不動産投資を始める際に、ローンの条件について気になる人は多いでしょう。「利率はどの程度なのか、そもそも自分が組めるのか」など、不動産投資ローンの実態を知らないままでは、なかなか投資に踏み込めません。
そこで、本記事では金融機関の種類別に不動産投資ローン金利を紹介します。具体的数値がわかるため、ローン申し込みの検討に役立ちます。また、不動産投資ローンのメリット・デメリットと、審査基準も解説しているため、申し込み前にぜひお読みください。
どの金融機関で不動産投資ローンを申し込むべきかがわかり、自分が審査に通るのかどうかもある程度推定できます。ぴったりの不動産投資ローンに申し込んで、不動産投資を始めてください。
不動産投資ローンってそもそも何?不動産投資するなら絶対に知るべき!
不動産投資ローンとは、家賃収入など収益を目的とした不動産を購入する際に組むローンです。一般の住宅ローンが自ら居住するための物件購入に充てるのに対し、不動産投資ローンは他者に貸すための物件購入のためのローンです。
そのため、不動産投資ローンと住宅ローンでは、利率や審査基準がまったく異なると認識しておきましょう。なお、住宅ローンで収益用不動産を購入することは、重大な契約違反に該当します。不動産投資をする場合は、不動産投資ローンを組むことを検討しましょう。
不動産投資ローンの利率とは?金融機関の金利を紹介
「実際の不動産投資ローンの金利はどの程度なのか」と気になる人もいるでしょう。不動産投資ローンの金利は金融機関の種類によって異なります。不動産投資ローンを扱っている金融機関は、次の5種類です。
- 日本政策金融公庫
- ノンバンク
- 信用金庫・信用組合
- 地方銀行
- メガバンク(都市銀行)
この5種類の金融機関ごとに、以下で利率を具体的に紹介します。
日本政策金融公庫|固定金利で融資可能
日本政策金融公庫は、一般金融機関の補完という役割の金融機関であり、小口の事業資金融資などを行っています。公益性が高く、一般金融機関では融資を受けづらい人も、事業性が評価されると融資を受けられる可能性があります。
金利は1%~2%台で、固定金利で融資可能な点が特徴です。ただし、日本政策金融公庫で融資を受けるためには、不動産事業として取り組む必要があることにご注意ください。
ノンバンク|審査が柔軟
ノンバンクとは、銀行以外の金融機関であり、預金業務を行わない貸付専門の金融機関です。消費者金融や信販会社などが代表例です。審査が柔軟であり、他の金融機関の審査に通らない人もクリアできる可能性があります。
ただし、金利は3.5%~7%台と他の金融機関に比べて高めです。返済可能かどうか、事前に慎重に判断する必要があります。
信用金庫・信用組合|地域に密着した対応
信用金庫・信用組合は、それぞれ地域の住民・組合員の経済的な向上を目的とした金融機関です。そのため、地域に密着した柔軟な融資が可能です。融資可能な地域が限定されている点に、ご注意ください。信用金庫・信用組合の金利は2%~3%台です。
地方銀行|銀行ごとに個性がある
地方銀行は、それぞれ一定の地方圏内にある企業や個人を主な対象として銀行業務を行っています。横浜銀行や静岡銀行など地名が入った銀行と、きらぼし銀行やみなと銀行など独自性のある名前の銀行があります。不動産投資に対しても銀行ごとに個性があり、積極的に融資する銀行から、あまり扱っていない銀行までさまざまです。
金利も銀行によって異なっており、1.5%~4.5%程度です。
メガバンク(都市銀行)|金利が低い傾向がある
メガバンク(都市銀行)は、三菱UFJ銀行と、三行井住友銀行、みずほ銀行の3行です。りそな銀行を加える場合もあります。メガバンクの金利は、いずれの銀行でも1%前後と低い傾向です。
また、メガバンクは全国に支店があるため、自分の住まいから遠い物件への融資を受けることも可能です。しかし、金利が低い分、審査が厳しい傾向があります。
不動産投資ローンのメリットとは?
「不動産投資をするなら、ローンを組まずに自己資金だけで始める方が安心」と思うかもしれません。しかし、不動産投資ローンを利用すると、大きな2つのメリットを享受できます。
- 少ない自己資金で大きな物件を購入できる
- ローンを組むことで手持ちの資金を残すことができる
これら2つのメリットを活用すると、不動産投資でより大きな収益を上げられる可能性があります。各メリットについて以下で解説します。
少ない自己資金で大きな物件を購入できる
不動産投資ローンを利用すると、自己資金が少ない場合でも、収益性の高い大きな物件を購入できます。自己資金の範囲内では、小さな物件しか買えないという人が多いでしょう。しかし、不動産投資ローンを組むと自己資金を超えた物件を購入できます。
大きな物件・高額な物件はより利益を生むことが多いです。そのため、不動産投資ローンを使って少ない資金で大きな利益をねらう、いわゆる「レバレッジ」をかけましょう。良い物件があるのに自己資金のみにこだわって、投資のチャンスを逃すのは惜しいです。
ローンを組むことで手持ちの資金を残すことができる
不動産投資ローンを組むと、手持ち資金を残すことが可能です。自己資金のみで物件を購入する場合、手元に資金が残らないおそれがあります。不動産投資には、修繕費など突発的な出費がつきものであるため、手元に資金がない状態は避けなければなりません。
不動産投資ローンで購入すると、自己資金のみと比較して手持ち資金を残しやすいため、突然の出費にも焦らずに済みます。また、手持ち資金があることで精神的にゆとりを保てます。
「自分にとって効率のいい投資って何かな?」とお悩みの方は、投資を始める上で重要なポイントを、まずは押さえておくことが大切です。それは、自分がどのような「投資タイプ」なのかを事前に把握しておくことです。 MIRAPの投資診断ではLINEでカンタンに「投資タイプ」を知ることができます。あなたは一体 なにタイプでしょう?
不動産投資ローンのデメリットとは?
「不動産投資ローンにはメリットがあるから、積極的に使おう」と思うかもしれませんが、焦りは禁物です。不動産投資ローンにはデメリットもあります。以下の4点です。
- 住宅ローンに比べると金利が高い傾向にある
- ローンを支払うことができなくなる可能性もある
- 金融機関からの信用を失う可能性がある
- 個人でやると審査を通すのに時間と労力がかかる
メリットだけではなくデメリットも知っておくことで、不動産投資ローンを有効に活用できます。各デメリットについて、以下で解説します。
住宅ローンの計算方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
住宅ローンに比べると金利が高い傾向にある
不動産投資ローンは住宅ローンと比べて、金利が高い傾向にあります。金利が高いと、毎月の返済額も高くなります。また、不動産投資ローンには固定金利と変動金利の2種類がありますが、それぞれについて注意が必要です。
固定金利は、契約期間内の金利が一定なので総返済額が変わる恐れはありません。しかし、変動金利よりも高い利率で設定されている場合が一般的です。一方、変動金利は金利が上昇する可能性があるため、総返済額が増加することもあります。
ローンを支払うことができなくなる可能性もある
不動産投資を実際に始めた時に、事前計画どおりに進まず収入が滞り、ローンを支払えなくなる可能性もあります。ローン支払いの遅延に陥る原因として、次の3点が挙げられます。
- 家賃の滞納
- 空室の多さ
- 修繕費の発生
家賃の滞納や空室を避けるためには、家賃回収や入居付けができる管理会社に依頼するなど、対策が必要です。また、建物修繕など不測の事態に備えて、日常的に資金を積み立てておきましょう。
金融機関からの信用を失う可能性がある
不動産投資ローンを借り換えることで、ローン金利の低減や契約条件の改善が見込めます。しかし、借り換えを繰り返すと金融機関からの信用を失うおそれがあります。不動産投資は長期にわたる資産運用であり、融資する金融機関はある種のパートナーです。
目先の金利や契約条件にひかれて借り換えをすると、元の金融機関とは従来のような関係性を築けなくなる可能性があります。たとえローン返済が苦しい場合でも、借り換えは長期的な視点で考慮・判断してください。
個人でやると審査を通すのに時間と労力がかかる
不動産投資ローンを個人で申し込むと、審査を通すのに時間と労力がかかります。一般の住宅ローンと異なり、不動産投資ローンは個人の属性に加えて不動産の収益性もチェックされます。そのため、審査に時間が必要です。
メガバンクでは仮審査だけで1カ月以上かかる可能性があります。また、審査に必要な書類の数・種類が多く、準備が大変です。書類に不備や漏れがあると審査を受けられません。しかし、個人ではなかなかチェックしづらく、準備に時間と労力を割く必要があります。
不動産投資の実際の失敗談について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
不動産投資ローンの審査基準とは?おさえておきたい4つのポイント
不動産投資ローンにはメリットとデメリットがあり、個人で審査を通すのはかなり大変であると解説しました。不動産投資ローンの審査は住宅ローン審査よりも厳しく、個人と不動産の両面をチェックされます。審査のポイントは次の4点です。
- 申込者の融資に関する信用性
- 不動産会社に相談して、融資を受けやすくする
- 不動産の資産価値
- 不動産の収益性
各ポイントについて、以下で詳しく説明します。
申込者の融資に関する信用性
まず、不動産投資ローン申込者の融資に関する信用性を判断するために、信用情報が確認されます。信用情報は、クレジットカードや各種ローンの申し込み時にも確認される情報です。主な基準は次のとおりです。
- 職業や雇用形態:正社員や公務員なら信用性が高い
- 年収:融資金額を決定する基準となる
- 勤務先:大企業や官公庁なら信用性が高い
- 年齢:長期にわたるため若い方が有利
- 他の借入件数:少ない方が有利
- 信用情報機関への個人情報照会:滞納や返済遅延がないかどうか
不動産会社に相談して、融資を受けやすくする
不動産投資ローンをどうしても受けたいという方は、不動産会社に相談することをおすすめします。なぜなら、不動産会社の中にはローンの提携先となっているところがあるからです。
融資が受けやすくなるだけでなく、今後のアドバイスを受けられることもあります。迷ったら一度、不動作会社に相談して、融資を受けやすくしてみてはいかがでしょうか。
不動産の資産価値
不動産の資産価値が高いと、万一ローン返済が不可能となった場合でも、金融機関は不動産を回収して損失補てんできます。そのため、不動産の資産価値は重要です。次の4点が、資産価値の高い不動産の条件です。
- 交通の便が良い
- 生活の利便性が高い
- 建物の質が良い(築年数が新しい・耐震基準を満たしているなど)
- 災害リスクが低い
不動産の収益性
投資用不動産である以上、その不動産にどの程度の収益を見込めるのか、不動産の収益性が投資判断での重要な検討ポイントとなります。次の4点をもとに、収益性が測られます。
- 路線価や公示地価、固定資産税評価額などの不動産の算定価額
- 中古物件か新築物件か
- 耐用年数または残存耐用年数が長いほど、不動産価額が高い
- 不動産の実質利回り
まとめ:自分に合った不動産投資ローンを選ぼう
不動産投資ローンについて、金融機関別の金利や、ローンのメリット・デメリット、審査通過のポイントを解説しました。不動産投資ローンは長期にわたって多額のお金が融資されるため、金融機関側の審査が厳しくなります。そのため、個人では審査通過が難しい側面があります。
個人では難しいなら、金融機関とつながりのある不動産業者の力を借りましょう。不動産業者は専門家なので、個人では対応できないこともしっかりカバーしてもらえます。不動産投資ローンを通すために、金融機関と提携している不動産業者を選ぶことをおすすめします。
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