補う国の補助金は、原則として用意されていません。住宅の取得を支援する制度は、住まいの確保や子育て世帯の支援を目的にしており、購入者が自分で住むことが要件になる場合が多いためです。
購入後の設備の更新や断熱改修を対象にした補助金は、賃貸オーナーも使える場合があります。購入の資金計画に補助金を組み込まず、購入後の費用の軽減策として考えましょう。
住宅ローン控除は自ら住む住宅が対象
住宅ローン控除は、購入者が自ら居住する住宅を対象にした制度で、賃貸に出す投資用マンションには使えません。制度の目的が居住用の住宅取得の支援にあるため、投資目的の物件は対象から外れています。
営業担当者から税の優遇や控除の話を聞いても、居住用の制度なのか投資用に使える制度なのかを、制度名と根拠を挙げて確認しましょう。不動産所得に関する節税の仕組みは、住宅ローン控除とは別に存在します。
子育て世帯向けの住宅支援は居住が条件の制度が多い
子育て世帯や若者夫婦世帯を支援する住宅の補助金は、購入者が自ら居住する住宅が対象の制度が多く、投資用のワンルームは対象になりません。対象者が世帯の条件で決まる制度では、賃貸に出す物件の購入は趣旨に合いません。
制度の名称が似ていても、リフォームを対象にした事業と新築の取得を対象にした事業では、対象者が違います。申請を考えるときは、公式サイトの対象者の欄を必ず読みましょう。
購入の負担は頭金・金利・値引きで調整する
購入時の負担を減らしたいなら、補助金を探すより、頭金、金利、値引き交渉、諸費用の見直しといった確実な手段で収支を整えるほうが現実的です。投資用マンションは、毎月のローン返済が収支を左右するため、借入額と金利の調整が最も効きます。
補助金は予算に限りがあり、時期によって対象が変わるため、購入の前提にはできません。補助金が使えなくても収支が成り立つ物件を選ぶことが、長期保有の安定につながります。
投資用マンションのオーナーが使える補助金|住宅省エネ2026キャンペーン
賃貸オーナーが使える補助金の中心は、国が実施する住宅省エネ2026キャンペーンで、4つの補助事業の総称として運営されています。
4つの事業は、みらいエコ住宅事業、先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業、賃貸集合給湯省エネ事業で、管轄する省庁と対象の工事が異なります。
賃貸オーナーが使いやすいのは、賃貸住宅の窓の断熱改修と給湯器の交換を対象にした事業で、工事の内容に応じて使い分けます。
賃貸オーナーが検討しやすい事業の概要は、次の表のとおりです。
賃貸集合給湯省エネ事業は、賃貸住宅のオーナーだけが使える事業です。
| 事業 | 対象の工事 | 賃貸オーナーの利用 |
|---|---|---|
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | ガス・石油の給湯器をエコジョーズ等へ交換 | オーナーのみが対象 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 内窓の設置、ガラス・外窓・玄関ドアの交換 | 賃貸集合住宅のオーナーも対象 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 断熱改修、高効率エアコン等の設置 | 築年数などの要件を満たす住宅が対象 |
| 給湯省エネ2026事業 | エコキュート等の高効率給湯器の導入 | 対象者の要件を公式サイトで確認 |
賃貸集合給湯省エネ事業は賃貸オーナー専用
賃貸集合給湯省エネ2026事業は、賃貸集合住宅のオーナーを対象に、既存の給湯器を省エネ型へ交換する費用を補助する、賃貸住宅専用の事業です。対象は、エコジョーズなどの小型の省エネ型給湯器で、居住用の給湯省エネ事業とは別に用意されています。
ワンルームの給湯器は壁掛けの小型機が多く、交換の費用に対して補助額の割合が大きくなりやすい特徴があります。交換が近い設備があるときは、補助の対象かどうかを先に確認しましょう。
先進的窓リノベ事業は上限が100万円に半減した
先進的窓リノベ2026事業は、内窓の設置や窓の交換を対象にした環境省の事業で、2026年は補助の規模が前年より縮小しています。賃貸集合住宅のオーナーも対象とされており、窓の断熱改修を計画しているなら、申請期間内の工事を検討できます。
先進的窓リノベ2026事業の補助上限は1戸あたり100万円で、2025年の200万円から半減しています。対象は内窓、ガラス、外窓、玄関ドアです。
ワンルームの窓は小さく、工事費も限られるため、上限に届くことは多くありません。窓の面積と工事の見積もりから、補助額の見込みを事前に計算しましょう。
みらいエコ住宅事業は築年数などの要件を確認する
みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、一定の築年数以前に建てられた住宅が対象で、断熱改修や高効率エアコンの設置などに補助があります。賃貸住宅が対象になる場合でも、改修の内容に応じて補助の上限額が変わります。
対象になるかどうかは、築年数と工事の内容で決まるため、リフォーム会社に事業の対象物件かを確認してもらいましょう。新築の購入向けの制度と混同しないよう、対象の欄を確認してください。
同じ工事で複数の補助金は受けられない
住宅省エネ2026キャンペーンの補助金は、同じ工事に対して複数の事業から重複して受けることはできないため、工事ごとに使う事業を決めます。たとえば、窓の改修と給湯器の交換を別の工事として申請すれば、別々の事業を使える場合があります。
工事の組み合わせで補助の額が変わるため、見積もりを取る段階で、複数の事業の対象かどうかを施工会社に相談しましょう。工事の契約前に、使う事業を確定させることが欠かせません。
投資用マンションで使える賃貸集合給湯省エネ2026事業の対象と補助額
賃貸集合給湯省エネ2026事業は、投資用マンションのオーナーが最も使いやすい補助金で、既存の賃貸集合住宅の給湯器を、エコジョーズやエコフィールなどの省エネ型に交換する工事が対象です。
補助額は、給湯器の機能と工事の内容で決まり、1住戸あたり5万円から最大10万円の範囲で、交換の費用負担を直接軽くできます。
対象の条件と補助額は、次の表のとおりです。
工事は、2025年11月28日以降に着工したものが対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 賃貸集合住宅のオーナー等 |
| 対象の住宅 | 既存の賃貸集合住宅(建築から1年以上、または居住実績のある建物) |
| 対象の機器 | エコジョーズ(ガス)、エコフィール(石油) |
| 補助額 | 追い焚きなしが5万円、ありが7万円、ドレン排水工事で最大3万円を加算(1住戸あたり最大10万円) |
| 申請期限 | 2026年12月31日まで(予算の上限に達し次第終了) |
対象者と対象の住宅を確認する
賃貸集合給湯省エネ2026事業は、賃貸集合住宅のオーナーが対象で、建築から1年以上が経過した、または居住実績のある既存の建物が対象です。不動産登記の用途が集合住宅でない場合や、民泊用の建物は、対象外になります。
区分所有のワンルームを1戸だけ持つオーナーが申請できるかは、事業の要件で確認が必要です。事務局の公式サイトで、所有する戸数や建物の条件を確認し、施工会社にも相談しましょう。
補助額は給湯器の種類と工事の内容で決まる
補助額は、追い焚き機能のない給湯器で5万円、追い焚き機能のある給湯器で7万円が基本で、排水の工事の加算を含めて1住戸あたり最大10万円です。ワンルームの給湯器は、追い焚き機能のない給湯専用が多く、基本額は5万円に当たります。
補助額は、給湯専用が5万円、追い焚きありが7万円で、ドレン排水工事の加算を含めて最大10万円です。給湯専用の場合は、最大8万円になります。
実際の補助額は、工事の内容で変わるため、施工会社の見積もりで確認しましょう。
申請期間と予算の上限に注意する
交付の申請期間は2026年12月31日までですが、予算の上限に達すると早期に終了するため、年内ぎりぎりでの申請は避けるのが安全です。補助金は先着順の性格を持ち、後半になるほど受付が終わる可能性が高まります。
予約の期間が別に設けられている場合は、期限が前倒しになるため、公式サイトの最新情報を確認しましょう。給湯器の交換が必要になった時点で、早めに申請の準備を始めてください。
区分所有のオーナーは管理規約と管理組合の確認が必要
分譲マンションの給湯器の交換は、設置場所によっては共用部分にかかわる場合があり、管理規約と管理組合への確認が必要です。ベランダやパイプスペースに設置された機器は、交換の方法に制限がある場合があります。
工事の前に、管理会社へ連絡して、交換の可否と手続きを確認しましょう。承認を得ないまま工事を進めると、補助の申請ができなくなる恐れもあります。
給湯器の交換に管理組合の承認が不要な物件でも、管理会社へ連絡しておくと、入居者への対応やトラブルの防止にもつながります。
投資用マンションの補助金の申請手順と注意点
住宅省エネ2026キャンペーンの補助金は、事務局に登録された事業者が、オーナーに代わって申請する仕組みで、工事を依頼する会社の選び方が結果を左右します。
申請の流れを理解して、工事の契約前に手順を確認しておけば、対象外の工事を発注して補助金を受けられない失敗を避けられます。
申請の流れは、次の表のとおりです。
申請は、事務局に登録された事業者が代行します。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 事業者の選定 | 住宅省エネ2026の登録事業者かを確認する |
| 2. 対象の確認 | 物件と工事が事業の対象か、事業者に確認してもらう |
| 3. 工事の契約 | 補助額を差し引く前提と、受付の予算を確認して契約する |
| 4. 着工と完了 | 工事の写真など、申請に必要な記録を残す |
| 5. 交付申請と受取 | 登録事業者が申請し、補助金が交付される |
登録事業者に工事を依頼する
補助金の申請は、事務局に登録された事業者だけが行えるため、工事を依頼する会社が登録事業者かどうかを、契約前に確認します。登録事業者は、事務局の公式サイトで検索でき、対象の事業ごとに登録の有無が異なります。
登録がない会社に依頼すると、工事の費用は払っても補助金は受け取れません。見積もりを取る際に、登録の番号と、対象事業の確認を、書面でもらいましょう。
複数の登録事業者から見積もりを取ると、工事費と補助額の取り扱いを比べられます。補助金を差し引いた後の請求額なのか、受取後に支払うのかも、確認しましょう。
工事の契約前に対象かどうかを確かめる
工事の契約前に、物件と工事の内容が補助事業の対象かどうかを、施工会社と一緒に確認し、対象外の工事を発注しないようにします。築年数、建物の用途、機器の型番などの要件を満たさないと、補助を受けられません。
対象の機器は、製品の型番で決まるため、見積書に型番を記載してもらい、公式の対象製品リストと照合しましょう。着工が対象期間の開始日より前だと、補助の対象外になる場合もあります。
予算が尽きる前に早めに動く
補助金は予算の上限に達すると受付が終了するため、工事が必要になった時点で早めに事業者へ相談し、年内の期限ぎりぎりまで待たないようにします。工事の見積もりから申請までには、日数がかかります。
給湯器が故障してから慌てて交換すると、補助金の対象にならない工事を選んでしまう恐れがあります。設備の使用年数を確認し、故障の前に計画を立てましょう。
年度末が近づくと依頼が集中し、工事の日程が確保しにくくなる場合もあるため、交換の予定がある設備は、前倒しで相談しておくと安心です。交換時期が近い設備を、築年数と合わせて一覧にしておきましょう。
工事の写真と書類を残す
申請には、工事前、工事中、工事後の写真と、契約書や領収書などの書類が必要になるため、工事の記録を漏れなく残します。写真の撮り方や枚数は、事業者が案内する場合が多いため、事前に確認しておきます。
書類が不足すると、申請が差し戻されて、交付が遅れる場合があります。工事の完了後も、契約書、領収書、保証書を、補助金の受取が終わるまで保管しておきましょう。
工事前の写真は、着工後には撮り直せないため、事業者に撮影の指示を確認してから工事を始めてもらいましょう。入居者がいる部屋では、立ち入りの調整も必要です。
投資用マンションで補助金を使うメリットを費用対効果で計算する
補助金は、受け取れる金額だけでなく、工事の費用、入居者への効果、将来の修繕費の見通しを含めた費用対効果で判断することが重要で、補助金を目的にした不要な工事は収支を悪化させます。
給湯器の交換や窓の断熱改修は、故障への備えと入居者の満足度の向上につながる一方で、家賃が必ず上がるわけではないため、保守的に見積もる必要があります。
給湯器の交換で、補助金の効果を試算すると、次の表のようになります。
表の金額は、説明用の仮定で、実際の工事費は施工会社の見積もりで決まります。
| 項目 | 給湯専用の場合 | 追い焚きありの場合 |
|---|---|---|
| 交換の工事費(仮定) | 15万円 | 20万円 |
| 補助額(基本額) | 5万円 | 7万円 |
| 排水工事の加算(最大) | 3万円 | 3万円 |
| 実質の負担(加算を含む場合) | 7万円 | 10万円 |
給湯器の交換は補助額を引いた実質負担で判断する
給湯器の交換は、工事費から補助額を引いた実質負担で判断し、補助金が出るからといって、まだ使える給湯器を早めに交換する必要はありません。補助額は基本額と加算の合計になるため、見積もりの段階で、加算の対象となる工事が含まれるかを施工会社に確認します。
試算では、工事費15万円の給湯専用の給湯器は、補助の最大8万円(基本5万円+排水工事3万円)を引いて、実質7万円です。
給湯器の寿命は10年前後とされるため、使用年数が10年に近い設備から、補助期間内に交換を検討しましょう。
窓の断熱改修は家賃の上昇を前提にしない
窓の断熱改修は、入居者の満足度や空室対策につながる可能性がありますが、家賃を上げられる保証はないため、家賃の上昇を前提に投資を判断しないことが重要です。断熱の効果は、光熱費の低下や結露の軽減として表れ、入居者が長く住む理由になります。
家賃の上昇ではなく、退去の減少による空室損失の抑制として、効果を見積もるのが現実的です。改修の費用と、年間の空室損失の差を計算しましょう。
補助金が出なくても必要な修繕かを確認する
補助金の有無にかかわらず、必要な修繕かどうかを先に確認し、補助金があるから工事をするという順序にしないことが、費用の無駄を防ぎます。補助金は、必要な工事の負担を軽くする手段であり、工事の目的ではありません。
補助金が使えない場合でも、収支が成り立つ工事かを、見積もりで確認しましょう。補助金の期限や予算に左右されず、設備の状態に応じて、計画的に更新していくことが重要です。
投資用マンションの自治体の補助金と税の扱い
国の補助金に加えて、自治体が独自に、省エネ改修、耐震改修、空き家の改修などへ補助金を設けている場合があり、賃貸住宅を対象に含むかどうかは自治体ごとに決まっています。
補助金を受けた場合や、設備の交換費用を経費にする場合は、税務上の扱いが変わるため、申請の前に税理士へ確認しておくと、確定申告の際の誤りを避けられます。
自治体の補助金と税務の確認先は、次の表のとおりです。
自治体の補助金は、賃貸住宅が対象かどうかを自治体ごとに決めています。
| 確認する内容 | 確認先 |
|---|---|
| 自治体の補助金の有無と対象 | 物件所在地の自治体の住宅担当課、公式サイト |
| 国の補助金の対象と手続き | 住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイト、登録事業者 |
| 補助金と経費の税務上の扱い | 税理士、税務署 |
| 管理規約と共用部分の制限 | 管理組合、管理会社 |
自治体の補助金は物件所在地の制度を調べる
自治体の補助金は、物件の所在地の自治体が実施しており、賃貸住宅や分譲マンションの専有部分が対象になるかは、制度ごとに異なります。省エネ、耐震、バリアフリー、空き家活用など、目的も様々です。
自治体の公式サイトで、住宅に関する補助金の一覧を確認し、賃貸オーナーが対象かを読み取りましょう。不明な点は、担当課へ電話で問い合わせると、確実です。
補助金の受付期間は年度ごとに決まり、年度の途中で予算が尽きる場合もあるため、検討を始めた時点で、早めに窓口へ確認することが重要です。申請の前に工事を始めると、対象外になる制度が多い点にも注意しましょう。
設備の交換費用は修繕費か資本的支出かで処理が変わる
設備の交換費用は、原状に戻す修繕なら修繕費として一括で経費にでき、価値を高める支出なら資本的支出として減価償却する必要があります。支出が20万円未満の場合は、修繕費として処理できる取り扱いがあります。
給湯器の同等品への交換は、修繕費として処理される例が多く、断熱性能を高める窓の改修は、資本的支出になる場合があります。判断が難しいときは、税理士に確認しましょう。
補助金の税務上の扱いは税理士に確認する
補助金を受けた場合の税務上の扱いは、補助金の種類や申請者の区分で異なる場合があるため、受け取る前に税理士へ確認します。受け取った補助金が収入として扱われる場合は、不動産所得の計算に影響します。
補助金で工事費の負担が減った分は、経費の額にも影響するため、申請書類と領収書をそろえて、税理士に相談しておくと、確定申告の準備が進みます。
個人が受け取る補助金は、制度ごとに扱いが違う場合があり、収入に算入されるかどうかで、確定申告の内容が変わります。申請前に、補助金の名称と受取の時期を整理して、税理士に伝えましょう。
投資用マンションの補助金を理由にした勧誘への注意点
投資用マンションの営業では、補助金や税の優遇があるから実質の負担が小さいといった説明で、購入を勧める場面があり、制度の対象や条件を確認せずに信じると、収支計画が崩れる原因になります。
購入自体に使える補助金は原則としてないため、補助金を理由にした説明を受けたら、制度の名称、根拠、対象者を、書面で確認する姿勢が欠かせません。
確認すべき点は、次のとおりです。
購入自体に使える国の補助金は、原則としてありません。
- 制度の正式な名称と、実施している省庁や自治体
- 対象者の条件(自ら居住する住宅か、賃貸住宅のオーナーか)
- 申請の期限と、予算に達した場合の取り扱い
- 補助金を差し引く前の購入価格と、毎月の収支
補助金は購入価格の補填ではなく購入後の費用の軽減
賃貸オーナーが使える補助金は、購入後の設備や断熱の改修費用を軽くする制度で、購入価格や頭金を補填するものではありません。購入時の資金計画に補助金を組み込むと、受け取れなかった場合に、資金が不足します。
補助金が受け取れる前提の収支ではなく、受け取れなくても成り立つ収支を基準にし、受け取れた分は予備資金や修繕積立の上乗せとして扱いましょう。
営業担当者の説明で、補助金が購入の負担を軽くすると聞いたときは、制度名と対象者を確認し、購入に使える制度かどうかを、公式サイトで調べましょう。公式の情報と説明が違う場合は、契約を見送る判断も必要です。
実質の負担がゼロという説明は根拠を確認する
補助金や節税を理由に、実質の負担がゼロだと説明する営業は、数字の根拠を確認し、収支を自分で計算し直したうえで判断します。補助金や節税で戻る金額は、毎月の持ち出しや購入価格に比べて小さい場合が多いためです。
説明の数字は、家賃、返済、費用の前提を書面でもらい、条件をそろえて比べましょう。根拠を示さない営業は、契約を見送る判断も必要です。
節税や補助金で戻る金額は、年単位でも数万円から十数万円にとどまる場合があり、毎月の持ち出しを埋めるには足りないことがあります。
契約を急がせる営業は断る
「補助金の期限が迫っているので今日契約を」といった説明で契約を急がせる営業は、冷静な判断を妨げるため、書類を持ち帰って断ります。購入自体の補助金がない以上、期限を理由にした急かしは、事実と合わない可能性があります。制度の仕組みを知らない買い手につけ込む手法の1つでもあるため、期限の根拠となる制度名を、必ず書面で確認しましょう。
宅建業法は、契約を不当に急がせる行為を禁止しています。不安を感じたら、消費者ホットライン188や、免許を与えた都道府県の窓口に相談しましょう。
まとめ|投資用マンションの補助金は購入後の省エネ改修で考える
投資用マンションの購入自体に使える国の補助金は原則としてなく、住宅ローン控除も、自ら居住する住宅が対象のため、投資用の物件には使えません。
賃貸オーナーが使えるのは、住宅省エネ2026キャンペーンの賃貸集合給湯省エネや先進的窓リノベなどの、購入後の改修への補助で、同じ工事で複数の事業は使えません。
賃貸集合給湯省エネは、1住戸あたり最大10万円で、申請期限は2026年12月31日までですが、予算の上限に達すると早期に終了します。
確認のポイントは、次の3つです。
- 購入の収支は、補助金を前提にせず、受け取れなくても成り立つかで判断する
- 改修の補助金は、登録事業者に依頼し、工事の契約前に対象かを確認する
- 補助金や節税を理由にした即決の勧誘は、根拠を書面で確認して断る
補助金は、購入の決め手ではなく、購入後の負担を軽くする手段として活用しましょう。









