一般的に、中古マンションは利回りが高いといわれています。しかし、実際の利回りはどの程度なのでしょうか。この記事では、中古マンションの利回りの相場について解説します。中古マンション投資のメリット・デメリットとともに成功のためのポイントにも触れるので、中古マンション投資を始める際の参考としてください。
新築マンションと中古マンションの利回りの比較
新築マンションと中古マンションの利回りを比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの利回りについて解説します。
新築マンションの利回り
新築マンションの利回りの相場は、2~5%程度といわれています。中古マンションに比べて新築マンションは購入価格が高いケースが多く、利回りとして現れる数字は低くなりがちです。ただし、初期投資として高額な資金を投じる分、後から回収できる金額も高くなる可能性があります。
中古マンションの利回り
中古マンションの利回りの相場は、3~7%程度といわれています。それぞれの物件によって利回りは異なるためあくまで目安ですが、基本的に中古マンションは新築マンションに比べて利回りは高めです。さまざまな物件を探していくと、ときには利回りが10%近くある物件が見つかる場合もあります。利回りの高さを重視するなら、中古マンションのほうがおすすめです。
マンションの利回りは複数の算出法があり、実質利回りが大切であるといわれています。利回りについての詳細は、下記の記事もご覧ください
中古マンションに投資するメリット
中古マンションへの投資にはさまざまなメリットがあります。ここでは、中古マンションに投資するメリットについて解説します。
メリット①:価格が安くて購入しやすい
新築マンションに比べて中古マンションは購入価格が安いため、手元の資金が少なくても投資可能です。そのため、中古マンションへの投資は初心者でも挑戦しやすいといえます。また、新築マンションを購入できるほどの資金がある場合でも、あえて中古マンションを選んで複数の物件を一度に運用する方法もあります。
メリット②:高い利回りで運用できる
すでに触れたとおり、中古マンションは新築マンションよりも利回りが高い傾向があります。投資した金額に対するリターンの割合が大きいため、安定的な投資を実現できます。堅実な投資を行いたいと考えているなら、中古マンションを選んだほうが安心です。
メリット③:節税に役立つ
中古マンションを購入した場合、購入費用、物件の運営にかかる諸経費、減価償却費などを経費として計上できます。経費をしっかり計上しておけば、所得税や住民税として請求される金額を抑えられます。また、資産の保有方法として現金とマンションを比べると、マンションのほうが相続税においても有利になるケースが多いです。
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中古マンションに投資するデメリット
中古マンションへの投資にはデメリットも存在します。ここでは、中古マンションに投資するデメリットについて解説します。
デメリット①:修繕コストが発生する可能性がある
中古マンションでは、修繕費が多額となる傾向があります。
室内のキッチン、ユニットバスなどの設備の耐用年数は、建物よりも一般的に短いです。これらの設備の他、共用部についても修繕が必要となった場合、賃貸物件のオーナーに修繕義務があります。
中古マンションは購入価格は安くても、買った瞬間からすぐにメンテナンスの費用がかかる場合もあるため事前の調査やリスクへの備えは、新築マンションに比べるとより一層大切です。
中古マンションの耐用年数については、下記の記事もご覧ください
デメリット②:災害による被害を受ける可能性がある
古い建物は経年劣化によりもろくなっている場合があります。普段の生活に支障がないとしても、災害発生時に被害を受けやすい傾向があります。リスクを避けるためには、物件を選ぶ際に管理状況や耐震基準を確認することが大切です。
特に、1981年よりも前に建てられ、新耐震基準を満たしていない物件はリスクが高いため注意しましょう。
デメリット③:思ったような収益が出ないケースもある
利回りが高いとされる物件でも、空室リスク、家賃の下落リスク、不動産価値の下落リスクなどは少なからずあります。特に中古マンションは建物や設備が古いので、さまざまなリスクが生じる可能性があります。もちろん、これらのリスクは中古マンションに限ったことではありません。中古と新築のどちらであっても、購入する際はしっかり見極める必要があります。
中古マンション投資で意識したい5つのポイント
中古マンション投資を成功させるために意識したいことがいくつかあります。ここでは、中古マンション投資を行う上で意識したいポイントについて解説します。
ポイント①:「利回り」の意味を理解する
利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあります。表面利回りとは、まったくコストがかからないと仮定したうえで、収益を最大化した場合の利回りです。計算式は「年間収入÷物件価格×100」となります。
一方、実質利回りとは、収入から経費を差し引いたうえで計算した実際の利回りです。計算式は「(年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100」です。
一般的に、広告には表面利回りが記載されています。広告の表示をそのまま鵜呑みにするのではなく、実質利回りについても考慮したうえで購入を検討しましょう。
ポイント②:利回りが高すぎる物件は避ける
利回りが高すぎる物件は、不動産投資に伴うリスクも高い傾向があります。目安として、利回りが10%を超える中古マンションは、利回りが中古マンションとしては高いため、リスクも高いと判断して良いでしょう。
高利回りの中古マンションには、具体的にどのようなリスクがあるのか以下で説明します。
立地が不便である地方の物件や駅から遠い物件、周囲にスーパーや日用品店の少ない物件は、物件価格が低くなるため、表面利回りは高い傾向となります。現地に下見に行き、その立地の物件にどのような年齢層がターゲットとなりうるのか、事前に検討する必要があります。
空き室リスクが高い物件情報に記載されている利回りは、空き室がない場合を想定した利回りであるため、空き室が発生している物件であれば、実質利回りは低くなります。
利回りが10%と高い場合は、高利回りの理由について考え、想定される収益をシミュレーションしてみることが大切です。
ポイント③:条件を定めて物件を選定する
マンションへ投資する際は、建物の需要だけでなく、その地域の需要まで考慮すする必要があります。周辺環境をチェックすれば、入居者が集まりやすい人気の物件を見つけやすくなります。たとえば、近くに大学がある地域ならば、一人暮らし向けの物件を選ぶと入居者が集まりやすいでしょう。
ただし、人気の物件は売りに出されてもすぐになくなってしまいます。いい物件を手に入れるにはネットで探すだけでなく、不動産会社にも直接相談しておき、継続的に情報を得られる関係を構築しておくことが大切です。
ポイント④:管理状況をしっかり把握する
不動産投資は、物件を購入するだけで完了するわけではありません。しっかりと利益を得るためには物件を自ら管理し、状況を常に把握する必要があります。管理を外部に委託してもかまいませんが、できるだけ状況を共有してもらい、細かいところまでチェックしてください。
また、何か問題が生じた場合は、すぐ対策を取ることが大切です。物件の住環境管理については積極的に行動しながら、入居者が住み続けたくなるような環境を提供しましょう。
ポイント⑤:中古マンション投資で失敗しないための注意点
中古マンションのなかには、実際に得られる家賃収入に比べて安く売られている物件も存在します。狙い目に見えますが、購入するかどうかは慎重に判断しなければなりません。なぜなら、入居者がなかなか集まらないため、処分する目的で売りに出されている可能性があるからです。そのような物件を購入しても、思ったような利益は出せないでしょう。
ただし、なかには、所有者が売却を急いでいるために、相場より安くなっているケースもあります。このような物件を運用すれば利益を出しやすいので、しっかり見極めながら購入を判断してください。
まとめ:中古マンション特有のリスクを確認して投資判断しよう
中古マンションへの投資は利回りが高いといわれています。実際、新築マンションに比べて中古マンションの利回りは高い傾向があります。一方で、中古マンション特有のリスクがあるため、投資を考える際は、中古マンション特有のリスクと実質利回りに注意しつつ、慎重に判断することが大切です。
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