不動産投資の回収期間とは、投資した資金を家賃収入などの手残りで取り戻すまでにかかる年数のことで、物件の購入を判断するときに、利回りと並んで確認される指標です。ただし、計算に使う数字の取り方で結果が大きく変わるため、販売資料の数字を鵜呑みにすると、実態とずれた判断をしてしまいます。
本記事では、回収期間の計算式と、現金で買う場合とローンを使う場合の違いを整理します。家賃108万円の都心ワンルームと築古の物件の試算、目安の考え方、短縮する方法、回収期間だけで判断してはいけない理由も解説します。


不動産投資の回収期間とは?計算式と考え方
不動産投資の回収期間は、投資した金額を、年間に手元へ残る収益で割って求める年数で、数字が小さいほど早く元が取れ、大きいほど長期の保有が前提になります。
投資額に何を入れるかで計算式が変わり、ローンを使わず現金で買う場合は総投資額、ローンを使う場合は自己資金が、割られる側の金額になります。
3つの計算方法の違いは、次の表のとおりです。
回収期間は、投資額を年間の手残りで割って求めます。
| 計算方法 | 式 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 現金購入 | 総投資額÷年間の収益(家賃−経費) | ローンを使わずに買う場合 |
| ローン利用 | 自己資金÷年間の手残り(収益−返済) | 頭金と諸費用だけを投資額とみる場合 |
| 簡易の計算 | 1÷表面利回り | 販売資料の概算。実際より短く出る |
回収期間は投資額を年間の手残りで割って求める
回収期間は、投資した金額を、年間に手元へ残るお金で割って求め、年数が短いほど、早く元が取れる投資だと判断できます。手元に残るお金は、家賃収入から経費を引いた額で、ローンを使う場合は、返済額もさらに引きます。
年間の手残りがマイナスの場合は、いつまでたっても投資額を回収できないため、回収期間を計算する意味がありません。まず、年間の手残りがプラスかを確認しましょう。
現金購入は総投資額を年間の収益で割る
ローンを使わず現金で買う場合は、購入価格と購入時の諸費用の合計を総投資額とし、年間の収益で割って回収期間を求めます。購入時の諸費用は、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、火災保険料などで、物件価格の約10%が目安とされます。
年間の収益には、家賃収入から管理費、修繕積立金、固定資産税などの経費を引いた額を使います。現金購入の回収期間は、ローンの影響を受けないため、物件自体の収益力を測る指標になります。
ローンを使う場合は自己資金を年間の手残りで割る
ローンを使う場合は、頭金と購入時の諸費用の合計を自己資金とし、家賃から経費と返済を引いた年間の手残りで割って回収期間を求めます。借入の元本は、将来返済していくお金のため、投資額に含めない考え方です。
ローン利用の方法は、自己資金に対する回収の速さを示しますが、元本返済で増える資産を含まないため、実態より悪く見える面があります。ローン利用の回収期間は、他の指標とあわせて確認しましょう。
表面利回りの逆数は実際より短く出る
表面利回りの逆数で回収期間を概算する方法は、経費と購入時の諸費用を含まないため、実際より大幅に短い年数が出ます。表面利回り5%なら、1÷0.05で20年と計算できますが、経費と購入時の諸費用が含まれないため、実際の回収期間とは大きくずれます。
経費と諸費用を含めると、同じ物件でも実質の回収期間は、数年から十数年長くなる場合があり、計算の前提を確認する必要があります。
販売資料の回収年数は、表面利回りから逆算した数字のことがあるため、実質利回りに直して計算し直すと、年数が大きく変わります。表面利回り5%の物件で実質利回りが3.5%なら、約20年と約29年で、約9年の差が出ます。
回収期間の試算A|家賃108万円・価格2,500万円の都心ワンルーム
回収期間を具体的に見るために、年間家賃収入108万円、購入価格2,500万円、年間経費約35.6万円のワンルームを例に、購入方法ごとに計算します。
購入時の諸費用は物件価格の10%の250万円と仮定し、ローンは金利2.0%、35年返済で、空室がない前提の試算です。
購入方法ごとの回収期間は、次の表のとおりです。
表の金額は、説明用の仮定で、実際の物件の数字とは異なります。
| 購入方法 | 投資額(自己資金) | 年間の手残り | 回収期間 |
|---|---|---|---|
| 現金購入 | 2,750万円 | 約+72.4万円 | 約38年 |
| フルローン(頭金0円) | 250万円 | 約−26.9万円 | 回収できない |
| 頭金500万円 | 750万円 | 約−7.1万円 | 回収できない |
| 頭金1,000万円 | 1,250万円 | 約+12.8万円 | 約98年 |
| 頭金1,500万円 | 1,750万円 | 約+32.7万円 | 約54年 |
現金で買っても回収に約38年かかる
試算のワンルームは、現金で買っても、年間の収益が約72.4万円で、総投資額の2,750万円を回収するには約38年かかります。実質利回りが約2.9%と低く、購入価格に対して家賃収入が小さいためです。
約38年は、築年数や設備の寿命を考えると、保有の期間として現実的でなく、途中の売却や大規模な修繕が避けられません。回収期間が建物の寿命に近い物件は、慎重に判断しましょう。
フルローンや頭金が少ないと手残りがマイナスで回収できない
頭金が少ないと、毎月の返済が収益を上回って年間の手残りがマイナスになり、自己資金を回収すること自体ができなくなります。フルローンでは約27万円、頭金500万円でも約7万円の持ち出しが毎年出ます。
回収期間は、手残りがプラスになって初めて意味を持つため、まず返済後の年間収支を確認します。マイナスの物件は、頭金の増額や価格の交渉で、プラスに変えられるかを検討しましょう。
頭金を増やすと手残りはプラスでも回収は長期になる
頭金を1,000万円入れて手残りがプラスになっても、自己資金が大きく増えるため、回収期間は約98年と、極端に長くなります。頭金を入れるほど手残りは増えますが、投資額も増えるため、回収の速さは伸びません。
試算では、頭金1,000万円で約98年、頭金1,500万円で約54年です。利回りの低い物件は、自己資金をかけるほど、回収の年数が長くなります。
回収が極端に長くなる物件は、利回りが低すぎる可能性があります。価格や家賃の条件を見直して、他の物件も比べましょう。
元本返済による資産の増加は回収期間に表れない
ローンの元本を返すと、借入が減って純資産が増えますが、回収期間の計算には表れないため、数字が実態より悪く見えます。試算では、1年目の元本返済が約50万円にのぼります。
ただし、物件価格が下がれば、元本を返しても資産価値は目減りします。回収期間と、売却したときの手取りの見込みを、別々に計算して、あわせて判断しましょう。
元本返済を含めて自己資金の回収を見るなら、年間の手残りに元本返済額を足した数字で割る方法もあり、回収期間は大きく短くなります。ただし、物件価格が下がると、足した分は実質の資産にならない点に注意しましょう。
回収期間の試算B|価格1,000万円・実質利回り5.3%の築古ワンルーム
利回りが高い築古のワンルームでは、回収期間がどう変わるかを見るために、購入価格1,000万円、年間家賃収入78万円、年間経費25万円の物件で、同じように計算します。
表面利回りは7.8%、実質利回りは5.3%で、購入時の諸費用は100万円と仮定し、都心の物件より、短い年数で回収できるかを確かめます。
購入方法ごとの回収期間は、次の表のとおりです。
築古の物件は、利回りが高い一方で、修繕費がかさみやすい特徴があります。
| 購入方法 | 投資額(自己資金) | 年間の手残り | 回収期間 |
|---|---|---|---|
| 現金購入 | 1,100万円 | +53万円 | 約20.8年 |
| 頭金200万円・金利2.5%・30年 | 300万円 | 約+15.1万円 | 約19.9年 |
| 頭金500万円・金利2.5%・30年 | 600万円 | 約+29.3万円 | 約20.5年 |
| 頭金200万円・金利3.0%・25年 | 300万円 | 約+7.5万円 | 約40.1年 |
現金購入なら約21年で回収できる
築古ワンルームは、現金で買った場合の回収期間が約20.8年で、利回りの低い都心の物件より、短い年数で回収できる試算になります。年間の収益が53万円で、総投資額1,100万円を割った結果です。
築年数が進んだ物件は、修繕費の増加や家賃の下落で、収益が将来減る場合があります。約21年の間、同じ収益が続く前提は強いため、収益が下がった場合も、あわせて試算しましょう。
ローンを使っても回収期間はほとんど短くならない
試算では、頭金200万円でローンを使っても、回収期間は約19.9年で、現金購入の約20.8年と、ほとんど変わりません。実質利回りの5.3%と、ローンの年間返済率の約4.7%の差が小さく、借入の効果が薄いためです。
ローンの効果は、実質利回りと返済率の差で決まり、差が小さいと、借りても回収期間は短くなりません。金利が上がると、差はさらに縮み、回収期間は延びていきます。
金利が高く返済期間が短いと回収期間が大きく延びる
金利が3.0%に上がり、返済期間が25年に短くなると、毎年の返済が増えて手残りが減り、回収期間は約40年まで延びます。頭金200万円の同じ条件で、約19.9年から約40.1年へ、倍に延びました。
融資の金利と期間は、金融機関や物件の築年数によって決まり、築古の物件は、返済期間が短く設定される場合があります。購入前に、融資の条件を確認して、回収期間を再計算しましょう。
利回りが高いほど回収期間は短いが経費の見積もりが重要になる
利回りが高い物件ほど回収期間は短くなりますが、築古は経費を少なく見積もりやすいため、修繕費と空室を含めた実質利回りで計算する必要があります。表面利回りだけで比べると、実質の回収期間を過小に評価します。
築古の物件は、設備の交換や大規模修繕の費用が重なる時期があり、単年の収益が大きく減る場合があります。修繕費の見込みを年額に直して、経費に加えましょう。
築古の物件は、修繕積立金や管理費が上がる、設備の交換が重なるなどの理由で、経費が増える傾向があります。購入前の経費の見積もりに、数年分の修繕費の余裕を加えましょう。
不動産投資の回収期間の目安は何年?判断の基準
回収期間に、すべての物件に共通する正解の目安はなく、保有する予定の年数、ローンの返済期間、建物の残りの寿命と比べて、十分に短いかどうかで判断するのが基本です。
回収期間が、建物の耐用年数や融資の期間に近い物件は、途中で修繕や売却の判断が必要になり、計算どおりに回収できない可能性が高くなります。
判断の基準は、次の表のとおりです。
鉄筋コンクリート造の住宅用建物の法定耐用年数は、47年です。
| 比べる対象 | 判断の基準 |
|---|---|
| 保有する予定の年数 | 回収期間が保有年数より短いこと |
| ローンの返済期間 | 返済期間の内に回収できること |
| 建物の残りの耐用年数 | 耐用年数から築年数を引いた年数より短いこと |
| 売却の見込み | 売却益を含めて、全体で回収できること |
保有する予定の年数より短いことが最低条件
回収期間が、自分が保有する予定の年数より長い物件は、保有中に元が取れないため、売却による回収を前提にした投資になります。保有を20年と考えるなら、回収期間が20年を超える物件は、売却で回収する計画が必要です。
売却に頼る場合は、売却価格が下がるリスクを織り込む必要があります。保有年数は、融資の返済期間や、自分の年齢、収入の見通しもあわせて決めましょう。
判断の分岐点:回収期間が、保有予定の年数、返済期間、建物の残りの耐用年数の3つすべてより短いかを確認し、1つでも超えるなら、売却による回収を前提にします。
ローンの返済期間内に回収できるかを見る
ローンを使う場合は、回収期間が返済期間より長いと、返済が終わっても自己資金を回収できていないことになり、資金効率が悪い投資です。返済が終わった後は、返済の負担がなくなるため、手残りが大きく増えます。
35年返済でも、回収が45年かかる物件は、返済が終わってからの収益に頼る計画になります。返済期間内の回収を、1つの基準にして、物件を比べましょう。
返済期間が短いローンを組むと、毎年の返済が増えて手残りが減るため、回収期間が延びる関係もあります。返済期間と回収期間は、セットで試算しましょう。
建物の残りの寿命と築年数を考慮する
建物には寿命があり、法定耐用年数や築年数を考えると、回収期間が建物の残りの寿命に近い物件は、建物の価値がなくなる時期まで回収が続く計画です。鉄筋コンクリート造の住宅用建物の法定耐用年数は47年です。
築30年の物件なら、法定耐用年数までの残りは17年で、金融機関の融資期間も残りの年数に合わせて短くなる場合があります。回収期間が残りの年数を超えるなら、購入は慎重に検討しましょう。
売却による回収を含めて考える
回収期間は、保有中の手残りだけで計算するため、売却して得る現金を含めた、トータルの投資の成果は、別に計算する必要があります。売却価格がローン残高を上回れば、差額が手元に入り、実質の回収が早まります。
売却時には、仲介手数料や抵当権の抹消費用、譲渡所得税がかかる場合があるため、手取りの金額で見込みを立てます。購入時に、数年後の売却価格の見込みも、試算しておきましょう。
不動産投資の回収期間を短縮する方法
回収期間を短くするには、年間の収益を増やすか、投資額を減らすかの2つの方向があり、購入前の価格交渉と、購入後の家賃と経費の見直しが、現実的な手段になります。
試算A(現金購入、約38年)で、改善策ごとの効果を計算すると、空室の短縮が最も大きく、価格の交渉と家賃の見直しが続きます。
改善策ごとの効果は、次の表のとおりです。
空室を年に1か月短くする効果は、家賃9万円の物件で年間約9万円です。
| 改善策 | 年間の収益 | 回収期間(現金購入) |
|---|---|---|
| 改善前 | 約72.4万円 | 約38.0年 |
| 購入価格を100万円下げる | 約72.4万円 | 約36.5年 |
| 家賃を月3,000円上げる | 約76.0万円 | 約36.2年 |
| 賃貸管理手数料を5%から3%へ | 約74.6万円 | 約36.9年 |
| 空室を年に1か月短くする | 約81.4万円 | 約33.8年 |
購入価格を下げて投資額を減らす
購入価格を値引き交渉で下げると、投資額が減って回収期間が短くなり、購入前にできる最も確実な改善策になります。価格を下げると、購入時の諸費用も連動して減るため、投資額の圧縮効果は値引き額より大きくなります。
試算のワンルームで価格を100万円下げると、現金購入の回収期間は、約38.0年から約36.5年へ、約1.5年短くなります。
値引き額が大きいほど効果は大きくなりますが、売主の事情によって、交渉が通るかは異なります。利回りを根拠に、希望の価格を提示しましょう。
家賃の見直しと空室の短縮で収益を増やす
空室の期間を短くするのが、回収期間の短縮に最も効き、家賃9万円の物件で、空室を1か月短くすると、年間の収益が約9万円増えます。家賃を月3,000円上げる効果は、年間3.6万円で、空室の短縮より小さくなります。
家賃を上げすぎると空室が長引き、かえって収益が減ります。周辺の募集賃料と比べ、入居者が決まりやすい水準で、募集家賃を調整しましょう。
空室を減らすには、募集時の家賃設定、写真の質、募集図面の内容が重要で、管理会社の募集力にも差が出ます。空室が長引いたときの対応も、管理会社に確認しておきましょう。
経費を見直して年間の収益を増やす
管理会社の手数料、保険料、入退去の費用といった経費を見直すと、年間の収益が増え、回収期間も少しずつ短くなります。賃貸管理手数料を家賃の5%から3%へ下げると、年間で約2.2万円の収益が増え、回収期間も約1年短くなります。
経費を削りすぎて、必要な修繕を後回しにすると、将来の大きな出費や入居者の退去、空室の長期化を招くため、削る費用と守る費用を分けて、見直しましょう。
経費の中でも、賃貸管理手数料と火災保険料は見直しやすく、管理費や修繕積立金、固定資産税は購入後に変えにくい項目です。購入前の物件選びの段階で、経費の少ない物件を選ぶことが、最も確実な方法です。
融資の条件を見直して返済の負担を軽くする
ローンを使う場合は、金利を下げる借換えや、返済期間の見直しで、毎年の返済額を減らすと、年間の手残りが増えて回収期間が短くなります。金利が1%下がると、年間の返済額は大きく減り、手残りが増えて、数年単位で回収期間が短くなる場合があります。
返済期間を延ばすと、毎年の返済が減って手残りは増えますが、総返済額と完済の年齢も上がるため、回収期間と総返済額のバランスを見て、条件を選びましょう。
借換えには、事務手数料や保証料などの諸費用がかかる場合が多く、金利の差だけでなく、諸費用を何年で回収できるかも計算に入れます。借換えの審査では、物件の築年数や担保評価も確認されます。
不動産投資の回収期間だけで判断してはいけない理由
回収期間は、分かりやすい指標ですが、売却価格、税金、将来の家賃の変動を含まないため、数字が短いからといって、良い投資と決めつけることはできません。
購入の判断では、回収期間に加えて、イールドギャップ、自己資金利回り、返済の余力を示す指標、売却の出口を合わせて、複数の角度から確認する必要があります。
回収期間が見落とす点は、次の表のとおりです。
回収期間は、保有中の手残りだけで計算する指標です。
| 見落とす点 | 影響 |
|---|---|
| 売却価格 | 物件価格が下がれば、元本を返しても資産が減る |
| 税金 | 所得税や住民税で、実際の手残りは減る |
| 家賃の下落と修繕費 | 将来の収益が減り、回収期間が延びる |
| お金の時間的な価値 | 将来の収益は、現在の収益より価値が小さい |
売却価格の下落は回収期間に表れない
回収期間は保有中の手残りだけで計算するため、物件の売却価格が購入時より下がっても、数字には表れず、資産の目減りを見逃します。築年数が進むと、売却価格は下がる傾向があります。
回収期間が短くても、売却価格が大きく下がれば、トータルでは損失が出る場合があります。購入時に、数年後と数十年後の売却価格の見込みも、あわせて試算しましょう。
売却価格の下落は、築年数、周辺の賃貸需要、金利の水準などで変わるため、数字で予測するのは難しい面があります。複数の不動産会社から査定を取り、直近の取引価格を、定期的に確認しましょう。
税金を引いた手残りで計算し直す
回収期間は、税金を引く前の手残りで計算するのが一般的で、所得税や住民税を考えると、実際に手元へ残る金額は、さらに少なくなります。不動産所得には、給与などと合算して所得税と住民税がかかります。
減価償却費や損益通算の効果で、実際の税負担は変わるため、税引後の手残りは、税理士に確認すると正確です。税金を含めた回収期間も、別に試算しましょう。
税引後の手残りは、所得の合計額と税率で人によって異なり、不動産所得が赤字の場合は、損益通算で税金が減る場合もあります。税理士に、自分の条件での試算を依頼しましょう。
家賃の下落と修繕費の増加で回収期間は延びる
築年数が進むと、家賃が下がり、修繕費が増えるため、現在の数字で計算した回収期間は、将来の実態より短く見えます。修繕積立金の値上げも、年間の収益を減らす要因になります。
将来の収益が減る前提で、5年後と10年後の数字を置き、回収期間を計算し直しましょう。悪い条件でも回収できる物件は、長期の保有に耐えやすい物件です。
家賃の下落率は、築年数や周辺の供給で変わるため、過去の家賃の推移を管理会社に確認し、5年ごとに数%下がる前提で試算すると、現実に近い数字になります。修繕費の増加も、年額で加えましょう。
他の指標と組み合わせて判断する
回収期間は、イールドギャップ、自己資金利回り、返済の余力を示すDSCRなど、他の指標と組み合わせて、投資の全体像を判断します。1つの指標だけで判断すると、見落とす点が出ます。
複数の指標がそろって良好な物件は、購入後の安定性が高い傾向があります。購入前に、指標をまとめた表を作り、複数の物件を同じ基準で比べましょう。
指標ごとに見ている範囲が異なり、回収期間は年数、イールドギャップは金利との差、DSCRは返済の余力を示します。一覧表にまとめ、複数の物件を同じ基準で比べましょう。
まとめ|不動産投資の回収期間は条件をそろえて他の指標と併用する
不動産投資の回収期間は、投資額を年間の手残りで割って求め、現金購入は総投資額、ローン利用は自己資金を使い、表面利回りの逆数の概算は、実際より短く出ます。
家賃108万円・価格2,500万円の都心ワンルームは、現金購入でも約38年かかり、頭金が少ないと手残りがマイナスで回収できず、築古の物件は、現金購入で約21年と、短くなります。
目安は、保有する年数、返済期間、建物の残りの寿命と比べて判断し、価格交渉、空室の短縮、経費の見直し、融資条件の見直しで、短縮を図れます。
確認のポイントは、次の3つです。
- 年間の手残りがプラスかを確認し、経費と諸費用を含めて回収期間を計算する
- 保有年数、返済期間、建物の残りの寿命より短いかを比べる
- 売却価格、税金、家賃の下落を含め、他の指標とあわせて判断する
回収期間は、数字が短いだけで判断せず、前提をそろえた試算で比べましょう。








